DX3rd 大N市・第三地区サイドシナリオ『無限輪転のセレナーデ』(GM:クオンタム)
メインログ | 雑談ログ
キャラシート
PC1 《セレナーデ》芹那花音
(キャラシート)(PL:めかぶ)
PC2 《ピリオド》詩雲 終
(キャラシート)(PL:馴染)
PC3 《沈黙の白》士騎朝輝
(キャラシート)(PL:白金)
目次
プリプレイ
GM:セッション!
GM:じゃあ連休二日セッションをはじめていきましょうか。自己紹介から順番にやっていきます。
芹那花音:セッション!
GM:PC1の芹那花音ちゃん。キャラシを張って自己紹介をお願いします。
PC1 《セレナーデ》芹那花音
(キャラシート)(PL:めかぶ)
芹那花音:はい!
芹那花音:芹那花音(せりな・かのん)、15歳です。
芹那花音:オーヴァードの両親に育てられていたのですが、ある時FHに拉致され、実験体としてひどい目に遭っていました。
芹那花音:当時のことは、トラウマ等から、あまり覚えていません。実験施設にいたんだなあ、ということくらいだけボンヤリ分かってるくらいです。
芹那花音:それで、そんな境遇だったところをPC2の詩雲終さんに助けられ、それ以降は彼を主人のように慕って行動を共にしています。
芹那花音:終さんとは、周囲に怪しまれないように、普段は兄妹のふりをしています。
GM:主人!?
GM:主人……
芹那花音:主人です 命の恩人ですもん
芹那花音:尽くさなければ……
GM:なるほどね もう花音ちゃん的には旦那様~くらいの感覚なんですね
芹那花音:そうですね。でも、一応、周囲の目もあるので、普段は「兄さん」って呼んでます。
芹那花音:ちなみに、実験施設に入れられたのは、実は両親がFHで身売りされたから…という経緯があるのですが、やっぱり本人は分かってません。
GM:15歳が……19歳に……
芹那花音:いろいろ可哀そうな境遇なんですが、あんまり自覚してなくて、ニコニコしてる感じの女の子です。
芹那花音:いつか両親に再会して、兄さんを紹介できたらいいな~
芹那花音:能力はノイマンハヌマーン支援型。
芹那花音:ダイスを増やして侵蝕率を下げ、みんなにダイスをたくさん回してほしいな~っていう設計です。
GM:献身的!
芹那花音:ミドルは行動値通りでしか動けないのですが、クライマックスでは先手を打って支援しつつ、《援護の風》を2回バラまけます。
芹那花音:みんなにガッツリ尽くしていくぞ!以上です。
芹那花音:よろしくお願いします!
GM:援護の風を2回ばらまけるのは三人セッションでストレートに便利ですね。えらい!
GM:よろしくおねがします!
GM:じゃあ、そんな花音ちゃんのハンドアウトはこちら。
■PC1ハンドアウト
・シナリオロイス:《マスターレイ》 推奨感情:P興味/N憤懣
君はかつてFHに拉致され、実験体としての扱いを受けていたオーヴァードだ。
その頃の記憶はところどころ欠落しているが、研究者たちが繰り返し口にしていた名前だけは覚えている。
《マスターレイ》。FHのマスターエージェント。君に施された実験はすべて、その《マスターレイ》のためにあったようだ。
幸いにしてFHから脱走することができた君は、追手に悩まされながらも愛する義兄と過ごすことができている。
N市の暮らしにも慣れてきたある日。ひとりの老エージェントが君たちの前に現れ、君たちに攻撃をしかけてくる。
「探したぞ《マスターレイ》」「さあ、本来の居場所に戻れ──FHに」
その名前にどこか懐かしさを覚えながらも、君は否応無しに戦闘に巻き込まれるのだった。
GM:このあとの詩雲くんのハンドアウトを見るとわかりますが、とにかく詩雲くんをFHに連れて帰りたいので
GM:力づくで連れ帰るぜー、なんならそこの女(君のこと)も始末するぜー、という感じです。
GM:旦那様が行っちゃわないよう、君はがんばって抵抗してね。
芹那花音:何ー!
芹那花音:ちなみに、セッション開始時は
芹那花音:マスターレイが誰なのかもよく分かってない(OPでええー?ってなる)って認識で、合ってますか?
GM:そうですね。とにかく名前しか覚えていないぞーって感じです。
芹那花音:ほうほう
芹那花音:了解です! きちんと分かってないけど、とにかく兄さんに変なことするなー!ってします。
GM:そんな感じで!
GM:じゃあ次行きましょうか。PC2の……キャラシを絶賛修正中の詩雲終くん
GM:キャラシを張って自己紹介をお願いします。
PC2 《ピリオド》詩雲 終
(キャラシート)(PL:馴染)
詩雲終:はい! キャラシを絶賛修正中の詩雲終です!
GM:まだ修正終わってなかったんだな……w
詩雲終:元"セクソル"セル戦闘要員。
詩雲終:割と昔にオーヴァードに覚醒して、以来レネゲイドについての研究をしてきましたが、その研究の実証のためには自ら前線に身を投じた方が早いという経緯で戦闘要員になったという経緯があります。
GM:設定によると、その頃は無感情クールマンだったんですよね
GM:Ice man
詩雲終:その通りです。自分の研究が第一。まあ、研究員ではありますがそこまで研究員研究員したタイプではなく、その方が効率が良いと断ずれば自分からとっとと行動するタイプではあったので
詩雲終:逆説的に言うと、あまり他人の能力は信頼しないタチだったかもですね。俺の研究を理解して進められるのは俺だけだ……
詩雲終:とはいえ長く付き合いもしていれば愛着も湧く訳で、"マスターレイ"の後継者争いに巻き込まれてセルは壊滅した時に、何か心に穴が空いてしまったような感覚を覚えたりした感じです。
GM:そうですね。そこらへんをロールしてほしかったので、詩雲くんのOPは二部編成にします。
詩雲終:なるほどね
詩雲終:んで、"マスターレイ"の後継者争いを勝ち抜きはしましたが、当然そんなものを後継する気分にもなれず、
詩雲終:元々愛用していた武器が壊れたのもあり、迷惑料代わりに槍だけパクっておさらばした訳です。
GM:殺し合いさせられたもんなあ
GM:ちなみにこれ、何年くらい前なんでしょう? GM的にはそんな4年も5年もあいてないだろうと思うので
GM:1年経ってるかどうか、くらいかなーと思ってるんですが、なんか想定ありますか?
詩雲終:いえ、その通りですね。割と最近のイメージです。
GM:花音ちゃんとどれくらい逃避行してるか、って言い換えてもいいですね。
GM:OKです。じゃあきりがいいので1年にしましょうか。君らが18歳と14歳のときに出会った。
詩雲終:そう。花音は逃走過程に撹乱目的で敵の研究施設を襲ったらなんかいて、殺す理由がなかったので、助けました。
GM:>なんかいて<
詩雲終:以来二人で逃亡して、N市に流れ着いた訳です。
GM:はい。詩雲くんにはさっき言った通り、セルの仲間と楽しく語り合ったあと殺し合いをしてもらうOPと
GM:花音ちゃんを助けた時を少しだけ回想しつつ、現代でFHに襲われるOPの二つをやってもらいます。よろしくね。
GM:……性能聞いてない!性能紹介もどうぞ。
詩雲終:はーい。あ、性能的には《プレディクション》《バリアクラッカー》で絶対避けれないし防げない攻撃をミリオンベインで撃つ! 以上! って感じです。
詩雲終:《神機妙算》もあるのでかろうじて範囲攻撃もできる。趣味ではないが、集団の追っ手をシッシッするために体得しました。
詩雲終:80%制限エフェクトなのであまり頼られてもこまるが……
GM:あっそうか。さっきコンバットシステム抜いてましたけど
GM:プレディクションがあるんでしたね。ダイスの数とかあんま重要じゃないんだ。
詩雲終:《コントロールソート》とエンチャントで最低限は確保できるしね……!
詩雲終:あとはそこの花音がなんとかします。
GM:おっけー!妻を存分にあごで使ってやってね。
GM:じゃあこれくらいかな。詩雲くんのハンドアウトはこちら。
■PC2ハンドアウト
・シナリオロイス:《トワイサー》 P懐旧/N隔意
君はかつてFHの《セクソル》セルに所属し、《マスターレイ》の後継者争いに勝利したFHチルドレンだった。
紆余曲折あって《マスターレイ》の名を継がずにFHを抜けた君は、FHからの追手を退けながら芹那花音と共に行動している。
N市に腰を落ち着けてしばらく経った頃、君の前に《トワイサー》を名乗る老エージェントが現れる。
忘れもしない。君は彼の本当の名前を知っている。
彼はかつての君の師であり、《セクソル》セルのリーダーであり、そして大槍『ソルモルス』の本来の持ち主。
先代の《マスターレイ》、夕鶴安治。
彼は君を《マスターレイ》と呼んでFHへ連れ戻そうとするばかりか、芹那花音にまで危害を加えようとする。
放っておける事態ではない。君のためにも、愛する義妹のためにも、君はその場で《トワイサー》を始末することを決める。
詩雲終:べ、別に愛してなどいないが……
GM:嘘おっしゃい!
GM:あと、詩雲くんのキャラシには『死亡した"マスターレイ"の後継者候補として』とあるんですけど
詩雲終:ともあれぶちのめします。死人が土の下から起き上がって来やがってよ……
GM:これ最初からこうでしたっけ? それとも初期のハンドアウトに、マスターレイを殺したはず~って書いてあったのに合わせてくれただけ?
GM:しんでる!
GM:最初からこうだったっぽいですね。
詩雲終:ん、どうだったっけ……覚えてないので、多分最初からそうだったはず。
GM:じゃあ、『マスターレイがなんか死んだらしい→遺言なので殺し合って後継者決めてね』というのが過去の流れで
GM:現代では「なんで死人が蘇ってんだよ殺すぞ」って感じでお願いしましょうか。存分にぶちのめしてください。
詩雲終:はーい。ぶちのめします
GM:じゃあ最後! PC3の士騎くん、キャラシートを張って自己紹介をお願いします。
GM:GMがコーヒーをいれてくるので2分ほど反応不可能になるので、ゆっくりやってね!
PC3 《沈黙の白》士騎朝輝
(キャラシート)(PL:白金)
士騎朝輝:はい。元通りすがりのオーヴァード 士騎朝輝です。
士騎朝輝:住所不定無職の完全無欠の自由人であり、何処とも何の因縁もない流離いの旅人だったのは、ちょっと前までの話。
士騎朝輝:今は紆余曲折あってUGNイリーガルやってます。『誰かが夢見た姿のように/モノクロームの物語』って超面白セッションにそこら辺の詳細載ってるよ。
GM:油断なきマーケティングだ
GM:※ログではセッションタイトルにリンクが貼られます
士騎朝輝:第三支部の藤原支部長の手伝いしたり、適当に市内を放浪して事件に首突っ込んだり 内訳としては実はそんなに変わってないですが、本人的には劇的な変化だととらえております。
GM:根無し草が定住を決めたわけですから、大きな変化ですよねえ
士騎朝輝:多分、仮初の住まい アパートも借りたでしょう。
士騎朝輝:性能は暴走型の単体アタッカー。加速装置を使うとリミットのヴァジュラを使用でき、攻撃力上昇して暴走。暴走すると紅蓮の憎悪が起動、攻撃力が上がります。
士騎朝輝:更に制限エフェクトのクレイジードライブは暴走中のみ使用可能の高倍率エフェクト。そこそこ速く、そこそこ軽く、そこそこ強いです。
士騎朝輝:相棒は唯一無二性能、どんな経験点をつぎ込んでも効果再現が出来ない 遺産 鬼切の古太刀 村雨丸。
GM:これ、GMやってるとほんと~~~に嫌らしい遺産ですからね!
GM:シナリオギミック破壊武器!
士騎朝輝:これをギミックにしてくださればいいのよ~。1点でもダメージを与えたらなんらかのEロイスを解除する効果を持ちます。今回もバシっと決めたいですね。
GM:ちゃんとギミックを用意してあるので、頑張ってEロイス持ちのジャーム野郎を斬ってやってください。
士騎朝輝:演出としては冷気と氷使いの奇剣士ですね。そして定住により経験点、数点程度ですがリビルドしまして
士騎朝輝:最強技能 知識 藤原奈央を取得しました。取扱説明書持ってるぜw 後、《快適室温》を取れるまでに能力制御が出来るようになりました。定住による心境変化。
GM:知識:藤原奈央、先に言っておくと
GM:今回のセッションにおいて、これで判定できる場面はエンディングくらいしかないと思いますからねw
士騎朝輝:これを判定するような状況は想定してないので大丈夫ですw
GM:よし。じゃあそんな士騎くんのハンドアウトはこちら。
士騎朝輝:それと、こいつ調達6もあって結構な金持ち。貯金がすごいぞ。ハイ!
■PC3ハンドアウト
・シナリオロイス:《マスターレイ》 P任意/N脅威
今から数えること一年ほど前。君はとある組織を通して、《ピリオド》というFHエージェントから依頼を受けたことがあった。
『FHから逃亡するため、研究所を襲撃して撹乱したい。一人では限界があるため、防衛部隊の排除を頼みたい』──その依頼自体は些細な、どこにでもあるものだった。
《ピリオド》は《マスターレイ》の称号を継ぐために動いていたはずだが、なぜかマスターエージェントの称号は継がず、依頼通りにFHから逃亡した。君が知っているのはそこまでだ。
そして今。UGNイリーガルとなった君の元に、とあるマスターエージェントがN市に潜んでいるという情報が入る。
機械槍ソルモルスを使う強大なオーヴァード、《マスターレイ》。多くの情報が錯綜しており、身元も目的も不明な点が多い。
もし悪意を持った敵であれば、探し出して先手を打ち、倒してしまうべきだろう。
支部長の藤原奈央と調査にあたる君だったが、突然の《ワーディング》によって調査は中断される。
ショッピングモール内での白昼戦闘。UGNとして、まずはこの騒動に対処しなくては。
GM:士騎君視点だと、「ピリオド君は抜けたはずだけどなー? 別のやつが継承したのかな?」という感じですね。
GM:あと、士騎くんの過去は未だもって謎に包まれているので
GM:一年前の士騎くんの描写は白金さんの裁量に任せ、好きにやってくれて構いません。
士騎朝輝:了解でーす。
GM:よし!
GM:よし。では秘話でコソコソも終わったので
GM:最後にトレーラーを流してOPに入っていきましょう。
■トレーラー
人生は新雪の上を歩くのに似る。
どこに踏み出しても足跡が残り、しばらくの間消える事はない。
過去をなかった事にはできず、名声と罪過どちらもが鎖となって絡みつく。
偉大なる称号と力を継ぐ者。《マスターレイ》。
真のマスターレイ復活のため、FHの魔の手が偽りの兄妹に迫る。
彼ら二人が平穏な日常に戻れるのかどうか──それはまだ、誰にもわからない。
ダブルクロス The 3rd Edition『無限輪転のセレナーデ』
ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。
■オープニング00-A
GM:OPは時系列順にやっていきます。まずはFH時代の詩雲の回想シーンから。
GM:登場ダイスは……どうしようかな。こういう過去回想って登場ダイスは本来振らないんですけど
GM:普通のOPくらいロールしてもらうので、 1d3+3 を振って登場してください。
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:32->38)
GM:※本セッションではあまりに1d10が偏りすぎて腹が立つため、試験的にすきゃっとさん考案の1d3+3システムを採用します
詩雲終:アライグマタスカル
GM:二年前。詩雲終がFHから逃亡することを決める戦いから、ちょうど一年ほど前のこと。
GM:当時の君は《マスターレイ》をリーダーとする、FH《セクソル》セルに所属していた。
GM:セルの主な活動は将来有望なチルドレンの強化。仲間同士での演習をはじめ、様々な任務で彼らは鍛え上げられる。
GM:今、地下の模擬戦フィールドから出てきた十人ほどの少年少女は、まさにその演習帰りだった……。というところで
GM:まず演習結果を決めます。詩雲君は肉体・感覚・精神・社会の好きな能力値で判定して、GMの出目と対決。勝利すれば順位は一位にしましょう。
GM:負けた場合は2位かな。
詩雲終:よいでしょう。【精神】で勝負をします
詩雲終:6dx
DoubleCross : (6R10[10]) → 9[3,4,5,5,8,9] → 9
詩雲終:いつも通りだな
GM:あっ、チャットパレット用意してない。とりあえず判定だけしましょう。
GM:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 10[1,5,7,10]+8[8] → 18
詩雲終:こっこいつ
GM:勝ってる! じゃあ、詩雲くんは二位だ。
GM:詩雲終は優秀な頭脳を持つオーヴァードだ。戦況が長引けば長引くほど、混乱を味方につけて勝利する。
GM:それゆえに模擬戦が始まると、複数から同時に標的にされることがしばしばあった。その状況下でも二位を取っているあたりが彼の実力というものだろう。
《タルデュス》:「よっ、シュウ! 今回は俺の勝ちだったな!」 同い年くらいの少年が、詩雲の肩をぽんと叩く。
詩雲終:「そうだな」 戦闘記録をタブレットで確かめながら、ぶっきらぼうに応える
GM:《タルデュス》霧馬真人。君に比肩する実力を持つ、セクソルセルのFHチルドレン。
詩雲終:負けたから、ではない。いつもこの調子だ
《タルデュス》:「相変わらず人生面白くなさそうな顔だな」
《タルデュス》:「お前、自分で望んで戦闘員になったんだろ? もうちょっとこう……なんか……ないわけ?」
《タルデュス》:「負けて悔しいとか……俺がムカつくとか」
詩雲終:「敗北も勝利も、ただの結果だ。それに対する所感はあるが」
詩雲終:「少なくともその手のものは、ないな」 ちらりと《タルデュス》を見る
詩雲終:「ただ俺の武器が未完成なだけ。これが完全になれば」
詩雲終:「『勝負』なんてなくなる。……負けることはなくなるからな」
《タルデュス》:「いやー、どうかな。その頃には俺だって完全になってるぜ」
《タルデュス》:「勝利の女神の……美沙のハートを掴んでみせる。俺と美沙の二人がかりじゃ、お前だって勝てないだろ!」
《ワニオン》刈谷美沙:「なんですかそれ? 気色悪いので、やめてください」
《ワニオン》刈谷美沙:中学生くらいの少女だ。詩雲と同様に無表情を貫いている。
詩雲終:「他人(ヒト)に頼って、感情を振りまいて、何が完全だ」 鉄の無表情
《ワニオン》刈谷美沙:「それにしても、ピリオド君は筋金入りのクールですね」
《ワニオン》刈谷美沙:「我々にはそういう任務はめったに回ってこないですけど。やろうと思えば」
《ワニオン》刈谷美沙:「無抵抗の一般人でも虐殺できる。そんなイメージがあります。ピリオドくんは」
詩雲終:「余計な人間性がない、という意味では同調しよう。虐殺だろうと、可能か不可能かでいえば可能だ」
《オーロラルドレープ》:「えっ、えー、そうなの? ひどくない!?」 小学生くらいの少女。
詩雲終:「お前たちだってそうだろう? ……意味がないことに労力を割くのは避けたいがな」
《オーロラルドレープ》:「じゃあ万が一、万が一だよ? あたしらセクソルの中で殺し合え~なんて言われたら」
《オーロラルドレープ》:「躊躇なく殺し合えちゃうわけ!? ひどくない!?」
詩雲終:「同じだ。可能か不可能かでいえば可能だろう」
詩雲終:「意味がないのでする気はないがな」
《ニンブルリング》:「僕は無理だな。このセルのみんなは家族か兄妹だと思ってる」 オーロラルドレープを撫でる、高校生くらいの少年。
《ニンブルリング》:「そんな日がこない事を祈るよ。本気の詩雲と殺し合うのなんてごめんだしな」
詩雲終:「そうだな。そんな下らん命令が出る日が来ないことを望むのは、俺も同じだ」
詩雲終:「もしそうなったら、まずそんな価値のない命令を出した奴を叩き壊す必要がある」
詩雲終:「そうなれば研究に集中できん。非効率だ」
詩雲終:タブレットから目を外すことはなく、淡々と話す
GM:……将来のFHを担う優秀なチルドレンの能力育成。セクソルセルはその目的で最近立ち上げられたセルだ。
GM:ゆえに、不可解な任務も多い。十人がかりで一般人を拉致させたかと思えば、砂漠の戦場に一週間こもらされたこともある。
GM:なら、仲間内で殺し合うようなくだらない命令が出る可能性も──決してゼロではない。ほぼ全員がそう理解している事だろう。
《タルデュス》霧馬真人:「よーし。んじゃ、万が一、億が一そうなったら、競争だぜ。シュウ」
《タルデュス》霧馬真人:「どっちが命令を出したやつを先にぶん殴るかだ。もちろん俺と美沙が勝つけどな!」
《ワニオン》刈谷美沙:「チームなんですか? 気色悪いのでやめてください」
詩雲終:「……お前と"ワニオン"が動くなら、俺が動く必要はなくなるな」
詩雲終:「お前の勝ちで良いぞ。本日の1位。喜べ」
《ワニオン》刈谷美沙:「ピリオド君もやめてください。またタルデュス君が調子に乗りますよ」
《オーロラルドレープ》:「調子にのるよー!」
詩雲終:一通り記録に目を通したためか、若干口が軽くなる
詩雲終:「乗らせておけばいい。そうしてくれれば楽だ」
詩雲終:「手綱を持つのも俺ではないしな」
詩雲終:そう言うと、一団から離れて別の部屋へ向かおうとする
GM:……このときの詩雲はまだ知らない。
GM:《マスターレイ》の死。それをきっかけに、後継者決定戦と称したセクソルセル内の殺し合いが発生することも。
GM:その殺し合いによって──自分の精神が思ったより人間らしかったと思い知らされることも。
■オープニング00-B
GM:次のシーン。登場PCは引き続き詩雲くん。
GM:登場してもらいましょうか。1d3+3を振ってどうぞ。
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+5(1d3+3->2+3)した(侵蝕率:38->43)
GM:────1年後。セクソルセル本部、地下演習場。
GM:市街地を模した演習場、のはずだった。特殊フィールドによって内部のエフェクトは威力が減衰され、体力が落ちたものは速やかにフィールド外へ転送される。
GM:決して命を奪い合うことのない、安全な箱庭──そこは今、
GM:《マスターレイ》の後継者の座を狙ったチルドレンたちによる、凄惨な殺し合いの現場となっていた。
《ニンブルリング》:「くそ……詩雲……がふッ」
《ニンブルリング》:膝を突く。《オーロラルドレープ》とコンビを組んで詩雲を狙ったが、返り討ちにあった形だ。
《オーロラルドレープ》:少し離れたところに倒れている。既にリザレクトも働いていない──死亡している。
詩雲終:「…………」
《ニンブルリング》:「お前……本当に、躊躇なく……殺すんだな。僕も人の事は言えないが……」
詩雲終:「……同じだ」
《ニンブルリング》:「……同、じ?」
詩雲終:「条件が同じだと言っている。俺が撃つことに躊躇しなければ、死体になって転がっていたのは俺だ」
詩雲終:タブレットを眺め、彼を一瞥もすることなく、ぼやくように言う。
《ニンブルリング》:「…………そうだな。ふふふ」
《ニンブルリング》:「後継者決定戦が決まった時点で……結局、殆どが死体になって転がるのは決まってたんだ」
GM:後継者決定戦はサドンデスだ。この演習場の生命反応が残り1名になるまで、出る事はできない。
GM:最初は様子見していた他のチルドレンも──状況を理解するにつれて、一人また一人と戦いに駆り立てられていった。
《ニンブルリング》:「どこで……間違ったんだろうな……」
《ニンブルリング》:「……。」
詩雲終:「……最初に《ワニオン》が死んだのは、外部からの手引きだろう」
詩雲終:「それで《タルデュス》が止まらなくなった。3人ほど死んで、後はみんな殺し合うしかなかった」
詩雲終:「そういう手を打ってくると見切れなかったのが間違いだったろうな。そして、それを今検証することにも、意味があるとは思えない」
《ニンブルリング》:「────」君の言葉をどこまで聞いていたのかわからない。既に死亡している。
GM:というところで、詩雲くんは知覚か回避で判定してください。難易度は9。
GM:あ、いや
GM:やっぱり変更します。肉体・感覚・精神・社会の好きな能力値で判定して、GMの出目と対決しましょう。
詩雲終:【精神】で行く!
GM:こちらからも代表者を立てます。どうぞ!
詩雲終:6dx
DoubleCross : (6R10[10]) → 10[2,3,4,4,4,10]+4[4] → 14
《タルデュス》霧馬真人:5dx
DoubleCross : (5R10[10]) → 8[2,3,3,5,8] → 8
GM:クソが! 失敗すると2d10のダメージを受けていただく予定だったんですが、
GM:じゃあ君は物陰からのアンブッシュ……限りなく完璧なタイミングだった……を回避することが出来る。鋭いナイフによるバックスタブだ。
《タルデュス》霧馬真人:「────シュウ」「ぅぅうううあああああ!!」
詩雲終:その視線はタブレットから離れない。《ニンブルリング》だったもの、そして襲撃者にも向けられず。
詩雲終:傾くように2、3歩。最低限の動きだけでそれをかわし
《タルデュス》霧馬真人:「……!」
詩雲終:「馬鹿なことを」
《タルデュス》霧馬真人:つんのめるように態勢を立て直す。もう片方の手に持ったナイフを投擲しようとするが──詩雲の動きからすると、それは遅すぎた。
GM:自由に攻撃できます。殺すこともできるし、瀕死に留めることもできる。
詩雲終:激しい電撃の奔流が、彼に向けて放たれる。それを放ったのは、傍らに電磁浮遊する、全長4mほどの巨大な砲。
詩雲終:試製機動雷撃砲台、と呼んでいる。それらしい銘はまだつけていない。未完成だからだ。
詩雲終:無論、殺すつもりの砲撃である。そうでなければ自分が生き残ることはできないからだ。しかし──!
《タルデュス》霧馬真人:「死んで……」 僅かに身を捻って回避する。結果として、身体の半分を焼き尽くされただけで済んだ。
《タルデュス》霧馬真人:「たまるか。俺は……俺は生きるんだ。生きて」 ナイフを構え、捨て身の跳躍。
《タルデュス》霧馬真人:「《マスターレイ》の座を────!」 詩雲の首筋にナイフを突き立てんとする。
詩雲終:眉をひそめる。視線がタブレットから《タルテュス》へ。その軌道過程に、横合いから、試製機動雷撃砲台を衝突させる。
詩雲終:そして、ゼロ距離でのエネルギー放出。五感をつんざく激しい炸裂音と共に、最大の攻撃を《タルテュス》へ直撃させる。
《タルデュス》霧馬真人:「がッ!?」 ごろごろと転がる。度重なる戦闘で、既に再生能力も喪われている。半ジャーム状態だ。
《タルデュス》霧馬真人:「クソ……ちくしょう」
《タルデュス》霧馬真人:「てめえ、そんなに……そんなに」
《タルデュス》霧馬真人:「マスターエージェントに……」 ジュッ!
GM:直撃を喰らい、《タルデュス》の姿が君の視界から消えて10数秒後。
GM:ビーッ! と、聞き慣れたブザーの音がする。演習場の正面ゲートが解放された音だ。
詩雲終:「……」 その音を聞いても、感情はまったく波立たない
場内アナウンス:『おめでとうございます。《ピリオド》詩雲終をのぞく全員の生命反応消滅を確認しました』
詩雲終:アナウンスを聞いてもだ。ただ《タルテュス》を見下ろして
場内アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
詩雲終:「命令を」 「出したやつをぶん殴るんじゃ、なかったのか」
場内アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』 無味乾燥なアナウンスだけが流れている。
GM:返事はない。ニンブルリング、オーロラルドレープ……ワニオン、タルデュス、カルーセル、インペイルメント。みな死亡した。
詩雲終:タブレットを見下ろす。最後の攻撃の余波で電源系がやられたようで、何も表示されていない。
詩雲終:試製機動雷撃砲台もオーバーロードにより沈黙した。演習場は荒れ果て、辺りから立ち上る煙を除き、動くものは何もなく。
GM:《セヴェルス》と《ブライズアウト》。友人同士だった二人が殺し合ったところを君は見た。
GM:《フィション》と《トライアドタップ》。最年長と最年少の二人が、相打ちになって消し飛ぶところを見た。
GM:そして今。君は輝かしき《マスターレイ》の称号を手に入れた。
場内アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
場内アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』
詩雲終:「…………」
詩雲終:演習場を後にする。いつも通り。言葉一つ発さず。
詩雲終:だが、手元で戦闘記録を振り返り、『次こそ彼らに勝つ』ための情報が蓄積したタブレットもないし、
詩雲終:共に戦い、やかましく声をかけてくる『彼ら』もいなければ
詩雲終:『彼ら』と共に迎える『次』もない。
詩雲終:「……」
場内アナウンス:『おめでとうございます。《ピリオド》詩雲終をのぞく全員の生命反応消滅を確認しました』
場内アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
場内アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』
GM:各所に配置された壊れかけのスピーカーが、耳障りな自動音声を発している。
詩雲終:それを聞きながら、歩き続ける。目指すのは、ポイントN199、E57。セクソルセル中央研究所。
詩雲終:そこで、俺は──
オペレーター:『──ザッ』
GM:N199、E57。セクソルセル中央研究所近くの山中。
GM:そこに潜む詩雲終が装着する骨伝導インカムに、暗号化された無線連絡が届く。
オペレーター:『お世話になっております、《ピリオド》様。FH傭兵斡旋セル、《テクタイト》をご利用いただきありがとうございます』
オペレーター:『ご依頼に基づき、ランク9…………元ランク9、《クラックアイス》を派遣しました』
オペレーター:『最終確認です。《ピリオド》様のFH脱走とその撹乱のため、研究所を襲撃する。依頼内容はこちらでよろしいでしょうか?』
詩雲終:「……そうだ」
オペレーター:『承知しました。120秒後にジャミングを発動、作戦を開始します』
GM:では、《クラックアイス》にも出てもらいましょうか。ちょい役なので登場ダイスは不要。
GM:さっきから横にいたかもしれないし、今出てきたかもしれない。なんにせよ、依頼主と話すことができる僅かな時間だ。
GM:何か聞きたいことがあるなら、《クラックアイス》は尋ねてみてもいい。望む回答を得られるとは限らないが。
クラックアイス:「脱走ね。確認するけど」
クラックアイス:「君一人?」
詩雲終:声の方角へ僅かに顔を向ける
クラックアイス:顔の半分をバイザーで隠し、フード付きコートに身を包んだ少年が詩雲終の背後に立っていた。
詩雲終:「……一人。一人だ。他には誰もいない」
詩雲終:「一つ、欲しい物がある。俺が取りに行く。だから多少時間を稼いでもらうが」
詩雲終:「そう手間は取らせない。問題ないか?」
クラックアイス:「…………そうだね」
クラックアイス:「君の心変わりで、誰か増えたりしたら、料金は追加だよ」
クラックアイス:「それで問題はない?」
クラックアイス:「脱走で誰かが増えるのは手間なんだ」
詩雲終:嘆息する。あるいは、笑うように 「親切だな。傭兵なんてのを使うのは初めてだから、意外だ」
詩雲終:「だが、そんなことはない。俺が助けようと思う"誰か"なんて」
詩雲終:「いないさ。もう」
クラックアイス:「そ」鍔のない藍色の美しい鞘の刀を弄びながら、相手に応え。
クラックアイス:「親切で言うけど」
クラックアイス:「誰か作っておいた方が良いよ。ジャームになったら僕の敵になる」
クラックアイス:「……やっておくから、行っておいで」
詩雲終:「……考えておこう」
詩雲終:誤魔化しだった。誰か作っておく、など、考えられる訳がない。
詩雲終:ただ今は、貰うものを貰い、この場を後にする。それだけだった。
オペレーター:『カウントダウンを開始。5、4、3……』
オペレーター:『ジャミング。作戦開始』
GM:"クラックアイス"と"ピリオド"が山の斜面を駆け下りる。片方はまっすぐ研究所へ……もう片方は基地守備隊の襲撃へ。
GM:この襲撃が成功すれば、詩雲はシミュレート通りに混乱に乗じてFHから脱走することが出来るだろう。
GM:失敗すれば? ……先に逝ったみんなの元へ行くだけだ。
詩雲終:だが、そうなるつもりはなかった。自分には生き延びる意志と、生き延びた理由があるはずで。
詩雲終:そうでなければ、殺す事はなかったはずだ。《オーロラルドレープ》。《ニンブルリング》。《タルデュス》。
詩雲終:既にこの命には、罪という形で彼らの生と死が刻まれている。
詩雲終:「…………」
詩雲終:氷風のように去った彼を背に、詩雲終は歩みを進める。
詩雲終:その先に何があるかを、確かめるために。
GM:シーンカットです。これで回想OPは終了。ロイスのみ可能。
GM:なければ次にいきましょう。シナリオロイスの《トワイサー》は次のOPで出てくるので
GM:このシーンはロイス取らなくても別に構いません。
詩雲終:次のOPですねー
GM:じゃあ次かな!
■オープニング01
GM:あらためて、ハンドアウト通りのOPを開始しましょう。
GM:登場PCは詩雲くんと芹那ちゃん。1d3+3を振って登場してください。
芹那花音:1d3+3+36
DoubleCross : (1D3+3+36) → 3[3]+3+36 → 42
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:43->49)
GM:このシステム、3がよく出るな……。
N市第三地区 大型ショッピングモール『るるポート』
GM:るるポート。第三地区郊外にできた、地上10F建ての大型ショッピングモールだ。
GM:ここに来るメリットは大きい。大抵のものは手に入るし、歩いているだけでも楽しいし、
GM:……何よりも、UGNの勢力圏だ。FHからの追手もそうそう手は出せない。
GM:だからだろうか。長い逃避行を続けてきたこの二人も、どこかリラックスした足取りでウィンドウショッピングを楽しんでいる。
GM:楽しんでいろ!
芹那花音:「…楽しいですね、兄さん」買い物メモに目を落としながら、黒髪の少女が呟くように言う。
詩雲終:「……必需品の買い物がか」
芹那花音:「だって。こんなに、長い時間、2人でただ買い物をしてるなんて」
芹那花音:「初めてじゃないですか?」
芹那花音:小さく微笑んで、隣を歩く兄さんを見上げる。
詩雲終:「…………」 少し前のことを思い出す。逃避行としか言えない日々。交戦、警戒、また交戦。店舗もろともぶち壊しにしたこともあり
詩雲終:「確かに、そうかも知れないな」 見上げる花音を見返して、僅かに頷く
詩雲終:「楽しいかはともかく、安心はできる」
芹那花音:「……」目が合うと、口を噤んで、目を逸らす。
GM:君たちがいるのはモールの地上階だ。1Fから10Fまで吹き抜けになったロビーは開放的で、天窓を模した照明から人工太陽光が差し込んでいる。
芹那花音:顔を見合わすことに、まだ慣れてない。
GM:地下で食事をすることもできるし、上層階で服や本を見て回ってもいいだろう。……最近はFHの追手も散発的だ。
詩雲終:前を向く。また怖がらせてしまったか、などと思いつつ
GM:君たちを追うことを諦めたのかもしれない。
詩雲終:「……必要な買い物は他にないか?」
芹那花音:「あ、えっと。そうですね、足りなくなったものは全部買いましたし…」
芹那花音:「でも…その…」先ほどから、ちらちらと、モールに並ぶテナントを見ている。
詩雲終:「……」 当然、その視線には気付いている。以前までなら、本人が言い出さないのならと無視していたところだ
詩雲終:が、今は自分で口にした通り、安心できる状態だ。少しばかり言葉を考え
詩雲終:「……もう少し何か見たいな。持てる荷物にも余裕があるし、そういう気分だ」
詩雲終:「何か希望はあるか?」
芹那花音:「!」ぱっと顔を上げる。嬉しそうに目が輝いている。
芹那花音:「あ、あの、えっと」もじもじと俯いて。「予算にも、余裕があるので」
芹那花音:「兄さんに、何か贈り物をしたいです」
詩雲終:「贈り物?」 僅かな驚きの表情 「俺に?」
詩雲終:「何故だ」
芹那花音:「何故って…」
芹那花音:「贈りたいと、思ったからです」
芹那花音:「兄さんの好きなもの、欲しいもの…そうですね、お洋服とか…」
詩雲終:「そうか……」 釈然としない表情だ。誕生日、といったものは教えていないし、彼女には苦労ばかりかけている。日常へ返してやることもできていないのに
詩雲終:「……花音のためのものの方が良いんじゃないか」
詩雲終:「俺は特に、そういうのは良い。余裕があるなら花音のために使った方が良い」
芹那花音:「わたしのだなんて、そんな、申し訳ないです」
芹那花音:「そ、そうやって、いつもわたしを優先してくれるから……」ごにょごにょと言う。
詩雲終:「……」 また少し考える。そうは言っても、特に自分に欲しいものがないというのも事実であり……
詩雲終:「……なら、二人で使えるものだな」
芹那花音:「えっ」
芹那花音:「わっ」
芹那花音:「は、はい! それなら、えっと…クッションとか!新しい食器でもいいですし…」
芹那花音:「お家に置けるものにしましょう、お揃いのもの」顔を綻ばせている。
詩雲終:「ならクッションか、その辺りの小物だな」
詩雲終:「選んでくれ。俺と花音の部屋に相応しいものを」
芹那花音:「雑貨屋さんが、2階にあったはずです」嬉しそうに、兄さんを先導するように前に出て、
芹那花音:「………はい、兄さん」振り返ってはにかんだ顔を見せる。
詩雲終:頷き、かすかに、慈しむように笑って、彼女に続く
GM:──ズッ
GM:その瞬間、モール全体を包み込むように不可視の領域が展開される。
???:《ワーディング》を展開します。同時にEロイス"悪意の伝染"も使用。
???:これは本来シーン持続のEロイスですが、少し解釈を弄ってこの場所持続のEロイスとします。
???:Eロイスを強制解除するか使用者が撤退するまで、モール外部の人間はモール内に立ち入ることができない。
GM:倒れた一般人の向こうから、徐々に近寄ってくる人物がある。
GM:白髪の老人だ。黒いコートを羽織り、電動の車椅子に腰掛けている。
GM:詩雲終は──その顔に見覚えがある。
???:「……いかんな、詩雲」 キュラ、キュラ
???:「お前には教えたはずだぞ。人混みに逃げ込んでも、空間操作の前には無力だと」
???:「敵の《ワーディング》を感知したら、すぐに周囲の一般人を盾にしろとも教えたはずだ。忘れたのか?」
詩雲終:《ワーディング》を察した瞬間に、花音の傍に寄っていたが
詩雲終:その存在を目に、声を耳にし、息が止まる。
芹那花音:身体を硬直させて兄さんに縋る。
GM:忘れるはずもないだろう。彼こそ、かつて詩雲が所属していたセクソルセルのリーダーであり……
GM:彼の死と遺言を発端として、あの馬鹿げた『後継者決定戦』がはじまったのだから。
詩雲終:「……馬鹿な」
詩雲終:「何のまやかしだ?」
GM:──先代マスターレイ。夕鶴安治。
《トワイサー》夕鶴安治:「何のまやかしでもない。ついでに言えば、今の私はマスターレイですらない」
《トワイサー》夕鶴安治:「マスターレイは……既に後継者がいるのだからな」
《トワイサー》夕鶴安治:「そうだろう。共に育った仲間を殺し尽くした無慈悲な男。《ピリオド》よ」
芹那花音:(────?)
芹那花音:兄さん…と呼んでいる、隣の彼が抱える過去のことは、何も知らない。
芹那花音:マスターレイは、自分がかつて監禁されていた実験施設で、時折聞いていた名だ。それ以上のことは知らない。
詩雲終:目で射殺さんばかりの勢いで彼を睨む。花音を庇うように、一歩前に出て
《トワイサー》夕鶴安治:ちらり、と芹那に目を向ける。そして興味なさげに視線を戻す。
詩雲終:「そんなものは不要だと」
詩雲終:「あの日通牒してやった。あの戦いは『手段』に過ぎなかった。あのふざけた催しを否定して、ぶち壊しにするためのな」
詩雲終:「《マスターレイ》。その称号は、土の下でお前の死体と一緒に腐っているべきものだ」
詩雲終:「俺は《ピリオド》で十分だ。あの日から変わらず」
詩雲終:「……そんな腐敗した死にぞこないが、今更太陽の下で何のつもりだ?」
《トワイサー》夕鶴安治:「ふ、ふ、ふ。決まっている」
《トワイサー》夕鶴安治:「迎えにきたのだ。もう一年待った……そろそろ頃合いだろう」
《トワイサー》夕鶴安治:「《マスターレイ》本来の居場所へ戻れ。FHへ」
《トワイサー》夕鶴安治:「お前が望むなら、そこの娘も連れてきて構わんが?」
芹那花音:「FH………?」
《トワイサー》夕鶴安治:「脱走者には破格の待遇だろう。ん?」
GM:花音ちゃんと詩雲くんは感じます。複数の足音が接近している。
芹那花音:それは、自分を監禁し、そして命を絶たんと追い迫る、悪い組織の名ではないか。
詩雲終:「分かって言ってるんだろう?」 口角を歪めて
GM:夕鶴の部下だろう。黒い戦闘スーツに身を包んだFHの戦闘部隊……人数にして20人以上が接近しつつある。
詩雲終:「花音、荒事だ。……今までより激しくなる」
芹那花音:「兄さ………」
詩雲終:「いつもと同じだ。できるだけ俺のそばから離れるな。だがもし俺がそう言ったら、全力でこの場から離れろ」
詩雲終:「話は後だ。……買い物は、また今度」
詩雲終:「できるな?」
芹那花音:「……」
芹那花音:「………はい」
芹那花音:今、自分が縋れるのは、もう目の前のこの人しかいないのだ。
《トワイサー》夕鶴安治:「あくまで抵抗するか。そこの娘が……芹那花音がよほど大事らしいな」
《トワイサー》夕鶴安治:「どれ」 ガシャシャシャッ!
《トワイサー》夕鶴安治:車椅子の一部が変形し、槍めいた狙撃銃に変形する。
《トワイサー》夕鶴安治:「芹那を壊せば、お前の気も変わるのかな。試してみるとしようか」
詩雲終:「許す訳がないだろう」
GM:夕鶴の周囲に、アサルトライフルや盾を構えた戦闘部隊が到着。陣形を展開する。
詩雲終:「──"全射する太陽(ソルモルス)"」
芹那花音:「兄さん」両手をそっと組む。目を伏せる。
詩雲終:手を横にかざし、その名を口にすれば、モールの構造を破壊しながら、遥か彼方から巨大な槍が飛来し、その手に収まる。
芹那花音:「我が歌を、捧げます」
詩雲終:"全射する太陽(ソルモルス)"。無数の機械に編成された、対軍槍(ミリオンベイン)。詩雲はこれを既に粗方解析し、我が物として扱っている。
詩雲終:「我が槍を捧げよう」
詩雲終:「……だからもう一度死ね。《マスターレイ》!」
GM:シーンカット。ロイスのみ可能。
GM:シナリオロイスも取得してください。芹那ちゃんのシナリオロイスはマスターレイで、推奨感情は興味/憤懣。
GM:詩雲くんは夕鶴です。トワイサーのコードネームを名乗りそこねてしまいましたが
GM:推奨感情は懐旧/隔意。もちろんふたりとも、他の感情でも構いません。
詩雲終:《トワイサー》夕鶴安治/尽力/○憤慨
芹那花音:シナリオロイスのマスターレイに、 興味/恐怖:〇 で取得しまっす。
詩雲終:ああ、懐旧ですね。 《トワイサー》夕鶴安治/懐旧/○憤慨
GM:どっちにせよ憤慨が表だから関係ないのだな・・w
詩雲終:花音ちゃんは初期ロイスなので、ロイス取得は以上!
GM:じゃあここまでにしましょうか。シーンカット!
芹那花音:同じく終兄さんは初期ロイスなので以上!
■オープニング02
GM:おまたせしました、最後のオープニングです。登場PCはPC3の士騎くん。
士騎朝輝:37+1d3+3
DoubleCross : (37+1D3+3) → 37+3[3]+3 → 43
GM:1d3+3を振って登場してください。このシーンは,さきほど見学室でも少しアナウンスしたとおり,
GM:マスターレイの情報を得たUGN第三支部のメンバーとして張り込みを行っている最中、先程のワーディングを感知し
GM:襲われている二人の元へ駆けつけるシーンとなります。
N市第三地区 大型ショッピングモール『るるポート』
GM:──警戒せよ。FHのマスターエージェント、《マスターレイ》がるるポートに現れる。
GM:裏社会の情報通何人かからそんなタレコミがあったのは、今から二週間ほど前のことだった。
GM:当然、第三支部は現地での警戒にあたったが……。
GM:あれからちょうど二週間。結局それらしき人物は現れず、目立った騒ぎも起きていない。
GM:そのうち配置人員が一人減り、二人減り、今では単独戦闘能力を持つ腕利きが数人配置されているだけだ。
GM:支部長とともに最上階に配置された君、《ホワイトミュート》も、そのうちの一人と言えるだろう。
藤原奈央:「はー」 紙パックのオレンジジュースで喉を潤しながらため息をつく。
藤原奈央:「結っっっっっっ局なにも起きないわね。いいことなんだけど」
藤原奈央:「ガセネタに振り回されたってことになるの、地味にムカつくわ」
士騎朝輝:「でも、まぁ、カジュアルに侵蝕率お化け(マスタークラス)が徘徊してるよりマシだよなぁ」
士騎朝輝:一つ縛りにして後ろに細く流した明るい茶の長髪。端正だが何処か挑発的な顔立ち。
士騎朝輝:スリムスラックスに気崩したシャツ、グリーンのネクタイを緩く締め、その上に校章のようなワッペンがついた灰色のブレザーを着ている。
士騎朝輝:端的に言うと学生服の少年。だが、無造作に掴まれている美しい拵の鞘入りの刀がただただ異質だった。
藤原奈央:こちらも学生服の女子高生だ。ぱっと見、学校帰りの二人に見えるよう偽装している。
藤原奈央:「《マスターレイ》。《マスターレイ》か……」
藤原奈央:「アビスもそうだったけど。マスターエージェントの情報って基本的に隠匿されてるから、正体掴むまで時間がかかるのよね」
GM:マスターレイについて、士騎くんと今のUGNがどれくらい知っているか判定してみましょうか。
GM:士騎くんは<情報:UGN>か<情報:FH>で振ってください。難易度は6/8/11。
GM:達成値に応じて、ミドルに先駆けて情報を開示します。
士騎朝輝:「それはそうだが スが+されないだけマシじゃないか」
士騎朝輝:ボヤきに相槌を打ちながら《快適室温》を展開し、パインジュースを飲んでいる。
士騎朝輝:要人への貸しを使って判定しちゃおう。
藤原奈央:「あー、そうね。"ス"がついたら最悪だわ、最悪」
士騎朝輝:4dx+2
DoubleCross : (4R10+2[10]) → 7[3,6,6,7]+2 → 9
GM:財産は使用可能です。11が抜けないとミドルで判定しなおす感じになるかな。
士騎朝輝:じゃあ2使います。財産6→4
GM:OKです。じゃあ情報は全クリア!
達成値6
・マスターレイはN市第三地区に潜んでいるらしい。年齢や性別は未だ不明だが、ひとつ大きな特徴がある。
巨大機械槍『ソルモルス』。マスターレイの称号を持つものは、必ずこれを振るわなければいけないとされている。
もし戦闘になれば、マスターレイが誰かすぐにわかるだろう。
達成値8
・1年前、マスターレイの後継者争いがあった。先代マスターレイの死亡に端を発すると言われているが、真相は定かではない。
FH《セクソル》セル。そこに所属する十数名のチルドレンが蠱毒のように争った結果、とある少年が生き残った。
現在のマスターレイ……『ソルモルス』の使い手は、その少年(あるいは青年)である可能性が高い。
GM:荒っぽい画質の顔写真一枚が手に入っています。もし以前、なんらかの形で出会ったことがあるなら
GM:それが《ピリオド》詩雲終だとわかるかもしれない。それくらいの解像度です。
達成値11
・一方で、別の噂もある。生き残った一人は『ソルモルス』を手にしたものの、マスターレイの称号を継ぐことなくFHを去った──というものだ。
当然、FHからは(FHへの帰還を呼びかけるためか、あるいは殺害のため)追手が出ているだろう。そんな人物がショッピングモールで騒ぎを起こすだろうか?
ソルモルスを持つ詩雲終とUGNを対立させ、彼を追い込もうという思惑を感じる。
るるポートには少数精鋭を配置するに留め、UGN第三支部は情報の真偽確認にリソースを割くべきかもしれない。
GM:……という感じの情報をUGNは、そして君たちは把握してます。
藤原奈央:「ねえ士騎。あんた、N市に来るまではあちこち歩いてたんでしょ」
藤原奈央:「この顔写真のやつ。どこかで都合よく出会ってたりしないわけ?」
士騎朝輝:「…………藤原は優しい奴だよなぁ。俺はそう信じてるわけだが」
藤原奈央:「何よいきなり!」
士騎朝輝:顔を少しだけ背ける。
士騎朝輝:「いやぁ、俺がこういう事言いだす時は、怒られたくないよなぁ。と思ってる時でさ」
士騎朝輝:「~~~~♪」何かを誤魔化すように口笛を吹く。
藤原奈央:「なんか知ってるなら教えなさいよ。どうせあたししか聞いてないんだし」
藤原奈央:「未確定情報でも、ソースが古いやつでも、怒んないから。たぶん」
士騎朝輝:「こいつがFHから抜ける時に、手を貸したの、俺なんだよなぁ」
藤原奈央:「ふーん? なるほど。FH抜けする時に手を……手を」
藤原奈央:「はあ!?」
藤原奈央:「……なによそれ。ちょっとどういうこと!?」 声をひそめる。
藤原奈央:「お得意の通りすがりってわけ? いったいぜんたい何があったのよ……!?」
士騎朝輝:「あぁ。元同僚にさぁ、自由になりたがってる奴がいるから、手を貸せ。って頼みこまれてな」
藤原奈央:「もと同僚……」
士騎朝輝:「それを言われて、まぁ、真っ当な奴がいたら手伝わないわけにはいかないだろ。ほら、オーヴァードは助け合いだしな。なぁ、村雨丸」
藤原奈央:「確かにその依頼はずるいわね。キラーワードじゃない、あんたにとっての"自由"って」
藤原奈央:「自由を求めてFHから脱走か。確かにそりゃあ、手伝うわよねー。あんたなら……」
士騎朝輝:「やっぱ、藤原は筋を通せば優しいよな。そういう事。だから、まぁ、その写真があるなら」
士騎朝輝:「ガセって可能性は結構低いって事かな。で、俺の知ってることを全部話すと‥…」辺りを見回し耳打ちをする。
藤原奈央:「うん」 周囲を確認したのち、こそこそと耳をよせる。
士騎朝輝:「って、話なんだよなぁ。頭が痛いだろ?」
士騎朝輝:情報を共有し終えればフゥと冷たい吐息を吹きかける。
藤原奈央:「ぎゃーっ!」 反射的に肘鉄を叩き込む。
藤原奈央:「…………。あまりに頭が痛いから、今の狼藉は見逃してあげるけど」
藤原奈央:「あんたはどう思う? ……この場合」
藤原奈央:「現時点での"本当のマスターレイ"は、誰になるのかしら」
士騎朝輝:「うぉっ……つっつっ、頭よりも先に痛いのが来た」鳩尾をうぐぐと抑え。
士騎朝輝:「さてな。俺は自由を手助けしただけで、この話の全部に首を突っ込んだわけじゃない」
士騎朝輝:「ついでに言えばクラックアイスとしての最後の仕事だったんで印象に残ってるって話でもあったんだが」
藤原奈央:「つまり結論は同じってわけね。さらなる調査による裏取りが必要、と」
士騎朝輝:「それを見極める為のUGNだよなぁ。ってそういう事」
士騎朝輝:「今から調べて真相にたどり着く。古い情報は参考程度に、常に最新情報をアップデートしてしくじりなく」
士騎朝輝:「そう言う方が良いよなぁ」
藤原奈央:「わかった。裏付けは諜報部に頼んでるから、当分はここで見張りを続けるしかないわね」
藤原奈央:「流石にがら空きにするわけにもいかないし。とうぶんは志奈乃・楠ペアとあたしらの交互警備生活になるわ」
藤原奈央:「もしペア替え・配置換えを希望する時は三日前までに言いなさい。考えてあげる」
GM:※考えてあげる……だいたい考えるだけで願いが叶うことは少ない。
士騎朝輝:「考えなくても良いとこだぜ。俺は誰かと一緒にいてまったく退屈しないし、楽しい気分なんだよなぁ、これがな」
士騎朝輝:「ほら、有能天才スレンダー美少女支部長を見せびらかしてご満悦にもなれるしな」
藤原奈央:「そうよ! 光栄に思いなさいよね、これ外から見たら完全に学校帰りデート────」
GM:そう藤原が言いかけた、その時。
士騎朝輝:「あぁ。自由を奪われるのに相応しい最高の報酬くらいに…………来るな」
GM:判定してください。技能は知覚か、知識:レネゲイド。モール内でのワーディング展開です。
士騎朝輝:知識レネゲイドで。
士騎朝輝:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 10[7,10]+7[7] → 17
GM:めっちゃわかる……! じゃあ士騎くんは奈央が気づくよりも数瞬早く、ワーディングの出どころまで特定できる。
GM:まず君たちの現在地は、吹き抜けになったショッピングモールの10F。1Fまでを見下ろすことができる休憩エリアだ。
GM:ワーディングの発生源は──1F。ゴミ箱や看板に仕掛けられた盗聴器が、君たちの元へ音声を伝えてくる。
GM:『──迎えにきたのだ。もう一年待った……そろそろ頃合いだろう』
GM:『──《マスターレイ》本来の居場所へ戻れ。FHへ』 老人の声。
GM:やや離れた場所に立っているのだろう。それに対する何らかの返答が聞こえ……最後の部分だけ、はっきりと聞こえる。青年の声だ。
GM:──『我が槍を捧げよう』 『……だからもう一度死ね。《マスターレイ》!』
藤原奈央:「……急行するわよ士騎! なんか予想以上にややこしい事態になってる!」
GM:君はエスカレーターやエレベーターを使ってもいいし、吹き抜けを飛び降りる事を藤原に提案しても構いません。
士騎朝輝:「カジュアルショッピングのノリで騒動起こされも、困るよなぁ」言いながらも、加速を効かせ手を引いて駆け出す。
士騎朝輝:「後でインテリアショップとスーパー覗こうと思ってたんだが……無事だと良いけどな、なぁ、村雨丸」
士騎朝輝:そのまま奈央ちゃんを抱き抱えると十階の吹き抜けから飛び降りる。
士騎朝輝:「藤原、着地任せた」
GM:では、君が手すりから身を投げだすと同時。
???:「……いや」
???:「それはさせない」 強烈な蹴りが、士騎と藤原を10Fロビーへ叩き戻す。
GM:暗い目をした少年です。年齢は士騎くんと同じくらいで、片手にナイフを構えて自分も10Fに着地する。
《タルデュス》霧馬真人:「真のマスターレイ。その復活のため……美沙たちの死を無駄にしないため」
《タルデュス》霧馬真人:「お前らUGNに、断じて邪魔はさせない」
GM:シーンカットです。ロイスのみ可能。
GM:士騎くんのシナリオロイスはマスターレイですね。推奨感情はP任意/N脅威。
士騎朝輝:マスターレイ P興味/N脅威〇 で。
GM:OK! 次のシーンはミドル戦闘を兼ねた合流となります。
GM:エンゲージだけ先に張っておきましょうか。
[ショッピングモール10F]
藤原
士騎 10m 《タルデュス》
----------------------------
50m
----------------------------
芹那 FH戦闘チーム
詩雲 10m 《トワイサー》
[ショッピングモール1F]
GM:この戦闘では1Fと10Fで分かれて戦闘してもらいます。行き来するためには50mを移動しないといけませんが、
GM:10F→1Fのみ、次のどちらかの条件を満たせば距離を無視した移動が可能です。
芹那花音:質問してもいいですか?
GM:なんだね!
芹那花音:1Fから、10Fにいる士騎くんに、射程:視界の《援護の風》を使用することは可能でしょうか?
GM:できます。これは吹き抜けで視界が通っているから、というのはもちろんですが
GM:追手を何度も退ける中で、芹那ちゃんの能力運用精度も鍛えられているからですね。
芹那花音:ほああ ありがとうございます……!GM様…
10Fキャラ専用アクション
・飛び降りる:マイナーアクションで宣言。即座に8d10のHPを失い(軽減可能)、1Fの任意の場所に移動する。
・壁蹴り移動:セットアップで宣言。行動値が0になり、次の移動でシーン内の好きな場所に移動可能。
NPCカード:《リッターシルト》藤原奈央
アクション:"スリヴァーザ"
ダメージ適用直前にオートアクションで宣言。8d10のダメージを軽減する。ラウンド1回、射程視界。
GM:つまり士騎くんは、奈央を信じて飛び降りるか、自慢の行動値を殺してロックマンXするか選ぶことになります。
GM:休憩中に悩むと良いでしょう。以上です。
GM:あっ、勝利条件書いてなかった
■戦闘終了条件:《トワイサー》の戦闘不能、もしくはEロイス『悪意の伝染』の解除
GM:悪意の伝染の使用者はトワイサー。以上です。
■ミドルシーン01
GM:ミドル戦闘です。全員登場。
GM:1d3+3だからね!
芹那花音:1d3+3+42
DoubleCross : (1D3+3+42) → 2[2]+3+42 → 47
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+5(1d3+3->2+3)した(侵蝕率:49->54)
士騎朝輝:443+1d3+3
DoubleCross : (443+1D3+3) → 443+1[1]+3 → 447
芹那花音:ジャームじゃん
士騎朝輝:43だよ 47
GM:447w
GM:マスターアビスかな?
士騎朝輝:デートでテンション上がっちゃったw
GM:ショッピングモール10Fと1F。二つの戦場が同時に展開している。
GM:芹那と詩雲は目の前の敵に対応するしかないが──10FにいるUGNチームにとっては、そうではない。
GM:この場において討つべき敵は誰なのか。それを一瞬で正しく判断し、行動に移さねばならない。
藤原奈央:「士騎……」
藤原奈央:「わかってるわね」
士騎朝輝:「騒ぎの主は……だいたいわかった」
士騎朝輝:「後は、目の前のこいつ次第だよなぁ」
《タルデュス》霧馬真人:「……」 距離を取ったまま様子を伺っている。
[ショッピングモール10F]
藤原[4]
士騎[4] 10m 《タルデュス》[4]
----------------------------
50m
----------------------------
芹那[7] FH戦闘チーム[16]
詩雲[7] 10m 《トワイサー》[8]
[ショッピングモール1F]
■ROUND-01
GM:戦闘を開始します。ラウンド1。
GM:セットアップからいきましょう。セットアップ。
芹那花音:ありません!
詩雲終:ない!
《タルデュス》霧馬真人:《ロケッティア》。行動値が0になり、次の移動でシーン内の任意の場所に移動可能。
《トワイサー》夕鶴安治:《加速装置》。自身の行動値を+16。
士騎朝輝:《加速装置》+《ヴァジュラ》47→52 攻撃力+9 行動値+12 暴走 《紅蓮の憎悪》発動 攻撃力+9
GM:戦闘チームはトループです。なし。
GM:じゃあイニシアチブに入りましょう。まずは行動値24の《トワイサー》から。
《トワイサー》夕鶴安治:「……我らが主。光の担い手。偉大なりし最初のマスターレイよ」
《トワイサー》夕鶴安治:「我らレナトゥスの使徒に力を与えたまえ。レナトゥスの使徒を許し給え」 祈りのような語句をつぶやきながら、
《トワイサー》夕鶴安治:じっと芹那花音を見ている。
GM:"芹那を壊せば、お前の気も変わるのかな"。先程の発言の通り、芹那花音ただひとりに狙いを定めている……!
《トワイサー》夕鶴安治:「芹那花音……」
《トワイサー》夕鶴安治:「死んでもらうぞ」 《コンセントレイト:オルクス》《形なき剣》《空間歪曲射撃》《完全なる世界》。
GM:使用する武器はデアフライシュッツです。この攻撃に対するドッジダイスを-4、ガード値を-5。
《トワイサー》夕鶴安治:10dx7+14
DoubleCross : (10R10+14[7]) → 10[1,5,6,6,6,8,9,9,9,10]+10[2,2,8,9,9]+10[4,6,10]+1[1]+14 → 45
GM:うわっ回った……! リアクションをどうぞ。
芹那花音:「………っ」ただの少女だ。足が竦む。
芹那花音:ドッジ!
GM:ドッジダイスは-4ね!
芹那花音:1dx>=45
DoubleCross : (1R10[10]>=45) → 8[8] → 8 → 失敗
芹那花音:えっじゃあドッジできない!
芹那花音:ガードに変更してもいいですか?(死にそうだけど)
士騎朝輝:藤原支部長使う?
GM:いいよ!ドッジできないときは確かガード判定だったはずだし
GM:あっそうですね。ラウンド一回の奈央ちゃん支部長の軽減も使えます。メモに書いておきましょう。
士騎朝輝:一般人を格好良く守るのも凄い格好良いと思うよ。
GM:とりあえずダメージ出しましょうか。奈央ちゃんはダメージ適用直前に使用なので
詩雲終:範囲攻撃に備えておきたい気分があるかな
GM:ダメージを見て使うかどうか選んでくれても構いません。
芹那花音:じゃあダメージ受ける!
詩雲終:ダメージを見よう!
《トワイサー》夕鶴安治:5d10+10+12 装甲ガードが有効。
DoubleCross : (5D10+10+12) → 33[1,6,9,8,9]+10+12 → 55
GM:NPCを使えば生き残れそうな出目だけど、どうするかね!
詩雲終:ウウーン、ギリ生き残る目はあるか……!
詩雲終:生き残っ……て……おきますか!
GM:どうどう?
芹那花音:秘密会議の結果、使わないことにしました!
芹那花音:NPCカードは使用せず、そのままダメージを受けます。
GM:OK!じゃあ装甲ガード有効の55ダメージだ。
芹那花音:はあい。装甲値ないので死にます。
芹那花音:1d10+47 リザレクト!
DoubleCross : (1D10+47) → 5[5]+47 → 52
《トワイサー》夕鶴安治:ジャカッ
《トワイサー》夕鶴安治:巨大な狙撃銃を構える。発砲。
GM:──キ
GM:キン! カカカカン!
GM:……カカカカカカカカカン!
GM:放たれた魔弾がショッピングモールを縦横無尽に跳弾し、
GM:芹那花音の胸を的確に射抜く。
《トワイサー》夕鶴安治:「…………」
芹那花音:「ぅぎっ」跳弾の軌道を把握することは一切敵わず、背中から胸を貫かれる。
芹那花音:膝をつく。
詩雲終:「花音」
詩雲終:「──傷は塞がるな?」
芹那花音:「……あっ、は……」
芹那花音:「……はい…」
詩雲終:「分かった」 《トワイサー》を睨み 「なるべく早く終わらせる。耐えてくれ」
《トワイサー》夕鶴安治:「…………ふう」 そのやり取りを見ながら銃を下ろす。
《トワイサー》夕鶴安治:「以前と比べて、随分変わったものだな。《ピリオド》よ」
《トワイサー》夕鶴安治:「そんなにその娘が大切か」
詩雲終:「下らないな」
《トワイサー》夕鶴安治:「なに?」
詩雲終:「その問いにも、それに答えてやる意味もない」
詩雲終:「お前は大人しく、さっきまでみたいに子供が想像したような聖典の文句でも唱えていろ」
詩雲終:「自らの死への手向けにな」
《トワイサー》夕鶴安治:「貴様……マスターレイを継がぬばかりか、『レナトゥスの使徒』までも愚弄するか……!」
《トワイサー》夕鶴安治:「やれ!」 周囲の戦闘チームに号令を出す。
GM:20人余りの戦闘チームが一斉にアサルトライフルを構え……というところで
GM:同行動値。先に士騎くんの手番にしましょう。
士騎朝輝:「下の方では始まったみたいだなぁ。あの銃声、俺の戦闘反応速度に先んじるとは恐れ入るぜ」
藤原奈央:「感心してる場合じゃない! タイミングは合わせてあげるから」
藤原奈央:「……もう一度。やるわよ!」
士騎朝輝:「あぁ。黙らせてこなきゃな。望むところだ、やろうぜ」
士騎朝輝:マイナー:50m落下して《トワイサー》にエンゲージ。
《タルデュス》霧馬真人:「堂々と作戦会議をされて」
《タルデュス》霧馬真人:「通すと……思うのか!」 投げナイフを放ち、再び飛び降りを妨害しようとする。
GM:では、士騎くんは8d10ダメージを受けてください。NPCカードのラウンド1回軽減も可能です。
GM:そうだな。まず8d10を振ってから
士騎朝輝:「通れると……思うのさ!」奈央ちゃんの腕を取り抱きかかえ飛び降りる。
GM:軽減を使うかどうか判断してもらいましょうか。
士騎朝輝:振ります。
士騎朝輝:8d10
DoubleCross : (8D10) → 33[8,6,1,3,5,2,3,5] → 33
GM:おっ、やや低めだ。
士騎朝輝:ここから軽減。
GM:最大HPが32だから、惜しかったな……w どうぞ!
士騎朝輝:33-8d10
DoubleCross : (33-8D10) → 33-45[2,4,8,4,10,9,5,3] → -12
GM:無傷! では君は藤原に防御してもらい、投げナイフも着地の衝撃も無視して1Fに降り立つことができる!
藤原奈央:「あったりまえよね。今の《ホワイトミュート》には……」
藤原奈央:「このあたしが! 勝利の女神がついてやってんだから!」
藤原奈央:生み出した爆炎障壁の上昇気流で投げナイフを完全シャットアウト。そして、
藤原奈央:繭のように氷の結晶を作り、着地の衝撃を完全軽減! 着地と同時に砕け散り、軟着陸するところまで完璧!
GM:そういう流れで、詩雲くんと花音ちゃんの前に氷の隕石が降ってくる。
[ショッピングモール10F]
《タルデュス》[0]
----------------------------
50m
----------------------------
芹那[07] 藤原[04] FH戦闘チーム[16]
詩雲[07] 10m 士騎[16] 《トワイサー》[26]
[ショッピングモール1F]
詩雲終:「──!?」
芹那花音:「ひっ」か細い悲鳴。
藤原奈央:「士騎! ここはどう見たって目の前の連中が悪役だわ」
藤原奈央:「二人を守るわよ……ゴー!」
GM:士騎くんはそのままメジャーアクションをどうぞ。
士騎朝輝:「俺と藤原の二人がかりなら、誰にも勝てない。くらいは言っても良いか。……よぉ、通りすがらせてもらうぜ」
詩雲終:(新手!? ……いや、狙いはこちらではない)
詩雲終:(だが……)
芹那花音:「……!」
《トワイサー》夕鶴安治:「新手か! 何者だ……!」
士騎朝輝:メジャー:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》標的はトワイサーです。
芹那花音:士騎くんにオートアクション《援護の風》。ダイス数が+5個されます。
芹那花音:こちら侵蝕率2上昇。
士騎朝輝:13dx7+10
DoubleCross : (13R10+10[7]) → 10[1,1,2,2,3,4,5,5,5,6,7,8,10]+5[2,2,5]+10 → 25
《トワイサー》夕鶴安治:まず普通にドッジしてみましょうか。無理そうだけど・・
《トワイサー》夕鶴安治:5dx=>25
DoubleCross : (5R10[10]>=25) → 8[1,2,6,6,8] → 8 → 失敗
GM:当然無理! なので、
《トワイサー》夕鶴安治:《献身の盾》を持つ戦闘チームトループにカバーさせます。《領域の盾》。
GM:ダメージをどうぞ。
士騎朝輝:3D10+28
DoubleCross : (3D10+28) → 19[7,3,9]+28 → 47
GM:それは耐えられないな……! 装甲を考慮してもHP0になります。戦闘チームは壊滅。
GM:《トワイサー》を守るように、ショックバトンやライフルを構えた複数の戦闘チームが立ちはだかる。
士騎朝輝:「俺か?」
士騎朝輝:原始的ながらも莫大な質量のレネゲイドの粒子嵐。白銀のそれは空気に触れることで周囲の熱を奪いつくし伝播していく。
士騎朝輝:常識外の空間温度差により士騎を覆う様に風景が不自然に歪む。暴力的な冷却能力が景色を死と白と静寂に汚染する。
士騎朝輝:「俺は、通りすがりの」
士騎朝輝:氷の視線を標的に向け、喜悦と共に村雨丸を抜き放った。
士騎朝輝:「通りすがりのイリーガルだ。覚えておけ!」
《トワイサー》夕鶴安治:「……殺れ!」
士騎朝輝:大気を駆け滑る、村雨丸の白銀輝線。
GM:ターゲットの変更。士騎めがけて一斉に銃弾が放たれるが……遅すぎる。
士騎朝輝:レーザー光を彷彿とさせる斬撃が立ち塞がる戦闘部隊に刻まれ、わずか一秒で血液までをも凍らせた。
士騎朝輝:化け物じみたレネゲイド出力が引き起こす内部からの強制冷却。
士騎朝輝:敵対者のその形だけは留めたまま、完膚なきまでに斬って捨てている。
藤原奈央:小さな炎の障壁を生み出し、芹那と詩雲を氷雪地獄から守っている。
詩雲終:(あの出力……あの刀。間違いない。あの日の"テクタイト"マーシナリーだ)
藤原奈央:「というわけで。あんた達の素性は色々気になるけど」
詩雲終:(しかし、イリーガル……だと?)
藤原奈央:「UGNよ。話はあとにして、あいつを一緒に倒す。いいわね!」
士騎朝輝:「どうやら、速いのは、あんたと、あんたの展開指示だけのようだよなぁ」
藤原奈央:「……ちょっと! 聞いてんのそこの槍使い!」
藤原奈央:「女の子の方も、わかったの? わかんないの! どっち!」
芹那花音:「…あ……っ」ワタワタと兄さんを一瞬一瞥。
詩雲終:「……勝手にしろ」
芹那花音:「わ、わかりました…っ」
詩雲終:「こちらはこちらでやる」
士騎朝輝:「良い返事じゃないか。素直で大変よろしいよなぁ。あぁ、安心して良いぜ。二人とも」
藤原奈央:「よろしいっ」
士騎朝輝:「さて、そして、そっちも降参の方も早い方が色々と助かるんだがなぁ。なぁ、村雨丸」
士騎朝輝:トワイサーに切っ先を突きつける。
士騎朝輝:52→56
《トワイサー》夕鶴安治:「邪魔を……!」
GM:イニシアチブ。行動値7、芹那ちゃんか詩雲くんの手番。
芹那花音:こちら先に動きます!
GM:支援タイプだしねw どうぞどうぞ。
芹那花音:はーい!マイナーなし。
芹那花音:メジャー、《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》《弱点看破》。対象は士騎くんと兄さん。
芹那花音:兄さんはC値-1、判定ダイス+3個。攻撃力+9。
芹那花音:士騎くんは次ラウンドで行うメジャーアクションのC値-1、判定ダイス+3個。
芹那花音:です! よろしくね。
詩雲終:ありがてえ!
芹那花音:(あの人たちは)
芹那花音:(きっと)
芹那花音:(怖くない。味方に、なってくれる…)
芹那花音:すう、と息を吸う。歌い出すのは、この場に不似合いな讃美歌。
芹那花音:「……en night, Holy night~~♪」
《トワイサー》夕鶴安治:「これは」
藤原奈央:「……う、た?」
士騎朝輝:(さっきの攻撃、体が随分と軽かったが、その時もあいつに何かされたか?無意識に味方だと感じたやつを支援したのか?)
GM:戦場には場違いすぎる歌。だが……
芹那花音:歌に合わせ、自らのレネゲイドが放出し、周囲に光の奔流が巻き起こる。
芹那花音:「恵みの御代の……朝(あした)の光……♪」
GM:普段から能力を受けている詩雲はもちろん、士騎もすぐに分かる。レネゲイド出力が飛躍的に向上している。
芹那花音:「輝けり ほがらかに」
士騎朝輝:「讃美歌をバックにやり合うなんて言うのは、流石に初めてだぜ。悪くはないよなぁ」
藤原奈央:「悪くないわね。LAW属性のボスってこういうBGMなこと多いし」 ゲーマーにしか通じない喩え。
士騎朝輝:「あぁ、ゲームってなんか好きだよなぁ。荘厳なコーラス付きの戦闘BGM、俺も最近ノリが分かってきたぜ」
藤原奈央:「大物っぽいボスほどすぐ死ぬっていうお約束もわかってきたんじゃない?」 サイドステップ。詩雲の邪魔をしないよう、道を開ける。
GM:イニシアチブ。行動値7、詩雲くんの手番。
詩雲終:「…………」 少女の歌声が、その輝きが……この身に、魂に。何もかも失ったあの日と同じように、力をもたらす。
詩雲終:その感覚を知っている。高揚と言うには穏やかで、安らぎというには活動的過ぎる。
芹那花音:侵蝕54→64
詩雲終:活性化するその頭脳が、"ソルモルス"と戦場を読解する。
詩雲終:("ソルモルス"、出力65%……)
詩雲終:「……墓穴を掘るには十分だ」
詩雲終:行動します。マイナーで10m前進、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート》。対象は《トワイサー》。
GM:妨害などはありません。判定をどうぞ!
詩雲終:11dx6-1
DoubleCross : (11R10-1[6]) → 10[1,2,3,5,5,5,7,9,10,10,10]+10[3,3,6,7,9]+10[1,6,9]+10[7,7]+10[2,7]+10[8]+10[10]+3[3]-1 → 72
GM:ギエエエッ
士騎朝輝:ヒュゥ♪
芹那花音:兄さん…!
詩雲終:歌が聞こえているのだ 当然だよな
《トワイサー》夕鶴安治:《領域の守護者》《領域の盾》。正直これをかばいたくはないんですが、
《トワイサー》夕鶴安治:このままだと絶対に死んじゃうので、10Fの《タルデュス》に遠距離カバーさせます。
GM:ダメージをどうぞ。
芹那花音:攻撃力+9わよ!
詩雲終:8d10+28+9
DoubleCross : (8D10+28+9) → 25[3,2,2,5,7,2,3,1]+28+9 → 62
詩雲終:ダイス目が息をしてござらぬ!
芹那花音:2・3!
士騎朝輝:極端すぎる。
《タルデュス》霧馬真人:これは死んじゃう……! 《タルデュス》は行動する前に戦闘不能。
GM:演出をどうぞ。トワイサーを殴りにいってくれれば、そのままタルデュスが妨害に入ります。
詩雲終:複数の機構が何回に噛み合わさった巨大な槍頭。その隙間から甲高い電動エンジンに似た駆動音が漏れ、青白い稲光が漏れる。
詩雲終:「機動開始」
詩雲終:槍を突き出す。と同時に、槍自体が一直線に電磁加速して《トワイサー》へと突っ込む。
《トワイサー》夕鶴安治:「退くにはまだ早すぎる……! 来い」
《トワイサー》夕鶴安治:「守れ! 霧馬!」 虚空を掴み、招き寄せるような手の動きをする。
詩雲終:僅かに遅れ、落雷に似た轟音と衝撃。近くのショーウィンドウのガラスは砕け、壁や床がその直線軌道を讚えるように砕け舞う。
士騎朝輝:「形状は違うが」
士騎朝輝:「やってることは、ういこに似てるな、あれ」
GM:ガラスが一斉に砕け散り、雪のように舞い散る中。
GM:10Fから飛び降りてきた黒い影が《トワイサー》を守るように立ちはだかり、電磁障壁を展開する。強引に槍の軌道をそらした。
《タルデュス》霧馬真人:「よう……がふッ」
《タルデュス》霧馬真人:「久しぶりだな。シュウ……」
GM:死んだ魚のような目で、じっと詩雲を見つめている。かつての彼とは何もかもが違う。
《タルデュス》霧馬真人:「つもる話が……色々、あるんだが」「話すって状況でもないな」
詩雲終:「……《タルデュス》」
詩雲終:僅かな驚きと、そしてすぐに疑念 「お前も《トワイサー》復活の連れ合いか。使徒は蘇らなかったはずだがな」
《タルデュス》霧馬真人:「そりゃそうさ。俺は──いや」
《タルデュス》霧馬真人:「……話は今度だ。その槍、あんま使いすぎるなよ」
《タルデュス》霧馬真人:「身体に悪いぞ」 《瞬間退場》。スモークグレネードを投げつけ、煙幕に紛れて退却します。
詩雲終:「今まさに、俺の敵をやっているお前の言葉を聞くわけが──」 反論は煙に巻かれて
詩雲終:呟く 「……分かっているはずだ。お前なら、そのくらい。一体……」
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+4した(侵蝕率:54->58)
芹那[07]
10m 詩雲[07] 士騎[16] 《トワイサー》[26]
藤原[04]
芹那花音:「………」その槍を振るう兄の姿を見るたび、胸にどこか懐かしさに似た切ない感情を覚える。
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+3した(侵蝕率:58->61)
芹那花音:ぎゅっとブラウスの胸元を握り、黙る。彼の邪魔をしてはならない。
士騎朝輝:「あれは、武器としてのコンセプトは命の星と同じかもなぁ。元々マスターのための……マスターレイか」
藤原奈央:「心強いわね。味方であるうちは」
GM:クリンナップエフェクトはないと思うので、クリンナップは省略しましょう。
GM:第二ラウンド。セットアップ。
芹那花音:なし!
詩雲終:なし!
士騎朝輝:《加速装置》56→58
士騎朝輝:行動値+12
《トワイサー》夕鶴安治:トワイサーも《加速装置》。行動値を+16。
GM:最速手番はトワイサー。通常アクションの前に、ちょっとしたEロイスを使用します。
芹那花音:Eロイス!
《トワイサー》夕鶴安治:「……身体に悪いか。くっ、く、く」
《トワイサー》夕鶴安治:「そうだ。詩雲……お前が一番わかっているのではないか」
《トワイサー》夕鶴安治:「その槍。使い続けるだけで……」
《トワイサー》夕鶴安治:「強い負担がかかりすぎると」 "衝動侵蝕"。
GM:詩雲くんのみを対象とした衝動判定です。難易度は16。ただし、
GM:詩雲くんと芹那ちゃんの意志を合算します。二人は意志で判定してください。
詩雲終:なにっ 原理は分からないがエモだぜ
GM:成功すると侵蝕率上昇はなし。失敗すると普通に2d10上昇です。
詩雲終:二人で判定して計18ってことですね
GM:16!
詩雲終:16!
詩雲終:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 6[1,2,4,5,6,6]+1 → 7
GM:うわひくっ
詩雲終:か、花音……!
芹那花音:自分に《援護の風》。+5個します
芹那花音:11dx
DoubleCross : (11R10[10]) → 9[1,2,2,3,4,4,4,7,8,8,9] → 9
GM:おっ
詩雲終:花音!
GM:ピッタリ16だ! じゃあギリギリで成功。
芹那花音:ちょ、ちょうど16!
芹那花音:兄さん…!
芹那花音:侵蝕64→66
GM:機械槍ソルモルス。本来《マスターレイ》だけが振るうことが出来る、マスターレイの遺物。
GM:君が正当な後継手続きを踏まずにFHを脱走したからか。戦いの中で時折、槍に魂を喰われるかのような強い衝動に襲われることがある。
GM:一瞬でも気を抜けば暴走状態になる。そして体中のレネゲイドが異常活性するでしょう。
詩雲終:事実である。この槍はレネゲイドの力により駆動し、時に強い衝動を喚起し、詩雲の精神を蝕まんとする。
詩雲終:「……だから何だ。だとしたら何だ?」
詩雲終:強い意志、あるいは憎悪を込めて《トワイサー》を睨む 「俺は既に、この"ソルモルス"の戦闘機能の多くを解析し、活用し、ここまで戦っている」
詩雲終:「退く理由に、手放す理由に、なると思うか? お前たちの警句が」
芹那花音:「……ght, Holy night………」絶え間なく続くか細い歌声が、兄さんの耳に届くはずだ。
詩雲終:「そんなものには」 ──この耳に彼女の歌が届く限り── 「何の意味もない」
芹那花音:(兄さん)その槍を使う彼を見る度に、胸に浮かぶこの思いはなんだろう。
《トワイサー》夕鶴安治:「……素晴らしい」
芹那花音:FH,マスターレイ……彼に関わることを何も知らない。自分に関わることすらも知らないのだ。
芹那花音:でも。そばにいる。
《トワイサー》夕鶴安治:「やはりお前は……詩雲終。お前こそが」
《トワイサー》夕鶴安治:「歴代でも最高の《マスターレイ》だ」 ジャカッ!
《トワイサー》夕鶴安治:「力を見せてみろ」 トワイサーの手番。《コンセントレイト:オルクス》《形なき剣》《空間歪曲射撃》《完全なる世界》。
GM:対象は詩雲……ではなく、詩雲とトワイサーの間に立っている士騎くん。
GM:ここでは判定だけします。士騎くんもこの直後の手番になるので
GM:士騎くんの判定結果を見て、士騎くんが一方的に斬り伏せたり、かっこよく相打ちになったりしましょう。
《トワイサー》夕鶴安治:10dx7+14
DoubleCross : (10R10+14[7]) → 10[2,3,3,3,6,6,7,8,8,10]+10[1,1,5,8]+10[8]+10[7]+3[3]+14 → 57
芹那花音:出目がいい!
GM:こいつ無駄に出目がいいな……w
士騎朝輝:リア不!
《トワイサー》夕鶴安治:6d10+10+12 装甲ガードが有効です。あと、NPCカードの8d10軽減も使用可能。
DoubleCross : (6D10+10+12) → 30[6,4,4,8,4,4]+10+12 → 52
士騎朝輝:よし。リッターシルトを使います。
GM:どうぞ! 8d10軽減できます。
士騎朝輝:52-8d10
DoubleCross : (52-8D10) → 52-33[1,7,4,2,3,5,8,3] → 19
士騎朝輝:32-19
芹那花音:13?
士騎朝輝:13 残りHP13で生存。
GM:死んではいないか! 攻撃演出は後で行うので、このまま士騎くんの手番にしましょう。
GM:行動値16。士騎くんの手番。
芹那花音:【支援】メジャーアクションのC値-1、判定ダイス+3個。
GM:あっえらい
芹那花音:えへん
士騎朝輝:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》
士騎朝輝:11dx6+10
DoubleCross : (11R10+10[6]) → 10[1,2,4,5,5,6,7,7,9,10,10]+10[2,2,3,7,8,9]+10[4,4,10]+3[3]+10 → 43
《トワイサー》夕鶴安治:ひえーっ。一応ドッジ。
《トワイサー》夕鶴安治:5dx=>43
DoubleCross : (5R10[10]>=43) → 5[2,2,4,5,5] → 5 → 失敗
GM:ダメでした! こいつは領域の盾で誰かにカバーさせるしかできないので、
芹那花音:ドッジの出目は悪い!
GM:軽減エフェクトなどはありません。ダメージをどうぞ。
士騎朝輝:5D10+28
DoubleCross : (5D10+28) → 14[1,1,3,3,6]+28 → 42
士騎朝輝:ダイス目悪いな。1点でも通ったらEロイス解除。
GM:通ります。HPは28、装甲値は8。Eロイス"悪意の伝染"が解除され、
GM:同時に戦闘不能に。《蘇生復活》でHP1復活しますが
GM:戦闘終了条件を二つも同時に満たしたので、この戦闘は君たちの勝利で終了! かっこよく切り捨てて構いません。
《トワイサー》夕鶴安治:ジャカッ
《トワイサー》夕鶴安治:────カ、カ、カン!
GM:同時に三発。士騎と詩雲、そして藤原に向けて追尾する銃弾を放った。
士騎朝輝:相手の反応速の方が高い。しかも飛び道具。稲妻の如き速さの自分を以てしても間合い勝負では分が悪い。
士騎朝輝:だが、まったくもって脅威とは感じない。痛みに備える必要すらない。
士騎朝輝:自分の後ろに最強の盾がいるのだ。攻撃が届かない確信がある。
藤原奈央:「そういう……」「ことよ!」
藤原奈央:氷の盾を錬成し、士騎と詩雲を銃弾から守る。生み出した好機は一瞬だが、それで十分。
芹那花音:続く歌声が、レネゲイドの出力を活性化させる。
詩雲終:槍頭の垣間から細い防御アームが頭を覗かせていたが、背後からの援護を受けて引っ込む
藤原奈央:「いきなさい! あたし専用スーパーファイナルウェポン……《ホワイトミュート》!」
士騎朝輝:「味方であるうちは、心強い。ね。なら、俺が一番心強いことになる。ずっと、味方なんだからな」
士騎朝輝:踏み込みは弾丸が氷の盾に弾かれたと同時。ついでに横にいる詩雲に声をかける。
士騎朝輝:「親切で言うけど」
士騎朝輝:「辛いなら、休んでいて良いよ。ジャームになったら俺(ぼく)の敵になる」あの日かけた口調をまねて軽く笑う。
士騎朝輝:村雨丸の藍色の柄に手をかける。ノーモーションでの抜刀。
詩雲終:「…………」 応じることはない。ただ、その口ぶり……おそらくは、敢えて作ったそれへ、不機嫌そうに目を細める
士騎朝輝:それは技術によるものではなく、そのように見える純粋な速さだった。
士騎朝輝:超高速の刃が空気を凍結させながら敵を切り裂く。
《トワイサー》夕鶴安治:「そうか。お前……お前が」
《トワイサー》夕鶴安治:「《クラック》────」
士騎朝輝:熱を奪い尽くされた剣の通り道に氷の線が浮かびあがって、敵が崩れると同じくして落下した。
士騎朝輝:「忘れたな」
士騎朝輝:「今の俺は《ホワイトミュート》らしいぜ」
士騎朝輝:「お前の核は氷葬した。まずは一つだよなぁ」
《トワイサー》夕鶴安治:《蘇生復活》のあとに《瞬間退場》します。元から自分の限界を悟っていたかのような潔さ。
《トワイサー》夕鶴安治:撤退は一瞬。氷の線が地面に落ちた時にはもう、オルクスの領域操作であらかじめ作っておいた『非常口』に逃げ込んでいる。
芹那[07]
10m 詩雲[07]
士騎[16] 藤原[04]
GM:戦闘終了です。
芹那花音:「………っ」歌を止め、とっとっとと、皆の方に走り寄る。
士騎朝輝:「藤原、サンキュー。お蔭で損傷はほとんど無しだ。そっちのお嬢さんもな。20%くらい能力が上がってたように思う」
芹那花音:「あ、はい……」照れたように兄さんの後ろに隠れる。
士騎朝輝:「良い歌だな。なぁ、村雨丸」握っている愛刀に声をかける。
詩雲終:「花音、無事か。さっき撃たれた所はもう大丈夫か」
芹那花音:「……あ、ありがとうございます…」恥ずかしそうにしている。
藤原奈央:「ふー」 スカートについた氷の粒を軽く払っている。
芹那花音:「大丈夫です、兄さん…。オーヴァードですから、すでに再生しています」
藤原奈央:「女の子の方は素直でいいんだけど……槍使いの方は、なんか」
詩雲終:「オーヴァードと一口に言っても色々ある。……済まない。傷を負わせて」
藤原奈央:「警戒してるわね。ま、その得物を見る限り色々事情があるんだろうけどさ」
士騎朝輝:懐から携帯を取り出し、二人の様子を撮
藤原奈央:「あっこら!」 士騎くんの手をはたき、カメラを下に向けさせる。
藤原奈央:「ここは優しく接して事情を聞く流れでしょ! 余計警戒させてどーすんのよ!」
詩雲終:淡々と謝り、それからUGNの2名へ警戒の目を向ける
士騎朝輝:「あいたっ」パシャ 凍った床が撮られた。
詩雲終:「……UGNだな」
士騎朝輝:「とは、言ってもなぁ。こうやって会ったのも旅の縁だろ。むしろ緊張をほぐそうと」
藤原奈央:「UGNよ。N市第三支部長、《リッターシルト》」
藤原奈央:黙ってろと言わんばかりに士騎くんの脇腹をつねりあげている。
芹那花音:「支部長…!」
詩雲終:「そっちは《ホワイトミュート》だったな。今は」
士騎朝輝:「っ……」脇腹の軽い痛みに眉を顰めつつ。「質問あればなんでも答えるぜ」
士騎朝輝:「知った仲とは言えないが、仕事をした縁だしな。一人じゃないようで、何よりだよなぁ」
詩雲終:「不要だし、不要なことを言うな。……この場での援護には礼を言う。消耗を抑えることができた」
士騎朝輝:「不要な事を言える余裕が今の俺にはあるのさ。……で、その娘の事を考えるなら、協働した方が良いと思うぜ」
芹那花音:「……」状況が理解しきれず、オロオロしているのが傍目にも分かる。
詩雲終:「……UGNとよろしくやるつもりはない。そっちには俺を仇にする奴もいるぞ」
士騎朝輝:「支援型オーヴァードの大体の常として、戦闘能力の方はないだろ。あんたが守り続けるにしても、得意か?」
士騎朝輝:奈央ちゃんの方を見て。
藤原奈央:「別に一緒にカラオケ行こうとかは言わないわよ。よろしくやる気がないならそれでいいけど」
芹那花音:「に、兄さん」
士騎朝輝:「こっちには、守護に関しては最高峰のスペシャリストがいるんだよなぁ」
詩雲終:「……そうやってお前もUGNに取り込まれたのか?」
詩雲終:「花音」 そちらを見る
藤原奈央:「後継者決定戦に勝ち抜いたはずの《ピリオド》が、なぜFHを脱退したのか。なぜFHに追われてるのか……」
藤原奈央:「説明くらいしておいたほうが、あとあとUGNに対する面倒がないと思わない?」
芹那花音:「あの、お話くらい、聞いても………」
芹那花音:「………」そこで、奈央ちゃん支部長の言葉が被って。顔色が変わる。
詩雲終:「…………」 敵意ある目を支部長へ向けて
士騎朝輝:「取り込まれたとかに関しては」
士騎朝輝:「それを言われると弱いんだよなぁ。ま、俺は安全路線を提示しただけで、自由を邪魔するな。って言われたら、それ以上は追及は出来ない」
士騎朝輝:「誰かの意思を捻じ曲げてまで束縛する義理はないから、安心してくれ」
GM:徐々に周囲で倒れていた一般人が起き上がりはじめています。UGNの処理部隊もじきに到着するだろう。
詩雲終:数秒、黙考する。花音にその事実を聞かれた以上、全てを伏してただ時計の針を進める、それだけの時間は終わったのか。
詩雲終:無理に物別れをした所で、彼女を誤魔化し切ることもできない。ならば。
詩雲終:(……あるいは)(それも込みで、か?)
詩雲終:「……情報交換だ」
詩雲終:「護衛・被護衛の必要はない。だがそれを除いても、今退けたあの存在は、少々ばかり特別だ」
詩雲終:「情報は欲しい。……そちらも同じだろう。そこに限り手を組みたい」
藤原奈央:「ん。それでいいわ、あんがと」
士騎朝輝:「敵にはならないようで、良かったよなぁ。よろしくな」
詩雲終:もう一度だけ軽くワーディングを張り、周囲の意識を取り戻しつつある人々の意識を刹那奪い、
詩雲終:その隙に"ソルモルス"を手放せば、巨槍は何処かへ自ら飛んでいく。
藤原奈央:「士騎と……」 自分の発言で芹那ちゃんの顔色が変わったのを見逃さなかった。気まずそうに視線をそらす。
藤原奈央:「……士騎もいいわね? 表のマックの奥に個室を確保してあるから、そこいきましょ」
芹那花音:ぎゅっと胸元で両の手を握り合わせ、黙っている。
詩雲終:「……花音」
詩雲終:ちらりと視線を向ける 「行くぞ。話をする」
芹那花音:「は」
芹那花音:「はい」
士騎朝輝:「あの、お姉さん、優しいから怖がることはないぜ」
士騎朝輝:「勿論、俺もな」
士騎朝輝:片目を軽く瞑って声をかけた。
芹那花音:「……」心臓が早鐘のように打っている。
芹那花音:慌てて、コクコクと頷いた。
GM:シーンカット。次は合流シーンです。
GM:詩雲をFHへ連れ戻すため、また襲ってくるであろう《トワイサー》。そして、まだ詩雲くんが《マスターレイ》なのではという疑惑を持ったままのUGN。
GM:誤解を解いた後、《トワイサー》対策や彼らの目的について探っていく流れとなります。
GM:ロイスが取れます。購入も可能。
芹那花音:ロイスは…ここでは…保留!
芹那花音:応急手当キット購入を目指します。
芹那花音:3dx>=8
DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 10[8,9,10]+5[5] → 15 → 成功
芹那花音:買ってた!
芹那花音:2d10+5 使います。
DoubleCross : (2D10+5) → 11[7,4]+5 → 16
詩雲終:応急手当キットを……買えるか……!
詩雲終:2dx+1=>8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 8[1,8]+1 → 9 → 成功
詩雲終:買えた! 花音!
士騎朝輝:アームドスーツ 手配師使います。
士騎朝輝:5dx+6
DoubleCross : (5R10+6[10]) → 9[4,5,7,7,9]+6 → 15
芹那花音:兄さん!
芹那花音:2d10+16
DoubleCross : (2D10+16) → 4[1,3]+16 → 20
士騎朝輝:買えました。ウェポンケースにin
芹那花音:不良品だこれ!
GM:おっすごい
詩雲終:クッ……UGNめ……!
GM:誤解!
芹那花音:以上です~
GM:士騎くんもここではロイスはなしでいいですか?
士騎朝輝:詩雲終 懐旧〇/不信 で取って以上です。
詩雲終:ロイスはまだなしでいこうという姿勢
GM:詩雲くんはなかろうよ!
GM:じゃあシーンカットだ。
士騎朝輝:戦闘終了の時に侵蝕上げてなかったので。56→60
■ミドルシーン02
GM:合流シーンです。情報収集は次からになりますが
GM:PC同士の親睦を深める、という意味では全員登場推奨かな。シーンプレイヤーは詩雲くん。
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:61->67)
芹那花音:1d3+3+66
DoubleCross : (1D3+3+66) → 2[2]+3+66 → 71
士騎朝輝:60+1d3+3
DoubleCross : (60+1D3+3) → 60+1[1]+3 → 64
第三地区・ショッピングモール前 ハンバーガーショップ
GM:UGNは市内の各所に専用のMTGスペースを持っている。このハンバーガーショップ奥の個室も、そのうちの一つだ。
GM:もっとも、セキュリティは貧弱だ。ガラス張りの窓のせいで狙撃にも弱く、支部の堅牢性には遠く及ばない……が。
GM:あまりにもワケありすぎるこの二人を連れ込むには、これくらいの緩さがちょうど良いのかもしれない。
詩雲終:実際、その判断に違いはないだろう。すぐにでも支部に連れて行かれようとすれば、もう一度"ソルモルス"を呼び出すことになっていた。
藤原奈央:「あ、好きなもの注文していいからね。そこのタブレット使えば……壁の商品ポストに届くから」
藤原奈央:「あたしポテトたのもっと。はい、あなたもどうぞ」 芹那ちゃんにタブレットを押し付ける。
芹那花音:「あ、は、はい」頬を赤くしながらタブレットを受け取る。
士騎朝輝:「俺と藤原で持つから、好きなの頼んで良いぜ。こういう所で借りは作らない。みたいな事言うのも、小さい話だしなぁ」
藤原奈央:「マックでの借りって何よって感じだかんね。高校生じゃないんだから」
藤原奈央:意図的に口調を軽くし、まずは空気を明るくしようとしている。
士騎朝輝:「高校生だろ。藤原は。って話だけどなぁ」
詩雲終:「使い方は大丈夫か」 視線だけで覗く
芹那花音:「だ、大丈夫です、あの。分かります」他人の目があるので照れている。
芹那花音:「兄さんは、アイスコーヒーにしますね…」細い指でタブレットをいじる。
詩雲終:頷く
GM:注文すればすぐ、壁に備え付けの金属製ポストのようなところに商品が入る音がする。キッチン直通の納品口だ。
芹那花音:「あの、ホワイトミュート……さんは…?」
士騎朝輝:「大検取ろうと思ってるけどなぁ。これが中々……って注文の方な」
芹那花音:自分のカフェオレも選びつつ。
芹那花音:「あ、えと、注文の方です」
芹那花音:「せ、制服着てるし…」
士騎朝輝:「フィッシュバーガーで、後、ホワイトミュートってのは勘弁してくれ。大仰過ぎて趣味じゃないし、ちゃんと名前だってあるぜ」
士騎朝輝:「そうだな。全員、自己紹介しておこうぜ。傍から見れば高校生の集まりだ」
芹那花音:注文を終えて、コクコクと頷く。
藤原奈央:トレイに四人分の注文をどっさりのせて戻ってくる。 「あたしからいくわね。《リッターシルト》の藤原奈央よ。18歳、高校三年」
芹那花音:「藤原さん…」小さく呟きながら順に見上げる。
藤原奈央:パチン、とかわいく芹那にウインクする。こうしていると普通の女子高生にしか見えない。
芹那花音:目が合って、恥ずかしそうに頬を染める。
藤原奈央:「高校生の集まりって言っても……この子はギリ中学くらいじゃない? ……まいっか。はい、順番にいきましょ」
詩雲終:「……」 嘆息を吐き 「……《ピリオド》。互いを呼称するならそれで十分だろう」
詩雲終:「高校でも中学でも良いが、オーヴァードの集まりだ。緊張を緩めようとしているのだろうが」
詩雲終:「俺には手練と手管にしか映らない。……まあ良い」
詩雲終:「花音はそれくらいの方が話しやすいだろう」
芹那花音:「ご、ごめんなさい、兄さん」
藤原奈央:「手練手管って。別にそんなんじゃありませんー。ちょっと良心の呵責があっただけですー」
士騎朝輝:「自分たちの都合で協力を要請しようとしてる。ってとこに関しては俺も呵責はあるね」
士騎朝輝:「だから、手助けして、後腐れなく行きたいってとこだよ」
詩雲終:「まったく、どうだか」 視線を逸らし、足を組む
詩雲終:「良い。お前が謝ることはない。……自己紹介もしておけ」
芹那花音:「あ、はい、花音と言います。あの、学年は中学3年です」
芹那花音:苗字は意図的に伏せている。
藤原奈央:大きなボックスに入ったチキンナゲットを真ん中に置きながら、自己紹介を聞く。
藤原奈央:「カノンちゃんか……へーっ、おしゃれな名前」
芹那花音:「学校には、行ってないんですけど…」
士騎朝輝:「中学三年生」体全体のシルエットを見る。
士騎朝輝:「…………」口を噤む。
士騎朝輝:軽くため息をつき、ナゲットを一つ摘まむ。
芹那花音:「あ、あの…?」視線を感じて恥ずかしそうに士騎くんを見つめ返す。
詩雲終:「……《クラックアイス》。何見てる」
藤原奈央:「あ、ごめんね花音ちゃん」 士騎くんの手の甲に熱々のポテトを押し付けている。
藤原奈央:「ただのセクハラクソ大魔神ってだけだから。気にしないで」
士騎朝輝:「いや、気にしないでくれ。もし、失礼に感じたなら悪かっ………あつっ」
士騎朝輝:手をぶんぶんと振って
士騎朝輝:「俺は藤原の方がしっかり好みなんで、全員に安心をして良い。って言いたいところだけどな」
藤原奈央:「セクハラ大魔神さんもしなさいよ、自己紹介。ピリオドと旧知の仲なのはわかったけど」
藤原奈央:「花音ちゃんとは初対面なんでしょ」
士騎朝輝:手の甲をフーフーと吹いて。
士騎朝輝:「士騎朝輝。輝く朝の騎士の逆順。こっちは愛刀の村雨丸。この前まで旅人やってた」
士騎朝輝:「趣味は旅の思い出を写真に収める事。後で一枚撮らせてくれると嬉しいんだよなぁ」
藤原奈央:「撮らせるわけないでしょ。死ぬほどワケありっぽいんだから……」
芹那花音:「ご、ごめんなさい……」
詩雲終:「撮った瞬間にはそのデバイスを砕く」
芹那花音:「あの、ち、違うんです。兄さんは仕方なくこう言ってて…」アワアワしている。
士騎朝輝:「俺の方が速いとは思うけどなぁ。嫌がってることは無理にはしないさ」
藤原奈央:「だいじょぶよ芹那ちゃん。《ピリオド》の性格、なんかだんだんわかってきたから」
藤原奈央:花音ちゃん!
士騎朝輝:「初めて会った時よりは好印象だしなぁ。そういう反応」
詩雲終:「……しかし、旅人をやっていた、で、今はUGNか。確かに《テクタイト》であればそういうことも可能か」
詩雲終:「だが普通はそうは行かない。FHからの足抜けにはリスクを伴う。相応の時間と距離を経て今なお、亡霊のような連中に追われるように」
芹那花音:「……」指先が緊張したように固まる。
士騎朝輝:「ビジネスライクの極致みたいなとこだしな。うちの古巣は」
藤原奈央:「そこよね。そろそろ本題に入ろっか。……UGNがホワイト組織なのを示すため、先にあたし達の事情から開示するけど」
藤原奈央:「あたしたちは複数の情報屋から《マスターレイ》が市内に潜んでるって情報を得て、張り込んでたの」
藤原奈央:「もっとも、《マスターレイ》関連はいろいろと入り組んでるみたいだから……」
藤原奈央:「まず、悪意を持ったオーヴァードかどうかを確認したかったのよね」
士騎朝輝:「あんたの姿が市内で確認されて、話自体はガセじゃないだろう。って事だった訳だ」
詩雲終:「俺というより、"ソルモルス"だろう」
詩雲終:「シンボルだからな。アレを持つ者が《マスターレイ》であると……されていた。……それで?」
藤原奈央:「そんだけ。ソルモルスの持ち主……マスターレイって呼んでいいのかなこれ。が悪意を持ったオーヴァードなら、騒ぎを起こす前に鎮圧するつもりだった」
藤原奈央:「でもねえ」
士騎朝輝:「敵意はあるけど、悪意は持ってないよなぁ」
士騎朝輝:「今のところ」
藤原奈央:「マック来てくれたしね」
詩雲終:「……」 目を閉じる
芹那花音:「ま」
士騎朝輝:「ん?」フィッシュバーガーを齧る。
芹那花音:「マスターレイ……って」
芹那花音:「な、何なのですか」
藤原奈央:「……それ、UGNでも絶賛調査中なんですけど……」 詩雲に視線を向ける。
藤原奈央:「何なのですか?」
士騎朝輝:「説明してないのか?ピリオド。そういうのから遠ざけたい感じか?」
士騎朝輝:「なら、藤原から言っちゃうのはマズイ気もするよなぁ」
詩雲終:「そうだ。そこの支部長殿が喋るまでは、何一つな」
藤原奈央:「んぐっ……わ、悪かったって思ってんのよ!」
詩雲終:「まあ、そういうタイミングが来ただけの話だ。……知る限り話しておこう」
GM:マスターレイについては、当然ながらこのあとの情報項目で出てきます。ので
詩雲終:「……《セクソル》セルは若いFHの人員を集め、訓練や任務に当たらせていた。俺もその一人だ」
詩雲終:話しながら、花音の方は見ない
GM:詩雲くんはこれまでのシーンで描写されたものは全部知っていて構いません。一番の当事者だからね。
詩雲終:「だがある日、俺たちは殺し合いを強いられた。《マスターレイ》の後継者決定戦を決めるという名目で」
藤原奈央:「……蠱毒、濃縮体か。FHはたまにそういうのをやるって聞くわね」
藤原奈央:「そうして力のあるものを選別し、重要な任務に充てるって」
詩雲終:「俺は同じセルのメンバーを全員殺し」 足を組み直す 「その《マスターレイ》とかいう呼び名は受け取らず、例の槍だけ貰って、脱走した」
士騎朝輝:「俺の前に立ちふさがったあいつ、口ぶりからすると生き残りか?」
GM:《タルデュス》霧馬真人については、詩雲くんは明確な疑問をいだいていて構いません。
GM:あの時、君の一撃は確実に霧馬を殺すだけの威力があったはずだ。
詩雲終:「そうだ。殺した筈だが、それを言えば死んだ筈の《マスターレイ》……あの老いぼれだ。あいつも生きていた。何かカラクリがあるんだろう」
詩雲終:「妙であることは確かだ。間違いなく蒸発させたからな」
詩雲終:「……ついでに言うと、その時脱走の手助けとして雇ったのがそいつで」 士騎くんを指差し
詩雲終:「拾ったのが花音だ」 花音の頭に手を置く
芹那花音:「ひぅ」
芹那花音:ピクッと怯えたように体が震える。
藤原奈央:「拾ったって」
藤原奈央:「捨て猫じゃないんだから……」
詩雲終:「親を探してるのは確かだがな」
芹那花音:「わ、わたし…FHに誘拐されて…実験施設にいたんです」
芹那花音:「そ、そこで、《マスターレイ》の名前も聞いたことがあって…」
藤原奈央:「……なるほど、ね。《マスターレイ》関連の実験体として、か」
士騎朝輝:「…………胸糞悪くなる話だな。自由の欠片もない」
芹那花音:「ご、ごめんなさい」
芹那花音:「わたし、その、その時のこと、あまりよく覚えてなくて」
藤原奈央:「あ、そうなんだ」
詩雲終:「花音が謝る必要はない。……俺が助けて、話せるようになった時にはな」
詩雲終:「もうほとんど何も覚えていなかった。実際、不要な情報だ」
士騎朝輝:「そもそも。なんで、お嬢さんが謝るんだよ。そう言うのはこっちで調べることなんだし」
士騎朝輝:「頭を下げる必要ないよなぁ」
芹那花音:「で、でも、兄さんは、悪い人じゃないんです」
士騎朝輝:「…………」
士騎朝輝:「知ってるよ。悪い奴だったら、あんな馬鹿な依頼はしてこない」
藤原奈央:「花音ちゃん、なんでそんなに《ピリオド》が好きなの? そりゃまあ悪人じゃなさそうだけどさ」
芹那花音:「すっ」
詩雲終:「ああ?」 奈央ちゃんを威嚇する
芹那花音:「好き、だ、なんて!そんな…」頬が赤らんでいる。
士騎朝輝:「悪人なら、そのままマスターエージェントになった方が得だしなぁ……そういう話か?」
詩雲終:「それを支部長は確認する必要があるのか?」
詩雲終:「必要性を言ってみろ《リッターシルト》」
藤原奈央:「あ、あるでしょ! 無理やり連れ回されてるんだったら保護しなきゃいけないし」
芹那花音:「に、兄さん、怒らないでくださいっ」
芹那花音:「だっ」
士騎朝輝:「藤原、そうだぜ。聞くとしたら、こっちじゃないか?」
詩雲終:「怒っていない」 怒気を発しながら 「必要性を確認しているだけだ」
士騎朝輝:「ピリオドは、どうなんだよ?花音ちゃんの事好きなのか?」
藤原奈央:「……」
士騎朝輝:「だよなぁ」
詩雲終:バシュッ
詩雲終:アイスコーヒーの紙カップが握りつぶされ、プラスチックのフタが飛ぶ
士騎朝輝:少しだけ面白がって唇の端を上げ……。
芹那花音:「にっ」
藤原奈央:「ちょっとお!」
芹那花音:「兄さんっ」
詩雲終:「……士騎朝輝」
士騎朝輝:「OK。禁句で地雷なわけだ」
芹那花音:「わっ」珍しく大きな声を出して遮る。
芹那花音:「私が、兄さんに、無理やりついていってるんです!」
芹那花音:「兄さんはっ、それを、許してくれているだけなんです!」
詩雲終:「…………」
芹那花音:「…………」顔を赤くしたまま席に座り直す。
詩雲終:溜息を吐き、紙ナプキンでこぼれたアイスコーヒーを適当に拭く
士騎朝輝:「あぁ、二人の関係は、だいたいわかった」
藤原奈央:「はー……《ピリオド》、あんた」
藤原奈央:「言うまでもないだろうけど、大事にしなさいよ。こんなピュアな子、今どきマジ珍しいんだから……」
詩雲終:「知るか」
GM:ここまででひとつ、全員が確信できることがあります。
GM:──情報が乏しすぎる。
GM:FHからの脱走者。記憶喪失の実験体。2週間前にマスターレイの存在を知ったUGN。
GM:全員の情報を合わせてもなお、『マスターレイとは何なのか』すら満足に分からない。
GM:殺し合いを迫られた理由。花音が囚われていた理由。トワイサー達の目的も、何も分からない。……道は二つある。
GM:この場でUGNと袂を分かち、また逃避行に戻るか。
GM:それともこれを好機とし、UGNを利用して情報を集め、亡霊たちとの因縁を一掃するか。
詩雲終:やがてこぼれたものを拭くのも面倒になって、席を立つ
詩雲終:「そのタブレットで掃除係を呼んで、すぐさま片付けられないのなら、俺はもう行く」
芹那花音:「で、でも……」
詩雲終:「分かったことは」
詩雲終:花音の言葉を遮り 「情報が足りないということ。そしてお前たちがUGNとしては、大分気の緩んだ方であるということ」
藤原奈央:「んなっ」
詩雲終:「だから、俺としても都合が良い。……逃げて消えたりはしないとも」
士騎朝輝:「お人好しなのは確かだよなぁ。そこが良いんだけどな、藤原は」
詩雲終:「《マスターレイ》を排除するという一点であれば、手は組める。……認識に相違はないな?」
士騎朝輝:「緊張しなきゃ生きられない。なんて言うのは、そもそも不健全だぜ。ピリオド」
詩雲終:「だったら人間以外の大半の獣は、さぞ不健全なことだろうな」
藤原奈央:「まったくもってピリオドさんの認識で相違ございません。ああん、もう」
藤原奈央:「男子同士のフリースタイルはあとで存分にやってくれていいから。つまり」
士騎朝輝:「手を組める。って事だな」
藤原奈央:「そ! 期限は《マスターレイ》の脅威をこの町から排除するまで」
藤原奈央:「花音ちゃんもそれでいい? あたしらが信用できないなーとか思ったら、ちゃんと言ってくれていいのよ」
芹那花音:「だ」「大丈夫です」コクコクと頷く。
士騎朝輝:「怖い。とか、話しにくい。とか、そういうのもあればな。遠慮なくな」
士騎朝輝:「旅の道連れみたいなもんだよ。当分の間はさ」
詩雲終:「……こちらでも情報の収集は行う。追って連絡する」
芹那花音:「あ……」
詩雲終:「行くぞ、花音。さっきので裾が汚れてる」
詩雲終:「新しい服を買いに行こう」
芹那花音:「えっ、あ…はい」慌てて席を立つ。
芹那花音:「あの。ありがとうございました」慌ててお辞儀。
士騎朝輝:「花音ちゃん。これ、連絡先な」
士騎朝輝:メモを渡す。
芹那花音:「…はい」受け取って、コクコクと頷く。
士騎朝輝:「それじゃ、また明日」
芹那花音:「また…」瞬き。
士騎朝輝:奈央ちゃんの方に視線だけを向ける。
芹那花音:「……はい、士騎さん、藤原さん」少しはにかんで、またお辞儀して、踵を返して兄の後を追う。
士騎朝輝:聞きたいことあれば聞いておく?と言う視線。
藤原奈央:「……ねえ。《ピリオド》」
詩雲終:目線だけを向ける
藤原奈央:全員で部屋を出る直前。部屋に少しだけ詩雲を引き止める。
藤原奈央:「一番重要な質問なんだけど。……なんであんた、あの子を拾ったの?」
藤原奈央:「脱走直前。逃げ切れるかわからなかったんでしょ」
GM:記憶喪失の実験体。明確に言ってしまえば、足手まといが一人増えるだけだったはずだ。
詩雲終:「……拾わない方が良かったか?」
藤原奈央:「拾ってくれるような奴でよかった、って思ってるから聞いてるの」
詩雲終:フン、と鼻を鳴らし
詩雲終:「逃げる時に、盾か囮になればと思っただけだ。邪魔になるようなら捨てていた。二人で逃げ切れないようなら捨てていた」
詩雲終:言うまでもなく、不合理である。詩雲くらいの実力があれば、一人で動いた方がはるかに身軽だ。
詩雲終:「それだけだ」
藤原奈央:「ぷふっ」 小さく吹き出す。
士騎朝輝:「そう言うなら、そういう事にしておこうぜ」
藤原奈央:「うん。そういうことにしとこっか」 部屋の電気を消しながら外へ出る。
詩雲終:二人を睨み 「……地獄に落ちろ」 ぼやく
士騎朝輝:「男の見栄ってをヤツだ。藤原に理解があって感謝しろよ」
芹那花音:「……?」先に外に出ていて、会話が聞き取れなかった。不思議そうに3人を見上げている。
GM:シーンカット。次のシーンから全員での情報収集が可能となります。
GM:先に難易度と情報項目数だけ開示しておこうかな。内容はこれでぜんぶ。
GM:
---------------------------
○=クリア済み
●=未クリア
★=クリアから3シーン経過後に公開
○マスターレイについて
┗★本当のマスターレイについて <情報:FH><知識:レネゲイド>難易度10
●初代マスターレイの逸話 <情報:ウェブ><情報:FH>難易度6
┣●???
┗●???
┗●???
●身辺調査:《タルデュス》霧馬真人 <意志><交渉>難易度9(交渉のみ、詩雲が挑む場合は難易度-3)
---------------------------
GM:『マスターレイについて』はOPで士騎くんがクリアしたので、あと6個ってことになりますね。
詩雲終:く、クリアから3シーン経過後に公開……?
GM:3シーン経過後!
芹那花音:でも士騎くんOPで発覚したから、
芹那花音:ミドル戦闘→合流…で2シーンは経過してるのかな?
詩雲終:それは『マスターレイについて』ですね
詩雲終:3シーン経過がかかるのは『本当のマスターレイについて』だ
GM:ですです。『本当のマスターレイについて』は3シーン必要。
芹那花音:あ、なるほど!そういうことか
芹那花音:項目が登場するのが3シーン経過後なのかと思っちゃった 失礼しました
士騎朝輝:本物振ろうかな
GM:暗号化された情報の分析に時間がかかってる、みたいな感じだと思ってください。詳細は情報収集シーンでまた説明しましょう。
芹那花音:はーい
GM:とりあえずこのシーンはここまで! ロイスと購入が可能。
詩雲終:へーい
士騎朝輝:強化素材。ロイスは大丈夫。
士騎朝輝:いや、応急手当にします。
士騎朝輝:2dx+6
DoubleCross : (2R10+6[10]) → 8[7,8]+6 → 14
士騎朝輝:OK。即使用。
士騎朝輝:2d10+13
DoubleCross : (2D10+13) → 4[2,2]+13 → 17
詩雲終:士騎朝輝/懐旧/○食傷 藤原奈央/有為/○厭気
詩雲終:最後のやり取りをすごく根に持っている
GM:ウンウンヒドイヒドイ!
詩雲終:ウンウンww
芹那花音:士騎朝輝/信頼/不信感:〇 藤原奈央/尽力:〇/不信感 で取得します。
■ミドルシーン03
GM:ミドル03。情報収集シーン……のつもりでしたが、
GM:先に会話をやりましょうか。家に戻った詩雲、花音の会話シーンとなります。
芹那花音:1d3+3+3
DoubleCross : (1D3+3+3) → 1[1]+3+3 → 7
GM:3がいっこおおい!
芹那花音:まちがえた 4上がって75です!
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:67->73)
GM:N市第三地区。まだ真新しい塗装のにおいすら感じられそうな、新築のタワーマンション。
GM:一般向けには少々過剰とすら思えるセキュリティを誇るこのマンションこそ、N市での詩雲と芹那の住処だ。
GM:まだ夕刻だが、明日は朝早くからUGNと落ち合うことになっている。食事とシャワーを済ませたら早々に寝てしまったほうが良いのかもしれない。
詩雲終:荷物の開封は花音に任せ、PCを立ち上げて何やら操作している。
芹那花音:「すぐに、夕飯の準備もします」いつも通り、エプロンを身につけながら、その背中に声をかける。
詩雲終:他組織との、レネゲイド関連の研究に関する情報のやり取りが主だ。FHでの研究者であった詩雲の知識は、一つ一つが一財産であり、然るべき捌き方をすれば相応の財になる。
詩雲終:「ああ」 いつも通りの素っ気ない返事。その横顔は既に研究者としてのそれだ
芹那花音:「……こんなに、お洋服も買っていただいてしまって……」
芹那花音:「………」いつもなら、彼がそんな様子を見せ始めたら、こちらも押し黙る。
詩雲終:「季節も変わるし、必要だろ」
詩雲終:「似合ってた。着るのが楽しみだ」
芹那花音:「…あ、ありがとうございます……」顔を赤くして、俯く。
詩雲終:そう。いつもならこうなれば、あとはずっと黙って何某かPCの向こうの相手とやり取りを続けるばかりだが
詩雲終:「……悪かった」
詩雲終:今日はその口を閉じない
芹那花音:「……え?」
芹那花音:大きな背中を見つめながら、立ち尽くす。
詩雲終:ディスプレイに向けていた画面から視線を外し 「黙っていたことだ」
芹那花音:「………」
詩雲終:「俺がFHだったことを」
詩雲終:「……前提が色々とあって、落ち着いたら、落ち着いたらと先回しにしていたら」
詩雲終:チェアを90度ほど回転させ、横顔だけ向けて 「すっかり話し損ねた。……悪かった」
芹那花音:「あ、あの」
詩雲終:「ああ」
芹那花音:「わ、わたしも、その、何も気づいていなくて…ごめんなさい」
芹那花音:「兄さんが、何か大変な事情を抱えているのは、分かっていたんです、けど」
詩雲終:「…………」 君に視線を向ける
芹那花音:「それを考えようもしていなくて…」「その」
芹那花音:「か、考えてみれば、まったく関係のない人が、あの場所にたまたまいるなんてことの方が、おかしいですし」
芹那花音:「兄さんが、FHで…わたしの…マスターレイの実験も…兄さんのために行われていた…ことも……」
詩雲終:「花音」 その拙い言葉を止めるように
芹那花音:「っ」体が震える。
詩雲終:「だとしても、言うべきことを言っていなかったのは、俺だ」
詩雲終:「悪かった」
芹那花音:「に……」
芹那花音:「………」
芹那花音:「………どうして」
芹那花音:「どうして、わたしを助けてくれたんですか?」
詩雲終:「……」 腕を組み、椅子にもたれかかる。誤魔化そうと思えばいくらでも誤魔化せる問い
詩雲終:「……一人は」
詩雲終:「一人で過ごすことがどういうことか、分からなかったからだ。その時、お前を見つけた」
芹那花音:「………」
詩雲終:「だから助けた。……実際、一人でなくお前がいて、助かったことも多い」
詩雲終:「正しい選択だった」
芹那花音:「……」瞬きする。瞬きするたびに、目が潤む。
詩雲終:「花音こそ。もう良いんだぞ」
芹那花音:「え」
詩雲終:「俺についてこなくても。両親を探すとなれば、UGNの方が話が早い」
芹那花音:「……え」
詩雲終:「あの気の緩んだ連中なら悪いようにはしないだろう。……両親の元に帰りたいんなら」
詩雲終:「そういう選択肢はある」
芹那花音:「ち」
芹那花音:「ちがいます」首をふるふると横に振る。
詩雲終:「……」 その様子を横目で見続ける
芹那花音:「そうかもしれないけれど、違うんです。わたし…」
芹那花音:「お父さんとお母さんに、会いたいけど、でも。そこに、あなたがいないと、何も意味がありません」
詩雲終:「俺がいないと、意味がない?」
芹那花音:「は…はい」頬が赤い。
芹那花音:「だ、だめなんです」
芹那花音:「わ、わたし…は、あなたを、お父さんとお母さんに紹介するって、決めてて…」
詩雲終:「……そうか」 目を閉じ
芹那花音:「それに、もう、あなたがいない日々なんて………」
芹那花音:「…………」言葉が途切れる。
詩雲終:「……分かった」
詩雲終:「なら早く《マスターレイ》を片付けて、元の捜索に戻らなければならん」
芹那花音:小さな身体で、ぽつんと部屋に立ち尽くしている。
芹那花音:「っ」顔を上げる。
詩雲終:椅子を立ち 「今日は早めに休もう。食事、頼む。俺はもうシャワーを浴びてくる」
芹那花音:「は、はい」コクコクと頷く。
芹那花音:「じゃああの、寝間着を………」
詩雲終:「それくらい自分で取る」 花音の肩を手で止めて
芹那花音:「!」びっくりした顔で兄さんの顔を見上げる。
詩雲終:その目を見返し、頭に軽く手を置く 「だから食事を」
芹那花音:「は……」
詩雲終:「能率の良い栄養補給が、効率的な活動の前提だ」
詩雲終:「頼めるな?」
芹那花音:「はい……」
芹那花音:真っ赤な顔で、頷く。
詩雲終:「よし」
詩雲終:少しだけ笑って、そのまま寝間着を取り、シャワールームへ向かう
芹那花音:「…………」真っ赤な顔で、その背中を見つめる。
芹那花音:華奢な手で、肩をなぞり、
芹那花音:頭に触れ、ゆるゆると手を下ろす。
芹那花音:「……………」泣きそうな顔で、ぎゅっと手を握って。
芹那花音:(兄さん)
芹那花音:(……………)
■ミドルシーン04
GM:セッションを再開します。前のシーンからそのまま地続きで、情報収集シーン。
GM:まず士騎くんだけ追加登場してください。
士騎朝輝:64+1D3+3
DoubleCross : (64+1D3+3) → 64+3[3]+3 → 70
GM:みんな70代に入ってきましたね。じゃああらためて、現在調査可能な情報項目を開示します。
○=クリア済み
●=未クリア
★=クリアから3シーン経過後に公開
○マスターレイについて
┗★本当のマスターレイについて <情報:FH><知識:レネゲイド>難易度10
●初代マスターレイの逸話 <情報:ウェブ><情報:FH>難易度6
┣???
┗●???
┗●???
●身辺調査:《タルデュス》霧馬真人 <意志><交渉>難易度9(交渉のみ、詩雲が挑む場合は難易度-3)
GM:タルデュスは情報:FHも使えていいかもしれません。やっぱり難易度は9。
GM:★はセキュリティが強固なため、クリアから3シーンしないと開示できません。ぶっちゃけるとこれを優先的に調べたほうがいい……んですが
士騎朝輝:本当のマスターレイについて 振ろう
芹那花音:じゃあ初代マスターレイについて調べます
GM:調べなくても、トリガーシーンに入ると自動公開されます。その場合はクライマックスの難易度があがる。
芹那花音:なるほどなるほど
詩雲終:とりあえず様子見
芹那花音:初代マスターレイの逸話について、 <情報:ウェブ>で調べます。
芹那花音:3dx+1>=6
DoubleCross : (3R10+1[10]>=6) → 9[1,1,9]+1 → 10 → 成功
芹那花音:おー!やりました
GM:おっすごい!
士騎朝輝:コネ 要人を使用します。
GM:士騎くんは本当のマスターレイですね。どうぞ
士騎朝輝:情報FHで
士騎朝輝:5dx+2
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 8[1,6,7,8,8]+2 → 10
GM:おー!ピッタリだ!
士騎朝輝:ふふ、成功。
GM:じゃ、まずは二つを開示しましょうか。
GM:あ、いや
GM:ロールしながら開示していったほうがいいかなあ。うーん
GM:いや。情報を先に開示しておくか。
GM:先に来てUGN組だけちょっと会話をしていることになったので、本当のマスターレイについての描写はその時にやりましょう。
・初代マスターレイの逸話について
初代マスターレイは第二次世界大戦で活躍したオーヴァード。ソルモルス本来の使い手。
旧日本帝国の陸軍中尉だったらしく、オーヴァードとして覚醒してからは同盟軍のナチス・ドイツ協力のため、ヨーロッパ戦線へ渡っていた。
まだオーヴァードが希少だった当時。ソルモルスの全機能を解放したその戦いぶりは凄まじく『光の王』『陽を喰む者』──マスターレイとしてイギリスをはじめとする連合軍兵士から大いに恐れられ、語り継がれた。
終戦から75年経った今でもなお、一部オカルトマニアはウェブ上で『マスターレイは実在したか』について議論しているほどである。
初代マスターレイは連合軍の対オーヴァード部隊に討たれて死亡する直前『私は必ず転生する』と言い残している。
カリスマもあったのだろう。戦後まで生き残った部下はマスターレイの狂信者となり、転生を待ち続ける特殊組織『レナトゥスの使徒』を結成した。
GM:新たな情報項目が追加されます。
○=クリア済み
●=未クリア
☆=あと[3]シーンで公開
○マスターレイについて
┗☆本当のマスターレイについて
○初代マスターレイの逸話
┣●『レナトゥスの使徒』について <情報:裏社会>難易度6
┗●ソルモルスの特性について <知識:レネゲイド><芸術:歌>難易度8
┗●???
●身辺調査:《タルデュス》霧馬真人 <意志><交渉>難易度9(交渉のみ、詩雲が挑む場合は難易度-3)
詩雲終:うーん、これは……身辺調査:《タルデュス》霧馬真人 で行きましょう
GM:おっ、ええぞええぞ
詩雲終:《援護の風》貰っても?
芹那花音:ほいよ!《援護の風》使います。判定ダイス+5個できるよ!
芹那花音:侵蝕75→77
詩雲終:助かる んじゃ振ります。これなら<交渉>だ……!
詩雲終:7dx=>6
DoubleCross : (7R10[10]>=6) → 9[1,2,4,4,6,8,9] → 9 → 成功
詩雲終:通過!
芹那花音:さすが兄さん!
GM:ギリギリじゃねーか!
GM:いや、交渉だからギリギリでもないな。
・《タルデュス》霧馬真人について
セクソルセルに所属していたFHチルドレン。かつては快活な性格だったが、仲間を失ってからは目的のためなら手段を選ばない男へと変貌した。
詩雲の攻撃によって体組織の8割を損傷し、今はほぼ全身機械となっている。
ショッピングモールでの戦闘時。《タルデュス》は明らかに詩雲と話したがっている様子だった。
おそらくは近日中に接触があるはずだ。詩雲くんは自分一人で話しても、他のメンバーを同行させても構わない。
GM:次のシーンの冒頭に《タルデュス》との会話シーンがあります。戦闘は無し。
詩雲終:ほいさ
GM:詩雲くん一人でいくか、他の誰かと行くか、今のうちに考えておいてください。
GM:ではロールに入りましょうか。士騎くんが調べた『本当のマスターレイについて』の情報をロールしながら開示していきます。
GM:詩雲・花音のふたりが来る前に士騎・藤原で会話しながら共有する、という感じですが
GM:もちろんゲーム上、今から開示される情報は詩雲・花音も知っていて構いません。
早朝 N市第三地区・ファミリーレストラン
GM:近くの公園に小学生の登校班が集合するよりもまだ早い時間帯。
GM:住宅街の一角にあるファミリーレストランに、若い二人の姿があった。
GM -> 士騎朝輝:
セクソルセル──そして《マスターレイ》の情報は極めて高いセキュリティレベルで保護されており、解析に数日を要する。
その上で、現時点でもわかったことがある。
『マスターレイ』と『初代マスターレイ』は違うということ。マスターレイを信奉する『レナトゥスの使徒』と呼ばれる組織の中でも、この二つは明確に分けられていた。
二代目以降のマスターレイはすべて本物ではなく、あくまで機械槍ソルモルスの継承者に過ぎない。これは84代目マスターレイ、《トワイサー》に至るまで同じである。
ただし一つだけ例外がある。
歴代の中で、本当のマスターレイを探し出すことにもっとも貢献できたもの。自分の存在をかけて『初代マスターレイ』復活に尽力したものだけは、恐れ多くも初代と同じ『マスターレイ』を名乗ることが許される。
これは復活した初代を支える右腕であり、同時に復活した初代を些事からお守りする影武者という意味もある。
トワイサーが詩雲に言っていた『お前こそが本当のマスターレイ』。これが復活した初代を指しているのか、例外の方を指しているのか。現時点では不明。情報の解析を待たねばならない。
GM -> 士騎朝輝:本シーンの少し後でまとめて開示する、これを元にした会話シーンとなります。
藤原奈央:「ふー」
藤原奈央:「ファミレスのモーニングセット、たまーに食べたくなるのよね。ウインナーとかスクランブルエッグとか」
藤原奈央:「自宅で作るよりなんか美味しいし」 ジャム付きトーストをかじっている。
士騎朝輝:「ハッシュドポテトとかな。カリッカリッのベーコンとかな。こういうのは外食なればこそだよなぁ」
藤原奈央:「連日夜を徹して調査してくれてる諜報部に感謝しないとね。……深夜に《マスターレイ》の続報があったけど、もう読んだ?」
藤原奈央:「……"本当のマスターレイについて"。」 報告書のタイトルを呟く。
士騎朝輝:「しかし、朝からファミレスのモーニング食べる高校生とか、変な目で見られやしないか?朝帰りには違いない訳だし」
藤原奈央:「コツを教えてあげるわ。そういうとき、変にビクビクしてるほど怪しまれるのよ」
藤原奈央:「堂々としてなさい。変な目で見られる理由はあっても、やましいことは一ッ個もないんだから」
藤原奈央:ホットのコーヒーを一口飲む。
藤原奈央:「で、読んだわけ?」
士騎朝輝:「まったく、ビクビクとか、俺には無縁な話だよなぁ。そっちの風評の心配してるのさ」
士騎朝輝:「ああ、読んだ。FH以前からのオカルト存在とは流石に思わなかったが」
藤原奈央:「……」 それまで堂々としていたのに、そう言われたせいで気持ちソワソワして周囲を伺ってます。
士騎朝輝:「何時の世も信仰は狂気に走らせる。って言うのは変わらないよなぁ……」
士騎朝輝:「藤原。変にビクビクしてるほど怪しまれるんじゃないのか?おーい」
藤原奈央:「してねーわよ!」
士騎朝輝:「この、そういう所だぜ。本当にさぁ」くっくっと笑う。
藤原奈央:「……世界大戦末期にヨーロッパで死んだ初代マスターレイ。それを信奉する『レナトゥスの使徒』という集団」
士騎朝輝:モーニングサービスのグレープフルーツジュース飲み。
藤原奈央:「現在に至るまで初代が使っていたソルモルスを継承し続けて、84代目よ。老舗のおせんべい屋より気合が入ってる」
藤原奈央:「ガチの狂信者だわ。『本当のマスターレイ』が誰なのか……何重にもロックがかかってる」
藤原奈央:「解析には数日かかるわね」 ため息をつく。
士騎朝輝:「代替わりが早すぎるな。年1ペースで継承の儀式が行われてないか?」
藤原奈央:「早すぎるわよね。FH結成と同時に開始したとしても相当なペースだわ」
GM:そろそろ、現時点でUGN(と詩雲たち)が知っている『本当のマスターレイ』の情報をまとめましょうか。
・本当の《マスターレイ》について
セクソルセル──そして《マスターレイ》の情報は極めて高いセキュリティレベルで保護されており、解析に数日を要する。
その上で、現時点でもわかったことがある。
『マスターレイ』と『初代マスターレイ』は違うということ。マスターレイを信奉する『レナトゥスの使徒』と呼ばれる組織の中でも、この二つは明確に分けられていた。
二代目以降のマスターレイはすべて本物ではなく、あくまで機械槍ソルモルスの継承者に過ぎない。これは84代目マスターレイ、《トワイサー》に至るまで同じである。
ただし一つだけ例外がある。
歴代の中で、本当のマスターレイを探し出すことにもっとも貢献できたもの。自分の存在をかけて『初代マスターレイ』復活に尽力したものだけは、恐れ多くも初代と同じ『マスターレイ』を名乗ることが許される。
これは復活した初代を支える右腕であり、同時に復活した初代を些事からお守りする影武者という意味もある。
トワイサーが詩雲に言っていた『お前こそが本当のマスターレイ』。これが復活した初代を指しているのか、例外の方を指しているのか。現時点では不明。情報の解析を待たねばならない。
GM:UGNが調査するにせよ、詩雲くんが独自のコネを当たるにせよ
GM:最低数日を要するということですね。なので、詳細はあと3シーン経過後に描写されます。
藤原奈央:「《レナトゥスの使徒》。こっちについて詳しく調べれば、あるいはなんかわかるかもね」
藤原奈央:「《ピリオド》がなにか知ってればいいんだけどな~」
士騎朝輝:「無関係とはいえないだろうし、セルの前身の可能性も高いだろうしなぁ」
士騎朝輝:「それで、初代だけは特別で、初代の帰還を迎え入れたものもマスターレイを名乗ることを許される。だったか」
藤原奈央:「らしいわね」 スマホのレコーダー機能を再生する。モールに仕掛けられていた盗聴器の録音データだ。
藤原奈央:「……歴代でも最高の。ここだけ聞くと、詩雲は『初代』の方じゃなくて『名乗ることを許される』ほうだけど……」
《トワイサー》夕鶴安治:『やはりお前は……詩雲終。お前こそが』『歴代でも最高の《マスターレイ》だ』
士騎朝輝:「ややこしい事するよなぁ。名称を分けろ。同一名称で違う意味の単語なんて書類見聞で一番の邪魔だよなぁ」
藤原奈央:「邪魔だからいいんじゃない? あんたが仮にUGNと敵対してて、《リッターシルト》の硬さを知ってたとして」
藤原奈央:「《リッターシルト》がA地点とB地点に配置されました、なんて情報が入ってみなさいよ。どっちにも装甲を抜ける重火力を配置せざるを得ないでしょ」
士騎朝輝:「まったく、そういう意味でも憎らしい。仮にリッターシルトがA地点とB地点にいたとして」
士騎朝輝:「俺はどっちの方に行ったら角が立たないんだろうな。ホワイトミュートの偽物は1人過去にいたわけだが」
士騎朝輝:軽口を返して、先の言い分はおっしゃる通り。と続け。
藤原奈央:「そうだ。偽物の件とか、あんま《ピリオド》の前で言うんじゃないわよ」
藤原奈央:「ただでさえ……なんだっけ? 気の緩んだ奴らとか言われてるんだから」
藤原奈央:「今日はピシッとした態度でいくわ。いいわね」
GM:そう言って時計を確認する。待ち合わせの時間まではもうすぐだ。
士騎朝輝:「あぁ、それだけどな」
藤原奈央:「ん?」
士騎朝輝:「緩い空気の連中だってピリオドに言われただろ。俺なぁ、あれ結構嬉しかったんだよなぁ」
士騎朝輝:「似たような世界にいた奴に、そういう目で見られている。あぁ、俺は平和な世界にどうにか順応出来てるみたいだってな」
藤原奈央:「え、そうなの? なんで?」
藤原奈央:「あーー……」
藤原奈央:「そうね。逆にピリオドは、あんま順応できてるとは言えない気がするわ。ほんとに最低限よねあれ」
士騎朝輝:コーヒーのミルクをスプーンでかき混ぜながら少しだけ穏やかな顔で言う。
藤原奈央:「ピリッピリしちゃってるから、私は元・裏社会の人間です!ってネオンサインを頭上でビカビカ光らせてるみたい」
士騎朝輝:「そういう事。あれじゃ、気にしてください。って言ってるようなもんだしなぁ」
士騎朝輝:「お節介も焼きたくなるよな」
士騎朝輝:「だからさ、藤原は気を悪くしたかもしれないけど、良い事だと思うぜ、あの評価はさ」
士騎朝輝:「実際のところは、誰よりも厳しい心構えで世界を護ってるんだ。その厳しさを悟らせないのは、それこそ名誉な事さ」
GM:というところで、ネオンサインを頭上でビカビカ光らせながら
GM:お兄様と妹もジョナサン(モーニングタイム)に入ってきてください。
GM:お兄様と妹のほうで得た情報も共有しましょう。もちろん、共有ロールが面倒ならかくかくしかじかで終わらせてもいいですが。
詩雲終:扉を開き、入店する。そのまままっすぐ、二人の座っている席へ
芹那花音:昨日買ってもらった服を着て、小走りに兄さんの後をついていく。
士騎朝輝:「よ。先に頂いてるぜ。おはよう」
士騎朝輝:二人に軽く手を上げて挨拶をする。
芹那花音:「おはようございます」会釈。
藤原奈央:「お、きたきた」
詩雲終:「情報は」 挨拶は花音に任せているとばかりに
藤原奈央:「おはよ。まだモーニングしかやってないけど、なんか頼む?」
芹那花音:「あ。わたし達は、朝食は済ませてから来たので…」
GM:本来なら注文を取りに来る店員は来ません。奥まった、半個室のような席。UGNとの間でそういう取り決めになっている。
詩雲終:「コーヒー。花音も好きなのを頼め」
芹那花音:「あ、はい。ええと、紅茶を…」
藤原奈央:「こちらでわかったのは本当の《マスターレイ》についてよ。とりあえず──」
藤原奈央:と、先程まで士騎と話していた情報を伝える。初代から数えて早すぎる代替わり、初代とは別の名誉マスターレイ。
藤原奈央:「未だ不明な点は多いけど、うちの諜報部は優秀よ。三日でケリをつける」
藤原奈央:「……だから三日待ってね」 コーヒーを啜る。
詩雲終:黙って話を聞き、支部長の言葉には
詩雲終:「異論はない。引き続き頼む」 とだけ返す
藤原奈央:目をぱちくりさせる。
藤原奈央:(……ね、ねえ。士騎)
藤原奈央:(なんか……素直になってない? 素直になってるわよね?)
藤原奈央:(なんかあったのかな。デレ期?)
士騎朝輝:(今日は空気が柔らかいな)
士騎朝輝:(どういう心境の変化だ?昨日、花音ちゃんとなにかあったのかもな)
詩雲終:「……何だ」 睨むような目で
藤原奈央:「なッんでもないです!」
士騎朝輝:「気持ち、あんたに慣れてきたのかもしれないって話だよ」
士騎朝輝:「なぁ、村雨丸」
士騎朝輝:(でも、これ、今まで態度が悪かった奴が…………少し普通になっただけだよなぁ)
藤原奈央:「あー……これ、刀と話してるだけだから。気にしないでね、花音ちゃん」
芹那花音:「……?」
詩雲終:「……UGNの組織としての構造、今回のような情報収集の速さ、正確さは認めている」
詩雲終:「だから異論はない。だから引き続き頼む。そう言っているだけだ」
詩雲終:「それ以上の意味はない」 ぶっきらぼうに言って、足を組む
藤原奈央:「それじゃ、情報"交換"といきましょ。そっちが得た情報は?」
芹那花音:「あ、あの」兄さんをオロオロ見上げる。「私たちも…」
詩雲終:「花音。先に話してやれ。《マスターレイ》関連だ」
芹那花音:「はい」従順に頷く。
芹那花音:「こちらで、手に入れた情報もお話します。ちょうど、初代《マスターレイ》に関わる話になります…」
藤原奈央:「お」
藤原奈央:「『レナトゥスの使徒』が信奉する、初代様ね。人となりとかわかった?」
士騎朝輝:「おいおい、俺様がいるよなぁ。話してやれ。か」
士騎朝輝:「どうぞ。情報交換だ。聞かせてくれ」
芹那花音:「はい。もともと《マスターレイ》は、FHで生まれた存在というわけでなく」
芹那花音:「第二次世界大戦で活躍した、オーヴァードの名前だったようです」
藤原奈央:(……ブルマと結婚したベジータみたいだなあ) 口には出さない。
芹那花音:そんな調子で、手に入れた情報について一通り話す。
藤原奈央:「世界大戦かー……ドイツと日本の敗戦が1945年だから、今年で75年」
藤原奈央:「ね、花音ちゃん。その初代マスターレイは戦争で死んだのよね?」
芹那花音:「ええ。死亡について、詳しく記載された資料が見つかりました」
藤原奈央:「例の車椅子。《トワイサー》は、84代目マスターレイだそうよ。つまり」
藤原奈央:「年1かそれ未満のペースで代替わりしてる。……セル抜けてよかったわね、ピリオド」
藤原奈央:「そのままマスターレイを継承してたら、間違いなく早死にしてたわよ」
士騎朝輝:「あのままいれば、余命は1年弱だった訳か」
詩雲終:「どうだかな。……ともかく、成り立ちはそういうことだ」
士騎朝輝:「そうなるとピリオドのいたセルは、多くの継承機関の1つって言ったところだろうなぁ」
詩雲終:「ああ。《セクソル》は新生のセルだった。その背後に組織の核、『レナトゥスの使徒』とやらがあるんだろう」
詩雲終:「FHの組織構造についてはそれなりに理解しているが、あまり類を見ない形だ」
芹那花音:「あの…」
藤原奈央:「あ、ごめんね。なに花音ちゃん?」
芹那花音:「初代マスターレイは、『転生する』と言い残して、死亡したようですから」少し目線を落とす。
芹那花音:「もしかしたら、わたしが受けた実験も、それに関わるものだったのかなって、」
芹那花音:「思った…だけなんです、けど」みんなに注目されて、頬が赤くなる。
芹那花音:「な、なんでもないです。ごめんなさい」
詩雲終:「謝らなくて良い。思ったことはちゃんと言う」
藤原奈央:(あっこれ、お父さんだ) 口には出さない。
芹那花音:「は、はい」もじもじとしている。
藤原奈央:(娘だ……)
詩雲終:「どんな些細なことでもだ。正解だけを言うこと、間違えないことをお前に期待する奴はいない」
士騎朝輝:「これは、俺の話なんだが」
芹那花音:「………」顔を真っ赤にしている。
藤原奈央:「花音ちゃんが転生先を探し出す《指針》だったり……あるいは転生者本人か調べてたり、かな。考えられるのは」
士騎朝輝:「生まれたばかりの赤ん坊に情報ぶち込んで適合体として完成させるって手法は、まぁポピュラーだよな」
藤原奈央:「あー……」
藤原奈央:「でもそれ、転生体って言えるのかな。言えなくない?」
藤原奈央:「転生っていうともっとこう……魂とか、前世の記憶とか……」
芹那花音:「前世の、記憶………」
詩雲終:「まずもってその『転生』の概念からして不明瞭だ。輪廻転生の思想に基づくものか、自意識のデータ化を果たしたのか」
藤原奈央:「たまにいるでしょ。私はブッダの生まれ変わりだって。そういう輩はたいてい前世の記憶を引き合いに出すものよ」
士騎朝輝:「いや、だからさぁ、いや、引かないで欲しいとは思うわけだけどなぁ。聖母マリアみたいな事やらせたいのかもな。とな」
芹那花音:「聖母マリア……?」
芹那花音:きょとんと首を傾げる。
士騎朝輝:割と女性に言うにはデリケートな話なので、ちょっと渋い顔をする。
詩雲終:「戦意発揚のための無根拠な妄言か。……憶測を積み重ねていけば、そのまま月が見えてくるぞ」
詩雲終:「それともその発言に根拠はあるのか? 士騎」
詩雲終:射抜くような目で見る
芹那花音:「え、えっと、あの」藤原さんに視線で助けを求める。
藤原奈央:「やっ、やめやめ! はい、憶測はやめましょ! わかったことだけ話そ! ねっ!」
士騎朝輝:「いや、妄言の範囲を出ないから無視してくれて良いよ。昔そう言う悪趣味な実験があっただけでな」
藤原奈央:「花音ちゃんをあいつらに渡すのはヤバそうってことと……あのあれ。あの……あいつについても聞かせてよ」
藤原奈央:「ほら。士騎も覚えてるでしょ。例のナイフ使い」
詩雲終:「それで良い。続きは『レナトゥスの使徒』について調べてからだ」
藤原奈央:「あいつ何なの? あれも『使徒』?」
詩雲終:「《タルデュス》。その公算は高いが、現時点では分からん」
士騎朝輝:「あいつピリオドと話したがってたよなぁ」
士騎朝輝:「釣れるんじゃないか?」
GM:詩雲にはもちろん……士騎や藤原ですら分かるほど、会話したがっていた空気だった。
GM:《トワイサー》を守ってこそいたが、目的は別にあるのかもしれない。少なくとも個々に接触できれば、すぐ戦闘に入ることはないだろう。
GM:あるいは、詩雲ひとりが隙を見せればあちらから接触してくる可能性も高い。
詩雲終:「昨日奴を撃ち抜いた槍に付着していた残骸から、あれはほぼ全身を機械化していると判明した」
詩雲終:「殺したはずの奴だったが、何かが目的で生きていたんだろう。……そしてお前たちの言う通り」
詩雲終:「俺に何か用があるはずだ。接触を待つつもりでいる」
藤原奈央:「花音ちゃんも一緒に?」
GM:ゲーム的には最初に述べた通り、全員であっても一人であっても次のシーン頭で接触してきます。
GM:なので好きな方を選んでくれて構いません。決定権は詩雲くんにある。
詩雲終:「……その件だが、花音を一旦そちらで預かっていてくれないか」
藤原奈央:「……」 士騎くんを見る。
芹那花音:「え…」目を丸くして、兄さんを見上げる。
士騎朝輝:「一人で会いに行くつもりか?」
詩雲終:「いや。士騎を貸して欲しい」
藤原奈央:「まあ確かに、さしあたった危険はなさそうだけど……んぇ!?」
藤原奈央:「あ、ああ。万が一戦闘になったら確実に仕留めるために……?」
詩雲終:「《タルデュス》にその気がなくとも、奴を使ってあの死にさばらえた《トワイサー》が俺を釣ろうとする可能性はある」
詩雲終:「可能性の話にはなるが、もしそうなれば、逆に仕留めるチャンスだ。……そちらに異論がなければだが」
士騎朝輝:「藤原に対する人質って可能性もあるよなぁ」と冗談めかして笑い。
士騎朝輝:「成程な。タルデュスが誠実でも、背後にいるのがそうとは限らない訳だ」
藤原奈央:「単独は危険よね。で、花音ちゃんを一人にもできない……なるほど」
藤原奈央:「あたしはいいわ。士騎と、花音ちゃん次第かな」
士騎朝輝:「俺は別に構わないが、花音ちゃんが、それで良いなら、だな」
士騎朝輝:「こういう所の思考が本当に似てきた気がするよ」
芹那花音:「わ、わたし…?」
GM:UGN二人の視線が芹那花音に集中する。
芹那花音:「わたしは、兄さんが決めたことに従います」視線を受けて、頬を赤くしながらそう言う。
藤原奈央:(戦前の、旦那を支える控えめな奥様みたいだなこの子……) 口には出さない。
詩雲終:「……俺はお前たちの能力は信用している。先の戦闘データでもそれは見た」
詩雲終:「俺が離れた瞬間に間違いが起こることはないだろう。……そうだな?」
藤原奈央:「UGNは信頼と絆で出来た組織だからね」
藤原奈央:「あんたがあたし達を信用してくれている限り、UGNは決して裏切らないわ」
士騎朝輝:「人格も信用してくれて構わないんだよなぁ。当たりを引いてるぜ、あんた」
詩雲終:「ならば今は信用している。……花音。俺がいない間はこの支部長の言うことに従うように」
芹那花音:「はい、兄さん」
士騎朝輝:「そうだな。後は、当然ながら、花音ちゃんが俺達を信用してくれてれば、間違いはないな」
芹那花音:「え……」困った顔。
詩雲終:「……士騎」
士騎朝輝:「怖い顔するよな。困らせたいわけじゃないのは分かるだろ」
芹那花音:「あ、あの」オロオロ。「し、信用しています……」
詩雲終:かすかに嘆息し、しかしそれ以上口は出さない
藤原奈央:「花音ちゃん」 目線を花音に合わせる。 「これはUGNの理論だけど……」
士騎朝輝:「そうだと嬉しいね。特に藤原は、自分の行動で誰かに嫌われてないか、気にするんで」
士騎朝輝:「優しくしてやって欲しいんだよなぁ」
藤原奈央:「オーヴァードは絆によって強くなるわ。強い絆を結んだオーヴァードほど、レネゲイドに呑まれず戦いから生還する」
藤原奈央:にこっと笑う。「信用してくれてありがとう。今回限りの協力だけど、花音ちゃんの絆になれるよう頑張るから」
藤原奈央:「よろしくね」
芹那花音:「よ、よろしくお願いします…」
芹那花音:「あ、あの、士騎さんも」
芹那花音:「兄さんを、よろしくお願いします」
士騎朝輝:「お兄さんの事は、任せておいてくれ」
士騎朝輝:「結構、気に入ってるんだよなぁ、よろしくするよ」
GM:シーンカットです。ロイスと購入が可能。
詩雲終:ロイスは保留で~
詩雲終:応急手当キット!
芹那花音:ロイスは保留!
詩雲終:2dx+1=>8
DoubleCross : (2R10+1[10]>=8) → 2[1,2]+1 → 3 → 失敗
士騎朝輝:応急手当 ロイスは花音ちゃんに 尽力〇/隔意 で。
詩雲終:くっ……
士騎朝輝:2dx+6
DoubleCross : (2R10+6[10]) → 10[5,10]+1[1]+6 → 17
士騎朝輝:即使用。
芹那花音:応急手当!
芹那花音:3dx>=8
DoubleCross : (3R10[10]>=8) → 5[1,3,5] → 5 → 失敗
士騎朝輝:2D10+17
DoubleCross : (2D10+17) → 8[1,7]+17 → 25
芹那花音:うっ…
芹那花音:以上です!
詩雲終:ジョナサンはダメだな
詩雲終:こっちも以上!
GM:ステーキガストの方がよかったか
GM:よし。じゃ、次のシーンにいきましょう。
■ミドルシーン05(A)
GM:シーンプレイヤーは詩雲くん。後に花音ちゃんも登場してもらいますが、
GM:まずは詩雲&士騎が《タルデュス》の接触を受けるシーンです。まずは二人だけ登場をどうぞ。
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:73->79)
GM:花音ちゃんはおねえさんとお留守番してようね~
GM:詩雲くん、なんか安定して6出てない?
士騎朝輝:70+1d3+3
DoubleCross : (70+1D3+3) → 70+1[1]+3 → 74
第三地区 駅改札前広場
GM:N市には私鉄国鉄あわせていくつかの線路が走っている。ここはその中でももっとも栄えた駅の一つだ。
GM:その改札から少し離れた場所には待ち合わせスポットに使われる銅像があるが、
GM:詩雲と士騎の二人はそこには立っていない。人の流れの激しい改札横の僅かなエアポケットに立っている。
詩雲終:「……しかし」
詩雲終:「元《テクタイト》の傭兵殿が、今では……」
詩雲終:ちらりと隣の少年を見る 「……どういう立場なんだ?」
士騎朝輝:「まぁ、そうだな。懐刀?」
詩雲終:「懐刀」
士騎朝輝:「まぁ、惚れた弱みもあり、取り逃した獲物の片付けもあり、それこそ旅の縁だよなぁ」
詩雲終:「なるほど。懐に入れるには立派が過ぎるかとは思ったが」
詩雲終:「本人も刀本人が納得しているならケチをつけるでもなし」 目を閉じる
士騎朝輝:「自由気ままに歩いていたら、クリティカルな事言われて、ここで、ちょっと腰を下ろしてみるか。って気になったのさ」
詩雲終:「惚れた弱みね。あの支部長がか」
士騎朝輝:「これ以上言うと惚気になるけどな、そう言うの好きなら、付き合うぜ。朝食軽かったなら胸焼けもしないかもなぁ」
詩雲終:「……信用を測るためにもう少し彼女のことを聞き出したいとは思っていたが、その方面になるなら遠慮しよう」
詩雲終:「趣味じゃない。その話は、不合理なことが多すぎる」
士騎朝輝:「じゃあ、支部長としてのあいつのことを言うと」
士騎朝輝:「やると決めたら徹底的で、妥協も無駄もない。迅速に元凶を叩き、被害は最小に。実にUGN支部長として正しい機能美だ。有能な決断力は英気と経験の賜物、それで正しく情に厚い」
士騎朝輝:「つまり、見た通りの人物像+経験と実践力に富んだ女だよ。敵に回すとなると骨が折れるぜ」
詩雲終:「……お前が惚れ込んでるのはよく分かった」 渋い表情 「俺にはまず、今のが惚気でないと判断できるだけの材料が必要だ」
士騎朝輝:「三日の内に明らかになるだろうなぁ、そういう事に首突っ込んでるんだし、なぁ、村雨丸」
詩雲終:「シェイクスピアに曰く、"Love is blind"」
士騎朝輝:「俺としては、あんたも俺と似たようなもんだと思ってるけどな」
士騎朝輝:「何がかは言うまでもないよな」
詩雲終:「……」 不服げに腕を組む
GM:──コツ、コツ
GM:通勤、通学。せわしなく行き交う人々にまぎれて……
士騎朝輝:「一緒にするな。と言われると思ったんだがなぁ。自分が見えてて良い事……」
GM:ひとつだけ明確な意志を持って、この改札横のエアポケットに近づいてくる人物がいる。
士騎朝輝:そちらに視線を向ける。
GM:改札を通るわけではない。学生にも、会社員にも見えない。
《タルデュス》霧馬真人:「よう。シュウ」
詩雲終:「《タルデュス》」
《タルデュス》霧馬真人:「久しぶりだな。クラック……いや、《ホワイトミュート》も一緒か」
GM:学生にも見えない、は訂正しようかな。学生服を来て地元の高校生に偽装してます。
GM:もっとも、この場での応急処置なのだろう。死んだ魚のような目はどう見てもカタギのそれではない。
士騎朝輝:「士騎朝輝で構わないぜ。好きな呼ばれ方じゃないんだよなぁ、それ」
士騎朝輝:「ま、だが、自由に呼んでくれ。強制はしないさ」
士騎朝輝:手をひらりとさせ。
士騎朝輝:「抑止力みたいなもんだ。好きに口も出すけど、気を遣ってくれるなよ」
詩雲終:「お前の生命反応は、確かに焼き飛ばしたはずだ」
詩雲終:「良く生きていたな」
《タルデュス》霧馬真人:「…………」 話をするつもりのようだ。周囲に怪しまれないよう、壁により掛かる。
《タルデュス》霧馬真人:「……最後。お前の攻撃を食らったあの時」
《タルデュス》霧馬真人:「美沙が守ってくれたんだ」
詩雲終:「《ワニオン》が……」
《タルデュス》霧馬真人:「《レナトゥスの使徒》はな。じきにお前たちも調べればわかるが」
《タルデュス》霧馬真人:「FH内に敵が多い。奴らが信じているのはレネゲイドでも、コードウェル博士でもなく、マスターレイ一人だからな」
《タルデュス》霧馬真人:「美沙……《ワニオン》は、そういうセルから送り込まれた工作員だった」
GM:──『マスターレイ』が、るるポートに現れる。
GM:複数の情報屋からのタレコミがあった。今なら士騎くんはわかります。
GM:FHも一枚岩ではない。レナトゥスを疎むFHの一派が、あえて情報を流したのでしょう。
GM:詩雲たちと、それを追うトワイサー。彼らがいつかあの場所で戦闘になるということを見越して。
詩雲終:「……だろうな」
詩雲終:「《マスターレイ》は『古い』。『古すぎる』ものからも、『新しい』ものからも疎ましい、目の上の瘤だ」
詩雲終:「そういう奴があの場にいてもおかしくはない。……最終的には、その目的を達せられなかったようだが」
《タルデュス》霧馬真人:「……真っ先に脱落したと見せかけて、隠密能力で姿を消す。そして最後の一人が油断する瞬間を狙って勝者となり」
《タルデュス》霧馬真人:「次の《マスターレイ》に就任してレナトゥスの内部に食い込む。そういうシナリオだった」 らしい、とつけくわえる。
《タルデュス》霧馬真人:「俺をかばって死んだけどな」
《タルデュス》霧馬真人:そこで一旦言葉を切って、詩雲……と士騎の反応を見る。
士騎朝輝:「今際の際に聞かされたか口か?それで……」
士騎朝輝:「あんたはどうしたいんだ?」
詩雲終:「……そうだ。死んでいたと思っていた者が、想像通り死んでいた。それはいい」
詩雲終:「お前だ、《タルデュス》」
詩雲終:「何故生き、何を目的にしてる」
《タルデュス》霧馬真人:「……俺の目的は」
《タルデュス》霧馬真人:「トワイサーとは違う。やつはマスターレイを迎えるために出てきたが……」
《タルデュス》霧馬真人:「マスターレイを殺す」
《タルデュス》霧馬真人:「それが俺の目的であり、人生のすべてだ」
《タルデュス》霧馬真人:「じきに『本物のマスターレイ』が復活する。《トワイサー》はマスターレイをFHへ迎え入れるつもりらしいが、俺は違う」
《タルデュス》霧馬真人:「マスターレイを目覚めさせた上で、殺す」
GM:決断的な口調だ。ここまでの会話において、君たちに敵意は見せなかったが
GM:こと、この『マスターレイを殺す』という一点において譲るつもりはない、と感じられる。必要であれば迷わず敵に回るだろう。
士騎朝輝:「その本物のマスターレイが 例えば、FHに下らずに、マスターレイとして生きなかったとしてもか?」
《タルデュス》霧馬真人:「そうだ。もっとも、シュウに限っては安心しろ」
《タルデュス》霧馬真人:「シュウは『本物のマスターレイ』ではない」
《タルデュス》霧馬真人:「名誉継承者の方だ。特例のな」
詩雲終:「……それにしても大概不服だが」
詩雲終:「つまるところ、本当に『本物』……『初代』の《マスターレイ》が復活する。それを抹殺すること……」
詩雲終:「……ひいてはそれにより、『レナトゥスの使徒』なぞというカスの集まりを終わらせる」
詩雲終:「それが目的だな」
《タルデュス》霧馬真人:「ああ……」
《タルデュス》霧馬真人:「お前さえいなければ《セクソル》は壊れなかったのだと。お前の存在がすべて悪いのだと」
《タルデュス》霧馬真人:「そう思い知らせて殺す。《レナトゥス》のクソどもも……今は使徒として潜り込んでいるが」
《タルデュス》霧馬真人:「最高のタイミングで殴り飛ばす」
士騎朝輝:「本物は殺す。何があってもと言う事だよなぁ。まったく血生臭い話だ。なぁ村雨丸」
GM:壁に寄りかかっていたタルデュスが向き直る。
《タルデュス》霧馬真人:「シュウ。協力しないか」
《タルデュス》霧馬真人:「俺とお前が組めば……トワイサーなぞすぐに殺せる」
《タルデュス》霧馬真人:「本物のマスターレイだって……お前があの頃の《ピリオド》に戻ってくれれば、確実に殺せる」
《タルデュス》霧馬真人:「悪い話じゃないだろう。FHからの追手からも解放されるし……そこのホワイトミュートみたく自由になれる」
詩雲終:「……お前たちを失ってから」
詩雲終:「《マスターレイ》。その背後にあるもの。あの日の引き金を引いたもの。滅ぼせるものなら全て滅ぼしたいと、そう思っていた」
《タルデュス》霧馬真人:「"いた"。過去形か?」
《タルデュス》霧馬真人:「今は違うと?」
詩雲終:「今お前の話を聞いて、それはただの願望ではなく……」
詩雲終:「『決意』になった。滅ぼしてやる」
詩雲終:「実行の時だ」
《タルデュス》霧馬真人:「……。…………」
《タルデュス》霧馬真人:目を閉じ、何秒か思案する。
《タルデュス》霧馬真人:「……芹那花音」「あの女は」
《タルデュス》霧馬真人:「シュウ。お前にとっての、なんだ?」
《タルデュス》霧馬真人:「たまたま拾った……いざとなったら囮や盾に使える、便利なコマか?」
GM:急に話題が変わったような、雑談のような流れではあるが……
GM:タルデュスの目は真剣そのものだ。かつてのピリオドを思わせる感情の宿らない瞳で、じっと詩雲を見つめている。
詩雲終:誤魔化そうとは思ったが、その目を前にそれはできなかった
詩雲終:だから言う 「……花音は、俺にとって」
詩雲終:「生きるのに必要な存在だ。何もかも失った俺に、目的を与えてくれた」
詩雲終:「今もそれは続いている。……おい、それがどうかしたか?」
《タルデュス》霧馬真人:「…………」
GM:今の《タルデュス》は……詩雲から見ても士騎から見ても、模範的なFHチルドレンに見える。
GM:目的のためならば自分の感情を殺せる、任務遂行マシーン。
GM:今までのタルデュスは、だ。
《タルデュス》霧馬真人:「はぁー」
《タルデュス》霧馬真人:「そっか」
《タルデュス》霧馬真人:「悪いなシュウ。やっぱ俺」
《タルデュス》霧馬真人:「一人でやるよ」 かつての面影がある笑顔を見せる。
詩雲終:「……《タルデュス》?」
詩雲終:「どういう意味だ。……花音が邪魔になるとでも思っているのか?」
《タルデュス》霧馬真人:「さあな……。なんにせよ、次に会う時はたぶん、敵だ」
詩雲終:「……もしそうなら、UGNに預けることだってできる。今は『慣らし』をして……」
士騎朝輝:「あんた、諦める気は、ないようだな」ずっと黙って見守っていたが、タルデュスに声をかける。
《タルデュス》霧馬真人:「ホワイトミュート」
《タルデュス》霧馬真人:「そいつを頼む。案外、優しいやつだからさ」
《タルデュス》霧馬真人:「ない。細かい説明をする気も……ない」
士騎朝輝:「結構気に入っている。が、それでいいんだな?」
士騎朝輝:「クラックアイスだったら依頼として受けるぜ」
《タルデュス》霧馬真人:「いいよ。俺はホワイトミュートの、士騎朝輝に頼む」 《瞬間退場》します。雑踏に呑まれ、あっという間に消える。
《タルデュス》霧馬真人:「シュウ」
《タルデュス》霧馬真人:「サンキュな。話してくれて」
詩雲終:「おい、待て。勝手に納得するな。理論的な説明をしろ……《タルデュス》!」
《タルデュス》霧馬真人:「──またな」
詩雲終:「《タルデュ……!」
詩雲終:手を伸ばしかけるが、届かない。元よりこういった場所での活動は、彼のほうがよほど得手だ
GM:……今の流れであれば。マスターレイやレナトゥス打倒において、間違いなく協力関係を結べたはずだ。
GM:それが、唐突に会話を打ち切られた。丁寧に説明してきた彼が、急に説明をせずに姿を消した。
GM:『詩雲とは協力できない』と断定するだけの……何かの要素が、これまでの会話にあったはずだ。
詩雲終:「…………」 理解が追いつかず、脳を空転させながら立ち尽くす
士騎朝輝:「厄介な所に通りすがったよなぁ」
詩雲終:「……」 だが、それが分からない。会話の中で、大きな転換点となった所は、分かる。
士騎朝輝:「ピリオド、さて、どうする?」
詩雲終:(花音) (だがそれが、どういう……?)
士騎朝輝:目の前で手をひらひらと振って。
詩雲終:「……情報調査に戻る。方針としては今までの話で定まっている通りに」 まだ少し、その声は上ずっている
詩雲終:「それと、士騎」
士騎朝輝:「反応が悪ければ頬をはたいてやろうと思ったのに残念だ。ん?」
詩雲終:「今の話の、《タルデュス》との共闘が有り得たことは、花音には伏せる。お前も喋るな。あの支部長には話して良いが」
詩雲終:「花音の前では……いや違うな……」 顔を手で押さえ
詩雲終:「……嫌な感覚がする。まったく理論的な言い方はできないが、ともかくそうだ」
士騎朝輝:右手を差し出す。
士騎朝輝:「それは、俺を信用出来るか。って話だよなぁ」
士騎朝輝:「この手が取れるなら、考えるけどな。どうする?」
詩雲終:「……」 覆っていない左半分。その目で差し出された手を見下ろして
詩雲終:首を振り、それからその手を取る
詩雲終:「……《マスターレイ》を殺す。『レナトゥスの使徒』を滅ぼす」
詩雲終:「俺と花音を脅かすものを排除する。……そのために」
詩雲終:「力を貸してくれ」
士騎朝輝:「仕方がない」
士騎朝輝:「オーヴァードは助け合いだし」
士騎朝輝:「あんたの友人にも頼まれたし」
士騎朝輝:「前の仕事の依頼はあんたを足抜けさせることだった」
士騎朝輝:「人数が増えても、やる。って言ったしな」
士騎朝輝:「追加料金は、これで、いいぜ」
士騎朝輝:「力を貸す(おせっかいをやく)とも」
詩雲終:「済まん」
詩雲終:「……今のことも伏せなくて良い。全て任せる」
士騎朝輝:「わかった。自由にやって良いって事だな、最高だ」
士騎朝輝:「俺の使い方をもう理解って来たじゃないか。流石だよなぁ。任せろ」
士騎朝輝:「俺と藤原があんたたちを勝たせてやる」
■ミドルシーン05(B)
UGN第三支部
GM:詩雲と士騎が、タルデュスと接触できそうなポイントに向かった後。
GM:花音はここ第三支部──正確には第三支部の応接室に通されることとなった。
GM:豪華なソファ。よく冷えたミネラルウォーター。ビルの4Fということもあり、窓からは第三区画や隣の区画までがよく見える。
藤原奈央:「ごめんね。支部に来るの、イヤかなーとは思ったんだけど」
藤原奈央:「さすがにあたしの家だとセキュリティが……こう……ね」
藤原奈央:「ここならセキュリティはバッチリだから。FHがよっぽどアホじゃない限り、襲撃なんてしてこないわよ」
芹那花音:「い、いえ」ソファに座って、ふるふると首を横に振る。
芹那花音:「はい。UGN支部なら間違いなく安全と、兄さんも言ってましたし」
藤原奈央:「まあ……マスターエージェントのせいで酷い災害とか、大火災に見舞われたりしたんだけど……」
芹那花音:「えっ」
藤原奈央:「マスターレイについて調べたならわかるだろうけど、マスターエージェントっていうのはそういう存在なのよ」
藤原奈央:「凄まじい力と、内に秘めた悪意。ここを襲ったマスターエージェントの一人は、自分がマスターだとすら自覚してなかったけど」
芹那花音:「………」
芹那花音:「……あ、あの」
芹那花音:「藤原さん」
藤原奈央:「ん、なに?」
芹那花音:「あ、ごめんなさい……。その」
藤原奈央:「うん」
藤原奈央:向かいのソファに腰掛ける。
芹那花音:「あの、わたし、いやな子みたいでしょうか」
藤原奈央:「……」
藤原奈央:「……え! なんで!?」
藤原奈央:「嫌な子要素、一個もないけど……!?」
芹那花音:「で、でも、さっき、士騎さんと藤原さんに、『信用して』と言われましたし…」
芹那花音:「もし、お二人に不愉快な思いをさせていたら、ごめんなさいと思って…」
藤原奈央:「むしろ謝るの、こっちじゃないかなぁ……だってほら」
藤原奈央:「最初のモールで、あたしが口を滑らせちゃった時。花音ちゃんドキッとしてたでしょ」
藤原奈央:「ピリオドが元FHだったこと、知らなかったみたいだし」
芹那花音:「……あ……、い、いえ」
芹那花音:「ごめんなさい、あの時、変な態度をとってしまって」恐縮したようにぺこぺこと頭を下げる。
藤原奈央:「いーのよ。だいたい、仕方ないじゃない」
藤原奈央:「わけもわからないままFHに拉致されて、実験体として扱われて……やっと出てこられたんでしょ」
藤原奈央:「警戒もするし、変な態度だって取るわよ」
芹那花音:「………」瞬き。
芹那花音:「……ありがとうございます………」小さな声で言う。
藤原奈央:「よしよし。花音ちゃん、ほんっと素直でいい子だよね」
藤原奈央:「ピリオドとの仲。あたし、応援してるから。もし花音ちゃんが望むなら」
藤原奈央:「何か出来ることがあったら、この事件が終わっても頼ってくれていいからね。デート向きのスポットとか色々知ってるのよ」
芹那花音:「………」
芹那花音:「………えぇっ………!?」ぼふんっと湯気が上がったように真っ赤になる。
藤原奈央:「えぇって……するでしょ? デート……?」
芹那花音:「でっ」
芹那花音:「でーと、なんて!しません!」
藤原奈央:「嘘でしょ!?」
芹那花音:「に、兄さんとは、まったく…そういう関係ではなく……」
藤原奈央:「るるポートにいたの、あれデートじゃなかったんだ……!?」
芹那花音:「ちっちがっ」
芹那花音:「ふっ藤原さんこそっ、士騎さんとデートだったんですよねっ!?」
藤原奈央:「はぁー!? ちっがうし!」
藤原奈央:「あたしは! UGNの仕事で! あそこにいたの!」
藤原奈央:「あいつは仕事上の相棒よ! 恋人とかそういうんじゃないの!」
藤原奈央:「し……支部長が恋愛にうつつを抜かせるわけないじゃない。でしょ?」
芹那花音:「…でしょ、と言われましても……」
藤原奈央:「あっそうか。……うつつを抜かせるわけがないのよ」
藤原奈央:「支部で一番偉い人なんだから。ただでさえ侮られがちな18歳の小娘だし、公私はわけないといけないわけ」
芹那花音:「………」
芹那花音:「その言い方だと、あの」
芹那花音:「支部長じゃない藤原さんなら、恋愛をしても良いのでは、ないでしょうか…?」
藤原奈央:「ぬッ」
藤原奈央:「る、ルールの穴を……」
藤原奈央:「そーよ。でもまあ、そこは、ほら。ね」
藤原奈央:「あたしはスレンダー美少女で支部長でエリートだし、そんなに安い女じゃないっていうか」
藤原奈央:「好きだ~って言われてもすぐに付き合ってあげるわけないでしょっていうか……」
藤原奈央:ゴニョゴニョ言ってます。
芹那花音:「……………」目を丸くしてその様子を見て。
芹那花音:「…………」
芹那花音:「…ふふ」
芹那花音:穏やかな様子で、くすくす笑う。
藤原奈央:「なっ、なによ。なんかおかしいこと言った?」
芹那花音:「あ……、ごめんなさい。あの……」頬を赤くする。「昨日から、ピリピリした会話ばかりだったから」
芹那花音:「………兄さんとは、こんな話できませんし…」
藤原奈央:「……そっか。それもそうよね」
藤原奈央:「ピリオド、こういう話はしないよねー。きっと」
芹那花音:「に、兄さんはそれでいいんです」
藤原奈央:「あれでしょ? 家にいても『……うむ』『ああ』『わかっている』とか、そういうクールな応対なんじゃない?」
芹那花音:「そ、それでいいんです」
藤原奈央:「そうかなぁ。花音ちゃんみたいにいい子がいるんだから、もうちょいやわらかい態度でも……」
芹那花音:「……兄さんは…」
芹那花音:「優しい人です」無意識に、穏やかな表情が浮かぶ。
芹那花音:「あ、あの、でも、怖い態度ばかりとって、ごめんなさい。その、本当はすごく優しい人なんです…」
藤原奈央:「……ん。わかるよ」
藤原奈央:「だって、今朝の態度が違ったもん。昨日帰ってから、きっとふたりで何か話したんだよね」
藤原奈央:「外向きの建前と、信頼できる人への本音。あたしも使ってるから、よくわかる」
藤原奈央:「いい人だよ。たぶん。ピリオドは」
芹那花音:「………」安堵した表情。「……はい」
芹那花音:(信頼できる人への本音)
芹那花音:昨日言われたこと。一人じゃなくて、助かったと。
芹那花音:(……だったら、いいな)
芹那花音:ロイス感情を変更します。
GM:どうぞ!
芹那花音:藤原奈央/尽力:〇/不信感/ → 親近感:〇/不安/ これで!
藤原奈央:はわーうれしい
藤原奈央:○庇護/疎外感で取りたい
芹那花音:藤原さん……
芹那花音:1d3+3+77 登場侵蝕し忘れてた!
DoubleCross : (1D3+3+77) → 1[1]+3+77 → 81
GM:雑談でも侵蝕あげられるんだった、そういえば
GM:これはログだと、ミドルシーン04-Bとして反映されるからね
芹那花音:はーい!ありがとうございます!この貴重な女子タイマンシーンですからね
芹那花音:今月号のアニメ雑誌には、このシーンをもとにしたピンナップが並ぶはずですわ
○=クリア済み
●=未クリア
☆=あと[2]シーンで公開
○マスターレイについて
┗☆本当のマスターレイについて
○初代マスターレイの逸話
┣●『レナトゥスの使徒』について <情報:裏社会>難易度6
┗●ソルモルスの特性について <知識:レネゲイド><芸術:歌>難易度8
┗●???
○身辺調査:《タルデュス》霧馬真人 <意志><交渉>難易度9(交渉のみ、詩雲が挑む場合は難易度-3)
GM:調査が可能です。花音ちゃんも登場しているので
GM:いきたい項目にどうぞ。
芹那花音:はあい、ありがとうございます
芹那花音:技能的にソルモルスの特性について調べたいです
詩雲終:様子見太郎しておこうかな
芹那花音:では、ソルモルスの特性について、〈芸術:歌〉で調べます。
芹那花音:《援護の風》使用。侵蝕81→83
芹那花音:7dx+2>=8
DoubleCross : (7R10+2[10]>=8) → 9[6,6,6,6,7,8,9]+2 → 11 → 成功
芹那花音:できた~!
GM:えらーい!
士騎朝輝:俺の方が金あるけど、ピリオドちゃん待機する?
詩雲終:というよりはオープンされる項目の判定難易度と技能が知りたい的な
GM:ほうほう。じゃあ、先に難易度だけ教えておきましょうか。
詩雲終:それ次第で当たり方を決めたほうが良さそう
GM:これ、シーンに思ったより余裕がありそうなので
GM:ちょっと分けようかな。次の項目はこうです。
┗●ソルモルスの特性について
┗●レナトゥス幹部《トワイサー》夕鶴安治について <情報:裏社会><情報:FH>難易度8
┗???
GM:こうです。
○=クリア済み
●=未クリア
☆=あと[2]シーンで公開
○マスターレイについて
┗☆本当のマスターレイについて
○初代マスターレイの逸話
┣●『レナトゥスの使徒』について <情報:裏社会>難易度6
┗●ソルモルスの特性について
┗●レナトゥス幹部《トワイサー》夕鶴安治について <情報:裏社会><情報:FH>難易度8
┗???
○身辺調査:《タルデュス》霧馬真人 <意志><交渉>難易度9(交渉のみ、詩雲が挑む場合は難易度-3)
GM:全体像はこうか。
詩雲終:じゃこっちが●『レナトゥスの使徒』について を掘った方が良いですなー。 《トワイサー》については士騎くんに任すってことで……!
士騎朝輝:あいよ!
GM:digdigして!
詩雲終:●『レナトゥスの使徒』について コネ:要人への貸し使用。つまらんコケ方はしたくないからな……行くぜ。
詩雲終:5dx=>6
DoubleCross : (5R10[10]>=6) → 10[1,7,8,9,10]+1[1] → 11 → 成功
詩雲終:よくわかった!
士騎朝輝:《トワイサー》夕鶴安治について 情報FHで振ります。
士騎朝輝:2dx+2
DoubleCross : (2R10+2[10]) → 10[4,10]+9[9]+2 → 21
GM:めっちゃ知ってるw
芹那花音:えっすげ
士騎朝輝:超知ってるw
GM:もしかするとクラックアイス時代、レナトゥスからの依頼を受けたことがあるのかもしれませんね。
詩雲終:あらいぐまタスカル
GM:とりあえず情報だけ開示します。次はマスターシーンなのと、ここでで結構ロールしちゃったので
GM:マスターシーンの間に、どうやって共有しようか~みたいに考えておいてください。
芹那花音:はーい!
・『レナトゥスの使徒』について
ラテン語で再生を意味する組織。初代マスターレイの狂信者たちによって戦後間もなく結成された。
組織の目的は『初代が転生を果たすまで、ソルモルスを継承する』『初代が転生した時に備え、ソルモルスに力を蓄え続ける』
そして『転生した初代を世界のどこかから探し出す』というもの。
詩雲たちには極秘だったが、《セクソル》セルはレナトゥスの実働部隊として世界中に派遣され、転生者探しをさせられていた事になる。
また、初代以降のマスターレイの寿命は極めて短いため、常にソルモルス適合因子を持つものを探す必要がある。
セクソルセルはそうした『多少なりともソルモルスを扱える者』を集めた後継者集団でもあった。
ソルモルスの特性上『レナトゥスの使徒』の活動内容はFHと近似しており、レネゲイドを用いた国際テロ組織と言える。
近代になって『レナトゥスの使徒』がFHと合流したのは、ある意味当然の帰結と言えるだろう。
もっとも、FHが掲げる一切の思想に耳を貸さず、ただ初代の帰還を待ち続けるというスタンスを取っているため
レナトゥス関係者を危険視するFH関係者は多い。UGNへの情報提供は彼らによるもの。
GM:この次の項目で判明しますが、ソルモルスにはちょっとした代償があるので
GM:生半可な覚悟ではマスターレイを継承することはできません。そういう意味でも後継者決定バトルロイヤルは必要だったわけですね。
GM:実力と精神力。両方を試すテストだった。
・ソルモルスの特性について
『全射する偉陽(ソルモルス)』は、1900年代はじめに南米で発掘されたオーパーツの一つであり、遺産。
普段は約72万のパーツで構成された機械槍の形状を取る。
遺産は本来適合者=初代マスターレイにしか扱えないが、とある代償を受け入れれば軽い適性しか持たない者でも使うことができる。
特性は吸血。武器が血を吸えば吸うほどその性能が強化される。
軽量化、切れ味の向上、破損部位の自動再生に使い手のレネゲイド増幅などなど。
現時点の詩雲も、こういった恩恵をピンポイントで引き出しながら戦闘に活用しているはずだ。
その点でいうと初代マスターレイは、槍の全能力を一度に解放し運用することができた。
ソルモルスに力が宿れば宿るほど初代の力は飛躍的に向上していったという事になる。
その特性と初代転生の希望は、狂信者たちの強烈なエネルギーとなった。
すべてはいつか転生を果たす初代のために。初代がより強力な力を得られるように。
歴代のマスターレイは世界各地の戦場を巡礼し、あるいはテロを起こしてUGNをおびき出し、ソルモルスの代償を受け入れながらこの槍を使い続けた。
GM:ミドル戦闘時、軽い衝動侵蝕が発生したことからも分かる通り
GM:遺産を本来の後継者以外が扱うのは明確な無理があります。これは遺産『村雨丸』を使う士騎くんも納得だろう。
GM:つまり、なんらかの代償を支払わなければいけない。その結果が歴代マスターレイの短命であり……
詩雲終:槍から衝動の侵蝕を受けるのが代償ということね
GM:先代マスターレイ。トワイサーにも同じことが言える。
・レナトゥス幹部 《トワイサー》夕鶴安治について
《トワイサー》は84代目マスターレイであり、セクソルセルのリーダーだった男。
シンドロームはオルクス/ブラックドッグ。彼の死亡による『ソルモルス』の使い手の不在化が発端となり、詩雲が経験した後継者決定戦が勃発した……はずだった。
結論としては『死亡』の部分は嘘だが、限りなく戦闘不能に近い状態と言える。
原因は初代"マスターレイ"の遺物にして特殊遺産『全射する偉陽(ソルモルス)』。
この遺産と完全に同調できたのは初代マスターレイただひとりであり、二代目以降はいずれも遺産の解析や起動で手一杯の状態だった。
遺産というのは基本的に適合者しか使えないが、ソルモルスは代償と引き換えに適合者でなくても振るうことができる。
《トワイサー》の外見年齢は70歳前後に見えるが、実年齢は30歳前後。
これはソルモルスの使用によって肉体の代謝機能に異常をきたし、幾度もリザレクトが暴走した結果である。
歴代マスターレイはあるものは早急な老化、あるものは異常な速度でのジャーム化などによって戦闘不能になっていった。
GM:→ ソルモルスの代償について <知識:レネゲイド><情報:FH>11 が追加されます。
○=クリア済み
●=未クリア
☆=あと[2]シーンで公開
○マスターレイについて
┣☆本当のマスターレイについて
┗※任意項目:全項目クリアで調査可能
○初代マスターレイの逸話
┣○『レナトゥスの使徒』について
┗○ソルモルスの特性について
┗○レナトゥス幹部《トワイサー》夕鶴安治
┗●ソルモルスの代償 <知識:レネゲイド><情報:FH>11
○身辺調査:《タルデュス》霧馬真人
GM:では、共有は次の次でやってもらうとしましょうか。マスターシーンをはさみます。
■ミドルシーン06 [マスターシーン]
アナウンス:──『おめでとうございます。《ピリオド》詩雲終をのぞく全員の生命反応消滅を確認しました』
アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』
GM:半壊した模擬戦フィールドの片隅。
GM:耳障りな自動音声アナウンスが流れ続ける、その横で──。
GM:瀕死の少年と、それよりもっと死に近いであろう少女が、壁にもたれかかって静かに会話していた。
《タルデュス》霧馬真人:「……死んで」
《タルデュス》霧馬真人:「なかったんだな。よかった」
《タルデュス》霧馬真人:「信じてたよ。かわいくてクレバーな美沙が、そう簡単にやられるわけがないって……」
《ワニオン》刈谷美沙:「気色悪いので、そういう言い方はやめてください」 機械化された左半身と下半身が消し飛んでいる。
GM:右胸に仕込まれたジャミングデバイス……生命反応センサーの欺瞞化装置だけがかろうじて作動している状態だ。
GM:機械化兵であっても長くはない。むしろ生きている方が奇跡と言えるだろう。
GM:あの時。詩雲終が必殺の攻撃を放った時。物陰から飛び出して《タルデュス》を救ったのは……
GM:最初に全員の前で『脱落』することで、警戒心を消滅させた《ワニオン》だった。
アナウンス:──『おめでとうございます。《ピリオド》詩雲終をのぞく全員の生命反応消滅を確認しました』
アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』
《タルデュス》霧馬真人:「なんでだ?」
《タルデュス》霧馬真人:「《レナトゥスの使徒》が……危険視されてることはわかった。お前が、次のマスターレイの座を狙った工作員ってことも……」
《タルデュス》霧馬真人:「……チャンスだったじゃないか」
《タルデュス》霧馬真人:「俺を消したら、間違いなくシュウは油断してた」
《タルデュス》霧馬真人:「こういうアナウンスが流れてさ……1分くらいその場に立ち尽くしてたはずだろ」
《タルデュス》霧馬真人:「……なんで助けた?」
《ワニオン》刈谷美沙:「助けないほうが良かったですか」
《タルデュス》霧馬真人:「返答次第だなあ。それは」 力なく笑う。
《ワニオン》刈谷美沙:「……ピリオド君は強いので」 幾分逡巡してから静かに語りだす。
《ワニオン》刈谷美沙:「多少のリスクを犯してでも、盾か囮がほしかったんですよ。あなたなら絶対に私の味方になってくれたでしょうし」
《ワニオン》刈谷美沙:「それだけです。《レナトゥスの使徒》を内側から潰すのが、私の役目ですからね」
《ワニオン》刈谷美沙:「手駒は大いに越したことはないでしょう」
《タルデュス》霧馬真人:「へへへ……そうか。実際、俺、味方になっちゃうもんな」
《タルデュス》霧馬真人:「いいセンスしてるぜ。やっぱ愛してるよ、美沙」
《ワニオン》刈谷美沙:「気色悪いですよ」
《タルデュス》霧馬真人:「やろうぜ。美沙」
《タルデュス》霧馬真人:「こんなふざけた事態を引き起こした元凶……マスターレイも、レナトゥスも」
《タルデュス》霧馬真人:「ぶん殴ってやるんだ。お前らさえいなけりゃよかったんだ、ってさ」
《タルデュス》霧馬真人:「な。そうだよな? 俺とお前のラブラブコンビなら、楽勝だ」
アナウンス:──『おめでとうございます。《ピリオド》詩雲終をのぞく全員の生命反応消滅を確認しました』
アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』
《タルデュス》霧馬真人:「……そうだよな。美沙」
アナウンス:──『おめでとうございます。《ピリオド》詩雲終をのぞく全員の生命反応消滅を確認しました』
アナウンス:『あなたには、《マスターレイ》の称号と、輝かしき機械槍《ソルモルス》が与えられます』
アナウンス:『受け取りはポイントN199、E57のセクソルセル中央研究所へ────』
《タルデュス》霧馬真人:「…………」
《タルデュス》霧馬真人:「美沙」
■ミドルシーン07
GM:残り1この情報収集と、先程の情報共有シーンになります。
GM:シーンプレイヤーは……次のシーンが花音ちゃんシーンプレイヤーになるので
芹那花音:ほい!
GM:士騎くんにしましょうか。もし詩雲・花音が出てこない場合は、UGNだけで共有ロールをやります。
GM:もちろんゲーム的には全員共有していてOK。登場する人は登場をどうぞ。
士騎朝輝:74+1D3+3
DoubleCross : (74+1D3+3) → 74+3[3]+3 → 80
芹那花音:1d3+3+83
DoubleCross : (1D3+3+83) → 1[1]+3+83 → 87
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+6(1d3+3->3+3)した(侵蝕率:79->85)
GM:では、先に情報収集をやってもらいましょうか。残りの部分。
GM:●ソルモルスの代償 <知識:レネゲイド><情報:FH>11
GM:調べられるのはもうこれだけ。
詩雲終:<知識:レネゲイド>であれば任せてもらおうか……
GM:けっ研究者!
GM:俺の同級生だったお前が何故FH脱走
芹那花音:兄さん!
詩雲終:ククク……花音が正義だとしったのだ
GM:じゃあどうぞ。あと、全部抜くと任意のオマケ項目も出るので
GM:花音・士騎はそっちにもいけます。
詩雲終:振るぜ! ●ソルモルスの代償、<知識:レネゲイド>!
GM:まあ、この研究者がショボい目を出して失敗する可能性もあるが・・
詩雲終:7dx+4=>11
DoubleCross : (7R10+4[10]>=11) → 9[4,5,5,6,6,8,9]+4 → 13 → 成功
芹那花音:おー!
詩雲終:当然である
GM:固定値4あるのは強いな!
・ソルモルスの代償について
代償は命。初代マスターレイ以外が使った場合、使い手の命は日に日に摩耗していく。
早ければ数ヶ月、レネゲイドの知識に長けた者でも3年程度で死亡するだろう。
《トワイサー》は先の情報の通り、ソルモルスを使った繰り返しの戦闘で肉体がボロボロになっている。
既に余命幾ばくもないが、『マスターレイを出迎える』という目的のため、自ら前線へと出てきている。
『マスターレイを出迎える』。それが詩雲をFHへ迎え入れるという意味なのか、
N市のどこかに潜む初代マスターレイの転生者を迎えるという意味なのかは分からない。
ただ《ソルモルス》が初代のものである以上、遅かれ早かれ詩雲を襲撃し、恭順もしくは死を迫ることは間違いないだろう。
GM:ゲーム的に言うと、本シナリオ開始時点でソルモルスがEロイス《愚者の契約》を発動しています。対象は詩雲終。
GM:契約内容は『このシナリオ中、適合者でなくとも遺産ソルモルスを使用可能とする。代償としてシナリオ終了時、詩雲終は死亡する』。
GM:解除条件は下記のどちらか。
(A)クライマックスフェーズに入るまでに遺産『村雨丸』でソルモルスを破壊する。
このシナリオ中のソルモルスの性能を『攻5/命-5/ガード値1』に変更。さらにシナリオ終了後は完全に破壊される。
これ以降のシナリオにおいて、詩雲は武器『ミリオンベイン』を永久使用不能となる。望むならPLはシナリオ終了後にリビルドを行っても良い。
(B)??? ※公開条件:遺産『ルナ・ノドゥス《陽を灯す月光》』がシーンに登場する
○マスターレイについて
┣☆本当のマスターレイについて ※あと[1]シーンで公開
┗※任意項目:ルナ・ノドゥスについて <知識:レネゲイド><情報:FH>14
GM:追加されました。これは、情報を抜いてもシーンに登場したことにならず
GM:登場シーンはもうちょっと後になります。あくまでルナ・ノドゥスについての情報がわかるというだけですね。
GM:情報項目は正真正銘これが最後なので
士騎朝輝:ルナ・ノドゥスについて振りましょう。
GM:士騎くんと芹那ちゃんは、ルナ・ノドゥスについて振ってもいいし、振らなくてもいいです。
芹那花音:士騎くん振って振って!
士騎朝輝:要人もあるしね。援護の風どうします?
芹那花音:う~ん
芹那花音:ここは控えてもいいですか?
士騎朝輝:良いよ。
芹那花音:ありがとうございます~
士騎朝輝:じゃあ要人への貸し使って
士騎朝輝:6dx+2
DoubleCross : (6R10+2[10]) → 10[1,2,4,10,10,10]+5[2,5,5]+2 → 17
芹那花音:うわ問題なかった!
GM:おおっ!
詩雲終:デキる男
GM:OKです。では情報を開示……なんですが、
士騎朝輝:士騎 情報結構強いんだよな。ダイスと金だけの勝利だけど
GM:これは情報項目を作ってなかったので、3分待って下さい。
芹那花音:まつ!
詩雲終:《即席武器》!
N市 UGN第三支部
GM:藤原奈央は支部長だ。名目だけではなく、実務を遂行するだけの能力を兼ね備えている。
GM:一言で言えば……応接室でずっと芹那花音と話しているだけの時間的余裕は、まったくない。
藤原奈央:「じゃ、ごめん花音。あたしちょっと用事があるから出ちゃうけど……」
藤原奈央:「代わりがくるから。代わりが……」 腕時計を気にする。
芹那花音:「だ、大丈夫です」コクコクと頷く。
藤原奈央:「……あいつ遅刻しないわよね。したらブン殴ってやらなきゃ」 そわそわしています。
芹那花音:「ふふ」そんな様子に微笑みつつ。
GM:というところで、士騎君は合流してください。
芹那花音:(……一人で待つのは、慣れているので……)
芹那花音:藤原さんを見送って、ぽつんとソファに座り直す。
GM:まだそばにいるよ!
芹那花音:まだいた!
士騎朝輝:「なぁ、もしかして待ち合わせする時に、何時も、そんな物騒なこと口走ってたのか?」
藤原奈央:「あっ来た」
藤原奈央:「さあね! ごめん、ほんっと時間がないの」
藤原奈央:「んじゃまたあとで! 会議は30分で終わるから、出る時声かけてね!」
芹那花音:「はい」コクコク。
藤原奈央:忙しそうにぱたぱたと駆けていきます。 「資料、資料……」
士騎朝輝:「今まで遅刻しなくて、本当に良かったよなぁ。的確に急所抉ってくるもんなぁ。あぁ、後は任せとけよ」
士騎朝輝:「行ってこい。頑張ってな」と、見送り、花音ちゃんの隣に腰掛ける。
芹那花音:「!」ドキドキしている。
芹那花音:兄さん以外の男性と近い距離になったことがあまりない。
士騎朝輝:「なんか飲む?あから様に緊張してるみたいだし、俺みたいな良く喋る奴には慣れてないよなぁ」
芹那花音:「あ、いえ」顔を赤くしている。
芹那花音:「ご、ごめんなさい…」
士騎朝輝:「まったくなぁ。俺が悪人に見えてよろしくないよなぁ」くすりと笑う。
芹那花音:「………ふ」
芹那花音:「藤原さんが、士騎さんのお話、してました」
士騎朝輝:「へぇ。なんて言ってた?」
芹那花音:「良い奴だからって……」
芹那花音:「………」
芹那花音:「………あと、その」
芹那花音:「これは、誰が、とは言ってなかったんですけど」
士騎朝輝:「ふむ、ふむ」
芹那花音:「『好きって言われても、すぐに付き合ってあげるわけにはいかない』って」
芹那花音:期待を込めた眼差しで士騎さんを見上げる。
士騎朝輝:楽し気な表情を作る。
士騎朝輝:「そんな安い女じゃないからなぁ、あいつ」
芹那花音:「やっぱり……」ひゃー、と、口元を両手で覆っている。
士騎朝輝:「そう言う話題好きなの?お兄さんの方は、不合理だ。みたいな感じだったけどなぁ」
芹那花音:「に、兄さんは、そういう人ですので……」
士騎朝輝:「ああいう奴だもんな。君の事を大切に思ってるのはわかるけどなぁ」
芹那花音:「……」
士騎朝輝:「君に視線向けると凄い顔するもんなぁ。なぁ、村雨丸」
芹那花音:「そ、そんな」顔を真っ赤にする。「兄さんは、その、そんな……」
芹那花音:一通り照れてから。「…し、士騎さん」
士騎朝輝:「ん?」
芹那花音:「『好き』って、どんな気持ちなんでしょう」
芹那花音:「あの、わたし……。兄さんのこと、『好き』かって聞かれても、分からなくて……」
士騎朝輝:(ま、眩しい。ピ、ピュアすぎる。こら、面白がるな村雨丸)
芹那花音:顔を真っ赤にしながら、ぽそぽそと言う。
士騎朝輝:顎に指をあてて少し真面目に考える。軽口で茶化したりしてはいけない。
士騎朝輝:この返答には彼女の今後の人生観に関わってくる命題と見た。
士騎朝輝:「あー、これは個人差があると思うし、俺の意見だけでしかないんだけどさ」
芹那花音:「はい」
士騎朝輝:「失いたくなくて、傍にいたくて、他の誰にも取られたくない気持ち」
士騎朝輝:「を満たしてれば、決定的なんじゃないか」
芹那花音:「…………」
芹那花音:「失いたくなて、傍にいたくて、他の誰にも取られたくない」
芹那花音:「………わたし」
士騎朝輝:「リピートされると気恥ずかしいな。これ」
芹那花音:「兄さんが、槍を…ソルモルスを使う姿を見ると、胸が締め付けられるような気持ちになるんです」
芹那花音:「何か、失ってしまったような…。それを、また、取り戻したくなるような……」
芹那花音:「兄さんのそばに、いたいって」
芹那花音:「思います」
士騎朝輝:「うん」
士騎朝輝:「槍を使ってる時はあいつが危ない時だしなぁ。闘わせるの嫌だよなぁ、きっと」
芹那花音:「……」
芹那花音:「でもかっこいい……」
芹那花音:「……………な、なんでもないです………」
士騎朝輝:「それさ。俺にじゃなくて、あいつに言ってやった方が良いぜ」
芹那花音:「い、言えませんっ」
士騎朝輝:「俺だって、どっかの誰かに、言われたいと思っててさ。中々言ってくれないんだよなぁ」
芹那花音:「………」丸い瞳で士騎さんを見上げる。
士騎朝輝:「結構、堪えるんだ。そういうの、男って単純だしな」
芹那花音:「士騎さん…」
士騎朝輝:「花音ちゃんはそういう悪女になっちゃいけないぜ」軽薄に笑う。
芹那花音:「…あの、おととい、るるポートで出会ったとき」
芹那花音:「かっこよかった、ですよ」
士騎朝輝:「サンキュー。君のお兄さんもな」
芹那花音:「……はい。ありがとうございます」柔らかく笑う。
士騎朝輝:「…………おぉ」
士騎朝輝:「やっと、本当に笑ってくれた」
芹那花音:「え、あ……」すぐ顔を真っ赤にする。
士騎朝輝:「良いね。そう言う表情は写真に収めたいところだった。ちょっと前までだったら無断で撮ってた」
芹那花音:「写真……」
芹那花音:「と、撮りますか」
士騎朝輝:「旅の思い出。出会った人、守りたい物は全部、此処に収めてあるんだ、だから、撮りたい」
芹那花音:ソファに座り直す。
士騎朝輝:「撮らせて、貰えるかい?」
芹那花音:「兄さんには、秘密です」照れ臭そうに笑って。
士騎朝輝:携帯を取り出して一枚写す。
士騎朝輝:「それは、それで、拗れそうだけどなぁ。了解」
芹那花音:はにかんで、ちいさくピースをした姿が、カメラに残った。
芹那花音:ロイス感情を変更します。
芹那花音:士騎朝輝/信頼/不信感:〇/→ 信頼:〇/不安
GM:それから1時間後。
GM:待ち合わせの時刻だ。花音を連れて、もう一度指定されたポイントに合流し、情報交換を行う。
GM:元セクソルの詩雲。実験体の花音。そしてUGN第三支部の諜報能力。
GM:思ったよりもスムーズに情報が判明している。これまで欠片もひっからなかった遺産『ルナ・ノドゥス』についてもだ。
■遺産『《陽を灯す月光》』について
1900年代初頭、ソルモルスと共に南米で発掘されたオーパーツであり、遺産。
赤いルビーがはめ込まれた指輪の形状をしている。元はアステカ文明の祭事で使われていたものだった。
ソルモルスと同じ吸血特性を宿し、『近くで死亡した存在のエネルギーを吸い上げ、蓄える』性質を持つが、蓄えられたエネルギーを解放できるのは初代マスターレイのみ。
代々の《マスターレイ》はソルモルスと共にこのルナ・ノドゥスを受け継ぎ、槍と共に力を蓄え続けてきた。
すべては初代が転生された時のために。力を宿す槍と指輪を献上し、オーヴァードの王として君臨して頂くために。
使用可能キャラ:初代マスターレイ、あるいはその転生者
アクション:特定のEロイス一つと、希望するEロイスを一つずつ取得する。
または、指定したEロイスを永久に無効化する。
○任意項目:ルナ・ノドゥスについて
○『レナトゥスの使徒』について
┗○ソルモルスの特性について
┗○レナトゥス幹部《トワイサー》夕鶴安治
○ソルモルスの代償
○任意項目:ルナ・ノドゥスについて
GM:ということで、ここでは前シーンで抜いたこれらの情報と
GM:本シーンで抜いた【代償、ノドゥス】。それらについて共有ロールをしてもらい、
GM:最後にイベントが発生します。
GM:タタン、タタン。タタンタタン。
GM:住宅街の合間にある高架下。フェンスの向こうでは変電設備が低く唸っている。
GM:そんなところで君たちは集まり、情報交換をしている。
藤原奈央:「はい詩雲。お嬢様はちゃんと守りきったわよ」
詩雲終:「別に疑っちゃいない。助かった」
士騎朝輝:「はい。花音ちゃん 冷たい紅茶」
士騎朝輝:缶紅茶渡して。
芹那花音:「あ、ありがとうございます。士騎さん」
芹那花音:柔らかく笑って受け取っている。
藤原奈央:「レナトゥスの使徒。あれはかなりの狂信者集団みたいね」
士騎朝輝:「藤原は野菜生活だったよなぁ、そら」
藤原奈央:「《トワイサー》についてもそうだわ。ま、戦った時点でわかってはいたけど」
藤原奈央:「ん。さんきゅ」 ぱしっと受け取る。
芹那花音:「兄さんのコーヒーも買いました」士騎くんから受け取って走り寄る。
詩雲終:その様子を静かに眺めていた 「……ああ。助かる」
士騎朝輝:「トワイサー、一回だけ仕事を受けた臭いな。ジャーム処理だったんだけどなぁ。あれも今ならわかる。継承の残滓だ」
藤原奈央:「ジャーム化した先々代の処理、とか?」
藤原奈央:「あるいは継承に失敗した後継者候補かな……なんにしても楽しい依頼じゃないわね」
士騎朝輝:「多分、おそらくな」
士騎朝輝:「そしてな。今でこそ、あの風体だが、急速に老化してる。外見で分からなかったわけだ」
藤原奈央:「ね。詩雲と士騎両方に聞きたいんだけど」
藤原奈央:「あの《トワイサー》。めっちゃくちゃ弱くなかった?」
藤原奈央:「元マスターとは思えない。せいぜい、ちょっと手強いエージェントってところよ」
詩雲終:「異論ない。あれに比べれば、《セクソル》の者の方が全員強かった」
士騎朝輝:「俺が腕が立つって言って欲しいよなぁ、村雨丸」とは言うものの、反応速度に秀でてただけで火力と耐久力は並みだった。
藤原奈央:「短命な《マスターレイ》。異常な速さでの代替わり」
藤原奈央:「マスターレイになると命を削られる。そんな感じかな……」
芹那花音:「ソルモルスに、命を削る能力があるのでしょうか…」
士騎朝輝:「俺の推論なんだけどな。歴代のマスターレイはソルモルスの正式な使い手じゃないんじゃないか」
GM:藤原は言葉を濁したが、この場の人間はわかる。マスターレイになるということは、ソルモルスを使うということだ。
GM:花音が言った通り、ソルモルスそのものに命を削る能力があると見て間違いない。
藤原奈央:「それじゃ遺産じゃない。遺産は適合者以外しか使えないんじゃないの?」
詩雲終:「……花音。"ソルモルス"の情報を改めてまとめるように頼んでおいたな」
士騎朝輝:「これは他の人間にはわかりづらい感覚だけどな、遺産って言うのは多かれ少なかれ使い手を愛するもんだが」
芹那花音:「あ」兄さんを見上げる。
士騎朝輝:「ソルモルスはむしろ拒絶している。代償にしても釣り合いが取れてない」
藤原奈央:「多少の同調ではなく、真の後継者しか使えない遺産か……。花音ちゃん、もしなんか知ってたら教えて」
芹那花音:「は、はい」情報端末を操作して、手に入れた情報を見直す。
詩雲終:「俺は動かすための情報ばかり調べていて、そこ以外はおざなりだった。……だがこうなれば、しっかり判明させておく必要がある」
GM:遺産『全射する偉陽』ソルモルス。特性は吸血。
GM:使えば使うほど武器性能が向上する、というのは詩雲も知っていたし、事実いくつかの機能は引き出していたが……。
GM:初代は全機能を同時解放できたこと。そして初代以外が使った場合、命が急激に摩耗すること。
GM:これらは詩雲ですら知らなかった事だ。レナトゥスによって隠匿されていたから当然だが。
芹那花音:「歴代マスターレイは、世界各地でテロ行為を行っていたようです」
芹那花音:「ソルモルスが、もし、命を吸い上げるような能力を有してるのだとしたら…」
芹那花音:「そのテロ行為も、『人の命を吸収する』ために行っていたのだと思われます」
GM:『すべては、いつか転生し現世へ帰還される初代様のために』。
GM:レナトゥスの使徒。その意志を継ぐ歴代マスターレイ。セクソルセル、ソルモルス。
GM:命すら惜しまず、初代への供物を重ね続けた狂信者……それが歴代マスターレイの正体だった。
詩雲終:「……『レナトゥスの使徒』であれば、考えそうなことだ」
芹那花音:「……歴代マスターレイは、自らの命をも吸収させながら」
芹那花音:「初代マスターレイの復活を願っていたんだと…」
詩雲終:「……そうだな。客観的な事実を言えば」
詩雲終:「確かに"ソルモルス"にはそのような機能がある。生命を、というよりは、あらゆるエネルギーを転換・運用・蓄積する力とでもいうか……」
芹那花音:「に、兄さん」
詩雲終:「一口には難しいが、そういうことだ。そして、その対象となるのが、槍を向けられる者だけではなく」
芹那花音:「兄さんは…」言葉が途切れる。
詩雲終:花音を見て 「使い手にも及んでいる、と考えるのは自然なことだろうな」
詩雲終:「例えば《トワイサー》。そして、俺も」
芹那花音:「………っ」
詩雲終:「まだ身体に変調はない。内臓が老化していたとしても、元々俺が19だからな。表立った影響にはならないんだろう」
士騎朝輝:「その性質、随分と悪辣だな。オーヴァードの為の遺産と言うよりジャームの為の超抜能力だ」
士騎朝輝:「なぁ、それ、どうにかはなるかもしれないぜ」
詩雲終:「俺自身、使い方については慎重に調べていたからな。明らかに危険だった部分についてはブロック単位で封印しているが……」
藤原奈央:「そうね。UGNから、解決プランのひとつとして提案するわ」
詩雲終:「……さすがに、遺産相手で万全の対応はできないだろう。……で、解決プランだと?」
藤原奈央:「《力を断つ遺産》があるからね。こちらには」
藤原奈央:少し自慢げに腕組みし、隣の士騎を顎で指し示す。
士騎朝輝:藍色の柄に手をかける。鞘から引き抜かれる邪妖滅殺の霊刀 遺産『村雨丸』。
士騎朝輝:二尺七寸の刀身は殺気高ぶれば水気を増し、斬らば勢いよく流れ刃の鮮血を洗いおとすと言う。
詩雲終:「……ただの刀ではないと思っていた。遺産の類かも知れんとも」
詩雲終:「だが、いわゆる『鬼を切る』とされる類のものなのか? ……そんなものをテクタイト時代から……」
藤原奈央:「……こいつの過去はまあ置いておくとして。問題は、ソルモルスを破壊せずに力を断てるのかどうかだわ」
藤原奈央:「ピリオドがソルモルスを使ってるのは、それだけの武器がないとFHから逃げられなかったからでしょ」
藤原奈央:「破壊しなきゃいけないなら大いに問題が生じるわ。どうなの?」
詩雲終:「そうだ。だからその申し出は拒むつもりだ」
詩雲終:にべもなく言う 「現状、これをもって他に俺の武器はない」
士騎朝輝:「まぁ。そう言うとは思った。半生を共にした相棒みたいなもんだしなぁ」
士騎朝輝:「命が惜しくなったら言ってくれ。その時は喜んで村雨丸が斬り凍らすさ」
詩雲終:「……そんなに大したものじゃない。『代わり』の用意がないだけだ」
藤原奈央:「……んでもどうすんのよ。このままじゃあんたの人生、あと数年で終わりよ。半生どころじゃないわ」
芹那花音:「す、数年」青ざめている。
詩雲終:「手があるとしたら、もう一つ」
士騎朝輝:「対になる遺産があるんだよなぁ」
士騎朝輝:「なぁ」
詩雲終:「そうだ。《陽を灯す月光》。俺の方では存在までしか突き止められなかったが……」
藤原奈央:「あっ」
芹那花音:「ルナ・ノドゥス……?」
芹那花音:「………」胸騒ぎがする。不安そうに胸元をぎゅっと握る。
藤原奈央:「士騎! あんたがさっきコソコソ調べてたの、ひょっとして、それ?」
士騎朝輝:「コソコソ調べてたのは、ひょっとしてソレだった。UGNとFH、双方に該当データがあればガセじゃないだろうしなぁ」
詩雲終:「ソルモルスと由来を同じにしている筈だ。……その名の通り、対称となるような力があるのだとしたら」
藤原奈央:「遺産の代償を無効化できる……かも、ってわけか」
士騎朝輝:「そこでもキーワードになってくるのは初代マスターレイだな」
士騎朝輝:「赤いルビーがはめ込まれた指輪。ソルモルスと同じ吸血特性を宿し、『近くで死亡した存在のエネルギーを吸い上げ、蓄える』性質を持つが、蓄えられたエネルギーを解放できるのは初代マスターレイのみ だそうだぜ」
GM:現状、ルナ・ノドゥスが都合よく手に入るプランは見えない。だが、
GM:わざわざ『マスターレイを出迎える』ために出てきた《トワイサー》。度々登場する初代マスターレイ。
GM:もしかすると、あるのかもしれない。手の届く範囲に。
GM:トワイサーを撃退し市内をくまなく探せば、発見できるかもしれないレベルだ。決して不可能ではないだろう。
士騎朝輝:「代々の《マスターレイ》はソルモルスと共にこのルナ・ノドゥスを受け継いでたらしいからな。トワイサーなら何らかの手掛かりを知ってるっていうことになる」
詩雲終:「……"ソルモルス"の代償として奪われた分を、そいつから補填して貰えば、俺の命の方はどうにかなるだろう」
詩雲終:「まあ、些事だ。肝要なのは結局、いかにマスターレイを討つか」
藤原奈央:「その《トワイサー》も。今頃は復活したマスターレイをお迎えしてる頃かもしれない」
藤原奈央:「結局は簡単ね。あの車椅子ジジイをブチのめして情報を吐かればいいわけだわ」
詩雲終:「……そして同じく初代マスターレイの遺物として、使徒連中の財宝であるなら、奪うなり砕くなりだ」
詩雲終:「奴らの力を奪い尽くす」
芹那花音:カラン。缶紅茶が落ちる。
士騎朝輝:「そんなところか。後は花音ちゃんは何か意…け?」
藤原奈央:「花音。落ち──」
詩雲終:ちらりと音のした方を見て
藤原奈央:缶を拾い上げたままの状態で止まっている。
GM:居ない。誰も。
GM:先程まで、呼吸すら聞こえる距離で話していたはずの芹那花音が────消えている。
詩雲終:振り返る。辺りを見回す。眉間に皺を寄せ、もう一度辺りを見回す
詩雲終:「花音?」
《トワイサー》夕鶴安治:Eロイス:囚人の鳥籠。街中に張り巡らせたオルクス領域によるトラップによって、芹那花音を拉致した。
GM:花音ちゃんは一瞬で、自分がとある場所にいることに気づきます。
GM:ガス管事故……表向きはそうなっている……で閉鎖された、大型ショッピングモール。るるポートの10Fだ。
芹那花音:「初代マスターレイは……」
芹那花音:まるでそのまま、会話を続けようとして。
GM:目の前には、ナイフを片手に持った少年。《タルデュス》と、
GM:あの時の車椅子の老人。……《トワイサー》。
GM:戦闘能力のない花音が。たった一人、敵の前に引きずり出されてしまった。
芹那花音:「………っ!」気付く。顔色が一変する。
芹那花音:「ひっ、あっ」後ずさって逃げようとします。
《トワイサー》夕鶴安治:「…………」 キュラ、キュラ
《トワイサー》夕鶴安治:ギシッ
芹那花音:(捕まった)(兄さん)(兄さん……)
GM:車椅子から立ち上がり、
GM:そのまま、トワイサーとタルデュスの両名が跪く。
《トワイサー》夕鶴安治:「数々の…………」
《トワイサー》夕鶴安治:「非礼。どうかお許しください」
《トワイサー》夕鶴安治:「お待ちしておりました。芹那花音さま」
《トワイサー》夕鶴安治:「──偉大なりし、初代マスターレイよ」
芹那花音:「…………」
芹那花音:「…………」「……え?」
GM:シーンカット。次のシーン冒頭は花音ちゃん単独となり、
GM:3シーン経過。【本物のマスターレイについて】の説明が行われます。
GM:その後はFS判定。PCたちが合流し、クライマックス戦闘となります。
GM:ロイスと調達が可能です。
詩雲終:ロイス保留。あ、既存ロイスの書き換えはこの機会にしておこうか
士騎朝輝:芹那花音 友情/不安〇 で取り 強化素材を購入します。
士騎朝輝:3dx+6
DoubleCross : (3R10+6[10]) → 9[7,8,9]+6 → 15
芹那花音:応急手当キットねらお
士騎朝輝:変えました。即使用。 村雨丸の攻撃力+1
芹那花音:4dx>=8
DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 8[3,3,5,8] → 8 → 成功
GM:この子ずっと応急手当調達してるな
士騎朝輝:買えました
芹那花音:即使う!
芹那花音:2d10+23
DoubleCross : (2D10+23) → 3[1,2]+23 → 26
GM:ひどくない?
芹那花音:クソすぎるwww
詩雲終:士騎朝輝/懐旧/○食傷 → 士騎朝輝/○連帯感/厭気 藤原奈央/有為/○厭気 → 藤原奈央/○有為/隔意
士騎朝輝:今回、応急手当が酷すぎるw
芹那花音:全快しなかったww
詩雲終:応急手当キット!
詩雲終:3dx+1=>8
DoubleCross : (3R10+1[10]>=8) → 3[2,3,3]+1 → 4 → 失敗
GM:ミドル6まで応急を狙い続けて未だに全快していない
詩雲終:買えねえし
GM:こっちは失敗してるし!
GM:ちょっと草生える
芹那花音:2・3(にいさん)!!!
GM:にいさん=サン
詩雲終:回収成功するな
GM:というところで、前半はここまで!
GM:後半は21時再開としましょう。まずは花音ちゃんのシーンです。
芹那花音:はーい!
■ミドルシーン08 [マスターシーン]
GM:──1945年。ベルリン防衛戦。
GM:周囲を連合軍に包囲された廃墟で、一人のドイツ軍兵士がサラサラと遺書を書いている。
GM:できれば和紙と筆がよかったが、血に塗れたメモ帳に鉛筆書きだ。致し方あるまい。
GM:長い黒髪。ドイツ人ではなく、日本人だ……それも少女。
芹澤花乃:「"戦にて 深き縁を あみしこそ"」「"人と生まれし甲斐ぞありけり" ──よし」
芹澤花乃:「僕もいよいよここまでか。生きて日本の地は踏めまいと覚悟していたが」
芹澤花乃:「まさかベルリンで朽ちる事になろうとはな。なあソルモルス?」
芹澤花乃:「うん……うん。南米で君と出会ってから十一年。よく供をしてくれたものだ」
芹澤花乃:「うん? 連れ回しただけだと? はははは! 失礼だな!」
GM:芹澤花乃。幼い頃に行った南米旅行で、遺産『ソルモルス』と『ルナ・ノドゥス』を継承した超兵(オーヴァード)。
GM:歌声によってソルモルスに宿る因子を活性化させ、全能力を解放する。その力は凄まじく、
GM:たった12人の部下と共に、日本から『援軍』として友軍ドイツに送り込まれるほどだった。畏怖した敵兵が名付けた《マスターレイ》の称号は、まさにその証だろう。
芹澤花乃:「だが、これはなあ」
芹澤花乃:「兵士がどうこうできる域ではないよ」
GM:……だが、今のドイツはあまりにも追い込まれすぎている。首都ベルリンすら陥落寸前なのがその証だ。
GM:噂ではヒットラーも既に自殺したそうだ。士気の低下はひどく、兵士の大半は民間人。
GM:部下と分断され、包囲され、三日に渡って一斉攻撃を受け続ければ──さすがの《マスターレイ》も、力尽きるしかなかった。
GM:ゆえに。最後の特攻の前に、とっておいたワインを開け、クラッカーをかじり、こうして一人遺書を書いているのだった。
芹澤花乃:「ノドゥス。君もこの戦争で、随分力を吸っただろう」
芹澤花乃:赤いルビーの指輪に語りかける。
芹澤花乃:「罪なき人もたくさん殺した。僕は地獄行きかもしれないが……ほら。あるだろう。仏道でいうところの輪転、輪廻転生というやつが」
芹澤花乃:「これからソルモルスと共に、君の力を解放する。僕がいつか人間に転生できるようにしてくれるかね」
芹澤花乃:「僕の願いを叶えるためには、この時代は少々荒んでいるし。僕の手も汚れすぎているからね」
芹澤花乃:「……"未来の事はわからない"だと? はははは」
芹澤花乃:「相変わらず杓子定規だな君は」 立ち上がる。
GM:ベルリン西南部、教会の鐘楼の最上階だ。感覚を鋭敏にすると、周囲に無数の敵がひしめいてこちらを伺っているのがわかる。
GM:愛する両親も、兄も、兵士としてアジアで戦っているはずの征十郎さんもいないが……
GM:息を呑んで見守る大衆に歌声を聞かせてやるのも、悪くない。
芹澤花乃:「♪──────主よ」
芹澤花乃:「♪御許に 近づかん」
芹澤花乃:「♪いかなる苦難が待ち受けようとも」「汝の為に我が歌を捧げん」
GM:左手の赤い指輪が光り輝き、芹澤を包む。
GM:ルナ・ノドゥスの解放。50年か100年か、1000年か先に……輪廻転生は叶うかもしれない。
芹澤花乃:「♪放浪の中」「日は暮れゆき」
芹澤花乃:「♪闇の中 石の上で」「体を休める」
GM:機械槍が光を放ち、メキメキと枝分かれする。芹澤の全身を覆い、光の魔人へと変貌させる。
GM:吸血神槍ソルモルスと一体化し、全機能を解放した超兵──マスターレイの真の姿。
芹澤花乃:『さあ』 『イギリスもアメリカもソ連も同胞も、みな刮目するがいい』
芹澤花乃:『これがマスターレイの戦いだ!』
GM:そして。時計台の最上階から跳んだ彼女は、文字通りの光の矢となって──
GM:息をひそめてその歌を聞いていた連合軍兵士たちの元へ、突撃した。
GM:脳裏に一瞬よぎったのは、遠く離れた恋人の顔。それすらすぐに見えなくなる。
GM:享年15歳。ただ護国のために生きた少女だった。
■ミドルシーン09
GM:再開します。そうだな……花音ちゃんのシーンからと思ったんですが、
GM:先に残された側のロールからやりましょうか。士騎くん、詩雲くんは登場をどうぞ。
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+4(1d3+3->1+3)した(侵蝕率:85->89)
士騎朝輝:80+1d3+3
DoubleCross : (80+1D3+3) → 80+3[3]+3 → 86
GM:では、芹那花音が消えた直後。
GM:慌てる間もなく、UGN二人の端末と……そして、
GM:もし独自に調査を進めていたならば。詩雲終の携帯端末に、とある情報が入ってくる。
GM:強固なセキュリティで守られていた、本当のマスターレイについての情報だ。
■本当の《マスターレイ》について
下記のデジタル・アーカイブが残っている。日付は一年前、後継者決定戦がはじまる直前。
『初代マスターレイの転生体がついに発見された。
芹那花音という少女だ。
ドイツへ派兵された初代マスターレイ──旧日本軍陸軍中尉、芹沢花乃と見た目が酷似しているのはもちろん、
対象のレネゲイド操作や声帯からのレネゲイド因子放出など、能力も初代と寸分変わらない。
彼女がソルモルスを握り、かつてのように呪歌を謳った時、ソルモルスの全機能は解放される。
ソルモルスがこれまで啜ってきたすべての血と技能もまた、彼女のものになる。
良かった。歴代のマスターレイが寿命を削り、ソルモルスに血を啜らせ続けた甲斐があったというものだ。
75年に渡るソルモルスへの力の蓄積。転生した初代様は素晴らしき神威を誇ることだろう。
……問題もある。
芹那花音が、ソルモルスと全く同調できなかったことだ。前世の記憶も持っていない。
少しでも前世の記憶があれば、我らが受け継いできた遺産『ルナ・ノドゥス』を使ってすべての記憶を解放できるのだが……全く記憶がないというのは想定外だ。
……戦闘時にソルモルスが発する波動を浴び続ければ、それがトリガーになって僅かにでも記憶を取り戻すかもしれない。
だがどうやって? 私はもはや戦えない。私はもはや死に損ないの《トワイサー》なのだ。
後継者を見出す必要がある。
一年間でいい。一年間、ソルモルスを使って戦うことが出来る人物。
芹那花音が真のマスターレイである事に気づかず、彼女のそばで戦い続けるような人物を探す必要がある。
セクソルセル。おまえ達の命はこの時のためにあった。
あのメンバーであれば……誰が生き残ったとしても、必ずFHからの脱走を企てるだろう。
偉大なる初代の魂を宿す娘、芹那花音を連れて。ソルモルスと共に……。
偉大なる初代よ。
我らレナトゥスの使徒は、必ずやあなた様をお迎えにあがります。
──84代目マスターレイ 《トワイサー》記す』
第三支部諜報部員:『──支部長! 支部長、大変です!』
第三支部諜報部員:『緊急です! 閉鎖中のるるポートが、例の……《トワイサー》率いる集団に占拠されています!』
第三支部諜報部員:『しかも中には、あの花音とかいう少女の姿が……支部長とご一緒だったのでは……!?』
GM:この通信は全員に聞こえてます。もっとも、それどころではないかもしれないが。
藤原奈央:「どっ」
藤原奈央:「どういう……ことよ。これ」
詩雲終:「……拉致か」
士騎朝輝:「裏が取れたようだな。強制的に記憶を目覚めさせる腹積もりか」
詩雲終:「たとえばラグマンと呼ばれる、誘拐を専門とするエージェントがいる。卓越した技術があれば」
詩雲終:「それくらいは可能ということだ。……それだけのことをする、理由があれば」
藤原奈央:「……まだ覚醒していないはずよ。それに駆けて現地に行くしかない。けど」
士騎朝輝:「脱走迄織り込み済みとはなぁ。75年の妄執か。まったく、過去に生きる人間は未来を食いつぶすのに躊躇がない」
藤原奈央:「詩雲。先にあんたの考えを聞かせなさい」
藤原奈央:「もし……彼女が完全に《マスターレイ》になっていたとき……」
藤原奈央:「討てるの?」
詩雲終:「下らない仮定はよせ」
藤原奈央:「くだっ!?」
詩雲終:「花音はそんなものになってはいない。なりはしない。なる前に片を付ける」
詩雲終:「……もしなっていたら」 口角を歪めて 「俺よりも支部長として、この区域の心配をした方が良い」
士騎朝輝:「今のは野暮だろ、流石に。UGN支部長としては当然だけどなぁ」
藤原奈央:「ぐぬぬ……この男連中ときたら……!」
藤原奈央:「行くわよ。るるポートに急行する」
藤原奈央:「他に応援を打診してる暇はない。マスターレイとのケリは……今日つけるわ!」
士騎朝輝:「藤原」
藤原奈央:「だっ」 走り出そうとしていたが、つんのめる。
藤原奈央:「あによ!」
士騎朝輝:つんのめる所をひっつかまえて転倒を防止して。
士騎朝輝:「花音ちゃん良い娘だよなぁ。ピリオドだって悪い奴じゃない。二人とも自由を求めてる」
士騎朝輝:「だから、俺は、肩入れしてやりたいんだけどな」
士騎朝輝:「それでいいか?」
藤原奈央:「……この事件の最初のほーに言ったでしょうが」
藤原奈央:「"自由"はあんたのキラーワード。でしょ?」
藤原奈央:「好きにしなさい。責任はとってあげるわ」
士騎朝輝:「実はな……」
藤原奈央:あたしもこの二人は嫌いじゃないしね。そう言って、再び全力疾走する。
士騎朝輝:「そう言ってくれると思ったよ。これで、俺の方には怖いものなしだ」
士騎朝輝:村雨丸を握って駆け出す。
詩雲終:──何もかもが。
詩雲終:奴の思い通りだったのだ。あの凄惨な殺し合いも、あの日の出会いも、逃亡の日々も。
詩雲終:全てが策略通りに描かれた図画で、《ピリオド》はただその上で踊らされていただけだというのか。
詩雲終:(……いいや)
詩雲終:全てが。
詩雲終:全てが策略通りに描かれた図画で、《ピリオド》はただその上で踊らされていただけだとしても。
詩雲終:何一つ変わりはしない。あの日々も、出会いも、殺し合いも……この身に滾る熱と力、今願うこと、その何もかも。
詩雲終:(終止符(ピリオド)を打つのは俺だ。この劇の幕引きを決めるのは、俺だ)
詩雲終:(賢しらに俺を、《セクソル》を──花音を。弄んだその罪は)
詩雲終:(贖ってもらう──《トワイサー》!!)
GM:──同時刻。第三地区ショッピングモール、『るるポート』。
《トワイサー》夕鶴安治:「初代……ゲホッ」
《トワイサー》夕鶴安治:「ごほッ! ごぼッ!」
《トワイサー》夕鶴安治:何かを喋ろうとしたが、勢いよく喀血する。
《タルデュス》霧馬真人:「マスター」
《トワイサー》夕鶴安治:「……うむ……」
《トワイサー》夕鶴安治:「ご説明差し上げろ霧馬。失礼の……ないように」
芹那花音:「………」怯えた様子で立ち尽くしている。
《タルデュス》霧馬真人:「ありがたき名誉を。お任せ下さい」
《タルデュス》霧馬真人:「芹那花音さま」
芹那花音:「ひっ」
《タルデュス》霧馬真人:「……。……どうかご安心ください。我々が貴方様に危害を加えることはございません」
《タルデュス》霧馬真人:「まずは、こちらを」
芹那花音:「……」胸元をぎゅっと握る。
《タルデュス》霧馬真人:懐に手を入れ、赤いルビーのついた指輪を取り出す。
GM:うやうやしく君に差し出します。君は受け取ってもいいし、拒否してもいい。
芹那花音:「っ」目が見開かれる。
《タルデュス》霧馬真人:「遺産。マスターレイの遺物──『ルナ・ノドゥス《陽を灯す月光》』」
芹那花音:それを見た途端。
《タルデュス》霧馬真人:「一年間。《ピリオド》と同行したことで……多少なりとも記憶は戻ったかと思いますが」
《タルデュス》霧馬真人:「いかがでしょうか」
芹那花音:瞬きをする度に、瞼の裏に、経験したはずもない光景が映し出される。
芹那花音:(なに、これ)
芹那花音:戦場。
芹那花音:(知らない)
芹那花音:死体。煙。軍隊。戦車。
芹那花音:(……はず、なのに)
芹那花音:巨槍。軍服に袖を通す自分。……思いの丈を話せなかった、幼馴染を見上げる自分。
芹那花音:思えば、予感はあったのだ。
芹那花音:巨槍をふるう義兄を見るたびに、胸の奥で切なく掻き立てられる、あの思いが。
《タルデュス》霧馬真人:ただ恭しく、指輪を差し出し続けている。
芹那花音:何か大切なものを思い出せと、ずっと自分に囁いていた。
芹那花音:「………あ………」
芹那花音:手を伸ばす。
芹那花音:(だめ)
芹那花音:(記憶に、飲み込まれちゃ)
芹那花音:思い出す。思い出す。
芹那花音:そばにいたいと思う人を。ただ、それだけでいい。
芹那花音:震える手で、指輪を受け取る。
《タルデュス》霧馬真人:「……花音様は覚えていらっしゃらないでしょうが」
《タルデュス》霧馬真人:「あなたをFHへお迎えした当時。あなたは、前世のことを何も覚えていないご様子でした」
芹那花音:「…………」
GM:研究所時代の記憶も、わずかながら蘇りつつある。
芹那花音:「……はい」
GM:体中にセンサーをつけた状態で詩雲の持つ槍……ソルモルスを何度も握らされた事。何も起きなかった事。
GM:その様子を見て《トワイサー》をはじめ、多くのものが落胆し、悲観にくれていたこと。
GM:当然だろう。初代マスターレイが転生したと思ったら、前世の事を何も覚えていないばかりか……
GM:遺産との適合すら果たせなかったのだから。
《タルデュス》霧馬真人:「ですが、今のあなたは違う」
《タルデュス》霧馬真人:「《ピリオド》。あれは、間違いなく偽物ではありましたが」
《タルデュス》霧馬真人:「同時に間違いなく、歴代でもっとも偉大な《マスターレイ》です」
《タルデュス》霧馬真人:「一年に渡る旅において……初代様の御記憶を取り戻したのですから」
芹那花音:「………」最後のトリガーはこの指輪だった。…しかし、それを彼に言う必要はないだろう。
《トワイサー》夕鶴安治:「ゴホッ……唄う、だけで良いのです」
《トワイサー》夕鶴安治:「唄い……この75年。我らが使徒が積み重ねた《レナ・ノドゥス》の力を解放ください」
《トワイサー》夕鶴安治:「今の貴方様であれば。必ずやノドゥスを開放し……戻れます」
《トワイサー》夕鶴安治:「かつての《マスターレイ》に」
芹那花音:「…ソルモルスは? 必要ないんですか」
《タルデュス》霧馬真人:「ご心配なく。じきに、《ピリオド》も到着するでしょう」
《タルデュス》霧馬真人:「御身が元に戻れば、恐れることはありません。奴からソルモルスを奪って終わりです」
芹那花音:「……」思い出す。前世、皆を率いていた少女だった頃を。なるべく、そのようにふるまいたい。
《タルデュス》霧馬真人:「もちろん、御身が望むならば……奴を槍持ちとして侍らせることもできましょう」
《タルデュス》霧馬真人:「我ら使徒は。みな御身の意思に従います」
芹那花音:「そうですか」淡々と言う。感情を表に出したくはない。
GM:ショッピングモールの中には、他にも多数の兵力が潜んでいるのがわかります。
GM:花音を取り戻そうと躍起になって、無理に10Fまで上がってくれば……詩雲と士騎と藤原。手練の三人でも危ないかもしれない。
芹那花音:「なら。…わたしは、わたしの思うとおりに、するまでです」
芹那花音:(兄さん、士騎さん、藤原さん)
芹那花音:(みんなを、傷つけたくない……)
芹那花音:ここで、RHOを公開したいです。
《トワイサー》夕鶴安治:「おお……おお」
《トワイサー》夕鶴安治:「初代様。偉大なる《マスターレイ》」
《トワイサー》夕鶴安治:「我ら《レナトゥス》の……主よ」
《タルデュス》霧馬真人:「…………。」
GM:どうぞ!
リバースハンドアウト・PC1
・真シナリオロイス:《マスターレイ》芹澤花乃 推奨感情:P遺志/N隔意
詩雲が使う巨大機械槍・ソルモルス。
逃避行の中で幾度となくソルモルスの波動に晒されたからだろうか。君の中で、僅かだが前世の記憶が蘇りつつある。
君の前世は初代マスターレイ。旧日本陸軍中尉、芹澤花乃という少女だ。
現代で言えばFH的な思想を持ち、能力を大々的に使い、大日本帝国繁栄の礎にせんとしていた。
彼女と共に戦った兵士たちは、彼女の遺言である『私は必ず転生する』という言葉を覚えている。
ゆえに彼らは戦後FHへと流れ、マスターレイの名と、彼女の武器であるソルモルスを今日まで継承し続けてきた。本当のマスターレイ──君が現世に帰還したときのために。
FHは、前世の記憶が蘇れば君がFHに味方してくれると信じている。
これまでの散発的な追手も、ソルモルスの使い手である詩雲をそばで戦わせているのも、すべては記憶を蘇らせるためだ。
だが彼女は──芹澤花乃は、祖国から遠く離れた欧州で散る直前、こう願っていた。
もし自分が、もう一度人間に生まれ変われたなら。
もし世界が、今よりもっと平和だったなら。
その時はこの力を、国のためではなく、好きな人のために使いたいと。
このRHOは、シナリオ中に遺産『ルナ・ノドゥス』を手に入れて以降、いつでも開示可能。
ルナ・ノドゥスの破壊と引き換えに、次のどちらかの効果を選択する。
【マスターレイとして生きる】
Eロイス《ファイトクラブ》が発動。芹那花音はジャーム人格を獲得し、本セッションのクライマックスボス『マスターレイ』となる。今後はプレイヤーの必要に応じて非ジャームの芹那花音と、ジャームのマスターレイを使い分けることが可能となる。
シナリオ終了時、Eロイス《愚者の契約》が発動。詩雲は死亡する。
【詩雲と共に生きる】
詩雲が視界内にいる時のみ使用可能。シナリオ終了時に詩雲に対して発動するEロイス《愚者の契約》を無効化する。ただし、君は二度と完全なマスターレイには戻れなくなる。
本RHOを開示せずにバックトラックを迎えた場合、君は上記の選択を保留することができる。
ただしシナリオ終了時に《愚者の契約》が発動し、詩雲は死亡する。
GM:──バン!
GM:ショッピングモール1Fの扉が蹴り開けられる音がする。
GM:すでに見知った顔ぶれだ。そして、1年ものあいだ一緒に旅をしてきた、愛する義兄。
GM:士騎。藤原。……詩雲終。
芹那花音:「………っ!」
詩雲終:「──花音!!」
GM:別れを告げるか、共に生きるか。すべてがこの一瞬と、君の手の内にある《レナ・ノドゥス》にある。
GM:公開した以上、どちらかを選んでください。
芹那花音:【詩雲と共に生きる】を選択します。
《タルデュス》霧馬真人:《コンセントレイト:ノイマン》《マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》。
芹那花音:ルナ・ノドゥスを破壊し、Eロイス《愚者の契約》を無効化します。
《タルデュス》霧馬真人:対象は花音ちゃんです。ここで攻撃を受ける場合、全員が10Fに到着するまで耐えしのぐしかない。
GM:FS判定が開始されます。この場から逃れる方法は……ただひとつ。
GM:飛び降りてください。8d10のダメージを受けます。
芹那花音:飛び降ります。
GM:どちらを選んでもいいです。逃げ足に自信があるならここに留まって、敵を挑発してもいい。
《トワイサー》夕鶴安治:「……初代様!?」
詩雲終:それ受け止めて良いですか。ダメージを4d10ずつにしたい
《タルデュス》霧馬真人:「……やっぱりそっちを選ぶよな」 迷わずナイフを投擲する。
GM:いいですよ! あと
GM:士騎くんも補助できることとしましょう。ダメージを見てからどっちかを2d10減らす事ができる。
GM:すべてが一瞬だった。タルデュスがナイフを投擲し……トワイサーが驚愕に目を見開き。
GM:芹那花音がショッピングモールの10Fから身を躍らせ。真っ先に詩雲終が飛び出した。
GM:二人は4d10ダメージをどうぞ。
芹那花音:4d10
DoubleCross : (4D10) → 25[5,3,8,9] → 25
詩雲終:4d10
DoubleCross : (4D10) → 17[5,1,2,9] → 17
GM:あっ低い
芹那花音:HP1で生き残った~~!!
GM:士騎くんはどうしますか? 2d10軽減可能です。
士騎朝輝:これ奈央ちゃんも使用できます?
GM:できます。ただし、この直後はFS判定なので
GM:FS判定の1ラウンド目は使用不可能になる、としましょうか。
士騎朝輝:そうならば。僕は詩雲君を受け止め 花音ちゃんに奈央ちゃんを使ってもらいましょう。
藤原奈央:了解です。じゃあ、こちらは花音ちゃんを軽減。
藤原奈央:25-8d10
DoubleCross : (25-8D10) → 25-42[6,4,8,6,2,2,8,6] → -17
藤原奈央:花音ちゃんを無傷に抑えます。
芹那花音:無傷!
士騎朝輝:「"Love is blind" 自分で言ったことだぜ。世話ないよなぁ、あれは」
士騎朝輝:「藤原、そっち任せた」
士騎朝輝:17-2d10
DoubleCross : (17-2D10) → 17-10[8,2] → 7
士騎朝輝:む
詩雲終:7点もらう!
藤原奈央:「もう、やって、るっ!」 氷の滑り台を無数に作り出し、落下速度を殺す。
士騎朝輝:「流石は、有能天才スレンダー美少女支部長っ」
藤原奈央:「……詩雲! 受け止めなさいよ!」
藤原奈央:「王子様の役目でしょうが! こういうのッ!」
芹那花音:手すりから身を投げることに躊躇はなかった。
芹那花音:この1年前、最初の記憶は、彼の姿だ。
芹那花音:ずっと焼き付けて来た。
芹那花音:だから。
芹那花音:「……兄さんっ」
GM:いかに藤原が勢いを殺したとしても。10Fからの落下はかなりの速度だ。
GM:受け止めるには──オーヴァードであっても、多少のダメージを覚悟しなければならないが。
詩雲終:「花音……ッ!!」
芹那花音:指輪を抱きしめたまま、ぎゅっと目を瞑る。
詩雲終:返事も返さない。腕を広げる。落ちてくる彼女の、その下に駆け込んで。器用に衝撃を殺すとか、そんなことはできやしない。
詩雲終:できずとも、そうしたいからする。それだけしかない。それだけで、十分だ。
詩雲終:花音を抱き留める。
芹那花音:そこに彼がいると、信じているから。
GM:──ガツン!
GM:衝撃音がして、二人がごろごろと転がる。……ファンタジーにあるようなロマンチックな抱きとめ方ではなかったかもしれない。
詩雲終:「ハア、ハアッ……花音……花音っ」
士騎朝輝:ごろごろ転がる二人を、その身体で止めている。
芹那花音:「……兄さん」
詩雲終:名前を呼びながら、腕の中に抱きしめた存在をしっかりと確かめて。
詩雲終:「……花音」
士騎朝輝:皮肉の一つでも言ってやろうかと思ったが、心の中で、これは貸しだよなぁ。とつぶやいて、さりげなく離れる。
芹那花音:抱き留められた体温を感じる。荒い息がかかってくすぐったい。
芹那花音:そういうことを、なんていうか、知っている。
芹那花音:失いたくなくて、傍にいたくて、他の誰にも取られたくない。
詩雲終:「……良かった」 少しばかり落ち着いた声音で囁き、そっと頭を撫でて
詩雲終:立ち上がりながら、花音の手を握り、彼女のことも立たせる
芹那花音:「待って」
詩雲終:「?」
芹那花音:目の前の兄さんに、華奢な腕を回して抱きしめる。
詩雲終:「なっ」
詩雲終:「ぁ……」 「……花音」
詩雲終:抱き返すように、そっと頭へ手を添える。
芹那花音:目の前の詩雲終にかかっているEロイス《愚者の契約》を無効化します。
芹那花音:(…祈るだけで、いい)(そうすれば、指輪が応えてくれる……)
芹那花音:「……っ」
芹那花音:パキン、と、指輪が割れる音が聞こえた。
芹那花音:「もう、大丈夫です。兄さんは、もう、命を吸われることなく、ソルモルスを扱えます」
芹那花音:パッと身体を離す。
芹那花音:「もう、マスターレイは、どこにもいません……」
芹那花音:「………」それはたぶん、彼と自分を繋ぐ理由を失ったことを意味するけど。
詩雲終:「……そうか」
芹那花音:「……はい」
詩雲終:「それが花音の口から聞ければ、それで十分だ」
詩雲終:「もし"ソルモルス"が変わらず命を吸うものであっとも、代わりが見つかるまでこれを使うつもりでいたが」
詩雲終:「……花音。お前を置いていかずに済むなら、それに越した事はない」
芹那花音:「え」
詩雲終:「後顧なく。全力を振るえる」
芹那花音:「今のって、あの……」「………っ」
芹那花音:「~~~~っ!」
士騎朝輝:「ゴホン」
士騎朝輝:肩を竦める。
士騎朝輝:「おい、ピリオド 自由になったか?」
芹那花音:「ご、ご、ご、ごめんなさい」顔を真っ赤にしている。
詩雲終:視線だけを彼に向け 「どうもそうらしい」
詩雲終:「鎖は断ち切られた。後に残るのは、鎖の残骸だけだ」
士騎朝輝:「そいつは何よりだ。俺も骨を折った甲斐があったよなぁ。文字通り」
士騎朝輝:「マスターレイも何処にもいない。さて、後は」
士騎朝輝:息をつきながら階上を見上げる。
詩雲終:「済まん。さっき少し受け止めさせたな」
藤原奈央:「んっ。うん」 軽く赤面しながら咳払いする。
藤原奈央:「んじゃ、そ……そろそろ、いい?」
藤原奈央:「仕事の時間よ」
詩雲終:「礼は」 同じく見上げる 「……この地区を騒がすFHの殲滅でどうだ」
藤原奈央:「……だいぶ悪くないんじゃない? 士騎はどう思う?」
士騎朝輝:「その後で、写真を一枚もだ」
詩雲終:「何枚だろうとくれてやる」
芹那花音:「く、くれて…やります」顔を赤らめながら頷き返す。
士騎朝輝:ピリオドと花音ちゃんにニと笑う。
士騎朝輝:「悪くないよなぁ。よし藤原、号令を頼む、気合を入れてくれ」
藤原奈央:「……よし!」
藤原奈央:「UGN第三支部、臨時構成チーム。《リッターシルト》以下三名!」
藤原奈央:「ショッピングモールに不法侵入し、一般人の少女を拉致したFHを……撃滅する!」
GM:シーンカット!
GM:ロイスのみとれます。次はマスターシーンを挟んだ後、クライマックスです。
芹那花音:初期ロイス・詩雲終のロイスをSロイスに指定します。
士騎朝輝:僕はなし。以上。
詩雲終:同じく、芹那花音のロイスをSロイスに指定します。
芹那花音:また、シナリオロイスの《マスターレイ》を《マスターレイ》芹澤花乃に変更。感情は遺志:〇/悔悟。
芹那花音:以上です。
GM:Sロイス!
GM:間違いなく受理しましょう……!
GM:ではシーンカット。
GM:次はマスターシーン。そしてクライマックスです。
■ミドルシーン10 [マスターシーン]
《トワイサー》夕鶴安治:「貴様……」
《トワイサー》夕鶴安治:「何のつもりだ。霧馬」
《トワイサー》夕鶴安治:「自分が何をしたかわかっているのか」
《タルデュス》霧馬真人:「……」
GM:ショッピングモール最上階。
GM:《トワイサー》の視線は、手すりから身を投げた初代マスターレイ……芹那花音ではなく、
GM:目の前の《タルデュス》霧馬真人に集中していた。
《トワイサー》夕鶴安治:「偉大なる初代様に……貴様は刃を向けたのだぞ!」
《トワイサー》夕鶴安治:「私ですら……この私ですら」
《トワイサー》夕鶴安治:「あの一瞬は気が狂いそうだった。初代様を撃ち抜くなど」
《トワイサー》夕鶴安治:「そ、それを」
《トワイサー》夕鶴安治:「貴様は何の……祈りすら捧げず……」
《トワイサー》夕鶴安治:「答えろ! 霧馬!」
《タルデュス》霧馬真人:「…………なあ、先生」
《タルデュス》霧馬真人:「あんたにとって、《セクソル》セルはなんだった?」
《トワイサー》夕鶴安治:「……なんだと?」
《タルデュス》霧馬真人:「重要な話だぜ。答えてくれよ…………」
《タルデュス》霧馬真人:「なんだったんだ?」
GM:不自然な静けさがある。《トワイサー》はたしかに……こういった事態に備えて、モールの各所にレナトゥスの精鋭を配置したはずだが。
GM:誰も来ない。この期に及んで、誰も来ないとはどういうことか。
《トワイサー》夕鶴安治:「決まっている」
《トワイサー》夕鶴安治:「すべて。すべて、すべて……」
《トワイサー》夕鶴安治:「初代様を。芹那花音をお迎えし、支えるための」
《トワイサー》夕鶴安治:「使い捨ての駒でしかないと!」
《トワイサー》夕鶴安治:「そう決」 パン!
GM:言葉の半ばで、その後頭部がザクロのように散った。
GM:スラッグショットガンの零距離射撃。同時に投げナイフが頸動脈に何本も突き刺さる。
GM:リザレクトの余裕すら与えない手口。即死だ。
GM:陽炎か亡霊のようにゆらめく少女が、虚空から現れている。
《タルデュス》霧馬真人:「……状況は」
《タルデュス》霧馬真人:「美沙」
《ワニオン》刈谷美沙:『手はず通り。レナトゥスは《イラシア》セル他の協力によって半壊滅』
《ワニオン》刈谷美沙:『残りも、時間の問題でしょうね』
GM:いや、亡霊には違いないのかもしれない。《ワニオン》は既に死んでいる。
GM:Eロイス《不滅の妄執》。殺戮のジャーム──《タルデュス》の想いの強さが、秘密裏に殺害してきたレナトゥス関係者の血と肉を媒介に、《ワニオン》の疑似魂を現世にもう一度呼び戻している。
《トワイサー》夕鶴安治:Eロイス《殺戮機関》。このセッションの最後まで《タルデュス》が生存していた場合、
GM:お前はもう死んだだろ!
《タルデュス》霧馬真人:Eロイス《殺戮機関》。このセッションの最後まで《タルデュス》が生存していた場合、
《タルデュス》霧馬真人:《レナトゥスの使徒》と《マスターレイ》が全滅します。マスターレイは《セレナーデ》芹那花音、《ピリオド》詩雲終の二名……そして。
《タルデュス》霧馬真人:「よし。じゃ、最後だ」
《ワニオン》刈谷美沙:『やるんですか? 無意味では?』
《タルデュス》霧馬真人:「最高のタイミングで殴り飛ばすって決めてたんだよ。俺は」
《タルデュス》霧馬真人:「徹底的に。《マスターレイ》の歴史と存在を貶めてから、終わってやる」
《マスターレイ》霧馬真人:「俺が、最後の《マスターレイ》だ。……やるぞ」
《マスターレイ》霧馬真人:「奴らを殺す」
《マスターレイ》霧馬真人:「俺とお前なら、できるさ。ラブラブコンビだからな」
《ワニオン》刈谷美沙:『気色悪いですよ』
GM:二人が同時に、ショッピングモールの10Fから落下した。
■休憩前説明
GM:先にクライマックス戦闘の説明をしておきます。
GM:エンゲージは次の通り。
《マスターレイ》霧馬真人[4]
《ワニオン》刈谷美沙[14]
FHトルーパーB[16]
5m
FHトルーパーA[16]
5m
詩雲[07] 芹那[07] 士騎[04]
GM:タルデュスとワニオンは両方ジャーム。トルーパーはトループですが、ミドルと同じで献身の盾を持ってます。
クライマックス:『無限輪転のセレナーデ』
GM:クライマックスに入りましょう。
GM:全員登場。
士騎朝輝:86+1d3+3
DoubleCross : (86+1D3+3) → 86+1[1]+3 → 90
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+4(1d3+3->1+3)した(侵蝕率:89->93)
芹那花音:1d3+3+87
DoubleCross : (1D3+3+87) → 1[1]+3+87 → 91
GM:ぞろぞろと。FHの……最初に交戦したのとはまた違う戦闘服の集団が君たちの前に現れる。
GM:数にして最初の二倍だが、それよりも。
GM:────ダン!
GM:およそ50メートルの高さを……通常のオーヴァードでは傷を負うはずの高さを、
GM:軽々と飛び降りてきた人物がいる。
《マスターレイ》霧馬真人:「……よう」
《マスターレイ》霧馬真人:「また会ったな。シュウ……《ホワイトミュート》」
詩雲終:「……《タルデュス》」
《マスターレイ》霧馬真人:「一度しか言わない」
《マスターレイ》霧馬真人:「芹那花音をこちらへ渡せ」
《マスターレイ》霧馬真人:「そいつは……出来る限り凄惨に殺さなければならない」
《マスターレイ》霧馬真人:「それが俺のすべてだからだ」
GM:それ以上何も言わないが、目が語っている。
GM:『お前さえ居なければ』。
GM:『お前さえ居なければ、《セクソル》セルは壊れなかった』と。
芹那花音:「………」胸元をぎゅっと握る。その視線を受け止める。
詩雲終:「ならば俺も、一度で伝えよう」
詩雲終:「花音は渡さない」
詩雲終:「彼女が俺のすべてだからだ」
《マスターレイ》霧馬真人:「……ふ。はははははッ」
《マスターレイ》霧馬真人:「だよなあ! はははははは!」
《マスターレイ》霧馬真人:「ふふははは! ははははははははは!」
《マスターレイ》霧馬真人:「ははははは……」
《マスターレイ》霧馬真人:「じゃあ。もう、いいよな」
《マスターレイ》霧馬真人:「始めようぜ」
《マスターレイ》霧馬真人[4]
《ワニオン》刈谷美沙[14]
FHトルーパーB[16]
5m
FHトルーパーA[16]
5m
詩雲[07] 芹那[07] 士騎[04]
士騎朝輝:「その前に、ならば言うか。ピリオドが布告し、花音ちゃんから言葉がなければ俺が告げよう」
藤原奈央:「……ちょっと」
藤原奈央:「変なこと言わないでしょうね。言うならかっこいいこと言ってよ」
藤原奈央:「UGNの代表なんだから……ちょっと聞いてる?」
士騎朝輝:「俺がこういう時に、格好悪いことを言ったことはないのは、知ってるだろ?」
《マスターレイ》霧馬真人:「あんたには感謝してるんだ。クラックアイス」
《マスターレイ》霧馬真人:「マスターレイ復活の一助になってくれたからな。言ってくれよ」
《マスターレイ》霧馬真人:「悪いが、ここがあんたの墓場になる」
士騎朝輝:「ならば言うか。最後のマスターレイに」
士騎朝輝:輝く霜霧を散らしながら愛刀をゆっくりと引き抜く。
士騎朝輝:「人生は新雪の上を歩くのに似ている。どこに踏み出しても足跡が残り、しばらくの間消える事はない。過去をなかった事にはできず、名声と罪過どちらもが鎖となって絡みつく。だが、それでも、歩みを止めない奴らがいる。ただ一人の男の為に、ただ一人の女の為にな。それこそが絆だ。俺達が結び護るべきものだ。その絆を護り、夜明けと続く自由のために、ホワイトミュートとリッターシルトの氷雪が足跡を覆おう。そして断ち切った鎖を再び巻かせはしない。《マスターレイ》の因縁はここで零にして終わらせてやる」
《マスターレイ》霧馬真人:「そうはいかない」
《マスターレイ》霧馬真人:「全員、ここで殺す」
GM:《タルデュス》……《マスターレイ》の強烈な殺意が、君たちのレネゲイドを励起させます。
GM:衝動判定です。難易度は9。
GM:これは2d10を上げてください。
芹那花音:7dx+2>=9
DoubleCross : (7R10+2[10]>=9) → 9[1,2,2,5,6,8,9]+2 → 11 → 成功
詩雲終:7dx+1=>9
DoubleCross : (7R10+1[10]>=9) → 10[3,4,5,8,9,9,10]+2[2]+1 → 13 → 成功
士騎朝輝:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 10[2,3,3,10]+2[2] → 12
芹那花音:2d10+91
DoubleCross : (2D10+91) → 12[10,2]+91 → 103
GM:おおっ!
士騎朝輝:2D10+95
DoubleCross : (2D10+95) → 14[4,10]+95 → 109
詩雲終:2d10
DoubleCross : (2D10) → 15[7,8] → 15
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+15した(侵蝕率:93->108)
GM:全員成功してる……!
士騎朝輝:僕はエフェクト効果で暴走。
GM:クライマックス戦闘を開始します。
■ROUND-01
GM:セットアップから入りましょう。セットアップ。
GM:トルーパーズは無し。
芹那花音:《ファンアウト》《限界突破》。
《マスターレイ》霧馬真人:《ファンアウト》。《ワニオン》を5m横へ移動させる。
芹那花音:ファンアウトの対象は士騎くんと兄さん。戦闘移動可能です。
詩雲終:さーて、これ戦闘移動で奥のエンゲージ行けないよな……w
GM:7mwwww
詩雲終:12mではある!
士騎朝輝:《加速装置》《ヴァジュラ》90→95 攻撃力+9 行動値+12 暴走《紅蓮の憎悪》発動 攻撃力+9
芹那花音:前方にトルーパーズが立ちふさがってますからね
GM:12も動けるならいいだろ!
詩雲終:素直にトルーパーズの所まで進んでおこう
芹那花音:侵蝕7上昇
GM:士騎くんは移動しますか?
士騎朝輝:これ行動値的に9Mしかまず移動できないので トルーパー達ところですね。移動は
GM:そうか。ファンアウトは行動値7の花音ちゃんが先で、そうなると行動値4で移動するしかないんですね。
士騎朝輝:初手で範囲攻撃避ける為にエンゲージ合わせないのも考えたんですけど、加速する刻 硬直とかやられたら損なので接敵はしておきます。
芹那花音:《限界突破》。対象のエフェクトは《援護の風》を指定。
GM:OK!
芹那花音:侵蝕率3上昇。106です。
GM:NPCカードを更新します。
NPCカード:《リッターシルト》藤原奈央
アクション:"スリヴァーザ"
ダメージ適用直前にオートアクションで宣言。9d10のダメージを軽減する。ラウンド1回、射程視界。
GM:イニシアチブに入っていきましょうか。
GM:いや
GM:セットアップ演出からだ。あればどうぞ。
芹那花音:こちら省略で大丈夫!
芹那花音:ありがとうございます。
GM:うたわないの!
芹那花音:!
《マスターレイ》霧馬真人:僅かに手を動かすような素振りをする。それだけだ。
GM:少なくとも、見えている戦力はこれで全部なはずだが。そのいずれも展開状態から動くことはない。
《マスターレイ》霧馬真人:「名誉マスターレイのシュウ。初代マスターレイの芹那花音。そして」
《マスターレイ》霧馬真人:「俺もだ。マスターレイに反旗を翻した俺もまた、マスターレイを名乗ろう。……ふふ、くくく」
《マスターレイ》霧馬真人:「くだらねえ。何がマスターレイだ」
《マスターレイ》霧馬真人:「こんな……クソみてえな称号のために……何人死んだ」
《マスターレイ》霧馬真人:「……………………責任を取れ。完全な『初代』に戻ることを拒むというのなら」
《マスターレイ》霧馬真人:「苦しみぬいて死ね。芹那花音」
GM:イニシアチブ。何もなければ最速行動値は20、士騎くんの手番です。
芹那花音:《スピードフォース》を使用します!
GM:加速する刻だ!
GM:じゃあどうぞ! 花音ちゃんの手番です。
芹那花音:はい!まずマイナーで5m後退。エンゲージ離れます。
芹那花音:メジャー。《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》《弱点看破》《智将の眼力》。
芹那花音:対象は兄さんと士騎さん。
芹那花音:このラウンド間、次のメジャーアクションのC値-1、判定ダイス+5個、攻撃力+15。
芹那花音:演出いきます。
GM:どうぞ!
芹那花音:「……タルデュス、…いえ、霧馬さん」
《マスターレイ》霧馬真人:「…………」 どろりと淀んだ目で見る。
芹那花音:「ごめんなさい」
《マスターレイ》霧馬真人:「…………」
《マスターレイ》霧馬真人:「…………あ?」
芹那花音:「わたしは、あなたの思いに、何も答えられません」
芹那花音:「わたしの前世が、マスターレイだったとしても」
芹那花音:「その記憶を取り戻しても、わたしは、ただのわたしのまま」
芹那花音:「大きな力を手に入れることも、なにか考えが変わることもありません」
《マスターレイ》霧馬真人:『何が言いたい』
芹那花音:「……だから、あなたの憎しみに、応える言葉すら浮かばない」
芹那花音:「……」
芹那花音:「わがままです」
芹那花音:「わたしは、生き続ける」
芹那花音:「自分のことをマスターレイなんて思えない」
芹那花音:「ただの芹那花音です」
芹那花音:「だから、どうか」
芹那花音:「あなたは、これ以上誰かを憎しむことなく、眠ってください」
芹那花音:両手を握る。祈るように。
《マスターレイ》霧馬真人:「眠れないんだよ……」
《マスターレイ》霧馬真人:「あの時から。目を閉じると」
《マスターレイ》霧馬真人:「死んだみんなの顔が浮かんできて……俺に言うんだ」
《マスターレイ》霧馬真人:「仇を討ってくれって」 ナイフを抜く。 「芹那花音」
《マスターレイ》霧馬真人:「あんたは……あんたは。初代の記憶なんかろくに持ってないだろうし、マスターレイとも関係ないだろうが」
《マスターレイ》霧馬真人:「だからこそ言える」
《マスターレイ》霧馬真人:「あんたは生まれてきちゃいけなかったんだよ」
芹那花音:「……」
GM:イニシアチブ。行動値20、士騎くんの手番。
士騎朝輝:これは後ろに抜けるのにまずはトルーパーを突破しなければダメと言う事ですよね。
GM:そうなります。ただし、なんらかの遠距離攻撃手段があれば別ですね。
士騎朝輝:なら、露払いをして見せましょう。
士騎朝輝:マイナーで移動 トルーパーAにエンゲージ
芹那花音:【支援】メジャーアクションのC値-1、判定ダイス+5個、攻撃力+15。
士騎朝輝:メジャー:《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《クレイジードライブ》 妨害がなければ判定します。
芹那花音:オートで《援護の風》使用します。判定ダイス+6個。
GM:どうぞ! 特に妨害はありません。
士騎朝輝:23dx6+10
DoubleCross : (23R10+10[6]) → 10[1,1,1,2,2,3,3,4,4,4,4,6,6,6,7,7,7,7,8,8,9,9,9]+10[1,1,2,3,3,4,4,6,6,7,9,9]+10[1,2,3,4,6]+10[7]+10[6]+4[4]+10 → 64
GM:ヒエッ……
GM:《磁力結界》でガードします。ダメージをどうぞ。
士騎朝輝:ダメージロール前:オートでアームドスーツ展開 行動値-2 白兵ダメージ+3
士騎朝輝:7D10+11+12+9+3+16
DoubleCross : (7D10+11+12+9+3+16) → 26[1,3,1,10,6,4,1]+11+12+9+3+16 → 77
GM:77-3d10
DoubleCross : (77-3D10) → 77-13[4,7,2] → 64
GM:無理無理無理!
GM:装甲を考慮しても死にました。20人近い戦闘集団、トルーパーAは一瞬にして全滅します。
GM:演出をどうぞ。
芹那花音:「…Leise flehen meine Lieder(私の歌がそっと願いを込める)♪」静かな歌声が響き始める。
士騎朝輝:ピシピシと音を立て空気が凍り罅割れ、そして沈黙した。士騎の足元から霜が走り床を壁を銀色に染め上げる。
士騎朝輝:肌が雪のように白化する、明るい茶の髪が蒼白へと変質する。ただ立つだけで周囲を極寒の冬へと変えてゆく暴走形態。
士騎朝輝:沈黙の白い世界にただ静かに歌だけが響く。
士騎朝輝:「さぁ、黙らせようぜ。村雨丸」
士騎朝輝:士騎の姿勢が前傾したと同時に紫電が疾り、爆発的勢いで空気が白く凍結した。
士騎朝輝:雷の如き移動軌道と速さを以て士騎朝輝は、すでに通りすがり様に二刃を放っている。
士騎朝輝:その速さと全体重を乗せた一撃目で防御を粉砕し、追い打ちの二撃目と共に村雨丸に霜雪の極冷極光を纏わせる。
士騎朝輝:斬閃は白く輝く氷の三日月となって残り、敵陣を両断しながら壁に標本のように縫い留めた。
士騎朝輝:「フゥゥゥゥ。さて、だいぶ見通しは良くなったよな」
GM:アサルトライフルを構えた集団が、一瞬にして凍結。崩れ落ちる。
《マスターレイ》霧馬真人:「クラックアイス……ホワイトミュート」
《マスターレイ》霧馬真人:「元FHチルドレン。『円満退職』したあと各地を放浪していると聞いていたが」
《マスターレイ》霧馬真人:「今はUGNに飼われてるのか? 一体全体、どうしてそうなった」
士騎朝輝:「相手をさせてやる。って言う話だよなぁ」
士騎朝輝:「お前と同じだな」
士騎朝輝:「そういう奴と出会ったら、それはどうしようもない」
士騎朝輝:「違うか?」
《マスターレイ》霧馬真人:「ふふふ。いや、わかるよ……前の俺ならすごく応援してたと思う」
《マスターレイ》霧馬真人:「残念だな。もうちょい早く会いたかった」
士騎朝輝:「縁がなかったんだな。旅をしていればそういう事もある」
士騎朝輝:「あんたの相手は、まあ、俺はおまけみたいなもんだ」
士騎朝輝:「終止符を打つんだろ。俺が全てを白く沈黙させるように。なぁ、ピリオド」
GM:イニシアチブ。FHトルーパーBの手番。
《マスターレイ》霧馬真人:「いや、お前には無理だよ。シュウ」
《マスターレイ》霧馬真人:「すっかり弱くなってしまったお前には」 号令を下す。
GM:トルーパーが《アタックプログラム》のみで攻撃します。武器はアサルトライフル。
GM:5dx+10
DoubleCross : (5R10+10[10]) → 10[3,4,4,8,10]+9[9]+10 → 29
GM:おお
GM:あっ、対象はシュウくんです。
芹那花音:良い出目が!
GM:対応してね!
詩雲終:気の入った出目だよな……これはガード。
芹那花音:(侵蝕上昇気をつけてね)
GM:ガードするだけで侵蝕が上がる武器なのに!
詩雲終:死ぬよりは安い!
GM:3d10+9 装甲ガードが有効。
DoubleCross : (3D10+9) → 10[3,1,6]+9 → 19
GM:ショボッ!
GM:ダメージダイス、めちゃくちゃショボいな……何点通りましたか?
詩雲終:ぬ、ぬるい ボディアーマーとガード値で弾きます
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+3した(侵蝕率:108->111)
詩雲終:花音のボディアーマーのおかげで傷一つ負っちゃいないぜ
芹那花音:兄さん…
GM:タタタタ!タタタタタタ!
GM:号令と共に一斉に銃声があがります。……狙いは、
GM:詩雲ではない。詩雲の広報、芹那花音だ。
藤原奈央:「!」
詩雲終:「"全射する太陽(ソルモルス)"」
芹那花音:「……Durch die Nacht zu dir(夜をつうじて 君に)♪……」歌い続けている。
詩雲終:その名を呼べば、吹き抜けのガラス天井を叩き破り、機槍が姿を現す。一振り──二振り、三振り、4、6……9!
GM:カカン! カカカカカキン!
詩雲終:きらめくガラス片が舞い降るよりもなお早く、槍らしき影の群れは意志を持つかのように、その射線上へと飛び込み、銃撃を次々と弾く。
芹那花音:恐れることはない。だって。
GM:5.56mm弾のすべてがその防御端末に防がれる。
芹那花音:「In den stillen Hain hernieder(静かな森に下りてきて)……」
芹那花音:「Liebchen, komm zu mir!(愛しい人よ、私のもとに来てくれ!)」
《マスターレイ》霧馬真人:「昔のお前なら……」 歌声と銃声に混じって、無機質な目で詩雲を見ている。
詩雲終:「──来い」
《マスターレイ》霧馬真人:「そいつをかばったりはしなかった」
《マスターレイ》霧馬真人:「俺が、なぜ一人でやるといったのか。今ならわかるだろ。シュウ」
《マスターレイ》霧馬真人:「お前はもう《ピリオド》には戻れないんだ」
詩雲終:槍群の中でもひときわ長い柄を持つものが、真っ先にその手へ飛び込んだ。続いてそれぞれの槍が、吸い寄せられるようにその槍頭へ集まっていく。
芹那花音:夜の窓辺で、恋人に送る歌───小夜曲(セレナーデ)が響く。
詩雲終:「誰しも同じだ。戻れはしない」
《マスターレイ》霧馬真人:「なら……今すぐ、消えてくれ」 指先で号令を出す。
《マスターレイ》霧馬真人:「思い出の中に」
詩雲終:「……お前たちと過ごした日々が、《ピリオド》をどうしようもなく変えたように」
詩雲終:「花音と過ごした日々が、《ピリオド》をどうしようもなく変えた」
詩雲終:「全て俺だ。今の俺だ。否定はしない……否定はさせない」
???:『でも、こっちも変わりましたよ』 『ピリオド君』
GM:背後から声。行動します。
《ワニオン》刈谷美沙:マイナーで《陽炎の衣》。隠密状態に。
詩雲終:「……!」
《ワニオン》刈谷美沙:《コンセントレイト:エンジェルハィロウ》《見えざる死神》《デスストーカー》《ピンポイントレーザー》《光速の剣》。
GM:隠密状態で攻撃します。対象の装甲無視、ガード不可。
《ワニオン》刈谷美沙:10dx7+7
DoubleCross : (10R10+7[7]) → 10[2,2,4,4,7,7,8,8,8,8]+10[1,5,5,7,7,10]+10[1,4,9]+2[2]+7 → 39
芹那花音:対象は…!?
GM:あっ
GM:この流れは……ピリオド君にしましょう。
GM:あっ、でもどうしようかなー
詩雲終:していくか……ダメ元ドッジを
GM:すみません! 花音ちゃんにします。
芹那花音:!
芹那花音:いいでしょう
詩雲終:しないでおくか……ダメ元ドッジを
GM:唄いながら死ね!
芹那花音:ダメ元ドッジ‥‥‥まかせな
GM:本家ミリオンベインのダイスが唸る
芹那花音:4dx>=39
DoubleCross : (4R10[10]>=39) → 8[1,4,6,8] → 8 → 失敗
GM:本家!
芹那花音:これが本家ミリオンベインの力さ
芹那花音:ダメージちょうだい!
《ワニオン》刈谷美沙:4d10+41 装甲無視、ガード値無視。
DoubleCross : (4D10+41) → 17[2,8,5,2]+41 → 58
芹那花音:フッ、死ぬぜ
詩雲終:これは、8d10を振る……べきでは!?
GM:オッ
芹那花音:なるほどね!?
士騎朝輝:奈央ちゃん使う?
士騎朝輝:9個振れるよ今
芹那花音:使います!
GM:振ってもいいですよ。クライマックスで9d10になった……美少女天才支部長の力をな!
詩雲終:9d10だった! なおさらよい!
芹那花音:58-9d10
DoubleCross : (58-9D10) → 58-51[8,10,6,5,2,2,3,5,10] → 7
GM:スゲー減ってる
芹那花音:やったー!!HP19で生存!
GM:── ダ ン!
GM:声がした方向とは別。不意に花音ちゃんの真横からショットガンが放たれる。
藤原奈央:「……花音!」
芹那花音:「………~~~っ」歌声が途切れる。
GM:咄嗟の氷壁がそれを守るが、全弾遮蔽とはいかない。複数の散弾が柔らかい脇腹に食い込み、肺を抉る。
士騎朝輝:「歌を止めるな。大丈夫だ」
芹那花音:「げほっ、……」脇腹を押さえるが、しかし致命傷ではない。
《ワニオン》刈谷美沙:『──死者の限定蘇生。代償は使用者の命』 ずるり、と虚空から現れる。
芹那花音:「……はい……!」
士騎朝輝:「藤原がどうにかしてくれるさ。あぁ、命に別状はなしだよなぁ」
GM:誰も知らない。ただ詩雲だけが知っている顔だ。
GM:かつての《セクソル》セルメンバーの一人。《ワニオン》。
《ワニオン》刈谷美沙:『タルデュス君は、今のこの瞬間にすべてを賭けています』
《ワニオン》刈谷美沙:『マスターレイを殺す。それがすべてなんです』
《ワニオン》刈谷美沙:『ピリオド君。旧友のためを思って、どうか死んでくれませんか』
詩雲終:「死んでも生き返ってもラブラブカップルのようで何よりだ」
《ワニオン》刈谷美沙:実体ではない。仮初の亡霊のようなものだが……その口調や、弱者から狙う行動パターンは、かつてのままだ。
芹那花音:「そんなこと、させません…!」
《ワニオン》刈谷美沙:『気色悪いですよ。その表現』
《ワニオン》刈谷美沙:『そちらこそ、随分と』
《ワニオン》刈谷美沙:『その《セレナーデ》とラブラブカップルのようですが』
芹那花音:「兄さん…っ」
《ワニオン》刈谷美沙:『愛を知って変わった。とかいいましたか?』
詩雲終:「よく喋る死者だ。寝言は墓場の虫にだけ聞かせてやれ」
詩雲終:「……花音、傷と、レネゲイドの侵蝕は大丈夫だな」
芹那花音:「大丈夫です…!」
芹那花音:歌うことを止めても、活性化したレネゲイドが光の奔流となって周囲に湧き上がっている。
詩雲終:語りかける間も、花音に視線の一つも向けない。その目は眼前の敵だけを見据えて
GM:次の手番。芹那ちゃん……はスピードフォースで行動したので
GM:行動値7。詩雲くんの手番。
士騎朝輝:109→118 侵蝕上げておこう
詩雲終:その手に強く、巨大な機械槍を握っている 「なら、良い。……俺は」
詩雲終:「この槍を捧げることしかできない。……それでも良ければ」
詩雲終:「聞かせてくれ。もっと」
芹那花音:「はい、はい……っ」
芹那花音:「我が歌を、あなたに」恋人を誘うように。
芹那花音:響かせる。
詩雲終:行動します。マイナーで10m前進。メジャーで攻撃
士騎朝輝:「ふ。氷も解けそうだって?村雨丸。俺も似たような事を思ってるよ」
芹那花音:【支援】メジャーアクションのC値-1、判定ダイス+5個、攻撃力+15。
士騎朝輝:「お膳立てはしてやったんだよなぁ。さぁ、格好つけるところだぜ 行けよ」
藤原奈央:「……もうあいつ、長くないわ。《マスターレイ》……《タルデュス》は」
芹那花音:さらにオートで《援護の風》使用します。判定ダイス+6個。
詩雲終:支援を受けた上で、《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート:白兵》+《神機妙算》。対象はトルーパーと《マスターレイ》!
藤原奈央:「行け《ピリオド》! あんたがやってやりなさい……!」
GM:ヒエーッ
GM:あっこれ
GM:判定直前か! じゃあ使おう。
《ワニオン》刈谷美沙:トルーパーにいってくれるといいな。《ミスディレクション》。
《ワニオン》刈谷美沙:対象を単体に変更。
GM:あらためて対象を選択してください。
詩雲終:キッ……!
詩雲終:ここは出方を伺おう。《マスターレイ》! 手札を開け!
GM:この野郎!
GM:判定をどうぞ。
詩雲終:22dx6-1
DoubleCross : (22R10-1[6]) → 10[1,1,1,1,1,1,1,2,3,3,3,3,4,4,4,5,6,6,6,7,9,10]+10[3,4,4,5,8,10]+10[2,6]+4[4]-1 → 33
GM:あっしょぼい!
詩雲終:エーッ
芹那花音:兄さん!
士騎朝輝:いや、こんなものでしょう -1修正よ
《マスターレイ》霧馬真人:これなら避けられるはず。《切り払い》。
《マスターレイ》霧馬真人:7dx+29=>33
DoubleCross : (7R10+29[10]>=33) → 9[1,2,3,3,6,9,9]+29 → 38 → 成功
芹那花音:エーーーッ!?
GM:ドッジしました。
芹那花音:避けた!
詩雲終:その辺がラインか……!
GM:……幾度となく行われた模擬戦で。
GM:詩雲終がどうしても手こずった相手がある。
GM:卓越した白兵技能。根本的に攻撃が当たらないのだ。
GM:不意を打つか、物量で攻め殺すしかない相手がいた。……それが、《タルデュス》だ。
詩雲終:駆けながら、ソルモルスを振りかざす。低いタービンの音を発しながら、槍頭がバキバキと変形していく。
詩雲終:一対の角のように見えたそれは、やがて腕のように伸び、鞭のようにしなる。鋭利な刃の側面を持つそれは、槍を振るえば辺りを薙ぎ払う!
《マスターレイ》霧馬真人:ゆらりと前に出る。戦闘部隊よりも更に前。
《マスターレイ》霧馬真人:そして。
詩雲終:そしてそれを布石とし、元の形状へ戻した撃突。正面より一直線に!
《マスターレイ》霧馬真人:「お前の弱点……」 身を屈めて初撃を回避し、
《マスターレイ》霧馬真人:「"攻撃が大振りすぎる"、"溜めが目立つ"」 ──タン!
《マスターレイ》霧馬真人:凶悪な質量の一撃を、踵落としで無理矢理にねじふせた。槍の穂先を踏む。
《マスターレイ》霧馬真人:「直ってないな。悪い癖だぜ?」
詩雲終:「……」 ダン! という発砲音と共に、槍頭の隙間から伸びた銃口が鉛弾を発した。それすらも捌かれるだろう
詩雲終:だが、そこからどけることはできる
《マスターレイ》霧馬真人:「おっ」 飛び退きます。狙い通り、槍へのホールドは外れた。
士騎朝輝:「!?どんな技術だ。0.5秒でも違えれば真っ二つの攻撃を余裕でいなしたぞ、あれ」
《マスターレイ》霧馬真人:「ふふふっ。楽しいな。昔を思い出す」
《マスターレイ》霧馬真人:「よくこうして1位を競い合ったな」
詩雲終:「それでも最終的には勝つ。……分かったような口を聞くなよ」
藤原奈央:「ジャームの身体能力よ。もともとの反射神経もハンパじゃない」
《マスターレイ》霧馬真人:「最後の演習は俺の勝ちだったぜ」
士騎朝輝:「当てるのはなかなか苦労しそうだよなぁ。出来ないことはないが」
詩雲終:「あの殺し合いで勝ったのは俺だ。それに、今のでよく分かった」
詩雲終:「……駆動率を引き上げれば、俺が勝つ」
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+10した(侵蝕率:111->121)
士騎朝輝:「怒られそうなことを言うけどなぁ。乱入したくなってきた」相棒にそんな事を告げた。
藤原奈央:「できるならしていいわよ。これ試合じゃなくて、殺し合いなんだから」
GM:最後。行動値4、《マスターレイ》が動きます。
《マスターレイ》霧馬真人:《コンセントレイト:マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《居合い》。
GM:すみません。実は今の固定値、ちょっと高かったです。なのでここから正しい値になります。
芹那花音:ほうほう
《マスターレイ》霧馬真人:《コンセントレイト:マルチウェポン》《ヴァリアブルウェポン》《居合い》。対象は同エンゲージの詩雲くん。
GM:使用武器はキーンナイフツヴァイ、キーンナイフ、キーンナイフ、キーンナイフ、キーンナイフです。
《マスターレイ》霧馬真人:7dx+33
DoubleCross : (7R10+33[10]) → 9[1,4,4,6,8,8,9]+33 → 42
詩雲終:装甲も削られるし、ガードしても仕方ないな……ドッジ
詩雲終:5dx=>42
DoubleCross : (5R10[10]>=42) → 10[2,6,8,10,10]+6[3,6] → 16 → 失敗
GM:そうですね。クオンタムセッションでは、キーンナイフの装甲値減算は重複するものとします。装甲値を-25。
《マスターレイ》霧馬真人:5d10+25 ガード有効。装甲値を-25。
DoubleCross : (5D10+25) → 34[6,9,9,6,4]+25 → 59
GM:25じゃない!27だ。でもどのみち死ぬから大丈夫ですね。
芹那花音:ひどすぎる
詩雲終:まったくだぜ! 戦闘不能です。この場で《マスターレイ》霧馬真人に懐旧/○隔意 でロイスを取ってタイタス化し昇華、復活!
《マスターレイ》霧馬真人:「機械の身体ってのはさ。体重計の数値は見れたものじゃないが……」
《マスターレイ》霧馬真人:右手のナイフを逆手で振るう。と同時に、
GM:──ギュバッ!
《マスターレイ》霧馬真人:背中から生えた計四本の機械アームにも同様のナイフが握られている。正面と四方からの同時五点攻撃。
《マスターレイ》霧馬真人:「便利ではあるよな」 ──ドカカカカッ!
GM:どれをガードしても、どれか1本が急所に入るような軌道でナイフをえぐりこむ。
詩雲終:いなせたのは最初の数撃のみだ。元より防御は得意ではない。
詩雲終:刺されるままに刺され、鮮血を舞わせながら、体内のレネゲイドが活性するよう意識し、動作を止めないよう努める
芹那花音:「……っ」大丈夫と信じながらも、顔を歪める。
《マスターレイ》霧馬真人:「出会いがお前を強くしたのなら」
《マスターレイ》霧馬真人:「決意が俺を強くした。《マスターレイ》の歴史は……」
《マスターレイ》霧馬真人:「ここで終わらせる」 カシャシャシャッ!
GM:マシンアームを収納し、またナイフ一刀の構えを取る。
GM:口調はかつてのものだが、戦闘スタイルはもう人外だ。ジャームの域。
詩雲終:槍を縦に振り抜き、攻撃を制止する。傷を次々に塞ぎ、神経を繋ぎ直しながら。
詩雲終:「それには同意だ」「だが」
詩雲終:「俺たちは終わらせない」
GM:クリンナップ。敵側のエフェクトはなし。
GM:そちらもないはずだと聞いています。
芹那花音:ないでございます
GM:ラウンド2にいきましょうか。セットアップ。
GM:トルーパーとワニオンは無し。
芹那花音:《限界突破》、対象は《援護の風》。
《マスターレイ》霧馬真人:《限界突破》。《居合い》の使用回数をラウンド2回に増加。
詩雲終:ないさ!
《マスターレイ》霧馬真人:「オーヴァードの弱点……わかるよな。UGNとシュウなら」
士騎朝輝:《加速装置》118→120 行動値+16
《マスターレイ》霧馬真人:「長期戦に弱い」
《ワニオン》刈谷美沙:Eロイス"破壊神顕現"。
《ワニオン》刈谷美沙:あらかじめ仕込んでおいたリモコン爆弾を起動。モール出入り口を爆破する。
GM:メジャーだこれ!
士騎朝輝:加速する刻 やっていいよ!
詩雲終:同名同効果の宣言タイミングが違うオリジナルEロイス!
士騎朝輝:結果として変わらなくなるから
GM:じゃあすみません。このEロイスを使うために加速を使います。
GM:ショッピングモールの出入り口を爆破。このシーンからの撤退と外部からの増援を禁じます。
芹那花音:なにーっ
GM:『殺戮機関』『破壊神顕現』とあわせて、このクライマックス戦闘で勝利出来なかった場合
GM:芹那と詩雲の死は確定します。
詩雲終:元より引く気も負ける気もないぜ!
《マスターレイ》霧馬真人:「覚悟の違いを見せてやるよ。シュウ……芹那花音」
《マスターレイ》霧馬真人:「お前らはここで消す」
芹那花音:「……わたし、UGNでも兄さんでもありませんので」
GM:イニシアチブ。
芹那花音:「いくらでも、お付き合いします」
芹那花音:《スピードフォース》。
芹那花音:メインプロセスを行います。
芹那花音:マイナーなし。
芹那花音:オートアクションで《シルフの詩》。《風の渡し手》の使用回数を1回回復。
GM:おおっ
GM:珍しいエフェクトだな……!
芹那花音:そしてメジャーアクション、《エンジェルヴォイス》《風の渡し手》《弱点看破》《智将の眼力》。
芹那花音:前シーンと同じく、対象は兄さんと士騎さん。このラウンド間、次のメジャーアクションのC値-1、判定ダイス+5個、攻撃力+15。
GM:了解です。
芹那花音:「Flüsternd schlanke Wipfel rauschen(細い枝先がささやくように音を立てている)……」歌声は続く。
芹那花音:「In des Mondes Licht(月の光の中で)」
芹那花音:「Des Verräters feindlich Lauschen(裏切者が敵意を持って聞き耳を立てていることを)」
芹那花音:「Fürchte, Holde, nicht.(怖がらないで、かわいい人よ)♪………」
芹那花音:光の奔流がますます強くなり、モール内を駆け巡る。
GM:イニシアチブ。行動値18、士騎くんの手番。
詩雲終:それに呼応するように、機械槍の内側の電光も、一層強さを増していく
士騎朝輝:マイナーで移動 《ワニオン》にエンゲージ。
GM:
----------------------
《マスターレイ》霧馬真人[4] 5m 《ワニオン》刈谷美沙[14]
FHトルーパーB[16] 士騎[18]
詩雲[07]
10m
芹那[07] 藤原
----------------------
士騎朝輝:メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アームズリンク》《クレイジードライヴ》
士騎朝輝:妨害がありましたらどうぞ
芹那花音:オートで《援護の風》!
芹那花音:【支援】メジャーアクションのC値-1、判定ダイス+11個、攻撃力+15。です。
GM:うーむ。ここでワニオンを落とされるのは……
GM:いや。でも妨害はないです。
GM:判定をどうぞ!
士騎朝輝:23dx6+10
DoubleCross : (23R10+10[6]) → 10[1,1,1,1,2,2,2,2,3,3,4,5,5,5,6,7,7,8,8,9,9,9,10]+10[2,6,6,6,8,8,8,8,10]+10[2,4,4,5,7,8,8,9]+4[1,1,3,4]+10 → 44
《ワニオン》刈谷美沙:まず《磁力結界》でガード。それから、
《マスターレイ》霧馬真人:《ディフェンスサポート》を美沙に。ガード値を増加。
GM:ダメージをどうぞ。
芹那花音:攻撃力+15わよ~
士騎朝輝:5D10+11+12+9+16+15+3
DoubleCross : (5D10+11+12+9+16+15+3) → 32[8,8,5,8,3]+11+12+9+16+15+3 → 98
GM:うげえーっ!
芹那花音:えっすご!
《ワニオン》刈谷美沙:3d10+12
DoubleCross : (3D10+12) → 21[7,8,6]+12 → 33
士騎朝輝:120→129
GM:だいぶ軽減したんだが……! 無理です。こいつのHPは26でした。死ぬので、
《ワニオン》刈谷美沙:《蘇生復活》で復活します。HPは1点。
士騎朝輝:1点でも通ればEロイス1つ解除です。
GM:あと、不滅の妄執が解除されます。これによって一つわかることがある。
GM:この亡霊を現世につなぎとめているのは、《マスターレイ》……《タルデュス》霧馬真人の力です。
GM:《マスターレイ》が死亡したとき、《ワニオン》も消滅するものとします。
芹那花音:なるほど……
士騎朝輝:不滅の妄執が解除されたので消滅可能だけど、本来はタルデュス倒さないとダメって感じですかね。
GM:いや、ちょっと変えようかな……士騎くん
GM:やっぱりこれ斬り倒していいですよ! 死亡します。
士騎朝輝:無駄ではなかった。えらいぞ、村雨丸。
士騎朝輝:演出行きます。
士騎朝輝:「実際、乱入は魅力的だが、連携をまずは潰す。遊撃を自由にさせるのはマズイよなぁ」
士騎朝輝:完全に間合い外、そう見せかけた距離から氷面加速を効かせて、一気に相手を掌握出来る間合いに滑り込む。
《マスターレイ》霧馬真人:「!」
士騎朝輝:白い氷煙を撒き散らし、移動軌道上を凍結させ、氷鋼の刀がワニオンの急所を狙い定める。
《マスターレイ》霧馬真人:「美沙……!」
士騎朝輝:「それが、あんたの急所でもある」
《ワニオン》刈谷美沙:「っ」 姿を消そうとするが、間に合わない。
士騎朝輝:刀身から溢れ出る飛沫を氷へと変えて弾き飛ばす。空間に白い印をつける隠密殺し。
GM:両断されるでしょう。レネゲイドに意志を投射した仮初の存在ゆえに、復活手段もなし。
士騎朝輝:その動きは斬撃に繋げる連動ではなく、斬撃と共に繰り出される同時運動。
士騎朝輝:氷を弾きながら村雨丸の先端が揺らいで霞む。地面に映る刃影は瞬きすら遥かに遅い、比喩ではなく刹那。
士騎朝輝:敵が暗闇を感じたその瞬間に斬凍が頭部を跳ね飛ばす。
GM:頭部が跳ね飛ばされ、《ワニオン》が大気に溶けるように崩れ落ちる。
士騎朝輝:「核もあったな。氷葬も完了だ」
《マスターレイ》霧馬真人:「……いや」
《マスターレイ》霧馬真人:「おたくも長年オーヴァードやってるはずならわかるだろ。たとえオーヴァードであっても……」
《マスターレイ》霧馬真人:「死人がよみがえるわけがないんだ」 イニシアチブ。
《マスターレイ》霧馬真人:"さらなる絶望"。ワニオンを同エンゲージに再配置。
GM:『意志をレネゲイドに投射した存在』。……死人が意志を投射できるわけもない。
GM:死者の疑似蘇生。いかにレネゲイドであっても、死人を蘇生することは不可能です。この《ワニオン》は、
GM:霧馬真人が自分の中の《ワニオン》を投射した、ただの操り人形。プログラム通りに動くだけの駒に過ぎないということだ。
GM:当然、復活回数にも限度がある。《マスターレイ》を殺しても復活はできなくなる。
士騎朝輝:「未練だよなぁ。みっともないとは言わないぜ。あんたの存在は許す事無く地に還すが」
士騎朝輝:「気持ちは分からないでもない」
《マスターレイ》霧馬真人:「笑ってくれていいんだぜ。俺にはもう何もない」
《マスターレイ》霧馬真人:「彼女は俺の目の前で死んだ。……なあ」
《マスターレイ》霧馬真人:「好きだった女の子がさ。ずっと俺のアプローチに応えてもくれなかった女の子が」
《マスターレイ》霧馬真人:「最後に『嫌いではなかったですよ』って言って、それで死んだんだ」
《マスターレイ》霧馬真人:「未練が残っても……仕方がないってもんだろうが」
GM:FHトルーパーBが動きます。対象は再び詩雲くん。
GM:《アタックプログラム》のみで攻撃。武器はアサルトライフル。
GM:あっいや、士騎くんにしよう。
GM:5dx+9
DoubleCross : (5R10+9[10]) → 10[4,7,8,9,10]+6[6]+9 → 25
GM:リアクションをどうぞ。
士騎朝輝:リア不!
GM:じゃあダメージ!
GM:3d10+9 装甲ガードが有効。
DoubleCross : (3D10+9) → 24[5,9,10]+9 → 33
士騎朝輝:HP2で生存。
GM:BRATATATATA! TATATTATA!!
GM:マズルフラッシュ。アサルトライフルによる弾幕。
GM:初代マスターレイも、こうした物量攻撃を受けて死んだと言われている。いかなオーヴァードでも……自動小銃の弾幕に対して、再生は追いつかない。
藤原奈央:「士……!」 咄嗟に手をかざし、カバーに入ろうとする。
士騎朝輝:「奈央っ、こっちは、いい」
士騎朝輝:「俺よりヤバイやつがいる。しかもイリーガルですらない民間人だっ」
藤原奈央:「ああもう! 変にかっこつけて!」
士騎朝輝:「こういう時に、舐められない行動をとるのが、俺のリッターシルトのハズだぜ」
藤原奈央:「あとで手当させなさいよ!」 花音のガードに回る。
芹那花音:「……」顔が赤い。
藤原奈央:「長引くとヤバいわ。あんた、斬ったなら分かるでしょ!」
士騎朝輝:「格好つけた甲斐があったな。と、言うわけだタルデュス」
芹那花音:「(……呼び方……)」
士騎朝輝:「怒りをこっちに向けても構わないぜ」
藤原奈央:「そっちの隠密女はどうでもいいから、《タルデュス》だけを狙いなさい!」
《ワニオン》刈谷美沙:『だそうですよ。タルデュス君』
《マスターレイ》霧馬真人:「調子が狂うよな。見せつけてくれてよ」
《マスターレイ》霧馬真人:「美沙……」「頼む」
《ワニオン》刈谷美沙:『仕方がないですね』 マイナーで《陽炎の衣》。
《ワニオン》刈谷美沙:《コンセントレイト:エンジェルハィロウ》《見えざる死神》《デスストーカー》《ピンポイントレーザー》《光速の剣》。対象は士騎君。
《ワニオン》刈谷美沙:10dx7+7 装甲無視、ガード不能です。
DoubleCross : (10R10+7[7]) → 10[1,2,2,3,6,7,7,7,8,10]+10[2,2,7,8,10]+6[2,2,6]+7 → 33
士騎朝輝:リア不だ。
GM:4d10+41 装甲ガードを無視。
DoubleCross : (4D10+41) → 33[9,5,10,9]+41 → 74
GM:かなりいい……! これは耐えられまい。
GM:もう1時なので、回避型ボスにしたことを後悔しつつあります
士騎朝輝:霧馬真人君にロイス取って昇華します。 共感〇/憐憫
士騎朝輝:戦闘復活から回復。
《ワニオン》刈谷美沙:『初見はもちろん』 四方八方から声。ブラックドッグの遠隔操作でモール内のスピーカーを操作した撹乱。
《ワニオン》刈谷美沙:『十回見たとしても、私の攻撃は見きれませんよ』 ──コツ。
GM:士騎の顎にショットガンの銃口が当たる。発砲。
士騎朝輝:「あぁ、こっちも良いことを教えてやる」
士騎朝輝:「元より、避ける機能も」直撃
GM:隠密による接近と、そこからの一撃死。それが《ワニオン》の武器だった。
士騎朝輝:「受ける機能も」再生
GM:亡霊となっても──それは変わらない。
士騎朝輝:「ついてないんだよなぁ」石榴のように割れた顔面が氷雪と共に巻き戻すように再生していく。
士騎朝輝:それでも完全とはいかず、血を口の端から流し、舌で舐めとる。
藤原奈央:「…………」
藤原奈央:「……いや、それ、あんま自慢気に言えることじゃないからね?」
藤原奈央:「追加しなさいよ。機能」
士騎朝輝:「それは無理だな。デザインの問題だ、ここまでくると」
士騎朝輝:「それに……」
士騎朝輝:「いざとなったら天才有能美少女に全部防いでもらうしなぁ」
《マスターレイ》霧馬真人:「相性の良さそうなコンビで何よりだ」
《マスターレイ》霧馬真人:「な、美沙。俺たちもああいうラブラブ連携覚えようぜ」
《ワニオン》刈谷美沙:『なんですかそれ? 気色悪いですよ』
士騎朝輝:「だろ?そしてな」
士騎朝輝:「藤原はあんたらが触れて良いほど、安い女じゃないんだよなぁ。そして、俺は あんたみたいなのに軽率に刀を抜く、安い男だぜ」
GM:イニシアチブ。詩雲くんの手番。
詩雲終:マイナーで《ポルターガイスト》+《ヴァリアブルマシン》。シーン中、攻撃力+28、判定ダイス+6。本来なら武器が破壊される所ですが、これをカスタマイズ:エピックにて回避
GM:マンチコンボ!
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+10した(侵蝕率:121->131)
士騎朝輝:あ。その前にオートしてよい?
GM:お?
GM:ええよ!
詩雲終:ほうほう?
士騎朝輝:ここでRHOを開きます。
芹那花音:えっ!?
芹那花音:あったの?!
詩雲終:エッ!?
GM:了解です。微妙に修正版を送っているので、後に送ったほうをどうぞ。
士騎朝輝:Rハンドアウト:士騎朝輝
・真シナリオロイス:《マスターレイ》芹那花音
君は《マスターレイ》事件の顛末を知っている。やや古い情報ゆえ確実性が取れるまで口に出すことはできないが、君が《ピリオド》から依頼を受けた頃、小耳に挟んだ噂はこんなものだった。
『今やっている《マスターレイ》の後継者争いは、すべて茶番だ』
『本当の《マスターレイ》は、芹那花音という少女である』
『彼女がすべての記憶を取り戻した時。真の《マスターレイ》が再誕するだろう」
町中での唐突なワーディング。君が藤原と駆けつけた先には、《ピリオド》と芹那花音がいた。
町に潜んでいる邪悪な《マスターレイ》とは彼女なのだろうか?
それとも彼女はFHから脱走し、ただ平和な暮らしを望む少女に過ぎないのだろうか?
もし彼女が《マスターレイ》の正体を隠した、悪意ある者であれば──チャンスを見つけて彼女を討つ必要がある。
君はオートアクションでいつでも《マスターレイ》を即座に戦闘不能にできる(シナリオ1回)。また相手がジャームでない時、即座にとどめを刺すことができる。
これは真・偽にかかわらず、『シーン中でその時《マスターレイ》を名乗る存在』を対象としてよい。
このRハンドアウトは下記のどちらかの条件で公開可能。
・情報項目:『本当のマスターレイについて』 オープン後いつでも
・オートアクション使用直前(※自動公開。情報項目が公開されていなくても使用可能)
GM:これはテクタイト経由で、依頼を受けた当時に聞いた噂です。
GM:そしてもし花音ちゃんがマスターレイになったなら、
GM:その時はこれが切り札となる予定でした。
士騎朝輝:《マスターレイ》霧馬真人 を戦闘不能に。復活を切れ。
GM:うぐぐぐ……!
《マスターレイ》霧馬真人:戦闘不能になります。実を言うと、シンドロームはブラックドッグ/ハヌマーン/ノイマン。
《マスターレイ》霧馬真人:復活します。《蘇生復活》。
GM:演出をどうぞ。
士騎朝輝:ピリオドが動くと同時。白い凍結煙を撒き散らし《ワニオン》の目をくらましながら《タルデュス》に迫る。
士騎朝輝:ただ一度きりの奇襲。全レネゲイドを凍結能力に注ぎ込む。
《マスターレイ》霧馬真人:「……それは」 機械関節が凍結し、回避が鈍る。
士騎朝輝:指だけで《ピリオド》に指示を出す。3秒後に仕掛けろ。。
士騎朝輝:目も眩むような雪煙の中で鈍銀の刀身がまるでテールランプのように軌跡を描く。
《マスターレイ》霧馬真人:「ずるくないか。ホワイトミュート」
士騎朝輝:唸りをあげて襲いかかる三撃の斬氷。ほぼ同一の一瞬の最中に繰り出される狂速の剣戟。
《マスターレイ》霧馬真人:マシンアームをフルに活用し、連撃を神業めいて捌いている。
士騎朝輝:「オーヴァードやって長いんでなぁ、こっちも。乱入したいとも言ったぜ」
士騎朝輝:言葉と共に村雨丸を振りぬいた士騎朝輝の残像が、凍死寸前の悪夢のように敵の瞼に焼き付いた。
《マスターレイ》霧馬真人:「舐めるなよ……!」 スウェイバックして斬撃を回避する。が。
GM:いくつかの機能が破損した。その一瞬が命取りとなる。
GM:改めて詩雲君の手番です。
詩雲終:憎たらしげに目を細める 「……士騎め。どこから知って備えてた?」
詩雲終:動きます。メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コントロールソート:白兵》+《プレディクション》。対象は《マスターレイ》!
GM:範囲攻撃してもいいのい!
GM:のに!
芹那花音:オートで《援護の風》使用します。
詩雲終:する意味がないんだよね……どうせ《ミスディレクション》されるので
芹那花音:【支援】メジャーアクションのC値-1、判定ダイス+11個、攻撃力+15。
GM:一度見せた技はもう通用しないやつだ
GM:判定をどうぞ。
詩雲終:29dx6-1
DoubleCross : (29R10-1[6]) → 10[1,2,2,2,2,2,3,3,4,4,4,4,4,5,6,6,6,6,6,7,7,7,8,8,8,8,9,9,10]+10[2,2,2,3,3,4,5,5,6,6,9,9,9,10,10]+10[1,2,2,3,4,7,10]+10[4,10]+4[4]-1 → 43
詩雲終:ドッジ不可
GM:いい出目だな……!
《マスターレイ》霧馬真人:ガードするしかない。キーンナイフツヴァイでガード。
GM:ダメージをどうぞ。
詩雲終:5d10+28+28+15
DoubleCross : (5D10+28+28+15) → 34[6,10,9,3,6]+28+28+15 → 105
詩雲終:諸々有効!
GM:グエーッ
《マスターレイ》霧馬真人:白状すると、蘇生手段は貧弱ですが
《マスターレイ》霧馬真人:高固定値の切り払いに加えて《電磁反応装甲》を5枚持っていて、回避に失敗しても合計100ダメージまでは軽減できるはずでした。
詩雲終:鬼か!
《マスターレイ》霧馬真人:HP1なので死にます。復活手段は蘇生復活1枚のみ。
《マスターレイ》霧馬真人:《マスターレイ》=《タルデュス》霧馬真人。死亡します。
GM:戦闘終了です。演出をどうぞ。
詩雲終:槍を振りかざせば、槍頭から複数のワイヤーフックが射出され……否、それに引っ張られるように、槍頭そのものが『解れて』いく。
詩雲終:分裂した槍頭は無数の装甲腕の形状を取る。詩雲の与り知らぬ所だが、それは初代《マスターレイ》が装甲としてこれを纏うための前段動作でもあった。
GM:初代の魂を持つ花音。彼女とすごす間に、彼女と共に戦ううちに
GM:詩雲のレネゲイドは少しずつ変質している。徐々に『初代』のものに近づいている。……戦闘スタイルも。
《マスターレイ》霧馬真人:「憎くないのかよ。お前は」 ナイフを構える。
詩雲終:そして詩雲は与り知らぬゆえに、これもまた攻撃として振るう。装甲腕は次々に《マスターレイ》へと迫る。
《マスターレイ》霧馬真人:「マスターレイが。初代の転生者が」
詩雲終:あるものは退路を阻み、あるものは正面から殴りつけ、あるものは四肢を掴まんとして。
《マスターレイ》霧馬真人:一、二、三。装甲腕を叩き落とす。
詩雲終:「裏切り者(ダブルクロス)と言わば言え」
詩雲終:「《レナトゥスの使徒》。《マスターレイ》。《セクソル》。あの日の怒りと悲しみも、《マスターレイ》への憎しみも、お前たちとの……友情も」
《マスターレイ》霧馬真人:四、五。……八。…………拾二。拾九。
詩雲終:「今、俺を俺たらしめる一人のために、裏切る。その罰が、裏切り者の烙印だと言うつもりならば」
詩雲終:「──軽い。軽いにも程がある!」
詩雲終:装甲腕はやがて、彼の退路を完全に阻み、捕える。その瞬間、
《マスターレイ》霧馬真人:「くッそ」 徐々に肉体が削られていく。機械化され、遥かに向上した身体性能ではあるが……
芹那花音:「主よ御許に近づかん…」歌声が。響く。
芹那花音:「いかなる苦難が待ち受けようとも」
芹那花音:「汝の為に我が歌を捧げん」
詩雲終:詩雲の腕に握られているのは、槍の『芯』とも言うべき短槍だ。何の機能もなく、ただ動力を懐き、歌声に輝く、一本の槍。
詩雲終:それだけでいい。最後の一撃が光り輝く。
芹那花音:初代マスターレイがかつて歌った歌を、繰り返す。
芹那花音:終止符を打つために。
詩雲終:「知ってのとおりだ、《タルデュス》」
GM:────ドッ!
《マスターレイ》霧馬真人:「………………」
詩雲終:「終止符(ピリオド)は、どんな文字よりも、簡潔で、力強く、」
詩雲終:投擲。電光纏う一閃が、一直線にその中核を穿つ。
GM:その瞬間。
《ワニオン》刈谷美沙:『──あ』
詩雲終:「──確信と共にある」
《ワニオン》刈谷美沙:《マスターレイ》。……《タルデュス》をかばうべく飛び込んでいたが、中空で消滅する。
GM:《タルデュス》が忘れられない光景。詩雲の攻撃から……なぜか、身を挺して自分をかばってくれた、最愛の人の姿。
GM:それすらエミュレートしきれない。それはつまり。
《マスターレイ》霧馬真人:「……がふッ」 ジャームとしての生命活動限界。
《マスターレイ》霧馬真人:仰向けに倒れる。とっくのとうにリザレクトの使用限界を迎え、機械化された肉体と執念だけで生きていた。
《マスターレイ》霧馬真人:「………………」
《マスターレイ》霧馬真人:「……おい。シュウ」
詩雲終:「…………」
詩雲終:彼を見る。それですら、《セクソル》時代には珍しかったことだ
《マスターレイ》霧馬真人:「俺は……美沙のことが本気で好きだった」「全存在をかけて守りたかったし……守れないなら」
《マスターレイ》霧馬真人:「全力で。俺の身体がどうなろうと、彼女の遺志を継ぎたいと」
《マスターレイ》霧馬真人:「思える存在だった……もう一度聞くぞ」
《マスターレイ》霧馬真人:「芹那花音。そこの女は」
《マスターレイ》霧馬真人:「お前にとっての、なんだ?」
《マスターレイ》霧馬真人:「たまたま拾った……」「いざとなったら、囮や盾に使える……便利な、コマ、か?」
GM:最後の勝負を挑んできている。
GM:まったくくだらない。無視しても構わない……『愛の重さ』で張り合う、そんな勝負だ。
芹那花音:「………っ」立ち尽くしている。
詩雲終:「分からん奴だ。分かってるだろう。俺がそんなもののために、お前を裏切るものか」
詩雲終:静かに歩み寄る 「こんなこと、言わせたがるのも大概変態だ。こういうのを他人に説明してやるのも趣味じゃないんだが」
詩雲終:「冥土の土産に持たせてやろう」
《マスターレイ》霧馬真人:「なんだよ……言えよ。逃げるなら俺が勝つぞ」
《マスターレイ》霧馬真人:「……」
詩雲終:「……たとえ俺がどうなっても、救ってやりたいと」
詩雲終:たとえばUGNと接触を持たせ、支部にまで行かせて、いざとなれば自分の役目をUGNが引き継げるよう仕込んでおいたように
詩雲終:「そう思える、唯一人の存在だ」
詩雲終:「《セクソル》の奴らと笑い話の種にしろ」
詩雲終:「あの《ピリオド》がこうも変えられたとな」
《マスターレイ》霧馬真人:「………………」
GM:返答はない。もう死んでいる。
GM:どこまで聞いていたかわからないが──
GM:口元に微かな、満足そうな笑みを浮かべて。
バックトラック
GM:バックトラックに入りましょう。
GM:今回のEロイスは……えーと
GM:違うの……シナリオ的になんか多くなっちゃっただけで……
GM:
■トワイサー
・悪意の伝染
・衝動侵蝕
GM:これはOPで使われたもの。
GM:■ソルモルス
・愚者の契約
解除しなければ詩雲くんは死んでいました。
GM:■ルナ・ノドゥス
・虚実崩壊
これは入れなくてもいいかなあ、と思ったし、事実描写していないんですが
GM:『転生を行う』、『RHO次第で花音ちゃんがボスになり、ファイトクラブまで獲得する』というアイテムだったので
GM:説得力をもたせるために入れています。
GM:
■タルデュス
・殺戮機関
・さらなる絶望
■ワニオン
・不滅の妄執
・破壊神顕現
GM:以上8つとなります。振りたい方はどうぞ。
芹那花音:ふります!
芹那花音:158-8d10
DoubleCross : (158-8D10) → 158-50[1,5,9,8,8,10,6,3] → 108
芹那花音:スゲー減った
詩雲終:んっ ていうかこれは最後の攻撃の侵蝕率増やしてないな
士騎朝輝:振ります。メモリーもせっかくだし使おう。
士騎朝輝:129-10-8d10
DoubleCross : (129-10-8D10) → 129-10-35[3,4,7,5,5,1,8,2] → 84
詩雲終:詩雲終の侵蝕率を+8した(侵蝕率:131->139)
詩雲終:で、Eロイス分振る!
詩雲終:139-8d10
DoubleCross : (139-8D10) → 139-29[1,2,1,2,2,10,4,7] → 110
GM:メモルィー!
詩雲終:ひでー出目
芹那花音:1・2(いち・にい)!
詩雲終:ロイス分振る! 通常振り!
芹那花音:とりあえずロイス分通常振り~
詩雲終:110-5d10
DoubleCross : (110-5D10) → 110-18[5,4,3,3,3] → 92
士騎朝輝:1倍
芹那花音:108-5d10
DoubleCross : (108-5D10) → 108-17[4,4,1,5,3] → 91
詩雲終:出目がひどすぎる
士騎朝輝:84-5d10
DoubleCross : (84-5D10) → 84-35[6,4,8,8,9] → 49
芹那花音:でもかえってこれた!
士騎朝輝:偏りすぎ
詩雲終:ギリギリの戦闘で侵蝕率上がりまくってこれだったら絶対叫んでたぜ
GM:なんて酷い出目だ
詩雲終:でも生還!
GM:OK! 経験点はみんな何点かな?
芹那花音:ただいまただいま!
芹那花音:5点!
士騎朝輝:3点です。
詩雲終:5点!
士騎朝輝:Sロある人はさらに+5よ。
詩雲終:あったな そんなルールも
芹那花音:きゃっ10点!
詩雲終:同じく10点
GM:ラブラブしやがって・・!
GM:Dロイスは《タルデュス》が破壊の子。《ワニオン》が工作員で、《トワイサー》は機械化兵。
GM:いつもの5点にDロイス3点。Eロイス8点。シナリオは……
GM:すごく短時間で頑張ってピザポテト設定を拾ったし、10点にしよう。二日で終わりそうだしね。
GM:26点に最終侵蝕点を足してください。
詩雲終:36!
士騎朝輝:29です。
芹那花音:36!
■ED01 : 合同エンディング
GM:セッションを再開します。まずは合同エンディングから。
第三地区・ショッピングモール前 ハンバーガーショップ
GM:UGNは市内の各所に専用のMTGスペースを持っている。このハンバーガーショップ奥の個室も、そのうちの一つだ。
GM:もっとも、セキュリティは貧弱だ。ガラス張りの窓のせいで狙撃にも弱く、支部の堅牢性には遠く及ばない……が。
GM:《マスターレイ》の脅威は去った。まだ『るるぽーと』での残務処理も残っている。
GM:それにこのハンバーガーショップの喧騒は……ある意味、二度も仲間を殺した詩雲の心の救いになるかもしれない。余計なことは考えなくて済む。
藤原奈央:「悪いわね二人とも。ほんとは二人きりになりたいだろうけど……」
藤原奈央:「さすがにね。重要参考人だから、るるぽーとでの最低限の処理が終わるまでは近くにいてほしいのよ」
藤原奈央:血まみれになった士騎の上着を脱がし、医療キットで手当をしている。
芹那花音:「い、いえ」顔を赤くしながらふるふると首を横に振る。
詩雲終:「あ?」 奈央ちゃんの言葉に怪訝な声を返す
詩雲終:「二人きりになる必要性はない。こうして治療も必要だったしな」
藤原奈央:「そうお? 本音でそう言ってるならいいんだけど」 UGNの指揮官研修には、部下の手当も含まれている。ちゃきちゃきと都合よく手当している。
士騎朝輝:「ま。それに写真撮らせてもらわない……いたたたっ……となぁ」
士騎朝輝:「戦闘終わった後の方が……痛みってのは強まるよなぁ。染みる、えーと、もう少し優しくなったりしないか、これ?」
藤原奈央:「我慢しなさいよ。イヤならピリオドみたく防御機能を身に着けなさい」 ぐいっ、と包帯を巻く。
士騎朝輝:「役得には違いないから、防御機構をつけるのは無しだよなぁ」とぼけたこと言いながら痛みに顔を顰めている。
士騎朝輝:「それはそれで、ほら、歯医者とかだって、痛かったら手を上げろ。みたいな事言うんだろ?」
詩雲終:「花音、痛んだり違和感がある所はもうないか」 自分の方はさっさと終えている
芹那花音:「………」ちろっと兄さんを見上げ。
芹那花音:「だ、大丈夫です……」されるがまま包帯を巻かれている。
詩雲終:「なら良い。……UGNの正規品だ。遠慮はするなよ」
GM:UGNの処理部隊が集合して……一番に行ったことは、《ルナ・ノドゥス》の調査。そして芹那花音のメディカルチェックだった。
GM:これだけは詩雲が何を言おうと、有無を言わさずに行われたことだ。なにせ花音が初代マスターレイに『成る』可能性はゼロではなかったのだから。
GM:結果として、ルナ・ノドゥスの残留レネゲイドはゼロ……を通り越して、物理的にも完全消滅。芹那花音も非戦闘型の民間人のまま。
GM:しばらくUGNの監視はつくだろうが、それも形式的なものだ。FHからの追手に比べればぬるすぎるだろう。
GM:詩雲と芹那は、やっと平穏を手に入れた。ということだ。
芹那花音:「ふふ……」2人の調子にそっと笑う。
詩雲終:……スムーズに花音の手当てを終えて、包帯を軽く、確かめるように撫でつける。治療行為のあとの詩雲の癖だ。
詩雲終:「よし」 頷き、座席へ座り直す
芹那花音:「………」顔を赤くして、その隣にこちらも座る。
詩雲終:そして、注文用のタブレットに手を伸ばしメニューを開く。 「花音、何か頼むか」
芹那花音:「え、」
芹那花音:「えっと、じゃあ、あの……。ココアにします」普段なら、だいたい注文を取るのは自分がやっていたが。
芹那花音:「お二人は、どうしますか?」士騎さんと藤原さんに声を掛けます。
詩雲終:手早くココアと、自分の分のコーヒーを注文して、ちらりと士騎、奈央ちゃんを見る
藤原奈央:「んっ」
藤原奈央:「んへへ」 照れ笑いを浮かべる。 「なんか、変わったね。花音ちゃん」
藤原奈央:「ここで最初に集まってから、結局三日も経ってないのに……あの時とは全然違う」
士騎朝輝:「それを言ったら、もう一人の方も相当だよな」
藤原奈央:「あの時は目も合わせてくれなかったしね」
士騎朝輝:「目線を合わせようともしなかったわけだしなぁ」
芹那花音:「え……」頬をすぐ赤くする。
芹那花音:「そ、そんな、猫みたいな…」
藤原奈央:「ピリオドの方も大した変わりようだわ」
藤原奈央:「"《ピリオド》。それで十分だろう"──なんて言ってたのにね」 詩雲の声真似をする。
士騎朝輝:「花音、何か頼むか。ってのもなぁ」
詩雲終:「……」 その様子を目を細めて眺めつつ、タブレットを手早く操作する
士騎朝輝:「花音ちゃん、自分で兄貴の分も頼んでたもんな」
士騎朝輝:楽し気に言いつつ。
士騎朝輝:「それで、あんたら、これから、どうするんだ?あ。俺はてりやきバーガーとポテトな」
詩雲終:単品で一番高かった、期間限定のふんわりゴールデンビッグ月見バーガーを99個注文したのだ。
芹那花音:「そ、それはわたしが好きでやっているので………」真っ赤になりつつ。
詩雲終:「分かった」 追加でてりやきバーガーとポテトも注文してやる
芹那花音:「これから……」
藤原奈央:まだ気づいていない。気づくのは会計時か……いや、その前に注文ミスを疑った店長から内線電話がかかってくるのが先か。
詩雲終:「別にどうも」 タブレットをテーブルに放って
詩雲終:「『レナトゥスの使徒』の首魁が倒れ、お前たちというUGNとの関係もできはしたが」
詩雲終:「残存勢力、使徒とは関係なく俺を狙う者、そういう連中が全員いなくなった訳じゃない」
藤原奈央:「んむ」 シャカシャカポテトをかじっている。
詩雲終:「以前よりは楽になったが、生き方がそう変わることはないだろうな」
藤原奈央:「それはそーね。FHはただでさえセルが好き勝手に動き回ってるんだし」
藤原奈央:「レナトゥスが潰れました、ハイ終わり……とはいかないでしょーね」
士騎朝輝:「ま、そうか。でも、考える時間は相当にあるさ」
士騎朝輝:「ほら、厄介な時間制限はなくなったんだしな」
芹那花音:とりあえず届いた飲み物とセットを配りつつ、その会話を聞いている。
詩雲終:「その通り。猶予は存分できた。……その点については」
藤原奈央:「感謝? 感謝している?」 ニヤニヤしている。
詩雲終:「お前たちには感謝している。俺一人での対応はまず困難だった」
芹那花音:「あ、ありがとうございました…!」深々とお辞儀。
詩雲終:コーヒーを受け取り、ストローで飲みつつ 「感謝という言葉はUGNでは使わないのか?」
藤原奈央:「使うわよ。でも、未だに本名すら教えてくれない男が堂々と言ってくれるとは思わなかっただけ」
藤原奈央:「あっ、花音ちゃんは全然いいからね! もう、いい子だね~!」 ナデナデしています。
芹那花音:「あの、わたしも、助けにも来ていただいて…」
芹那花音:「あ、う」真っ赤な顔でナデナデされている。
詩雲終:「調べはついてるだろ」 片眉を上げ 「詩雲終。あまり仲よさしく呼ばれるのも何だが」
士騎朝輝:「な。ピリオド。藤原は、俺が言った通りの女だっただろ?」少しだけ誇らしげに言う。
士騎朝輝:「俺に関しては、自由になりたがってる奴を自由にしてやるのが、ライフワークみたいなもんさ」
芹那花音:(な、名乗ってる)初めて第三者に名乗るのを聞いたかもしれない。
藤原奈央:「(……まあ、一回口滑らせて詩雲って呼んじゃったもんな……)」 ポテトをかじっている。
詩雲終:されるがままの花音を、止めるでもなく横目で見つつ 「自由ね。どうも曖昧な定義だが、少なくとも以前よりかは自由にはなった」
士騎朝輝:「じゃあ、詩雲終 これだ」自由に動く片手だけで封筒をピリオドに渡す。
士騎朝輝:中にはこのように書いてあるだろう。FH抜け料 追加1人分料金。1400円也。
藤原奈央:「んむ?」
藤原奈央:「ちょっとなにそれ?」
士騎朝輝:「んー。FH時代の負債だな」
詩雲終:受け取り、内容を見て 「……後で連絡をする。現金は持っていない」
士騎朝輝:「楽しみに持ってるぜ。丁度映画がこれで見れるんだよなぁ」
藤原奈央:「あぁ……」 その回答を聞いて察する。
芹那花音:「後で……」微笑む。
GM:魔人ナラシンハ事件から今日に至るまで。士騎朝輝はろくな報酬を請求しようとしない。
GM:しないからこそ、支部長の藤原は色々と苦労してきたのだ。封筒の中身も見当がつくというものである。
藤原奈央:「詩雲、なんなら逆ふっかけしてもいいわよ」
藤原奈央:「タダより高いものはないって知ってるでしょあんたなら。しかもこいつ、今はUGNイリーガルなんだし」
詩雲終:「映画か……」 ぽつりと漏らす。余暇を崩すのにいくつか適当なサブスクリプションサービスは入っているが、映画館に行くことは久しくない
詩雲終:「……ならば倍額にしておくか?」
詩雲終:「二人分だ」
芹那花音:(わ)どきどきと藤原さんと士騎さんと交互に見る。
藤原奈央:「アルバイトの給料みたいな額になるわね……」
士騎朝輝:「なんで、俺に関わる人間はお節介が多いんだろうなぁ、なぁ村雨丸」苦笑する。
詩雲終:「お前にだけは言われたくないな」 変わらぬ無面目でコーヒーを飲む
士騎朝輝:「でも、それは、こっちで自腹で誘うよ。俺に気を遣うなら、それこそ2人でいけよな」
藤原奈央:「あたしとしては、キリよく100万くらい振り込んでおいた方が二度とUGNに関わらなくて済むと思うけど」
藤原奈央:「ま、いいんじゃない? 好きな額で」
芹那花音:(わー、わー。藤原さん……)
詩雲終:「俺の支払った代金なのに、自腹の計算から外す道理もないだろう。……まあ良い」
芹那花音:(士騎さん、ファイト……)
詩雲終:「適当に決めておく。内訳は好きに想像しろ」
士騎朝輝:「あんたのセンスを査定してやろうじゃないか。楽しみに待ってるよ」
詩雲終:「全く、本当に……」 言いかけた言葉はコーヒーで喉奥に飲み込んだ
藤原奈央:「あ、第三支部からの請求は特にないからね。あたしらはFHに追われる民間人を助けただけだし」
藤原奈央:「だから、困ってることがあったらいつでも頼っていいってわけ。N市にいる限りはね」
芹那花音:「あ、ありがとうございます…」
芹那花音:「こんなに、なんでも、していただいて…」
藤原奈央:「なんでも、はないでしょ」
藤原奈央:「FH抜けを手伝ったのはクラックアイスで、一年間花音ちゃんを守り通してきたのは詩雲で……あたしとホワイトミュートは、最後にちょっと後押ししただけよ」
士騎朝輝:「ふぅ」ポテトをつまみつつ。包帯巻いた手をだらんとさせて。
士騎朝輝:「お互い様だと思うしなぁ」
士騎朝輝:「それに、こんな出会いも縁もあるんだ。なんか、それだけで人生悪くないと思うだろ?俺は俺に関わった奴にはそう思って欲しいのさ。なるべくな」
芹那花音:「じゃあ、何か、わたし達にも、できることをさせていただかないと」
詩雲終:「……花音」 諌めるような声
芹那花音:「あ……、ご、ごめんなさい」
士騎朝輝:詩雲と花音ちゃんを写真に撮る。丁度 謝ったところだ。
芹那花音:「………」士騎さんと藤原さんの言葉に、困ったように瞬きを繰り返す。
芹那花音:「ひゃ」
詩雲終:「……まあ、この二人になら良い。だがUGN相手にそれを言うということは、イリーガルとして……」
藤原奈央:「あっこら」
詩雲終:「……」 士騎くんを見る 「何だ」
士騎朝輝:「決戦の前に、終わったら撮る。って言っただろ?気前良い答え貰ったんだよなぁ」
士騎朝輝:「あれ嘘って事はないよなぁ?」
芹那花音:「………」兄さんを横目に見る。
藤原奈央:「……そーいえば言ってたわね。いくらでも撮らせてやりますとかなんとか」
詩雲終:「…………」 不服げに目を閉じて腕を組む
詩雲終:「……何だ」
詩雲終:「どうした。撮れ」
詩雲終:「言ったからには違えん」
藤原奈央:パシャッ パシャッ
士騎朝輝:「ふふっ。まあ、それが、くくっ、あんたの自然な姿なんだろうな」
藤原奈央:こちらも何枚か写真を撮っています。
士騎朝輝:「あ。俺の携帯 取られたっ!?」
芹那花音:「………っ、……っ」隣でもじもじしている。
藤原奈央:「あたしのスマホよ!」
詩雲終:「…………」 石のように沈黙し、動かない
藤原奈央:「それで、どーすんの? これから」
藤原奈央:「ずいぶんと高いマンション住んでるみたいだし。あれ、急に引き払えはしないでしょ」
藤原奈央:「とうぶんはこの街で暮らす。ってことでいいわけ?」
芹那花音:「……あの、今、兄さん……」
芹那花音:「イリーガルって、言いましたか…?」
詩雲終:「…………」
詩雲終:片目だけ開けて 「……UGNに協力する、ということは、大体イリーガル活動と称して」
詩雲終:「事件や戦闘に巻き込まれることになりがちだから止めておけ、と言ったんだ」
GM:イリーガル登録。能力者としてUGNに登録され、様々な庇護を受けるかわり、時折仕事を受ける……そういう制度だ。
GM:フリーのオーヴァードというのは非常に少ない。覚醒してすぐにUGNかFHが、彼らがこなければ鴻央会やSOG、政府、etc……そういった組織がスカウトに来るからだ。
芹那花音:「あっ、えっと」藤原さんに振り向く。
詩雲終:「この街で暮らしはするし、俺の方からFH時代の研究資料を売るくらいはしてやる」
詩雲終:「それ以上に距離を縮めるのは止めておいた方が良い。互いのためにな」
詩雲終:視線だけで花音を見る 「お前が望むなら別だが」
芹那花音:「……イリーガル登録、わたし、したいです」
藤原奈央:「強制はしないわよ。イリーガルだと連絡が取りやすくていいな~、って思ったくらいだし」
藤原奈央:「お兄様がそう簡単に許しはしな……」
芹那花音:「します!」ぎゅっと目を瞑って宣言。
藤原奈央:「うおっ」
詩雲終:「…………」 わずかに目を見開き
詩雲終:「……なら、しろ」
士騎朝輝:「今なら、簡単に許すんじゃないか……即答」
士騎朝輝:「こういうのもなんだけどなぁ。俺の100倍はスムーズにイリーガルになったよなぁ」
藤原奈央:「えぇ……」
芹那花音:「は、はい……っ」コクコク頷く。
詩雲終:硬直を解いて、奈央ちゃんに向き直り 「ならば藤原。もう少しこの街のUGNについて聞かせろ。いくらか確かめておきたいことがある」
藤原奈央:「え、詩雲あんたマジでいいの? そりゃ確かに、代表的な某携帯キャリア3社より余程お得な条件いっぱいだけど」
藤原奈央:「イリーガルよ? 顔写真だって必要だし……ええと、ええ……想定外……」
士騎朝輝:(無茶苦茶縛りも多かったけどな。キャリア3社以上に)
芹那花音:「あ、わ、わたしだけの登録でも……」
芹那花音:「に、兄さんまで、することは無いですし……」
詩雲終:「……俺はしない。イリーガル登録は花音だけだ」
詩雲終:「だがそのために確かめておきたいことがある、と言っている」
詩雲終:「不自然か?」
藤原奈央:ごそごそと鞄の中から説明用タブレットや書類を取り出している。臨時スカウトに備え、支部長としていつも持ち歩いているものだ。
藤原奈央:「えっと、こちらが料金表でして……一度契約すると脱退までは一年縛りの……」 スマホショップの店員みたく説明をはじめています。
GM:イリーガル登録するということは、当然この町の……
GM:日本でも有数の肥大化したUGNネット。『大N市UGN』の一員となることだ。
GM:一言で言ってしまえば、説明事項が死ぬほど多い上に厄介で混み合っていて面倒で複雑だ。詩雲と藤原はあっという間にそういう世界に入り込んでいく。
士騎朝輝:(登録作業とか二度とやりたくないんだよなぁ)
詩雲終:「……おい、これはどういうことだ。…………この記述は必要あるのか。どういう意味だ?」 比較的細かいツッコミがひっきりなしに飛び始める
藤原奈央:「それは別紙!こっちの、えー、あっこれAじゃなくてBか。Bの三行目!」
藤原奈央:「シャワールームが男女兼用なところがあるのよ。そういうところに入れたくない場合は……」
芹那花音:「………あ、………」2人が細かい会話を初めてしまったので、発言チャンスを逃す。
芹那花音:(だ、大丈夫かな………)オロオロしています。
藤原奈央:「未成年の場合は保護者の……でもあんたたちの場合……」
藤原奈央:「第7支部の支部長が……」「あと、雨堂っていうイリーガルが……」
士騎朝輝:「長くなりそうだよなぁ」血が滲んでない方の片肩だけを竦める。そして花音ちゃんを見て、指でちょいちょいと。
芹那花音:「?」士騎さんを見る。
藤原奈央:「第三支部の影響圏は、このあたりまでで……」 ごにょごにょ。だらだら。
士騎朝輝:「いやなぁ。言っておこうと思ってな」
芹那花音:「は、はい」
士騎朝輝:「これから、どうなるにせよ。君は兄貴と生きる訳だろ?」
芹那花音:「……………」
芹那花音:「……………………」
芹那花音:「……そ」
芹那花音:「そうありたい、です」
士騎朝輝:その返答に口角の端を上げる。
士騎朝輝:「そうあるんじゃないか 不安に思う事はないと思う」
士騎朝輝:「あいつさぁ。俺と行動した時に、こう言ったんだよな」
士騎朝輝:「俺と花音を脅かすものを排除する。……そのために」
士騎朝輝:「力を貸してくれ」
芹那花音:「え…」
士騎朝輝:「ってさ。だから、ま、そっちもお兄さんをよろしくな」
芹那花音:「に、兄さんが」
士騎朝輝:「中々に熱血だからなぁ。俺よりもよっぽどさ」
芹那花音:「………」瞬き。目が潤む。
芹那花音:「士騎さん。…あの、兄さんを、助けてくれて、ありがとうございました」
芹那花音:「本当に、ありがとうございました…」
士騎朝輝:「通りすがりの、正義の味方みたいだろ?」
士騎朝輝:軽く笑う。
芹那花音:「……はい」顔を上げて、はにかむ。
芹那花音:「最初に、るるポートで、出会ったときから」
芹那花音:「ずっと。ヒーローみたいでした」
士騎朝輝:「よろしい。お礼の言葉よりも、多分、そう言ってくれた方が俺は楽しいんだよなぁ」
芹那花音:「あ、あの」
士騎朝輝:「君たちに手を貸せて良かった。ん?」
芹那花音:「な、内緒話ですが…」顔を士騎さんの耳に近づける。
芹那花音:「藤原さん、あの、デート向けの場所をたくさん知ってるそうですので」
士騎朝輝:神妙に聞く。
芹那花音:「お、教えてもらってくださいね」
芹那花音:パッと身体を離す。
士騎朝輝:「それは」苦笑する。
士騎朝輝:「俺も知ってる場所だと、良いんだけどな」
士騎朝輝:「ありがとう」
士騎朝輝:そして、はにかむような表情を写真で撮る。
芹那花音:「わ、わ」瞬き。
芹那花音:「……お二人も撮りますか?」
藤原奈央:「……こんなとこかな。じゃ、確認よければ本人にサインもらって……はえ?」
藤原奈央:「何が?」 全然聞いていなかった。
藤原奈央:説明事項(と詩雲からの細かい確認)が多すぎて、ぐったりしています。
士騎朝輝:「藤原がデートの場所をたくさん知ってるとか、なんとか」
芹那花音:「あっ」
芹那花音:「な、内緒って言ったのに…!」
士騎朝輝:「そう言う話してた」言って飲み物渡して。
芹那花音:「も、もう」頬を染めつつ。
詩雲終:「……」 書類を取り 「持ち帰りだ。検討要素がまだいくつかある。承諾の書類は然るべき手段で送る」
藤原奈央:「オッケー。あ、直接手渡しでもいいんだけど」
藤原奈央:「できればPDFで頂戴。ペーパーレス化進めてるから、あんまり紙の書類増やしたくないのよね」
士騎朝輝:「はは。あのモードだと聞いちゃいないからなぁ」
詩雲終:「気が向いたらな」 立ち上がる 「行くぞ、花音」
芹那花音:「?」兄さんを見上げる。
士騎朝輝:「行くって、注文来るんじゃないか?」
詩雲終:「注文が来るから行くんだ」
GM:ピリリリ。壁の内線電話が鳴る。
藤原奈央:「はい藤原です。……ああ、はい。お世話になっております」
藤原奈央:「申し訳ありません、短期間で二度もスペースを貸して頂いて。費用は後ほどアーケロン・カンパニー名義で……はい?」
藤原奈央:「は?」
藤原奈央:「きゅっ、99個!?」
藤原奈央:「いや……そんな悪ふざけをするような者は……こちらには……」 電話で何かを話しながら、順番にメンバーを見る。
詩雲終:「花音」 名前を呼びながら、既に扉へ手をかけている
士騎朝輝:「まさか、あんた!?」
士騎朝輝:察した。
藤原奈央:「……」
藤原奈央:「掛け直します」 「詩雲」
藤原奈央:「話があります。ここにきて座りなさい」
芹那花音:「し、士騎さん、藤原さん」
藤原奈央:「おいこら詩雲! ……士騎! そいつ抑えなさい!」
芹那花音:「ま、また!」
詩雲終:「従う理由がない」 僅かに笑い。片目を閉じて 「イリーガルのサインもしていないしな」
士騎朝輝:「任せっ………うぉっ」
藤原奈央:「腕の一本くらい折ってもいいわよ、オーヴァードなんだから……おい詩雲! こらあ!」
藤原奈央:「花音も! もう!!」
藤原奈央:「付き合う男を! 選びなさいよーッ……!」
GM:詩雲と芹那。君たちはハンバーガーショップの個室から飛び出す。
士騎朝輝:立ち上がりかけて、腕を伸ばそうとする。その動きは雷電の如しっ。完璧な機動。体調が万全ならば
士騎朝輝:その速度に傷ついた体はついていかず、思い切り転び顔面が床に激突。
士騎朝輝:力なく腕だけが虚空に伸びる。
士騎朝輝:「あぁ、くそっ。ま、旅をしてれば、こんなこともあるか」明日からしばらく餌は月見バーガーか。創作料理が捗りそうだ。と、内心ぼやく。「は。では、良い旅をお二人さん」
GM:後ろからは怒号。コンディションが不完全な士騎が転倒する音。
GM:従業員用個室から飛び出してきた二名を、なんだなんだと見つめる一般客。
芹那花音:「ふふっ」気付いたら、くすくすと笑っている。
詩雲終:「99個はやり過ぎだったな」
芹那花音:「兄さんたら」
詩雲終:「次は全メニュー9個ずつにしよう」 その口元は緩んでいる
芹那花音:「………兄さん」
詩雲終:「下手な物真似をする藤原が悪い。……何だ?」
芹那花音:「………いえ」その表情を見て、微笑む。
芹那花音:「なんでもないです。……家に、帰りますか?」
詩雲終:「何だ。全く」 釣られるように微笑して
詩雲終:「ああ。帰ろう。俺たちの部屋へ」
芹那花音:「はいっ」
■ED02 : 士騎朝輝&藤原奈央
N市第三地区 大型ショッピングモール『るるぽーと』
GM:あれから一週間後。
GM:UGNの事後処理部隊の睡眠時間とレネゲイドと資金を大幅に費やした結果……事件のあらゆる痕跡は抹消された。
GM:営業再開したるるぽーとは、まさに日常が戻ってきた証拠と言えるだろう。もっとも、
GM:るるぽーと2F。KOHOシネマズ入り口で苛立ちながら足踏みする少女は、それどころではないのかもしれないが。
藤原奈央:「…………おッッッそい…………!」
藤原奈央:制服ではなく私服姿。下はスリムなパンツ、上は薄手のコートにストールをあわせ、キャスケット帽をかぶっている。
藤原奈央:多忙な支部長にとっては貴重な休日だ。とある男から映画に誘われ、こうして待っているのだが……
藤原奈央:「おッッッそい!」
藤原奈央:LINEで3回目の催促を入れる。「あと1分以内に来なかったら一人で映画観る」とだけ打診。
士騎朝輝:LINEを打つや否や、見覚えのある男の姿が目に映るだろう。
士騎朝輝:息を切らせて走りながらやってくる。珍しく制服姿ではなく、Tシャツの上に七分丈のサマーシャツを羽織り、スマートチノパンを合わせている。
士騎朝輝:清涼感あふれる私服姿だ。
士騎朝輝:「悪い。……はぁはぁ、支部寄っててなぁ。くはっ、はぁはぁ、ちょっと手間取った」
藤原奈央:『何も来てねえよ……』『ブチ殺すぞ……』という有名漫画のコラをスタンプ代わりに送ろうとしたところで、その姿をみとめる。
藤原奈央:無言でつま先蹴りを叩き込みます。みぞおちあたりに。
士騎朝輝:「いや、悪かったって」
士騎朝輝:そして、違和感がある。すぐに藤原奈央は気づくだろう。
士騎朝輝:その手にも、荷物にも、いつ何時も握られている美しい藍色の柄と鞘の刀が見当たらない。
藤原奈央:無言でずいずい映画館の中に入っていきます。既にネット予約したチケットは二人分発券済みだが、重要なものを買っていない。
藤原奈央:「士騎。二つ言っておくから、よく聞きなさい」
GM:上映開始直前ということもあり、すでに列はガラガラだ。売店に並びながら藤原が言う。
藤原奈央:「ひとつ。たとえ映画最初の5分がクライマックスで、それに遅刻したとしても、ぜっっったいにポップコーンとコーラとチュロスは買う」
藤原奈央:「これはあたし流の映画館の流儀であり、映画産業活性化のための義務なの。いいわね」
藤原奈央:「ポップコーンセット。飲み物コーラで、ポップコーンは塩とバターのハーフで。あとチュロス」
GM:士騎くんは一緒に頼んでもいいし、頼まなくても良いです。
士騎朝輝:「なんでも、聞くさ。時間ギリギリなのは、俺の落ち度だしなぁ。立派な心掛けだと思うしな」
藤原奈央:「んじゃ頼みなさい。なるべく原価率の低い、映画館がよろこびそうなやつをね」
士騎朝輝:「お姉さん。ポップコーンセット。飲み物コーラで、ポップコーンは塩とバターのハーフで。あとチュロスを」注文をする。
店員:「かしこまりました。ポップコーンセットが2人前、それにチュロスも2人前……」 オペレーション通り淡々と準備する。
GM:映画館のロビーは閑散としている。ガス管事故があったこともあって、まだ客足が戻りきっていないのだろう。
士騎朝輝:「ん。もう一つはなんだよ?」
藤原奈央:「……」 じろりと見上げる。
藤原奈央:「ぶき」
藤原奈央:「刀。村雨丸はどうしたのよ」
藤原奈央:「あんた、この町の情勢をわかってるわけ? 例の《ラムダ》だってどっかにうろついてんのよ?」
藤原奈央:「映画を観るのはいいけど、支部長たるあたしの側近が武器を忘れるなんて前代未聞だわ」
藤原奈央:「納得のいくせつめーはあるんでしょうね」
士騎朝輝:「…………だからさ、支部の遺産管理室(ホテル)に預けてきた。それが手間でなぁ」
藤原奈央:「忘れたんじゃなくて……あ、預けた!?」
GM:N市に限らず、現代日本の銃刀法は緩い。確かに白昼堂々刀を振り回したり、銃を乱射したりすればそれは捕まるが……
GM:たとえば刀なら、鞘に納めて刀袋にでも入れておけば職質すら受けない。それが今の日本というものだ。
GM:当然、映画館に刀を持ち込んだとしても誰も文句は言わない。折りたたみ傘と同じようなものだ。
士騎朝輝:「説明をするぜ。冷静に聞いてくれ。今日はオフだし二人で遊びに行こうって言っただろ?」
士騎朝輝:「二人でだよなぁ。それに頷いたよなぁ?」
士騎朝輝:「で、勿論、何時、戦闘状態になるかもしれない。それも考えた」
藤原奈央:「頷いた。二人でって言われた」
藤原奈央:「戦闘になるかもしれない。うん」
藤原奈央:「その可能性を考えないアホを側近に置いた覚えはないわ……それで?」
士騎朝輝:「そこなんだよなぁ。まずな。お前の支部は、支部長の休暇中に事件が起こっても、対応できない程層が薄いか?」
士騎朝輝:「で、次な」
士騎朝輝:「そもそも、村雨丸を持たない俺に戦闘能力がないとでも思うか?」
GM:何でも一人でやろうとするのは藤原奈央の悪いくせだ。志奈乃鹿折にも以前、同じような指摘を受けている。
藤原奈央:「ぬ……」
藤原奈央:「……まあ、ないとは言わないわね」
藤原奈央:「例えばそこの奥の掃除用具入れからちょこっとはみ出てる、デッキブラシ」
藤原奈央:「あれでもその場しのぎの武器には出来るでしょ。あんたの武器は剣術より、その判断力と機動性にあるんだから」
士騎朝輝:「そして、あと二つばかりあるんだよなぁ」
藤原奈央:「あによ。それでも、刀を置いてくる理由としてはちょい弱いわよ」
藤原奈央:「刀があったほうが強いのは間違いないんだから」
士騎朝輝:「戦いってのは、傷を与えて、傷を受けなければ絶対勝てるんだよなぁ」
藤原奈央:「……? そうね?」
士騎朝輝:目の前の少女を見て、自慢するように薄く笑う。
士騎朝輝:「傷、受けないだろ」
藤原奈央:「あのね」
藤原奈央:「限度ってのがあんのよ。確かにそりゃあ、あたしは最硬の支部長でエリートで美少女だけど」
藤原奈央:「あたしがいつも戦闘で考えてるのは、『1秒でも早く終わらないかな……』よ。最前線で攻撃うけとめんの、あれ怖いんだから」
藤原奈央:「やっぱり武器を置いてきた理由としてはまだ弱いわ。最後の一個を口にしてみなさい」
藤原奈央:「それ次第で、今日一日あたしに無視されて終わるか、帰りに喫茶店寄って映画の感想を語り合えるかが決まるわよ」
士騎朝輝:「じゃあ、リッターシルトじゃなくて、藤原奈央に訴えるけどな」
藤原奈央:「……うん?」
士騎朝輝:「奈央が傍にいれば、俺は絶対に負けない確信がある」
士騎朝輝:「誰が相手で、何を仕掛けてきても」
店員:「ポップコーンセット、おまたせいたしました。こちら熱くなっておりますのでお気をつけください」
店員:「いってらっしゃいませ」 映画館での決まり文句だ。既に上映ははじまっており、本編前のCMが微かに聞こえてくる。
士騎朝輝:「はい。どうも」セット受け取り、コーラを相手に手渡して。
藤原奈央:「…………」
藤原奈央:「……………………ふーーー」
藤原奈央:「ちょっと。士騎。あんた」
藤原奈央:「そのトレー片手で持てる?」
藤原奈央:「持てるわよね。持ちなさい」 自分も右手で持っている。
士騎朝輝:「無視されなかった。って事でいいか?」
士騎朝輝:片目を瞑って、笑うと 自分も持ち。
藤原奈央:「片手で持て、って言ってんのよ。さっさとしなさい」 左手のほうで持て、とジェスチャーする。
GM:ちゃんと左手で持ちましたか?
士騎朝輝:はい。
藤原奈央:「席は一番うしろから一つ前。中央の、J-13と14ね」 あいた腕同士で腕を組み、ぎゅっと体をよせる。
藤原奈央:「さっさと行くわよ。今ならまだあのクソ長いCMを見逃しただけで済むわ」
藤原奈央:そのままぐいぐいと1番スクリーンに引っ張っていく。
士騎朝輝:「心臓に悪いよなぁ。俺の心が助かった」
士騎朝輝:組まれた腕をまじまじと見て 照れくささを感じて微かに笑う。バクバクと妙にうるさく音を立てる心臓の音が相手に聞こえてないだろうかと、見当違いの心配をしてしまう。
士騎朝輝:「ん。どこまでもお供しますとも。ほら、今日が本当の意味で、二人だけのお出かけだしな」
藤原奈央:「ふん、感謝しなさいよね! いーい?」
藤原奈央:「この……天才で、エリートで、スレンダー美少女なあたしといっしょに映画がみれるのよ」
藤原奈央:「帰りの喫茶店で『おもしろかったでーす』なんて腑抜けた感想吐いたらブッ殺すからね!」
士騎朝輝:「はは。了解。しかも、その後は喫茶店でランチだしなぁ。幸せ過ぎて語彙が死ぬな、きっと」
士騎朝輝:「なぁ、でも、それ、本当に面白かった場合、どうするんだよ?」
藤原奈央:「本当に面白い映画なら無限に感想が出てくるにきまってんでしょうが! このバカ士騎!」
藤原奈央:「感想が出なくなるまで語り合うのよ!」
係員:「いってらっしゃいませ~」
士騎朝輝:「OK 夜中まで話が持つように、じっくりと視聴するよ」
士騎朝輝:「ポップコーンを二人で摘まみながらさ」
GM:トレーに乗せたままの半券を係員に押し付け、ぐいぐいと藤原が士騎を引きずっていく。お互いの腕を絡めたまま。
GM:1番スクリーンは……一番大きいスクリーンであるがゆえに、映画館の中でも一番奥まった場所にある。
GM:当然ながら通路に人気はない。人気のない通路を、藤原はグイグイと引っ張っていく。
士騎朝輝:「そう言えばさ。『タルデュス』だけどな。あいつはジャームだったけど、不思議に憎む気にはなれなかったんだよなぁ」
士騎朝輝:歩きながら、今回の騒動を思い出し、そんな事を言った。
藤原奈央:「……ん」 ぴたりと足を止める。
藤原奈央:映画の上映時間よりもよほど気になる発言だったからだ。
藤原奈央:「珍しい。あんた自分で言っててわかってる? 相当レアなケースよ、それ」
士騎朝輝:「村雨丸を握ってたんだ、憎む気にならなくても殺意はあったし、俺の明確な敵だったけどな」
士騎朝輝:「それでも、なんか、ほら、自分と根っこが同じ奴って、他人事じゃないだろ?」
士騎朝輝:困ったように笑う。本当に珍しい。
士騎朝輝:自分たちの都合だけで、無関係な何も知らない人間を生贄にするような男だった。と言える。
藤原奈央:「……《鬼斬り》。《村雨丸》。《騒雁》……あの手の遺産に色々な呼称はあるけど」
藤原奈央:「共通してるのは、ジャームへの強い憎悪と殺意。遺産適合者はその定めからは逃れられない」
藤原奈央:「それなのに、憎くはなかったっての?」
藤原奈央:「根っこが同じ、ってだけで?」
士騎朝輝:「憎みたくなかった?うん。そんな感じだ。あいつさ、こんな事言ってただろ」
藤原奈央:「……ん?」
士騎朝輝:「好きだった女の子がさ。ずっと俺のアプローチに応えてもくれなかった女の子が」
士騎朝輝:「最後に『嫌いではなかったですよ』って言って、それで死んだんだ」
士騎朝輝:「あれはな。多分、俺が一番萎える台詞だ」
藤原奈央:「…………」
藤原奈央:「言ってたわね」
士騎朝輝:「女の子の方もさ。なんで、そんな事言ったんだろうな?」
士騎朝輝:「言わなきゃ、素直にあいつとっくの昔にくたばってただろ」
アナウンス:『前の席を蹴らないように……』『上映中の私語はやめましょう』
GM:遠く一番スクリーンから、CM最後の注意音声が流れてくる。
士騎朝輝:「そこまで、計算だったのか。どう思う?」
藤原奈央:…………考え込む。既に映画のことなど、はるか遠く。
藤原奈央:「FHの工作員なら」
藤原奈央:「やるわね。目的のため、恋心を利用して『自分以上の怪物』を仕立て上げる」
藤原奈央:「事実、《ワニオン》の遺志を継いだ《タルデュス》によってレナトゥスの使徒は壊滅しているわけだし」
藤原奈央:「でも多分、違うわ。《ワニオン》はそんなくだらないことの為に、遺言を残したわけじゃない」
士騎朝輝:「その心は?UGNの支部長殿」
藤原奈央:「本当に大好きだったのよ。彼のことが」
藤原奈央:「どうしようもなく大好きで……冷徹な工作員であろうとする自分すら、接するうちに変えられてしまった」
藤原奈央:「思うに、最後の一言は《タルデュス》だけに言ったんじゃない」
藤原奈央:「自分にも言ったのね。《ワニオン》ではなく、刈谷美沙という一人の少女に」
藤原奈央:「"私はあなたのことを嫌いではなかった"。"命をかけて、守ってもいいと思えるくらいには"」
藤原奈央:「自分で口にしてはじめて、それを自覚して……それで逝ったのよ。たまたまそれを、タルデュスは聞いちゃっただけ」
士騎朝輝:「ん。それなら、いいな。救いがなんとなくある」
士騎朝輝:「いや、救いない事やったんだけどな。でも、夢のある話で俺は好きだし、そうなると憎むのはな、少し違う」
藤原奈央:「そうね。あんたが『なんか憎めない』って言うのも、なんか分かる気がするわ」
藤原奈央:「そうだ」
藤原奈央:「もう上映はじまってるからついでに聞くけどさ」
士騎朝輝:「ん?」
士騎朝輝:「あぁ」
藤原奈央:絡めていた腕はとっくに解いている。トレーを持ったまま、くるりと士騎に向き直る。
藤原奈央:少し寂しそうな、少しイタズラっぽい笑みを浮かべている。
藤原奈央:「仮にあたしたちが同じ状態になって……あたしがまっっったく同じ遺言を残したとしたら」
藤原奈央:「で、敵が凄まじく強大な相手で、あんたはその場で逃げた場合のみ、なんとか姿をくらませられるとしたら」
藤原奈央:「士騎朝輝くんは、どうしてくれるのかしら」
藤原奈央:「全力で逃げる? それとも、勝ち目のない戦いに挑んでみる?」
士騎朝輝:「俺が逃げて、生きる道を選んでも、勝ち目のない戦いを挑んでも、藤原奈央は許してくれるとは思うけど」
藤原奈央:「けど?」
士騎朝輝:「そうだな。誰かを守るために、死なせないために戦うことが藤原奈央の誇りだ。それを汚さないために、俺は逃げてしまうと思う」
士騎朝輝:「そして、やっぱり仇を取るまで、頑張るんじゃないか。そっちは望んでなくても」
士騎朝輝:「そうなると思う。あいつと同じか。嫌になるよなぁ」
藤原奈央:「いい感じだけど、80点の答えね。もしあたしがまた同じ質問をしたら、こう答えなさい」
GM:士騎くんは<知識:藤原奈央>で判定してください。難易度は7。
士騎朝輝:2dx+1+1
DoubleCross : (2R10+1+1[10]) → 2[1,2]+2 → 4
GM:最後の最後でw
士騎朝輝:ロイス切っても良いですか?w
GM:いいけど・・w
GM:一度のみにしましょうか。
士騎朝輝:はいw マスターレイのロイスを切ります。
士騎朝輝:4+1d10
DoubleCross : (4+1D10) → 4+8[8] → 12
GM:おっ、わかった。
GM:じゃあ君は藤原の台詞に先回りすることができます。
藤原奈央:腕組みをといて少し距離を保っていたが、コツコツと近づき、
士騎朝輝:「だいたい、わかった」
藤原奈央:トレーを持っていない方の手。人差し指を、ぴしと額につきつける。
士騎朝輝:二人の言葉が重なるように。
士騎朝輝:「決まってるさ。その後の一生を、藤原奈央のために使う」
藤原奈央:「"決まってるさ。その後の一生を、藤原奈央のために使う"」
藤原奈央:「……ふん。わかってんなら、最初からそう言いなさいっての」 腕を組む。
藤原奈央:「行くわよ。もう本編始まってる」
藤原奈央:「邪魔になるから、スクリーンの前通る時はかがみなさいよね」
GM:そのままグイグイと士騎を引っ張っていく。
士騎朝輝:「はいはい。映画館に関しては俺の方がプロなんだよなぁ」
士騎朝輝:「あ。そういえば」
藤原奈央:「これ以上無駄口叩いたらその口を縫い合わせるわよ。なに?」
藤原奈央:「3行でまとめなさい」
士騎朝輝:「そういやさぁ、無駄どころか大事な事なんだが」
士騎朝輝:「最後なら 嫌いじゃなかった じゃなくて、愛してる。って言ってくれよ。俺ちゃんと言われたことないんだよなぁ」
士騎朝輝:そんな事を言ってぼやいた。
GM:ぱたん。
GM:『スクリーン1』。KOHOシネマズ最大のスクリーンの扉が、二人の男女を飲み込んで静かに閉まった。
士騎朝輝:──自分を強引に引っ張る少女は『1秒でも早く終わらないかな……』と考えてると言った。
士騎朝輝:それは、誰かが傷つくような時間を1秒でも早く終わらせたいからだろう。最前線で誰かが攻撃を受け倒れることこそが怖いのだ。
士騎朝輝:なら、自分の役目は1秒でも早く戦いを終わらせることだ。
士騎朝輝:1秒でも早く剣を振るって、彼女の心が怖がる前に。誰もが無事に生きて帰るために。
士騎朝輝:互いが目の前で倒れず、また笑って、いつだって何処にでも行くために。
■ED03 : 芹那花音&詩雲終
N市第三地区 新築タワーマンション『アトラスタワー』4201室
GM:……まだ真新しい塗装のにおいすら感じられそうな、新築のタワーマンション。
GM:一般向けには少々過剰とすら思えるセキュリティを誇るこのマンションの最上階こそ、N市での詩雲と芹那の住処だ。……もっとも、
GM:この数日で状況は劇的に変化した。FHからの追手はしばらく続くだろうが、これまでよりもいっそう散発的なものとなるだろう。
GM:このマンションを引き払ってもう少し手頃な場所に移るのを検討してもいいかもしれない。見晴らしの良さを考えると、少々もったいないが。
芹那花音:夕飯を食べ終わり、一人、その片づけをしている。
芹那花音:長い髪は邪魔になるのでふたつに結んで、いつもどおりエプロンをつけて。
詩雲終:「……花音」
芹那花音:「……あ」
詩雲終:不意に、声がかかる。珍しく、線の細いメガネをかけている詩雲だ。
詩雲終:手には日中、藤原奈央から受け取った資料。その内容を検めていたのだろう。
芹那花音:「あ」オドオド髪をほどこうとする。おさげはちょっと子供っぽい気がして、見られるのが恥ずかしい。
詩雲終:「まだやってたのか。もう遅い時間だ」
詩雲終:「続きは明日でも良いんじゃないか。今日は疲れただろう」
芹那花音:「………いつも通りのことを、していた方が、気持ちが落ち着いて…」
芹那花音:「……」俯く。
詩雲終:「……どうした?」
芹那花音:「………あの」
芹那花音:「このまま、ここにいて、いいんです、よね」
芹那花音:「わたし……」水道水が流れ続ける。
詩雲終:「…………」 水の流れ続ける洗い場を見て
詩雲終:「そうでなければ、食器が片付かない」
芹那花音:「そ」
芹那花音:「そうじゃなくてっ」
詩雲終:「明日も食事の準備をして、一緒に食事をして、その片付け」
詩雲終:「明後日も、来週も」
芹那花音:「………」
詩雲終:「それは嫌か?」
芹那花音:「……い」
芹那花音:「いやじゃ、なくて……」ふるふると首を横に振る。「そうじゃなくて……」
詩雲終:「ならそうしろ」
芹那花音:「………」
詩雲終:結んだ髪の片方を、掬うように梳く
詩雲終:「そうすれば良い」
芹那花音:「…ひゃ…っ」ぎゅっと目を瞑る。
芹那花音:「か、髪、ほどきます」
詩雲終:「別に良い。それも似合ってる」
芹那花音:「…………」ますます顔が赤くなる。
芹那花音:「に、兄さん」
詩雲終:「何だ」
詩雲終:その表情は相変わらず代わり映えしないが、眼差しが少しばかり柔らかくなっているように感じる
芹那花音:「……あの、あの……」
詩雲終:些細な差だ。君以外に気付ける者はいまい
芹那花音:「こうやって、ずっと、一緒にいたくて、あの」
芹那花音:「今、胸がいっぱいで」
芹那花音:「……ごめんなさい、何を言ってるか、自分でもわからないんです、けど」
詩雲終:「ああ」 先を急かすでもなく、相槌を打つ
芹那花音:「………わ…わたし、わがままを言っても、いいですか」
詩雲終:「言ってみろ」
芹那花音:「……」
芹那花音:「ち」
芹那花音:「近くに、いっても、いいですか」
芹那花音:もう、髪を梳かれるほど距離は近い。
詩雲終:少し驚いたような表情 想像していなかったのと、想像できないのと
芹那花音:だから、それより近くにいくなんて、すごく遠回しな言い方だ。真っ赤な顔で俯いている。
詩雲終:「ああ」 だが少し考えて、頷く。花音に身体を向け直す
芹那花音:「………」
芹那花音:オドオドしている。
芹那花音:「に、兄さん」
詩雲終:「ああ」 その様子を見ている
芹那花音:「………! ……!!」
芹那花音:「………っ」恥ずかしがって目を潤ませて、少し逡巡したあと、
芹那花音:おどおどと手を伸ばして、兄さんの腰に触れる。
詩雲終:「…………」
芹那花音:「…………」
詩雲終:「……もう良いのか?」
芹那花音:「えっ」
芹那花音:「え…」
芹那花音:パニックになっている。
詩雲終:「これでは、近付くというより、触るだ」
芹那花音:「だ、だって」
詩雲終:「だって?」
芹那花音:「さ、触るだけでも、十分………」
芹那花音:「もう………」
芹那花音:「幸せで……」
詩雲終:「……そうか」
芹那花音:華奢な手が、兄さんの大きな体に触れている。
芹那花音:どきどきしている。きっと手が熱い。
詩雲終:「なら」
芹那花音:「え…」
詩雲終:「俺からも一つ、我侭を聞いてもらうとするか」
芹那花音:「は、はい」パッと手を放して、顔を上げる。
芹那花音:「な、なんでも、言ってください」
詩雲終:彼女の返事に、言葉は返さない。詩雲の片手が、ぱっと離れたその手を掴み、
詩雲終:もう片方の腕がその細い背中まで伸びて、少女の身体を抱き寄せる
芹那花音:「ぁ」
芹那花音:「に、兄さ」自分でも驚くほど小さな声が零れた。
詩雲終:男の腕と身体に、その体は包まれることになる
詩雲終:「何だ」
芹那花音:「………」
芹那花音:空いた手を、兄さんの大きな背中に回す。
芹那花音:どきどきしている。相手の心臓の音も聞こえるんじゃないかと思う。
詩雲終:結んだ髪の毛、先ほど触れていなかったもう片方を、また梳くように撫でて
芹那花音:熱い。全身。
詩雲終:「我侭だ」
芹那花音:「……わがままじゃ、ないです……」
詩雲終:「いいや。我侭なんだ、花音」
詩雲終:「……イリーガル契約書。内容に問題はなかった。あの支部長の下なら、一応問題はないだろう」
芹那花音:「……っ」
詩雲終:「だが俺は、ないと分かっている問題を探して、柄にもなく何度も同じ文章を読み返してしまっていた」
芹那花音:「…ぇ」
芹那花音:腕の中でもぞもぞと動く。兄さんの顔は見れない。
詩雲終:「少しでも粗があれば、お前を……」
詩雲終:抱きしめる腕がわずかに強まる 「……俺から離すことを許さずに済む」
芹那花音:「………」身体が固まる。かぁっと、また全身が熱くなる。
芹那花音:「そ、そんなこと………」
詩雲終:「我侭なんだ。本当は、花音。最初は、お前だけでもUGNに行った方が良いと思っていた」
詩雲終:「イリーガルと言わず。ただ信用できるUGNがいなかったから、そうしなかっただけだ」
詩雲終:「……しようと思えばそれができる今となっては、どうしたってそんなことは出来そうにない」
詩雲終:その頭に触れる 「我侭だろう」
芹那花音:「……っ」首を横に振る。
芹那花音:「い、一年、あなたと、一緒にいて」
芹那花音:「ずっと……、ずっと、一緒にいられて、嬉しかったんです」
詩雲終:「……」 固い表情のまま、その温かな身体を抱きしめている。その存在を感じている
芹那花音:「あなたのそばにいられて、嬉しくて……。離れたくありませんでした」
芹那花音:「だから、だから、これからも、ずっと、あなたのそばに、いたいです」
芹那花音:気付いたら、ぎゅっと背中に抱き着いている。
詩雲終:「そうか」 返事は僅か。だが微かに上ずっていて
芹那花音:「あなたの代わりなんて、いません。あなたを失いたく、ありません」
詩雲終:「俺もだ」
芹那花音:「……っ」
芹那花音:「兄さん。…兄さん……」
詩雲終:「お前を失いたくない。……花音」
詩雲終:抱きしめる腕が強まる。我侭に欲するように
詩雲終:「最初は、失った仲間の代わりだった。……もう違う」
詩雲終:「花音は花音でしかない。何かの代わりでも、誰かの生まれ変わりでもなく」
詩雲終:「ただの花音を愛している」
芹那花音:「……っあ」
芹那花音:顔が熱い。
芹那花音:自分の中には、もう一人の人物の記憶が存在する。
芹那花音:初代マスターレイ。武勇を誇る伝説の少女。彼女だって、誰かを求めた。
芹那花音:それはどこか他人事のようで、彼女のようになれない自分の前には、もう一人しか映っていない。
芹那花音:だから、ぎゅっと服を握る。それが答えだった。
芹那花音:「兄さん、……す、好き、です」
芹那花音:「妹として、じゃなくて、あの、お嫁さんの方の……好き、です」
詩雲終:ふ、と微かに笑みを漏らして、その頭を撫でて
詩雲終:「俺もだ」
詩雲終:抱きしめる腕を緩めると、その額に唇をつける
芹那花音:「んっ……」ぴく、と、体が震える。
芹那花音:目が潤む。息が熱い。
芹那花音:「兄さ…」
詩雲終:また一つ頭を撫でると、そっと身体を離し
詩雲終:ふう、と長めの呼吸をして、自分の顔を軽く叩き、少し緩んでいた表情を、ほぼいつも通りに引き締める
芹那花音:「…………」真っ赤な顔でそれを見ている。
詩雲終:それを見返すと、手を伸ばし、指先で熱くなっている頬をなぞるように撫でて
芹那花音:「んう」
詩雲終:また少し笑い、今度こそ離れる 「……邪魔、したな。片付け中に」
芹那花音:熱い頬をなぞられて吐息を漏らす。
芹那花音:「……あ」
芹那花音:「はい」
芹那花音:ぽうっとした顔で、呟くようにそう言って、兄さんを見送る。
詩雲終:メガネを外して、軽く閉じた目を揉んで
詩雲終:「細かい字を読みすぎた。今日はもうシャワーを済ませて寝る」
芹那花音:「……あっ、はい」
詩雲終:「花音も早く休め。イリーガル登録、明日には済ませよう」
芹那花音:「はい、ねます、はい」コクコクと頷く。
芹那花音:「…兄さん」
詩雲終:「ん?」 振り返る
芹那花音:駆け寄って、背伸び。
詩雲終:「かの……」
芹那花音:口づけるようにして、少しためらって、胸元に顔を埋める。
芹那花音:すぐにパッと身体を離して。
芹那花音:「おやすみなさい」
詩雲終:「……ああ」 眼尻を下げて
詩雲終:「おやすみ、花音」
詩雲終:いつもと変わらぬ足取りで、その場を後にする
芹那花音:「…………」
芹那花音:兄さんを見送り、蕩けたような顔で、胸元をぎゅっと握る。
芹那花音:顔が熱い。ひどい顔をしているんだろうなと思う。
芹那花音:(……明日から、どうしよう………)
芹那花音:(………)
芹那花音:昨日までの今日と、明日からの日々は、まったく違っていて。
芹那花音:何が起こるか分からない。
芹那花音:でも、闇夜を彷徨うような日々は、きっと終わりだ。明日からは光が満ちる。
芹那花音:寒くて凍えそうなつらい絶望に終止符(ピリオド)を。
芹那花音:明日の朝、目覚めたら、歌をうたおう。
芹那花音:夜に誘う小夜曲(セレナーデ)も、いいけれど。
芹那花音:夜明けの朝日が輝く中、恋人を目覚めさせる朝の曲(オーヴァード)だって………
芹那花音:こんな日には、きっと、
芹那花音:街に祝福をもたらすだろう。
GM:----
GM:
GM:
GM:
GM:──人生は新雪の上を歩くのに似る。
GM:
GM:どこに踏み出しても足跡が残り、しばらくの間消える事はない。
GM:過去をなかった事にはできず、名声と罪過どちらもが鎖となって絡みつく。
GM:
GM:偉大なる称号と力を継ぐ者。《マスターレイ》。
GM:真のマスターレイはもう存在せず、使徒が復活を目論むこともない。
GM:光の機械槍はただ、長きに渡る妄執に終止符を打った、一人の男の手の内に。
GM:
GM:《ピリオド》。《セレナーデ》。
GM:彼ら二人がこの街でどのように生きていくのか──それはまだ、誰にもわからない。
GM:
GM:ダブルクロス The 3rd Edition『無限輪転のセレナーデ』
GM:ダブルクロス──それは裏切りを意味する言葉。
GM:-------------------------------------------------
GM:以上で連休突発セッションの全行程は終了です。
GM:お疲れ様でした。