銀剣のステラナイツ (セッションタイトル)
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プレイヤー
魚住ハル/ミリィ・T・エイケルナル:キャラシート (珪素/クオンタム)
赤崎三音/レティス・E・アルテグラ:キャラシート (DT/珪素)
ゼオ/倉瀬睦実:キャラシート (クオンタム/あやまだ)
比良嶋峻/天野愛愛:キャラシート (あやまだ/DT)
トレーラー
どどんとふ:「珪素」がログインしました。
どどんとふ:「監督」がログインしました。
どどんとふ:「クオンタム」がログインしました。
どどんとふ:「DT」がログインしました。
監督:ステラのナイツ! はじまるよ!
監督:舞台の幕は上がらない
喝采の声はない
これより始まるのは、世界を喰らう侵略者との戦い
異端の騎士が現れる
心と願いを歪ませた、星喰の騎士が現れる
此度の決闘、願いの決闘場フラワーガーデンに咲き乱れるは、
黒のバラ、黄のアネモネ、赤のオダマキ
そして舞台の中央に咲くは、一輪の歪な白のヒガンバナ
『銀剣のステラナイツ』
願いあるならば剣をとれ
二人の願い、勝利を以て証明せよ
監督:----
監督:主題歌:https://www.youtube.com/watch?v=pUJxVTs2miA
(あとでシーン名を入れる)
監督:【第一章】
監督:【Scene1-1:魚住ハル/ミリィ・T・エイケルナル】
監督:まずは自己紹介から! ブリンガー・シースの順でおねがいします!
魚住ハル:http://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY-P_JrwEM
魚住ハル:ご存知この物語の主人公!魚住ハルです。
魚住ハル:躁病めいて尊大で、とにかく全能感がすごい。11歳の男の子ですね。
魚住ハル:自分がステラナイトに選ばれたのは、ステラナイトではないザコどもよりも優れているから!
魚住ハル:スキルはHP吸収系の割合を高く取得し、しぶとく居座って戦うタイプ。
魚住ハル:ステラナイツは初めてなのでどの程度の強さか全然わかりませんが
魚住ハル:ちょっと火力が不安かも。頑張って戦うぞ。
ミリィ・T・エイケルナル:なら次は私なのだわ!
魚住ハル:パートナーはアーセルトレイ統治政府幹部の娘さん、ミリィさん。
ミリィ・T・エイケルナル:まだ続いていたのだわ!
魚住ハル:ちょうどいい!よろしくお願いします!
ミリィ・T・エイケルナル:http://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY_dWNrAEM
ミリィ・T・エイケルナル:はやくも凸凹っぷりが露呈したハルくんのシース、ミリィ・T・エイケルナルです。
ミリィ・T・エイケルナル:ミドルネーム持ちな事からもわかるように、生まれが高貴! 統治政府幹部の娘です。
魚住ハル:僕が凸のほう!出る杭だから!
ミリィ・T・エイケルナル:ミリィの方は凹ですね。最近おもいきりネガティブスパイラルに陥っているから。
ミリィ・T・エイケルナル:具体的には、「この世界は残酷なのよ。どんな世界もロアテラに滅ぼされるのよ」みたいな思考に囚われてます。
ミリィ・T・エイケルナル:それはそれとして、歳下の前ではしっかりしなきゃ!という気持ちもあるので
ミリィ・T・エイケルナル:ハルくんの前ではがんばってお姉さんしたいと思います。
ミリィ・T・エイケルナル:それくらいかな。アピールポイントは、クオンタム史上はじめての成人女性(21歳)+おっぱいが大きいというキャラです。
魚住ハル:おっぱい大好き!
ミリィ・T・エイケルナル:ちょうど10歳差の当コンビをよろしくお願いします。主役は私達だ!
監督:はい、ありがとうございました! おねショタ(ショタおね?)たのしみ!
監督:第1シーンのシチュエーションなどはお決まりでしょうか?
魚住ハル:やってみたいシーンがあるんですが、
魚住ハル:雨の降りしきる夜中に魚住くんが自宅からふらっと姿を消してしまうので
魚住ハル:魚住ママあたりから連絡を受けたミリィさんが探しに来るというのをやりたい……
ミリィ・T・エイケルナル:やろうやろう!
魚住ハル:ミリィさんはそれでいいですか?
魚住ハル:他にやりたいものがあれば融合させましょう
ミリィ・T・エイケルナル:ミリィは、とにかく『憂いを帯びた悲劇のヒロインのはずが、ハルくんに振り回されてかわいそうな保護者と化す』みたいなロールをしたくて作ったので
ミリィ・T・エイケルナル:むしろどんどんハルくんのやりたいことをやってくれていいです。無限に振り回されたい!
魚住ハル:ありがたすぎる!
監督:どうやらお決まりのようで
ミリィ・T・エイケルナル:あっ、なのでやりたいことと言えばそうですね
監督:お
魚住ハル:なんだいなんだい
ミリィ・T・エイケルナル:「この世界は残酷なのよ。こんな世界がロアテラに滅ぼされたのをあなたは知ってる?」みたいな悲劇ロールをしてる時に
ミリィ・T・エイケルナル:ハルくんはこっちガン無視で他のモブを見下してる、とかはやってみたいです
魚住ハル:絶対やりましょう~
ミリィ・T・エイケルナル:アヤッター!
魚住ハル:シーン大決定ですな!
監督:ではやっていきましょう!
(あとでシーン名を入れる)
魚住ハル:魚住ハルの姿が消えたのは、雨の強い夜のことだった。
魚住ハル:両親には何も告げず、夕食も食べず、荷物を持ち出した形跡すらなかった。
魚住ハル:友人宅、さらには彼がここ最近しきりに交流していたミリィ・T・エイケルナルに所在確認をするも、彼女らのもとを訪れた様子もない。
魚住ハル:もちろん、統治政府高官の娘が子供の家出程度に動く理由は一切ない——
魚住ハル:普通ならば。
ミリィ・T・エイケルナル:「……はあ。どこに行ったのかしら」 黒いレースの傘をさして雨の中を歩く。
ミリィ・T・エイケルナル:今のミリィにとって、ハルは自分の命と同じくらいに重要な存在だ。いなくなったのならば、探さねばならない。
ミリィ・T・エイケルナル:ステラナイト。魚住ハルは、ただ一人のパートナーなのだから。
ミリィ・T・エイケルナル:「私のパートナーとしては失格ね。勝手に行方知れずになって、ご両親まで心配させるなんて」
ミリィ・T・エイケルナル:「……」
ミリィ・T・エイケルナル:「……それとも」 立ち止まり、肩にかかった長い黒髪を軽く手で抑える。
ミリィ・T・エイケルナル:「彼も、なのかしら」
ミリィ・T・エイケルナル:「(ロアテラの侵略。世界の危機という絶望。……あるいは、私たちステラナイトが背負う、重い使命)」
ミリィ・T・エイケルナル:「(そういったものに押し潰されそうなのかもしれない。私と同じように)」
ミリィ・T・エイケルナル:「……見つけたら、優しくしてあげなくちゃ」
ミリィ・T・エイケルナル:小さく呟いて、また歩きだそうとする。ハルを探すために。
魚住ハル:「あれ!?ミリィちゃんだ!!」雑踏の中から普通に出てきます。自分から。
魚住ハル:「ははははははは!すっごい偶然!!どうしたの!?家出?」
ミリィ・T・エイケルナル:「うわーっ!?」 急に出てきたので素で驚く!
ミリィ・T・エイケルナル:「家出なわけが! ないでしょう!」
ミリィ・T・エイケルナル:「エイケルナル家はこのアーセルトレイを……いえ違うわ、そうじゃなくて」
ミリィ・T・エイケルナル:「私は。あなたを探しにきたのよ」「ご両親に頼まれてね」
魚住ハル:「あ、そうなんだ。ミリィちゃんも暇だなー」
ミリィ・T・エイケルナル:「ひ……!?」
魚住ハル:「おいしん棒食べる?」10円の駄菓子を差し出す。
ミリィ・T・エイケルナル:「(落ち着け私。相手は子供、相手は子供よ……不安に押し潰されそうな……)」
魚住ハル:しかも、傘を差していない。ずぶ濡れでニコニコしている。
ミリィ・T・エイケルナル:「あなた、またそんなもの食べて。身体に悪いからやめなさいって言ったでしょう」
魚住ハル:「おいしいんだけどなー。や、お母さんのご飯がマズいってわけじゃないんだよ」
魚住ハル:「でも、やっぱり好きな時に好きなもの食べたいよね」
魚住ハル:「自由!」パクパクと食べる。
ミリィ・T・エイケルナル:「なに? もしかして、好きな時間にお菓子を食べたいから家を出たの?」
魚住ハル:「ははははは!」
ミリィ・T・エイケルナル:「傘も持たずに……」 お母さんから預かった、微妙にダサい色の折り畳み傘を一応懐から出す。
魚住ハル:「いらない?ほら、チョコだってある」
魚住ハル:ガードレールか何かに腰掛けながら、差し出します。
ミリィ・T・エイケルナル:一応だ。雨がふってる以上傘は使うだろうと思って持ってきたが、この自由な少年が受け取ってくれるか正直不安になってきた。
ミリィ・T・エイケルナル:「……じゃあ、ひとついただくわ。そのかわり傘をさしなさい」
魚住ハル:ミリィにはまず縁のないような、安っぽい駄菓子だ
ミリィ・T・エイケルナル:「風邪をひいて、いざというときにステラナイトの使命を果たせなくなったらどうするの?」
魚住ハル:「はははは!ステラナイトね!そうだね!」
魚住ハル:「知ってる?ミリィちゃん」
ミリィ・T・エイケルナル:言いながらおいしん棒のパッケージを剥いて、ひとくち齧る。 「うわ、なにこの味」
ミリィ・T・エイケルナル:「ひどく雑なお菓子だわ……なに?」
魚住ハル:「こういう、突然雨が降るような時はさ——」
ミリィ・T・エイケルナル:「……うん」
魚住ハル:「ステラバトルの前触れなんだってさ」
ミリィ・T・エイケルナル:「そういう噂が流れているのは知っているわ。ただの偶然にすぎないと思うけれど」
魚住ハル:「ははははははは!どう思う?僕たちが二人で、命がけで世界を守って……」
魚住ハル:ぐーっと背を反って、後ろの群衆を逆さまに見る。
魚住ハル:「でも、こいつらザコどもは誰もそんなこと知らないんだよ」
ミリィ・T・エイケルナル:「ザコって。あなた」
魚住ハル:「そうでしょ?」
ミリィ・T・エイケルナル:「仕方がないでしょう? ステラナイトの活動は極秘だし、誰でもなれるわけではないのだから」
魚住ハル:「え?仕方がないって何が?」
魚住ハル:「僕らが救ってやってるって、誰も知らないんだよ?」
ミリィ・T・エイケルナル:「ノブレス・オブリージュよ」
ミリィ・T・エイケルナル:「力を持つ者はそれを行使し、民衆を守る義務があるの。あなたの活躍を誰も知る事がないのは、確かに悔しいでしょうけど」
魚住ハル:「まさか!」驚いたように答える。
ミリィ・T・エイケルナル:「それも力を持つ者が背負う義務だと考えて、納得しなさい。男の子でしょう」
魚住ハル:「最高じゃん!!!」
ミリィ・T・エイケルナル:「は?」
魚住ハル:「僕らが救ってやって、そのおかげで生きてられるのにさ——」
ミリィ・T・エイケルナル:「えっ、なに……? なにが?」
魚住ハル:「こいつら!」
魚住ハル:「みーんな!」
魚住ハル:「そんなこと、知らないの!!」
ミリィ・T・エイケルナル:「ちょっ、声が大きい……声が大きいってば」
魚住ハル:「最高!!ははははははは!!!本当は僕の気分次第なのに、こいつら!!」
ミリィ・T・エイケルナル:「みんな変な目で見てるでしょうこっちを!やめなさい!」
魚住ハル:「そう思ったら……ステラバトルが近いって思ったらさ!」
魚住ハル:「いてもたってもいられなくってさ!」
ミリィ・T・エイケルナル:「すみません、何でもありません。弟……が、少しおかしくなっていて……」 通りすがりの人に謝っている。
ミリィ・T・エイケルナル:「えっ。いてもたってもいられなくて、って」
ミリィ・T・エイケルナル:「じゃあ、えっ……なに?」
ミリィ・T・エイケルナル:「重責が果たせるか不安だったとか、そういうのとは一切関係なく」
ミリィ・T・エイケルナル:「"ワクワクしたからなんとなく雨の中に飛び出してお菓子食べてた"」
ミリィ・T・エイケルナル:「そう言っているの? あなたは?」
魚住ハル:「なにそれ!?ミリィちゃん、そんなこと考えんの?」
ミリィ・T・エイケルナル:「考える! に! 決まってんでしょーが!」
魚住ハル:「やっぱりほら、もっとお菓子食べて食べて!」ドサドサとお菓子を押し付ける!
ミリィ・T・エイケルナル:「なんであんたはそんなノーテンキにしてられんのよーっ! おかしいでしょう!?」
魚住ハル:「大丈夫だって!!僕、無敵だから!!」
ミリィ・T・エイケルナル:「お菓子もいらないっ! なにこの雑な上にやたら味が濃くて身体に悪そうな食べ物!」
ミリィ・T・エイケルナル:「無敵でもない! 風邪ひくから傘さしなさい!」
ミリィ・T・エイケルナル:ぐいぐいとお母さんから預かったダサい色の傘を押し付ける。
魚住ハル:「ダサい色!!」内心が素直に言葉に出る!
魚住ハル:「ミリィちゃん、そんな心配ばっかりで疲れない?」傘は開かないままで、ガードレールに座り直す。
ミリィ・T・エイケルナル:「疲れる?」
魚住ハル:「だってこう、僕が見つけた時も」
魚住ハル:「暗ーい顔してたじゃん」
魚住ハル:「こーんな感じ」ドヨーン
ミリィ・T・エイケルナル:話しながら、不承不承ハルくんの横に歩いていって自分の傘にハルくんを入れる。風邪をひかれると困るからだ。
ミリィ・T・エイケルナル:「えっ、そんなに暗い顔は……」
魚住ハル:遠慮なくくっつきます。ビシャビシャ。
ミリィ・T・エイケルナル:「……してた? 私」
ミリィ・T・エイケルナル:「そんなに?」
魚住ハル:「いつもしてるよ。僕と話してない時」
魚住ハル:「まあ、それだけ僕が人を明るくするカリスマであろうということでもあるよね」
魚住ハル:「カリスマって意味しってる?」
ミリィ・T・エイケルナル:「あなたが知ってるような単語を私が知らないと、なぜ当然のように思えるのかしら」
ミリィ・T・エイケルナル:「でも、そうね。分からない事もあるわ」
ミリィ・T・エイケルナル:「なぜそんなにあなたは明るくいられるの?」
魚住ハル:「?」酢漬けのイカかなにかをもしゃもしゃしてます。
魚住ハル:「だって、知ってたから」
魚住ハル:「絶対選ばれるって知ってたし、僕にはすごい力があるって知ってた」
ミリィ・T・エイケルナル:「知ってた、という事はないでしょう。あなたは普通の子供なんだから」
魚住ハル:「でも知ってたんだよ」
魚住ハル:「ミリィちゃんはなんでステラナイトになったの?」
ミリィ・T・エイケルナル:「……」 一人で歩いていたときと同じ顔になる。 「この世界を守りたいから。他の世界のように滅ぼされたくないからよ」
ミリィ・T・エイケルナル:「ねえハル。あなたは、知っている?」
ミリィ・T・エイケルナル:「草花でいっぱいのきれいな世界があったのよ。ヒトと植物が融合して……ヒトの感情に合わせて、美しい花が咲くの」
ミリィ・T・エイケルナル:「自分の花が咲いたら、それを押し花にして意中の相手に送ったり。ロマンチックな世界だったの」
魚住ハル:「へえーっ」
魚住ハル:「面白いなあ」
ミリィ・T・エイケルナル:「でしょう?」 ちょっと笑う。
ミリィ・T・エイケルナル:「でも、滅んだ」
ミリィ・T・エイケルナル:「ロアテラの侵略でね。他にももっと素敵な世界があったけど、全部滅んだ」
魚住ハル:「へえー」
魚住ハル:「運が悪かったんだなあ。悲しい物語だね」
ミリィ・T・エイケルナル:「そうよ。この世界はとても残酷で、これ以上なく理不尽なの。昨日まで健在だった世界が、明日には消えているかもしれない」
ミリィ・T・エイケルナル:「だからこそ、私はステラナイトになったのよ。この世界を滅ぼされないために」
ミリィ・T・エイケルナル:「この世界を守る。アーセルトレイに、永久の平和を」
魚住ハル:「そっか……ミリィちゃん、聞いていい?」
ミリィ・T・エイケルナル:「それが力持つ者が背負うべき義務だと思うから……」「なあに?」
ミリィ・T・エイケルナル:少しだけ口調が優しい。ちゃんとハルが話を聞いてくれていたからだ。
魚住ハル:「ミリィちゃん、なんでおっぱい大きいの」
ミリィ・T・エイケルナル:「……」
ミリィ・T・エイケルナル:「……!?!?!?」 二歩ほど後ろに飛び退って、空いた方の腕で胸を抑える。
ミリィ・T・エイケルナル:「な、なな……ななな」
ミリィ・T・エイケルナル:「いきなり何を言うのあなたは!!」
ミリィ・T・エイケルナル:「下品!」
ミリィ・T・エイケルナル:「女性に対して、すごく失礼!」
ミリィ・T・エイケルナル:「しかも、話の脈絡が一切ない!!」
魚住ハル:「昨日さ、雑誌のこう……最初のほうのページで、水着のグラビア?ってやつ友達に読ましてもらって」
魚住ハル:「みんな『おっぱい大きいね』って言うんだけど」
ミリィ・T・エイケルナル:「友人まで下品!」
魚住ハル:「僕はミリィちゃんの方が大きいし、いいと思うんだ」
魚住ハル:「でも、心に思ってただけでわざわざ言わなかったよ」
魚住ハル:「そこが僕の奥ゆかしいところなんだな」
ミリィ・T・エイケルナル:胸を見られるのが恥ずかしいので、見られる面積を少しでも減らそうとハルくんに対してナナメになってます。
ミリィ・T・エイケルナル:「少しも奥ゆかしくないわ。まったく奥ゆかしくないわ」
ミリィ・T・エイケルナル:「奥ゆかしい人は、人に対していきなり……むっ、胸の大きさについて聞いたりはしません」
ミリィ・T・エイケルナル:「だいいち、そうよ。あなたから聞いたんでしょう!? なんでステラナイトになったのかって!」
魚住ハル:「でも、気になるんだもん」雨で張り付いて強調されていたからだが、奥ゆかしいので言わない
ミリィ・T・エイケルナル:「気になったことにすぐ飛びつくのはやめなさい!」
ミリィ・T・エイケルナル:雨で服が張り付いている事はまったく気がついていない。
魚住ハル:「……それに、それがミリィちゃんの願いなら」
魚住ハル:ガードレールのポールの上に立つ。
魚住ハル:「もう叶ってるじゃん」
ミリィ・T・エイケルナル:「ちょっ、危ない……!」 あわあわと傘を肩にかけ、いつでも支えられるように両手をあける。
ミリィ・T・エイケルナル:「……叶ってる?」
ミリィ・T・エイケルナル:「なにが?」
魚住ハル:「本当に、運がいいよ!この世界も、このザコどもも!!」
魚住ハル:「僕がステラナイトなんだ!」
ミリィ・T・エイケルナル:「えぇ……?」
魚住ハル:「負けるはずがない!はははははははははは!!」雨にずぶ濡れになりながら、両手を広げて群衆を見下ろす。
ミリィ・T・エイケルナル:「…………。……………………」
ミリィ・T・エイケルナル:「なんで……なんで」
ミリィ・T・エイケルナル:「なんでこんな……」「こんな子が、私のパートナーなのかしら…………」
魚住ハル:「きゃっはははははは!!生きてるーって感じ!!」
魚住ハル:「最高!!!」
魚住ハル:見下ろす道路には光が行き交い、町並みが広がる。
ミリィ・T・エイケルナル:もはやハルとセットで奇異の目で見られていることを自覚しつつ、がっくりと肩を落とす。
魚住ハル:魚住ハルはその全てを見下して、笑う!魔王のごとく!
監督:----
(あとでシーン名を入れる)
監督:【Scene1-2:赤崎三音/レティス・E・アルテグラ】
監督:自己紹介を! まずはブリンガーから!
赤崎三音:はい!
赤崎三音:http://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYmYDKrwEM
赤崎三音:赤崎三音(あかさき みつね)。聖アージェティア学園高等部(制服がかわいい)に通う、普通の女子高生です。
赤崎三音:軽音楽部所属で、趣味はアロマショップ巡りで……とかそういう話ばっかしたかったんですけど
赤崎三音:それどころじゃなくなってしまいました。ステラバトルのせいで!
赤崎三音:友達との約束は全然守れなくなったし恐ろしい怪物と戦わなきゃいけないし……!普通の生活を取り戻したい!切なる願い!
赤崎三音:性能としてはかなりサポート寄りの弱アタッカー。主に敵味方の防御力を操作してダメージレース優位をもたらします。
赤崎三音:これも全部、あの人が現れてからなんです……!あの人!わたしのシース!
レティス・E・アルテグラ:それはまさか、私のことかな?
赤崎三音:ぎゃあ出た!
レティス・E・アルテグラ:レティス・E・アルテグラ。職業は旅人……アーセルトレイの階層を下る旅人さ。
レティス・E・アルテグラ:赤コートに黒髪ロング、巨大なトランクケースを携えた謎の美女。
レティス・E・アルテグラ:生身の時点で異常に身体能力が高く、階層世界の知識も豊富で、金もなんかたくさん持ってる
レティス・E・アルテグラ:女版跡部景吾のようなスパダリ女を目指しています。
レティス・E・アルテグラ:ステラバトルが近づいた日にだけ基幹世界にあらわれ、赤崎くんを非日常の世界に誘うのだ。
レティス・E・アルテグラ:基本的にブリンガーにはめちゃめちゃ甘く、どこにでも連れていくし、なんでも買ってあげます。
レティス・E・アルテグラ:広い世界の全てを味わわなければ損!
レティス・E・アルテグラ:以上です。赤崎くんにはとても友好的なはず。彼女がそれを喜ぶかどうかは別だけれど……
監督:はい、ありがとうございました! 唯一の女子×女子ペア、期待してます!
監督:シチュエーションの想定などありますでしょうか!
珪素:基本的にはブリンガーにお任せします
赤崎三音:考えてるのは、日常を謳歌しきってるところで見かけてしまって
赤崎三音:逃げ出そうとするけど逃げ切れないので観念する、みたいなイメージですね
珪素:この世界、車はないんでしたっけ
赤崎三音:どうなんだろう。こっちの世界にあるものは何でもありそうですけど
珪素:いや、確かどこかにそういう記述があったんだよな
監督:177Pですね
監督:電動2輪が精々で、自動車は骨董品とのこと
珪素:あったあった。じゃあ電動二輪車で逃げてください
赤崎三音:高そう
赤崎三音:走りだとまずいのかい!
珪素:いや、別に走りでもいいですけど、走りだとなんか追いつけて当然な感じがしたので……w
珪素:走って逃げているところに追いつく……!問題なければそれでいきましょう!
赤崎三音:ではそんな感じで!
監督:整ったご様子!
監督:それでは始めていきましょうー
(あとでシーン名を入れる)
赤崎三音:平日の放課後。アーセルトレイ第二層。
赤崎三音:ショッピングモール内のアロマショップ巡りのあと、フードコートのアイスクリーム屋に立ち寄るのが、彼女のルーティーン。
赤崎三音:彼女がスプーンを付けているのは、トリプルのカップアイス。
赤崎三音:アプリコット入りのチーズケーキ、抹茶、シナモン。いずれも薫り高いフレーバー。
赤崎三音:「“Hill-KOH”のライヴ? えーっ超行きたい! いいの!?」携帯で友人と通話している。
赤崎三音:「好きだよそりゃ……! 人類みんな好きだよ~~!」
赤崎三音:「今週の土曜? うん、開いてる開いてる!」
赤崎三音:「だから! 彼氏とか居ないって! 土曜ね。絶対行く……」
レティス・E・アルテグラ:フードコートの吹き抜けを挟んで反対側の通路に、赤い人影が過ぎる。
レティス・E・アルテグラ:人混みの中でもいやでも印象に残る、鮮やかな赤色のコート。
赤崎三音:「なんか準備とかした方がいいかな……」その姿を見かける。
赤崎三音:「げっ」
レティス・E・アルテグラ:立ち止まる。
赤崎三音:立ち上がる。
レティス・E・アルテグラ:三音の方を見て、微笑んで片手を振る。
赤崎三音:くるりと後ろを向き、脱兎のごとく駆け出す!
赤崎三音:アイスそのまま置いておいてごめんなさい店員さん!
赤崎三音:走力には自身がある。100m走14.5秒の健脚は、人間の女子高生にしてはかなりのものだ。
レティス・E・アルテグラ:追ってくる様子はない。昼時のショッピングモールにごった返す客の隙間を機敏に縫い、走る!
赤崎三音:エレベータに飛び込む。早く!早く閉じて!
レティス・E・アルテグラ:扉が閉まり、軽い振動とともに降りていく。開く。出口はすぐそこだ。
レティス・E・アルテグラ:一階から見える周囲に赤いコートの姿はない。追いつかれる心配はないだろう。
赤崎三音:「良かった~……一応裏から出よっと」そそくさと移動する。
赤崎三音:「冗談じゃないよもう……せっかくいい気分だったのに……」
レティス・E・アルテグラ:——タン!
レティス・E・アルテグラ:眼前に、トランクケースが落ちてくる。
赤崎三音:「えっ」
レティス・E・アルテグラ:地面に直立した状態で、進路を塞いだ。
レティス・E・アルテグラ:やや遅れて、その直立したケースの側面にふわりと降りる。
レティス・E・アルテグラ:「や」
レティス・E・アルテグラ:爽やかな笑顔で、また片手を挙げる。
赤崎三音:「や」
赤崎三音:「……やだ!」
レティス・E・アルテグラ:「やだって、なにがさ」まったく挙動を見せずに、もう右手首を掴んでいる。
赤崎三音:「どうせまたステラバトルなんでしょ……!?」
レティス・E・アルテグラ:赤崎三音を追って下に降りたのではなく、
レティス・E・アルテグラ:上に上がって、屋上からここに直接飛び降りてきたのだ。
赤崎三音:「やだやだやだ」ミサンガのついた右手首は、全く振り解ける様子はない。
レティス・E・アルテグラ:「それはまあ、仕方ないよ。それよりどう?また面白い世界の話聞きたくない?ねえねえ」
赤崎三音:話は正直聞きたい。全然知らない世界の様子は、ホントかウソかわかんないけどすっごい面白いし。
赤崎三音:でも。
レティス・E・アルテグラ:「ああ、どこの世界から話そうか。陸地がない世界だと、人類はどうなってるだろうって思ったことは?」
赤崎三音:「まだ聞きたいって言ってないでしょ!? 対価がステラバトルなの、絶対釣り合ってないもん!」
レティス・E・アルテグラ:「ステラバトルだって、気の持ちようさ」
レティス・E・アルテグラ:「苦しいと思えば、苦しくなる。逆もまた然り」
レティス・E・アルテグラ:片手のクレープを一口食べる。
赤崎三音:「闘いなんて、楽しめるわけないよ」
レティス・E・アルテグラ:「基幹世界の食べ物はおいしいね。……そう、こういう素敵な食べ物だって守ることができる」
赤崎三音:「あんなの、物騒で、怖くて……守んなきゃいけないのだって、わかるけど!」
赤崎三音:「なんでわたしなの!?」
レティス・E・アルテグラ:「それは、まあ」
レティス・E・アルテグラ:こめかみを掻く。「私が決めたことじゃないからなあ」
レティス・E・アルテグラ:「代わってあげたいって思っても、ブリンガーとシースの役割は交換できるものでもなし」
赤崎三音:「……」押し黙る。嘘ではないと分かっている。
レティス・E・アルテグラ:「その責務の分だけ人生を楽しむ!そのための協力は惜しまないつもりだよ」
レティス・E・アルテグラ:「さあ、遊園地行こう。新しい電動二輪車でも買って、街に繰り出そうじゃないか」
赤崎三音:なんでこの人、遊園地で楽しめるんだろうか。
赤崎三音:アーセルトレイの下層をぐんぐんと下るなんて、わたしじゃぜんぜん想像もつかないような、ものすごい体験をしてるのに。
赤崎三音:「……それで。じゃあ、どうなってるんですか」
赤崎三音:「陸地がない世界の話。人類は、どうなってるんですか」
レティス・E・アルテグラ:「どこまでも海の世界では、船を作るのだって一苦労だからね」
レティス・E・アルテグラ:「そういう世界の人類はずっと昔に、海の底で生きていくことを選んだんだ」
レティス・E・アルテグラ:「波にさらわれない岩にしがみついて、他の外敵に襲われない殻で覆って——」
レティス・E・アルテグラ:「そうだね、牡蠣みたいな?」
レティス・E・アルテグラ:「すごくさびしい世界だったよ」
赤崎三音:「牡蠣……」
赤崎三音:なんか、こういう話を聞いていると。悪い人じゃないのかも知れない、という気にもなってくる。
赤崎三音:「そりゃ、そんな世界に比べちゃったら。こっちはずいぶん賑やかなのかも知れないけど」
赤崎三音:「だからって…‥」
レティス・E・アルテグラ:「だからって」腕を引き寄せる。
レティス・E・アルテグラ:「こうして世話を焼くのはおかしい?一緒に遊んだり、歌ったりしたいって思うことも?」
赤崎三音:「おかしいかおかしくないかなんて分かんないよ」
赤崎三音:「全部がおかしい人なんだもん」ちょっと笑う。
レティス・E・アルテグラ:「私は普通さ」
赤崎三音:「普通じゃない人はみんなそう言うんです」
レティス・E・アルテグラ:「人はいつだって普通さ。ただ、普通の人間が」
レティス・E・アルテグラ:「どのような事柄を成すかどうかだ。それは、どこにも普通なんてない」
レティス・E・アルテグラ:「だから、そうだね。一つ映画でも見て——ど、れ、に、し、よ、う、か、な」
レティス・E・アルテグラ:遠くに霞むビル群を指さして選ぶ。
赤崎三音:「えっどれにって、何を見るかじゃなくて……」
レティス・E・アルテグラ:「あれにしよう。あそこのビルの一番高い部屋を貸し切って、夕ごはんでも一緒に食べよっか」
赤崎三音:「……そうですね」ため息をつく。
赤崎三音:「アイス食べそこねたから、お腹は空いてるし……」
レティス・E・アルテグラ:「牡蠣でも食べる?」意地悪く笑う。
赤崎三音:「毒に当たるのは一回で十分です」
レティス・E・アルテグラ:「おや。いつ毒にあたったんだっけ」
レティス・E・アルテグラ:「赤崎くんのことなら、大体知ってるつもりだったけれど」
赤崎三音:「今……!」
レティス・E・アルテグラ:「大薬師のよく毒を以って薬と為すが如し、さ」
レティス・E・アルテグラ:「毒か、薬か」
レティス・E・アルテグラ:「苦しいと思うか、楽しいと思うか」
レティス・E・アルテグラ:「すべて、自分が決めることだろう?」
赤崎三音:「そうだけど……わたし、レティスさんにいい薬にしてほしかったんだけど」
レティス・E・アルテグラ:「薬石の言?」
レティス・E・アルテグラ:「——ま、いいよ。とにかく、立ち止まっていたら時間が惜しい」
レティス・E・アルテグラ:「一分あるだけで、どれだけこの世界を楽しめるか!さあ行こう、赤崎くん!」
赤崎三音:「わかった!わかったから引っ張らないで!」
レティス・E・アルテグラ:「ふふふ。少し痩せた?」
レティス・E・アルテグラ:「かわいいね」
赤崎三音:「たぶん今アイスを食べそこねた分……!」
赤崎三音:「あ、ところでステラバトルっていつなんですか?」
レティス・E・アルテグラ:「こっちの暦だと、ええと、1、2、差し引いて6……」
レティス・E・アルテグラ:「今週の土曜かな」
赤崎三音:どきどきしながら掴まれたミサンガに祈りを……
赤崎三音:「わ……」
赤崎三音:「わたしのライヴ~~~!」
赤崎三音:「やっぱステラバトルやだ~!!!」
レティス・E・アルテグラ:「ははは、ステラバトルは人生だって?いい気概だ!」
レティス・E・アルテグラ:「じゃあ、行こう!!」
赤崎三音:「ステラバトルなんて人類みんな嫌いだよ~~!」
赤崎三音:いやいやと言った体で、そのまま膂力の差で引きずられていく。
監督:----
(あとでシーン名を入れる)
監督:【Scene1-3:ゼオ/倉瀬 睦実】
監督:自己紹介タイムです! ブリンガーからどうぞ!
ゼオ:わーい!
ゼオ:http://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY_dWNrAEM
ゼオ:ゼオくんです! 年齢は13歳!
ゼオ:第三次世界大戦をやっている世界でホムンクルス的強化兵の5号機として造られた、銀髪赤目の少年です。
ゼオ:兵器として造られ、兵器として生きてきた。だから常識もないし、戦争以外の日常も知らない。
ゼオ:そういう、『勇者、辞めます』のレオやアカデミアのミナのような、クオンタム性癖マシマシキャラです。
ゼオ:ブリンガーなので性能も言っておこう。赤のオダマキ。紙耐久で、火力は高め。
ゼオ:ただでさえ少ないHPを消費しながら敵を殴り、あとはひたすら敵かこちらが死ぬまで殴り続けるビルドです。
ゼオ:ハルくんとはまた違う方向であやシースの睦美ちゃんを振り回したり、逆にお説教されたりして
ゼオ:この世界の常識を身に着けていきたいです。よろしくね!
倉瀬睦実:振り回されたりお説教したりするらしいあやシースこと、倉瀬睦実です。
倉瀬睦実:ゼオくんとは違い、元々いわゆる地球に暮らしていた、普通の女の子です。
倉瀬睦実:全然帰ってこない両親と、いがみ合ってばかりの弟。つまらない毎日に辟易し、いっそ壊れてしまえばいいのに——
倉瀬睦実:と思ったかは定かでないですが、現実として世界はロアテラに破壊され、弟は目の前で消え、
クオンタム:ほんとに壊れた!
倉瀬睦実:独り、この世界に放り出されてしまいました。
倉瀬睦実:絶望とも判別できない喪失感に空いた心のまま、出会ったのがゼオくん。
倉瀬睦実:非常識さに振り回されたり、お説教したりしているうちに、かつての弟を想起したのか、
倉瀬睦実:放っておけず、ついにはステラナイトとして運命を共にする間柄になりました。
ゼオ:ゼオ→睦実ちゃんは、「同じ異世界人でお互い苦労するな」って気持ちなんですけど
ゼオ:睦実ちゃんは地球出身なこともあって、割とこっち側には馴染んでる感じなんでしょうか?
倉瀬睦実:そうですね、文化が後退してそうな部分で戸惑いはあるのでしょうが、
倉瀬睦実:基本的に元の世界をベースにしてそうなので、ゼオくんよりはよほど慣れていることでしょう。
ゼオ:やった!じゃあ存分にお姉ちゃんしてもらえる!
倉瀬睦実:自覚があるのかないのか、ゼオくんに弟の面影を重ねてなんのかの言いつつ依存してるので
倉瀬睦実:楽しくいちゃいちゃしようね!
監督:ってところで自己紹介を終えるのですが
監督:シーンのシチュエーションに希望はありますか?
ゼオ:ウェイウェイ!
ゼオ:そうですね。うれしいことに、睦実ちゃんがこちらの世界に慣れているので
ゼオ:睦実ちゃんといっしょに繁華街を歩き、こちらの世界について見聞を深めながらおしゃべりしたいです。
ゼオ:あと、なにかお祭り的なところでヒーローショーに出くわして
ゼオ:悪役を本物と勘違いして、瞬殺したい
倉瀬睦実:ww
倉瀬睦実:この卓のショタどもはもう! 最高ですね!
倉瀬睦実:それでいきましょう
ゼオ:やったー!する!
(あとでシーン名を入れる)
ゼオ:アーセルトレイ基幹世界。繁華街を歩いています。
ゼオ:銀髪赤目というやや目立つ風体ではあるが、ぱっと見では普通の男子中学生に見える事だろう。
ゼオ:実際は違う。
ゼオ:アーセルトレイ772層――第三次世界大戦が勃発した地球から基幹世界へやってきた"隣人"。それがゼオだ。
ゼオ:ゼオの知っている世界では油断は許されない。油断した者から刺され、撃たれ、死ぬ。
ゼオ:平和な町中でも常に気を張り巡らせ、何かあれば即座に対象を捕獲、あるいは殺害できるよう備えている……。
ゼオ:「変わった世界だ。人間がこれだけ居るのに殺し合いが起きていない」
ゼオ:「巡回の武装兵も立っていない。民間用のシェルターも見当たらない」
ゼオ:「お前も俺と同じ異世界人だと聞いている。違和感はないか」「睦実」
ゼオ:隣を歩く少女に視線を向ける。
倉瀬睦実:「……あのさ。前も説明したと思うけど」 ため息交じりに口を開く。
倉瀬睦実:「こっちの世界は……あんまり、そういうことない。なかったんだって」
倉瀬睦実:「少なくとも、あたしがいた日本は」
倉瀬睦実:少年の傍らを歩くのは、茶髪に地毛の黒を散らせた女子高生。
ゼオ:「そうらしいな。お前が銃を撃った事すらないと聞いた時は、さすがに驚いた」
倉瀬睦実:あまり覇気はなく、背もやや丸めている。ため息を吐くのも、今日初めてのことではない。
倉瀬睦実:「ゲーセンでなら、何度かあるけどさ。リアルじゃ、撃たずに人生終わる人の方が多いよ」
倉瀬睦実:「方が多いってか……ほぼ全員くらい」
倉瀬睦実:「平和……だったんだよ」
ゼオ:「戦う力のないものが大半を占める世界か」
ゼオ:「力が欲しいと思った事はないのか。睦実」
倉瀬睦実:「…………」 少し、考える。あの退屈で、もう戻らない日々に還る。
ゼオ:「敵を迅速に撃破し、重要拠点を守りたいと思ったことは?」
倉瀬睦実:「……そういう、危なっかしい力が欲しくなったことは、ないけど」
ゼオ:「……ないのか……」 顔には出さないが、大いに驚いている。
倉瀬睦実:「窮屈で、どこにも行けなそうな鳥籠から抜け出したい」
ゼオ:「鳥籠?」
倉瀬睦実:「そういう"力"は、欲しかった。そうなればいいって……」
倉瀬睦実:「……」
ゼオ:「前の世界では、鳥籠状の独房などに住んでいたのか?」
ゼオ:「それならば同情する。居心地はよくなかっただろう」
倉瀬睦実:首を傾げるゼオを見る。ちょうど、生きていればこのくらいの年だったはずだ。
倉瀬睦実:「……そうだね。良くなかった」 自嘲するように笑う。
倉瀬睦実:「抜け出せたんだよね。あたし。……あーあ」
ゼオ:「不満そうだな」
ゼオ:「鳥籠を脱せたのだ。なぜ喜ばない」
倉瀬睦実:「……そんなこと、ないよ」 顔を逸らすように、街並みに目を向ける。
倉瀬睦実:「こうやって、自分の好きに街を回れる。門限も気にしないで」
ゼオ:「ハンドガン程度の携行兵器すらなかなか手に入らない事については、不満が残るがな」
ゼオ:「来週から、俺は睦実と同じ学校で教育を受ける事になるらしい」
ゼオ:「突発実力テストなどはないだろうか。教師がガトリングガンなどを持ち出した時に備えて、最低限の備えはしておきたいのだが」
倉瀬睦実:「あー……アンタのトコは、そういうトコだったのかもしんないけど」
倉瀬睦実:「安心していいよ。こっちの学校は、そういうのないから」
倉瀬睦実:「……逆に安心できないか?」 あまり勉強が出来そうではないゼオを見る。
ゼオ:「安心できないな……何もかもがはじめての事だらけだ」
ゼオ:「安心できるといえば、じきにステラバトル。戦闘があるらしいという事なのだが」
ゼオ:「そう、睦実。ステラバトルになる前に、お前にどうしても聞いておきたい事があった」
倉瀬睦実:「これ、あたしが勉強の面倒も見るのかな……シースだしなぁ」
倉瀬睦実:「っ」 その単語に身をこわばらせる。
ゼオ:「勉強以上に重要な事だ。返答次第では、ブリンガーとしてお前と共闘する事を拒否することになる」
倉瀬睦実:「……何?」
ゼオ:「お前には、生殖行為のパートナーはいないのか?」
倉瀬睦実:「は」
倉瀬睦実:「……は?」
ゼオ:「生殖行為のパートナーはいないのか?」 はっきりと繰り返す。
ゼオ:「17歳だと聞いている。パートナーとの生殖行為、ならびに次代の兵士の育成が義務付けられている年齢だ」
倉瀬睦実:「いや、聞こえなかったんじゃなくて……」
ゼオ:「12歳以下の子供を持つ母親が戦場に出るのは、かたく禁じられている」
倉瀬睦実:「聞こえたから……ああ、そういう」
ゼオ:「こちらの発言の意図が伝わったようで嬉しい」 無表情だ。
ゼオ:「もし子供がいるなら、お前と一緒には戦えない。理解してくれ」
倉瀬睦実:「……ほんっと、コイツ」 額を抑える。
倉瀬睦実:「いないから、大丈夫。していいよ……安心」
倉瀬睦実:「はあぁ……」 ひときわ大きなため息が漏れる。
ゼオ:「いないのは、逆に心配だ。何故いない。17歳なのに……」
ゼオ:「……いや、そうか。基幹世界へやってきて間もないんだったな」
ゼオ:生殖パートナーを失ったがゆえに、さきほどから物憂げなのだろう。そう解釈した。
倉瀬睦実:「余計なお世話だっつーの」 ぺし、と肩に軽くツッコミ。
ゼオ:「少し口調が明るくなったな」
ゼオ:「その方がいい。女子供が笑っていると、空気も明るくなる」
ゼオ:「なるべく笑ってくれ。お前が笑ってくれれば、俺も嬉しい」
倉瀬睦実:「……」 少し、目を丸くする。
倉瀬睦実:「あ、うん……」
倉瀬睦実:弟のようで、やはりゼオは弟じゃない。弟は、こんなことは言わないし。
倉瀬睦実:仮に言ったとしても、気味が悪いだけだったろう。
倉瀬睦実:こんな風に、逃げたくなるような、でも嫌いではないような、言葉で説明できない気分にはならなかったはずだ。
ゼオ:「どうした睦実。今日はことさら、俺を直視して沈黙することが多いように見える」
ゼオ:「俺の変装は、やはり町中に溶け込めてはいないか?」
倉瀬睦実:(……コイツ、誰にでも言うのか? こういうこと) もやもや。
ゼオ:休日を満喫する普通の少年にしか見えないはずだ。それこそ、睦実の弟がしていたような服装。
ゼオ:敵の文化にあわせた変装をして町に忍びこみ、テロ行為を行う。そういった教育も受けているからだ。
倉瀬睦実:「……なんでもないって。ゼオの恰好も、充分フツーだって」
倉瀬睦実:「いいから、ほら。あっち、なんかやってるみたいよ」 人ごみを指さし話題を逸らす。
ゼオ:「気が合うな。俺も気になっていた」
ゼオ:「あの一帯だけ特に人が集まっている。様子を見よう」
ゼオ:反射的に懐に手を当て、愛用のナイフがない事に気づき、やむなく手を離す。
倉瀬睦実:「そうね。テロリストだったら、困るもんね」 調子を合わせるように冗談を言って歩き出す。
ゼオ:「困るな。今は対重火器の備えがない」
助々監督:繁華街の一角、例えばちょっとしたライブを行ったり大道芸のパフォーマンスを行うステージがある。
ゼオ:「あまり俺から離れるな。いざという時に守れなくなる」 睦実の手を握って引き寄せ、ステージの方を見る。
助々監督:そこに奇妙な風体の者がスモークと共に現れ、進み出ていく。
クモ怪人:「ったく……これっぽっちの稼ぎじゃあ首領様に捧げる絶望が全然足りやしねェぜ……!」
倉瀬睦実:「っ……だから、こういうのがさあ……!」 引っ張られてステージの方へ。
クモ怪人:「どこかでちょろまかしてこねェとな……おやァ?」
クモ怪人:観客席を眺め渡す。
ゼオ:「(煙幕。それにしては堂々と現れる)」
クモ怪人:「ケッケッケ、ちょうどいいところにいるじゃねェか、俺様のエサがよ~~!」
倉瀬睦実:「うっわ、趣味悪……」 怪人を見てげんなり。
ゼオ:「(あれはフェイクか。どこかに狙撃手が潜んでいるな)」
子供:「キャー!キャー!」
ゼオ:「!」 子供たちに目をやる。
倉瀬睦実:(子ども向けのショー……ああ、昔、"アイツ"連れて行ったっけ)
クモ怪人:「ヘッヘッヘ、どいつから食ってやろうか……!」
クモ怪人:「お前かァ~!?」
子供:「ヤーン!」
クモ怪人:「それともお前か!!」
ゼオ:「(スナイパーの常套手段だ。弱い者を襲い、出てきた兵士を狙撃する……)」
倉瀬睦実:(見たいテレビあったのに。お父さんもお母さんも仕事だからって、あたしが……)
ゼオ:「……」「…………」
ゼオ:「……睦実」
クモ怪人:「よし、テメーに決めたぜ!ついてこい!」
倉瀬睦実:(デパートの屋上で。日差しが熱くて。帽子被ってても関係なく汗ダラッダラで……)
ゼオ:「睦実」
クモ怪人:子供の一人を引っ張りステージの上へ!
ゼオ:「すまない。愚かな行為だとは思うが、子供を見捨てるわけにはいかない」
倉瀬睦実:「……へ?」
ゼオ:「フォローしろとは言わない。狙撃手の場所を確認したら、すぐに身を隠せ」
ゼオ:「頼んだ」 ――跳躍!
倉瀬睦実:ショーを全然見てなかったので、ゼオが何をしようとしてるのか全然分からない。
倉瀬睦実:「あ、ちょっ……!」
ゼオ:強化兵の身体能力! 常人の三倍以上の脚力で人混みを一気に飛び越え、
ゼオ:無言でクモ怪人の頭部に飛び蹴りを叩き込みます。
クモ怪人:「ハハハハハ!!泣いても叫んでも助けなんて痛っっっつ!!?」
クモ怪人:「っった、え、何!?」
ゼオ:「動くな。動けば殺す」 倒れたところを無言で取り押さえ、チョークしながら自分の盾にするように抱きかかえる。
助々監督:ステージ上では既にヒーロー登場の勇壮な主題歌が流れているぞ!
ゼオ:「行け! ここは俺が抑える、逃げろ!」 子供に言う。
特撮ヒーロー:「やれやれ……悪の組織が拾い食いとは感心しないな。それとも、君たち……」
特撮ヒーロー:「………?」
子供:「???」
クモ怪人:「ヤッバ……頭がガンガンする……ちょ、すいません、曲止めて……ちょっと、すみません」小声
ゼオ:「喋るな。仲間の狙撃手がどこに潜んでいるのか言え」 クモ怪人の小指をギチギチと反対方向へ曲げる。
倉瀬睦実:「ッ……の」 そして壇上に躍り出るもう一つの影。
クモ怪人:「!?」はじめてゼオくんを認識!
クモ怪人:「誰!?痛い!!」
ゼオ:「喋るなといった。必要なことだけを答えろ」
クモ怪人:「痛い!」
倉瀬睦実:「バカっっ!!」 ゼオくんの頭を思いっきりひっぱたく!
ゼオ:「睦実、助かる。フォローを……」
ゼオ:ひっぱたかれる!
ゼオ:「…………?」
ゼオ:「???」 何故ひっぱたかれたのか、さっぱり理解ができない。最適な行動ではなかったが、ベターに近い選択肢だったはずだ!
倉瀬睦実:「勝手にどっか、行くんじゃないっての……!!」 息を切らしながら、腕をつかみ上げる。
倉瀬睦実:飛び出す影に手を伸ばせど、離れていく。その光景が、あの時のフラッシュバックのようで。
子供:「何あれー」
子供:「変なのー」
ゼオ:「待て睦実。こいつは子供を襲っていた。敵だぞ」
ゼオ:「子供もあんなに怯え……」
子供:「ワイワイガヤガヤ」
倉瀬睦実:無我夢中で自分も走り出して、そして、今。
ゼオ:「怯えていないな……」
特撮ヒーロー:「あのー……すいません、いいですか。お客様の御迷惑になりますんで……」
ゼオ:「……」
倉瀬睦実:「何……子ども、襲っ、敵……」 息が整うにつれ、周囲の状況も把握できてくる。
倉瀬睦実:「……」
倉瀬睦実:「…………」
倉瀬睦実:「……嘘でしょ……」 顔を覆って蹲る。
ゼオ:未だに蜘蛛怪人をギチギチとチョークしたままだったが、ようやく離す。
ゼオ:「……睦実」
ゼオ:「すまん」
倉瀬睦実:「うん…‥」 返ってきた声は、消え入りそうな小ささだった。
監督:----
(あとでシーン名を入れる)
監督:【Scene1-4:比良嶋 峻/天野愛愛】
監督:自己紹介をします(能動発言)
比良嶋峻:http://character-sheets.appspot.com/stellar/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY0cGiqQEM
比良嶋峻:比良嶋峻。あやまだ初の男性PCです。
比良嶋峻:唯我独尊、俺様系男子。今までの人生も、気に入らないことは全部どうにかして生きてきました。
比良嶋峻:ステラナイトになったのも、当然の成り行き。なぜなら、ロアテラなぞというクソムカつくやつがいて、
比良嶋峻:世界をぶっ壊したり、そのうえ配下を生み出して何度も侵略しようとしてきたりしているのだから
比良嶋峻:そんな世界で、縮こまって生きてる連中も。ステラナイトに託して手をこまねいている女神とかいうやつも。
比良嶋峻:なにもかも気にくわねェので、俺が世界を丸ごと塗りつぶす。それが願いです。
比良嶋峻:性能を書こうとしてたんですけど書いちゃいけないやつでした。えーっと、白のヒガンバナです!
天野愛愛:そんな!貴方のことがもっと知りたいのに!
比良嶋峻:あ? これで9割9分説明しただろうが。
比良嶋峻:残りは……ハ! テメェのことくらい、テメェで言え、アイラ。
天野愛愛:……はい。仰せのままに。せっかく機会をくださったのだから……
天野愛愛:天野愛愛(あまの・あいら)。DTぜんぜん初じゃないの女性PCです。
天野愛愛:愛情のあいに愛(ラブ)のらで愛愛(あいら)です。育ちが垣間見えますね。
天野愛愛:その育ちの通り、両親は幼いときに離婚。母親とその再婚相手と暮らしていましたが、
天野愛愛:たびたび虐待を受けていました。怪我や火傷は包帯で隠していた。
天野愛愛:しかしシースとして見初められてからは、親元を離れ、ブリンガーである峻様のもとで生活しています。
天野愛愛:今はとっても幸せです!彼のために尽くそうと思います!
天野愛愛:新しい痕もいっぱい増えたけど、これは二人で勝ち取った証なので。昔の傷を全部上書きしてしまって、新しい痕でいっぱいにするの。
天野愛愛:そんなところです!よろしくおねがいします。
監督:はい、ありがとうございました! ぜひともエンブレイスどもを皆殺しにして願いを叶えてくださいね!
比良嶋峻:で、最初のシーンのシチュエーションなんですけど、
比良嶋峻:ここ数日前から今この瞬間までずっと忙しくて、ほとんど考えてないんですよね。
天野愛愛:たいへんだ
比良嶋峻:2シーン目を不穏なやつやりたいので、ここはほのぼの日常ラブコメかな~って感じなんですが
比良嶋峻:アイラちゃん的にはお外で連れて歩くのとかどう?
天野愛愛:3歩後ろをついていきます!
比良嶋峻:じゃあそうだなあ、何しようかなー
比良嶋峻:学校からの帰り、スーパーで夕飯の買い物とかしようか
天野愛愛:はーい
監督:じゃああとは流れで! いくぞー
(あとでシーン名を入れる)
比良嶋峻:鐘の音を背に、人ごみを突っ切り歩く長身の男。
天野愛愛:掻き分けられた人混みの谷を、楚々とついていく色薄の少女。
比良嶋峻:まるで、他の者など眼中にないような。世界の中心は、自分であると言わんばかりに。
比良嶋峻:後ろに続く少女にペースを合わせようなどとは微塵も思わず、迷いなく歩いていく。
天野愛愛:他の人は眼中になく。ただ、世界の中心の背中だけを見つめて。
比良嶋峻:「おい、遅れんなよアイラ」 首のみやや傾けて、一声かける。
天野愛愛:「はい。大丈夫です」置いていかれないように、必死についていく。
天野愛愛:「峻様の、ご迷惑には」
比良嶋峻:「あァ。それでいい。何せ、ここは……」
天野愛愛:大丈夫のはずだ。もともと身体は強くなかったが。ここ最近でずいぶん強くなった。
比良嶋峻:足を止め、見上げる。SoAの校舎から寮までの帰路、その中ほどにある大型スーパー。
比良嶋峻:「——夕方のタイムセール。卵は、おひとり様1パックまでだからな……!」
天野愛愛:「はい。必ずや2人分を確保してみせます」エコバッグを提げた手をぐっと握る。
比良嶋峻:「ああ。それでこそ、俺のシースだ!」 口の端を歪めて笑う。
天野愛愛:「お醤油はどうしましょう。お一人様2本までですが」
天野愛愛:「4本だと多いでしょうか?」
比良嶋峻:「買っとけ。鶏肉もだ。今日の俺は……」
比良嶋峻:「親子丼の気分だからなァ」 獰猛な笑みを浮かべ、おばさまがたでごった返す店内へ。
天野愛愛:三つ葉があったかどうか気にしながら、後に続く。
天野愛愛:みりんも残り少なかったような……
比良嶋峻:混雑する店内においても、峻の歩みは少しも緩まない。
比良嶋峻:ある者はその威容に自ら腰を引き、断固としてどかぬ者であっても、長い手を伸ばして商品を確保。
比良嶋峻:後ろに侍るアイラの提げたカゴに収めていく。
天野愛愛:かごを構えて待って居る。一人で行っても波に押されて何も買えないのだ。
客:「あら、どうしたの?」「押すのよォあっちの人が」
客:「ほら、見てあの包帯……」
客:「ねえ……」
比良嶋峻:「はぐれちゃいねェだろうな、アイラ」 何度目かの人ごみからの帰還。牛乳パックを抑えている。
天野愛愛:「はい。これで、大体揃いました」重みに少しだけ顔をゆがめるが、すぐに持ち直す。
比良嶋峻:「……あ?」 聞こえた声に、首を向ける。
天野愛愛:「? 峻様?」首をかしげる。
比良嶋峻:客の方を一瞥し、フンと鼻を鳴らす。笑みを浮かべ。
客:睨まれた一団はすぐに押し黙る。恐るべき圧力!
比良嶋峻:「なんでもねェよ。オラ、会計いくぞ」 アイラの頭に手を乗せ、わしわしとしながら歩き出す。
天野愛愛:「はい」されるがままになりながら歩き出す。
比良嶋峻:今の客ども。あるいは始めの頃は多かった、校内で交わされた視線。言葉。
比良嶋峻:それらを、殊更止めようとは思わない。否、むしろ。
比良嶋峻:見せつけてやる。アイラ。俺のシース。俺の女を。
比良嶋峻:「……あァ。ポイントカードあったろ。忘れちゃいねェだろうな?」
天野愛愛:「はい……あ」ポイントカードを見つけ、喜色を浮かべる。
天野愛愛:「いっぱい溜まりました。これで500円引きです、峻様」
天野愛愛:繁忙期に適当に押されて最早判別できない、グシャグシャの判の痕を差し出して笑う。
比良嶋峻:「いいじゃねェか」 前時代的な、スタンプで埋まったカードを見て笑う。
比良嶋峻:「こいつも、俺で染まった。ハハ!」
天野愛愛:「……羨ましい。先に全部染まって……」
比良嶋峻:「ハ。情けねェこと言うんじゃねェか、アイラ」 愉快そうに頭上に手を置く。
比良嶋峻:「500円ぽっちじゃ足りねェからな。俺はテメェの」
比良嶋峻:「人生全部、"俺"にするんだ」
天野愛愛:「はい……! 私の身一つは、お一人様に捧げます」
比良嶋峻:「それでいい。そのまま堂々としてろ。俺はな、アイラ」
比良嶋峻:「台所に立つ、ピンと伸びた背中を見るのが好きだからな。……帰るぞ」
天野愛愛:「……! はい」
天野愛愛:それは私だって同じです。ずんずんと進む、峻様の大きく力強い背中が。どうしようもなく好きなんです。
天野愛愛:その背中を追って、私はいつまでも、彼に続きます。
監督:----