21:33:どどんとふ:「篠沢 蒼」がログインしました。
22:01:どどんとふ:「GM」がログインしました。
22:03:どどんとふ:「GM」がログインしました。
22:05:GM:■Ending06 - 芙蓉堂太一
22:05:GM:※合同含めてこれが6個目なので、あとで番号修正する※
22:05:GM:ということで、芙蓉堂くんのEDです。
22:06:GM:シチュエーションの希望などはありますか?
22:06:芙蓉堂太一:夏川さんに会いに行く!
22:06:GM:なければ、ハンセイボウ・マウンテンに入れられた夏川ミナとお話する感じになります。
22:06:GM:オッケー!
22:06:芙蓉堂太一:それで!
22:06:GM:----
22:07:GM:アカデミアには生徒たちが普段生活する学舎以外にも、様々な建物がある。
22:07:GM:たとえば、大音量でのバンド活動にも耐える芸能活動棟。
22:07:GM:Rファイト会場などを要する多目的運動棟。
22:08:GM:そして、凶悪犯罪者を収容する地下牢獄などを備えた絶対隔離棟などだ。
22:08:GM:その隔離棟の1F。奥まった廊下の更に先。
22:09:GM:処分待ちの生徒が入れられる部屋がある。それがこの反省・懲罰室だ。
22:10:GM:あたりには『ハンセイボウ』『更生か死か』などの威圧的なショドーが並び、生徒を威圧する……
22:10:夏川ミナ:そこに、ただ一人で佇んでいる。
22:11:夏川ミナ:身じろぎせず、パイプ椅子に座っている。報告書のたぐいは既に提出済みだ。
22:11:夏川ミナ:風紀委員会への自首。拘束。そして隔離。
22:11:夏川ミナ:これまで仕事としてやってきたことを、まさか自分が受けるとは思わなかった。
22:12:GM:反省室には窓がある。窓を開ける事もできるだろう。
22:13:GM:処刑用レーザーガンを備えた高い城壁もあるが、オーヴァードがその気になれば脱出も不可能ではない。
22:13:GM:だがそこまでだ。逃げたところで、どうするわけでもない。
22:13:夏川ミナ:(……それに、逃げるつもりもありません)
22:13:夏川ミナ:(道を間違えた者は、裁かれなければいけないのだから)
22:15:芙蓉堂太一:では、そこにコツコツと足音がゆっくり近づいてくる。
22:15:芙蓉堂太一:やがて足音は反省室の前で止まり、硬い扉を叩く音がする。
22:15:夏川ミナ:反射的に《ウサギの耳》で集音してしまい、思わず苦笑いする。
22:16:夏川ミナ:犯罪者の自分が、チルドレンや風紀委員のマネごとをするなど。
22:16:夏川ミナ:「なんですか。言っておきますが、面会は不可能ですよ」
22:16:夏川ミナ:「そういう命令が出ています。…………私も、誰とも会いたくありません」
22:16:夏川ミナ:「会える気がしません」
22:17:芙蓉堂太一:「……」ドアの向こうで何か小さく声がする。そして。
22:17:鳥:『面会はできなくても、話すだけならいけるかな?』
22:18:鳥:するり、とドアの隙間から透明の小鳥が飛び出してくる。
22:18:夏川ミナ:「!」
22:18:夏川ミナ:「えっ、気持ち悪い」
22:18:夏川ミナ:「この鳥、こんなこともできたんですか」
22:18:鳥:『どうも、情報屋です。押し売りに来ました』
22:18:どどんとふ:「エリス・トリオン」がログインしました。
22:18:鳥:『気持ち悪い言うなよー。がんばったんだからさー』
22:18:鳥:声は芙蓉堂太一のものだ。
22:19:鳥:『コネを駆使してここに潜り込んだし』
22:19:夏川ミナ:「意外ですね。ここに潜り込むのは、だいぶリスクが高いです」
22:20:夏川ミナ:「あなたがそんな危険を犯すとは思えませんでした」
22:20:鳥:『三分の一で死ぬよりはマシなリスクでしょ』
22:20:夏川ミナ:「……」
22:21:夏川ミナ:仮面をかぶっていた時の自分を思い出し、押し黙る。
22:21:夏川ミナ:「何の用ですか」
22:21:夏川ミナ:「情報はすべて風紀委員会に報告しました。スクープになるようなネタは、そちらから拾ったほうが早いと思います」
22:22:鳥:『うん。買いつけに来たわけじゃない。逆』
22:22:鳥:『言ったじゃん。押し売りってさ』
22:22:夏川ミナ:「聞くだけ、聞こうと思います」
22:23:鳥:『やったねー』鳥はパタパタと飛び回る。
22:23:夏川ミナ:「この後悔と自己嫌悪を消せる情報をあなたが持っていることに期待して、です」 はあとため息とつく。
22:24:鳥:『うーん、どうかねえ。メンタルケアに来たわけじゃないし。僕の自分勝手』
22:24:鳥:『今回の件の最初に、君と僕の昔の話をしただろ。あれ、誤解受けてるかなあって思って。訂正をしたかったんだ』
22:24:夏川ミナ:「ああ」
22:24:夏川ミナ:「弟さんの話ですね」
22:24:夏川ミナ:「たしかに押し売りです。それは」
22:25:鳥:『そうそう。険悪になってるんじゃないかとか言われたね』
22:25:鳥:『あれはね、そんなことはない。家族からはわりとよく連絡が来る』
22:26:鳥:『弟もね、元気だよ。元気にしてる。……僕のことなんて特に恨んでないみたいだ』
22:26:鳥:『……BGM代わりと思って、聞いてほしい』
22:28:夏川ミナ:入室時に渡されたペットボトルの水を弄びながら耳を傾ける。
22:28:夏川ミナ:水には口をつけていない。軽食としてビスケットも渡されたが、そちらも手付かず
22:28:鳥:『知っての通り、僕には双子の弟がいる。サッカーが好きな元気な奴だった。僕は気が弱かったからよくいじめられて、庇ってもらってたな』
22:29:鳥:『ある日僕らは、いじめっ子のグループに追いかけられて公園のジャングルジムの上に追い詰められた。風が強い日だった』
22:29:鳥:『あんまりちゃんとは覚えてないけど、そこで僕は覚醒して、その場の全員を突風で吹っ飛ばした。横の弟も一緒にね』
22:30:鳥:『他の子たちは軽傷で済んだけど、弟は全身を打って昏睡して、最悪寝たきりになるかもって言われた』
22:30:夏川ミナ:「そうですね。真面目なインドア派は、幼少時はいじめられやすい傾向にあります」
22:30:夏川ミナ:「いい弟さんだったのでしょうね」
22:31:鳥:『うん。仲が良かったよ。……だからきつかった』
22:31:夏川ミナ:「……」 後半も、オーヴァードへの覚醒時には珍しくないことだ。
22:31:鳥:『UGNの対処は早くて、事故として処理された。家族には僕のせいだとばれてない』
22:31:鳥:『弟も結局最悪の事態にはならなくて、元気に日常生活を送れるようになったから、むしろ回復を喜んでた』
22:32:鳥:『……脚を痛めて、二度とサッカーはできなくなったけどね』
22:32:鳥:『まあ、わりとありがちなやつ。むしろかるーい方だよね』
22:33:鳥:『家で僕だけが事実を知ってた。で、一番きつかったのは誰も僕を責めなかったことだ』
22:33:鳥:『だから僕はめちゃくちゃ調子を崩して、家族と離れてアカデミアに来なきゃいけなかったし……』
22:33:鳥:『自分で自分に罰を与えないといけなかった』
22:34:夏川ミナ:「……なんだ」 少しがっかりしたようにため息をつく。
22:34:夏川ミナ:「がっかりです。私はてっきり、真相を話した上で弟さんがあなたを許したのかと思っていました」
22:35:夏川ミナ:「真相は結局、知らないのですね。それでは弟さんもご家族も、あなたを責めようがないではないですか」
22:35:鳥:『そうだよ。だから言ったじゃん。自分で自分を罰したって』
22:36:鳥:『最初は電話帳。次は時刻表。こっちに来てからは、学生名簿と顔写真』
22:36:夏川ミナ:「ご実家に真実を暴露する怪文書を送りつけてから、今回の事件を起こすべきだったかもしれませんね」
22:36:夏川ミナ:「それならあなたも勧誘に乗ってくれたかも」
22:36:鳥:『ひどいこと言うなあ』
22:37:鳥:『まあ、弟はサッカーを奪われたんだから、できるだけ無意味で苦痛なことばっかりしないといけない、と思ってた』
22:37:鳥:『全部覚えようとしたんだ。辛かったよ』
22:37:夏川ミナ:「…………ああ」
22:38:鳥:『僕、最初は別に好きじゃなかったんだよね、データとか』
22:38:夏川ミナ:「ずっと疑問でした。ノイマンシンドロームでもないただの一般人が、どうして情報屋を名乗れるほどの知識を持っているのかと」
22:38:夏川ミナ:「そういうことでしたか」
22:38:鳥:『そう。まあ、でもそのうち楽しくなってきちゃったから、そのままにした』
22:39:鳥:『アカデミア、好きになっちゃったからね』
22:39:夏川ミナ:「それはわかります」
22:39:夏川ミナ:「楽しいところです。とても好きです」
22:40:鳥:『だろー?』
22:40:鳥:『『で、今では立派な情報屋。弟も元気で、勉強頑張って医者を目指してる、というところ』
22:40:夏川ミナ:「なるほど」
22:41:鳥:『僕がやり直したくないのはさ。もし最悪の事態が起こったら怖いからなんだ』
22:41:夏川ミナ:「びっくりです。本当に、掛け値なしに、ただの押し売りでしたね」
22:41:夏川ミナ:「……最悪の事態」
22:41:鳥:『コスい情報屋ですからね』
22:41:鳥:『もしやり直してもっとひどい事態になったら?』
22:41:鳥:『弟が二度と目を覚まさなかったら?』
22:42:鳥:『僕はあれ以上に何をすればいい?』
22:45:夏川ミナ:「たしかに。全く同じ未来が手に入るとは限りませんからね」
22:45:夏川ミナ:「やり直すメリットよりも、デメリットのほうが大きい。そういうことだったんですね」
22:46:鳥:『そうそう。反省室に潜り込むリスクどころじゃないよね』
22:46:鳥:『だから君は強いと思うよ』
22:46:夏川ミナ:「……強い?」
22:47:夏川ミナ:「なぜ今の流れで、私が強い事になるのですか」
22:47:夏川ミナ:「安易に”ありえたかもしれない可能性”逃げるのは、弱さの証明ではないでしょうか」
22:48:鳥:『リスクを恐れずに飛び込もうとしたとこだね』
22:48:鳥:『僕にはとてもできない。嫌味じゃなくてだ。止めたいから止めたけど、君の行動力はすごいと思ってるよ』
22:49:鳥:『もうひとつ、話したいことがある』
22:49:夏川ミナ:「行動力なんて」
22:49:夏川ミナ:「結局、何の役にも……」
22:49:夏川ミナ:「……」 黙り込んで、また耳を傾ける。
22:49:鳥:『戦争の時の話だ。クラインの話』
22:50:鳥:『さっき、最悪の事態になったらって言ったね。あの時もそういう可能性はいくらでもあったと思う』
22:50:鳥:『完全に後出しだけど、いろいろと考えてみた』
22:51:鳥:『例えばさ。「クラインを止めることに成功しても、UGN内で僕らが信じてもらえなかったら」?』
22:51:鳥:『クラインは仮面を被ってなかったけど、ジャーム化してもいないオーヴァードだ』
22:52:鳥:『しかも学長で評議員。人脈も太いし情報も操作してた。もちろん君の関係者は動いたろうけど、結構危ない橋だったんじゃない?』
22:53:夏川ミナ:「それでも私は、そのケースは最悪ではないと思います」
22:53:夏川ミナ:「本当に最悪なのは、学園島がなくなってしまうことですから」
22:53:夏川ミナ:「もし私たちが追放されても。最悪死んだとしても、島は生き残る」
22:53:夏川ミナ:「それはきっと、良いことだと思います」
22:53:夏川ミナ:「今回もそうでした。私が3割の確率で死んだとしても、島は残る」
22:54:夏川ミナ:「最悪のケースにはならないはずだ。そう私は判断していました」
22:54:鳥:『それは君の基準だし、さっきのケースでも最悪は起こり得た』
22:55:鳥:『だからさっきの話だよ。「やり直してまた最悪になったら」』
22:56:鳥:『今島は消えてる?』
22:56:夏川ミナ:「ありますね。私の幻覚などでなければ」
22:57:鳥:『そうだろ。最善ではなくても最悪ではなかった。別に良しとしろとは言わないけどさ』
22:58:鳥:『最悪を避けられた理由、僕の見ていた範囲ではふたつ考えつく』
22:58:鳥:『ひとつ。エリスくんが提案した嘆願書』ティエラ王国へ送られたものだ。
22:58:鳥:『もうひとつは、正規チルドレンである君がとっさの判断と行動力でクラインを助けたこと』
22:59:夏川ミナ:「…………」
22:59:夏川ミナ:「ですから、それは間違った判断だったと…………」
22:59:鳥:『首謀者の自供ほど重要な情報はない』
22:59:鳥:『彼があそこで死んでいたら、どうつながったかわからない、と僕は思う』
23:00:鳥:『君のやったことは正解ではないのかもしれないけど、間違っていたとも思わない』
23:00:鳥:『僕はこないだからそう言ってるだろ』
23:01:夏川ミナ:「……っ」
23:01:鳥:『物事は白黒だけじゃないよ。パンダじゃねえんだからさ』
23:03:鳥:『僕はポリシーとかないから、ああいう時君みたいにパッと動けない』
23:03:鳥:『だから、まあ、こう言わなきゃなって思ってた』
23:04:鳥:『「僕の好きなアカデミアを助けてくれてありがとう」。「ひとりで背負い込ませてごめん」』
23:04:夏川ミナ:「………………」
23:05:夏川ミナ:「言いたいことが……あります」
23:05:鳥:『なんだい』
23:05:夏川ミナ:「10秒待ってください」
23:05:鳥:『文法が三回マスターできちゃうな』
23:05:GM:震えた声でそういったきり、反応が途絶える。
23:06:夏川ミナ:「————っ、はぁ」
23:07:夏川ミナ:「まだ、そこにいますか。芙蓉堂太一」 結局、たっぷり1分近くは待たせた。
23:07:鳥:『いるよー』のん気な声。
23:07:芙蓉堂太一:「こっちの方がいいかな」ドアの外から声がする。
23:08:GM:ミナの声色は元に戻っている。感情をギリギリまで押し殺した震えた声ではない、本来の声。
23:08:夏川ミナ:「……」 赤くなった目元を拭い、ドアの近くに歩いていく。
23:08:夏川ミナ:そして、ドアにもたれかかるようにして体重を預ける。
23:09:夏川ミナ:「まずひとつ」
23:09:夏川ミナ:「クラインを助けた事について、肯定的な意見をもらったのは」
23:09:夏川ミナ:「先程のあなたの言葉がはじめてです」
23:09:夏川ミナ:「ありがとうございます」
23:09:芙蓉堂太一:「あれ、そうだったの?」
23:09:芙蓉堂太一:ドア越しに声が続く。
23:10:芙蓉堂太一:「なんだ、そんなことは知ってるって言われたらどうしようかと思ってたよ」
23:11:夏川ミナ:「はじめてです」
23:11:夏川ミナ:「誰も、なにも、言ってくれませんでした」
23:11:芙蓉堂太一:「それは貴重なポジションだ」
23:12:夏川ミナ:目元をぬぐう。 「でも、芙蓉堂太一」
23:12:夏川ミナ:「"君のやったことは正解ではないのかもしれないけど、間違っていたとも思わない"」
23:12:夏川ミナ:「あそこは嘘でもいいので、私は間違ってなかったと断言してほしかったですね」
23:12:夏川ミナ:「そういうところですよ」
23:12:芙蓉堂太一:「そこかー」
23:13:芙蓉堂太一:「僕正確じゃない情報嫌いなんだよね」
23:13:夏川ミナ:「そういうところですよ」
23:13:夏川ミナ:指を伸ばし、鳥を軽くつつく。
23:13:芙蓉堂太一:「だって正解が何かなんて僕にもわかんないしさ」
23:14:夏川ミナ:「じゃあ、これも聞いても無駄でしょうか」
23:14:芙蓉堂太一:「ん?」
23:14:夏川ミナ:「私は……」
23:14:夏川ミナ:「……これから、どうすればいいのでしょう」
23:14:芙蓉堂太一:「……そうだなあ」
23:15:夏川ミナ:「風紀をやめる。UGNをやめる。島を出ていく」
23:15:夏川ミナ:「どれが正しい選択なのか、わかりません」
23:15:夏川ミナ:「助けてください」
23:15:芙蓉堂太一:「そういう重いやつを持ってくるか」
23:15:夏川ミナ:「どうすればいいんですか」
23:16:芙蓉堂太一:「三択なの?」
23:17:芙蓉堂太一:「『その他』はなしかな」
23:17:夏川ミナ:「……いえ。私が考えたのがその三つというだけです」
23:17:芙蓉堂太一:「なるほど。じゃあ、そうだなあ」
23:18:芙蓉堂太一:「いろんな人と話しな。僕も考えるけど、なるたけいろんな人とだ」
23:18:芙蓉堂太一:「中条くんもデータを集めろって言ってたじゃん。母数が増えればいい答えも見つかるかもよ」
23:19:夏川ミナ:「そんな……」
23:19:夏川ミナ:「こんな事件を起こした私に、話してくれる人なんて」
23:19:夏川ミナ:「蒼ちゃんともほとんど話せませんでした」
23:19:芙蓉堂太一:「君はバカか」
23:20:芙蓉堂太一:「いくらでもいるっての。これまで何を見てきたんだよ。信じられないね!」
23:20:夏川ミナ:「図書委員の方にも、鉄叫番長の話にも、真摯な態度を取れなくて……」
23:20:芙蓉堂太一:「だから!」
23:20:芙蓉堂太一:「じゃあ『やり直せ』よ。これから」
23:21:芙蓉堂太一:「ゲートよりはよっぽどリスクが少ないよ。アカデミアはまだあって、みんないるんだから」
23:22:芙蓉堂太一:「やりにくけりゃ僕が渡りをつけたっていいんだよ」
23:23:芙蓉堂太一:「あー、そうだー。さっきの情報の対価を設定してなかったなー」
23:23:夏川ミナ:「やり直せるんでしょうか」
23:23:芙蓉堂太一:「『気が向いたら話したい人とクリームソーダでも一緒に飲むこと』にでもしようか」
23:24:夏川ミナ:「……弟さんの? 情報の?」
23:24:夏川ミナ:「勝手に話して対価を要求するのは、押し売りでは?」
23:24:芙蓉堂太一:「押し売りに来たって言ったじゃん」
23:24:夏川ミナ:「押し売りでした」
23:25:芙蓉堂太一:「やり直せると思うけどね、僕は。君の行動力をもってすれば」
23:25:芙蓉堂太一:「とりあえずさ、あれだ。あの脚のクソ長い彼氏とかと話してあげるといいよ」
23:25:夏川ミナ:「正直、さきほどの肯定で上がったあなたの好感度が下がりつつありますが」
23:25:夏川ミナ:「……そうですね」
23:26:夏川ミナ:「クリームソーダを飲んだり、迅と話すのは、悪くない案です」
23:26:芙蓉堂太一:「まああんまり上がってても気味がわるいし……」
23:26:芙蓉堂太一:「だろ」ドアにもたれたまま。
23:26:夏川ミナ:「それはそれで、女性としてのプライドが傷つくのですが……」
23:27:夏川ミナ:「私の処分がどうなるか、わかりません。でも」
23:27:夏川ミナ:「迅の次に、あなたや篠沢蒼とお話したいです」
23:27:夏川ミナ:「クリームソーダをおごらせていただきます」
23:28:芙蓉堂太一:「うん。まあ、僕の時間はわりと高いけど……おごられてあげよう」
23:28:芙蓉堂太一:「友達だからね」
23:28:夏川ミナ:「あと……よければ、図書委員の方と、鉄叫番長も呼んでいただけると、助かります」
23:28:夏川ミナ:「ひどいことを言ってしまったので……」
23:28:夏川ミナ:「エリス・トリオンは別にいいです」 ふん、と鼻を鳴らす。
23:29:芙蓉堂太一:「それを自覚してりゃ十分でしょ」
23:29:芙蓉堂太一:「エリスくんもねえー、僕はわりと感謝してるんだけど」主に嘆願書の件だ。
23:30:夏川ミナ:「ふん」 鼻を鳴らす。
23:30:夏川ミナ:「滝さんも、なんであんな人と仲良くされているのか……」
23:31:芙蓉堂太一:くすくすとドアの向こうから笑い声がする。
23:32:芙蓉堂太一:「じゃ、僕はそろそろ行こうかな。夏川さんも調子戻ってきたみたいだし」
23:33:夏川ミナ:「だいたい、あの人は勝手すぎるのです。ギフテッドギフテッドと、私の名前を呼んでくれたことがろくにありませんし」
23:33:夏川ミナ:「きっと今だって、生徒会室で”オレは言いてェ事は言った。謝る気なんてねェ”とか言っているに決まっています」
23:34:夏川ミナ:「うう……そんな相手にすら、負けてしまって……うぅー……」
23:34:芙蓉堂太一:「結構モノマネ上手いね」
23:34:芙蓉堂太一:「そしたら、次は『ワーテルロー』ででも会おうか。みんな連れてくるし」
23:35:夏川ミナ:「はい。お願いします」
23:35:夏川ミナ:「エリス・トリオンは別にいいです」
23:35:夏川ミナ:「いいですからね。呼ばなくて」
23:35:芙蓉堂太一:「了解了解」吹き出しかけている。
23:35:夏川ミナ:「なにがおかしいのですか」
23:36:芙蓉堂太一:「べっつにー。こだわるなあーとか思ってないよー」
23:36:GM:芙蓉堂くんのスマホにメッセージが届く。
23:37:“ミセス・ピーピング・トム”諸星愛海:『もうムリ。これ以上誤魔化すのはマジムリ』『早く出てきて!』
23:37:芙蓉堂太一:「……おっと」
23:37:“ミセス・ピーピング・トム”諸星愛海:たすけて と号泣する猫のスタンプつき。
23:38:芙蓉堂太一:「先輩にも苦労をかけちゃったなあ。じゃあ帰るね」『ごめんね』のスタンプを返す。
23:39:夏川ミナ:「はい」
23:39:芙蓉堂太一:「僕は結構これで忙しくてさ。三秒で文法をマスターしなきゃならないので」ドアに背を向ける。
23:39:GM:夏川も、特にそれ以上何も言わない。君は歩き去ることができるだろう。
23:40:GM:《知覚》で判定してください。難易度は15。
23:40:GM:ただし、《蝙蝠の耳》を使うなら難易度は3です。
23:40:芙蓉堂太一:使用します!
23:40:芙蓉堂太一:4dx+1=>3
DoubleCross : (4R10+1[10]>=3) → 9[2,2,6,9]+1 → 10 → 成功
23:41: :『————芙蓉堂太一』
23:41: :『ありがとう』
23:41:GM:聞こえるのはそれのみ。
23:42:芙蓉堂太一:「……」口の端を微かにほころばせる。
23:42:芙蓉堂太一:そうして、そのまま廊下を歩き去っていく。
23:43:芙蓉堂太一:部屋に残された鳥も、空気に溶けて消えるだろう。
23:44:鳥:『どういたしまして』
23:44:芙蓉堂太一:その一言を残して。
23:46:GM:----
23:46:GM:————”クロノスゲート”事件。
23:46:GM:あるいは、”悪魔の仮面事件”。あるいは”ヘミニス事件”。
23:47:GM:学園抗争が残した傷跡は大きく、誰もがさまざまな後悔を抱えている。
23:48:GM:それでもなお、学園島はあらゆる存在を受け入れる。オーヴァードも一般人も別け隔てなく。
23:49:GM:矛盾すら受け入れる島。全員が答えの違う問いに頭を抱えてはじめて存在を維持できる、この上なく”雑”な島。
23:49:GM:そう、ここは学園都市。学生たちのユートピア。
23:49:GM:後悔も争いも。恋も学びも、思うままだ。
23:50:GM:
23:50:GM:ダブルクロスThe 3rd Edition『消えぬ後悔、復讐のクロノス』
23:50:GM:——END
23:50:GM:-------------------------------------------------
23:55:GM:■PC
23:56:GM:
PC1 : "鉄叫番長"中条総悟 (中村)
PC2 : "ステージ・デュナミス"篠沢蒼 (それじゃない方のヒロ)
PC3 : "ア・リトル・バード"芙蓉堂太一 (さささ)
PC4 : "スロウ・スロウ"東雲徹 (銀河)
PC5 : "ジラクジギル"エリス・トリオン (アスハル)
23:56:GM:
■NPC
23:56:GM:
"ヘミニス" / "ジェミニ-5th"夏川ミナ
"クロノス" / "魔王番長"田中智子
"クリペウス" / "イティメノス"二階堂燈馬
23:58:GM:
■PCNPC
・"サード"サード・ライブラリ
・"フォース"フォース=ライブラリ (米ット)
・"トラクトリックス"滝瑞果 (珪素)
・"カガミクリゲ"山縣亜鷺 (DT)
・"Gコール"フブキ・マルヤマ (ぺんさん)
23:59:GM:
————END
00:00:どどんとふ:「GM」がログインしました。
00:22:どどんとふ:「篠沢 蒼」がログインしました。
00:33:どどんとふ:「中条総悟」がログアウトしました。
20:57:どどんとふ:「篠沢 蒼」がログインしました。
21:01:どどんとふ:「GM」がログインしました。
21:06:GM:■EX-Ending01 - 平賀迅
21:07:GM:今回の事件の首謀者。"ジェミニ-5th"夏川ミナに下された処罰は、(少なくとも本人にとっては)驚くほど軽いものだった。
21:08:GM:負傷者は風紀委員六名のみ。仮面の力で後悔を煽られ連れ去られた生徒たちも無傷。
21:08:GM:犯人自らによる出頭、過去の事件での功績――などなど。
21:09:GM:そもそも、アカデミアを滅ぼそうとした仮面生徒ですら普通に在籍し続けられるのがこのアカデミアだ。
21:09:GM:エリス・トリオンの言う通り。限りなく雑で、多様性に満ちた学園島……。
21:09:GM:そんな学園島の一角。
21:10:GM:UGN在籍者にだけ与えられる、他とは異なる専用寮――『デュランダル寮』。
21:10:GM:カーテンをしめきった一室で、膝を抱えている少女がいる。
21:11:夏川ミナ:「……馬鹿なことをしてしまいました」
21:11:夏川ミナ:「明日から、皆さんに合わせる顔が……」
21:12:平賀迅:コンコン、と
21:12:平賀迅:カーテンで閉め切られた窓ガラスを、外側から叩く音がする
21:13:夏川ミナ:「!」 咄嗟に腰の"ジェミニ"に手を伸ばそうとし、
21:13:夏川ミナ:ロッカールームに預けていることを思い出す。仮面をかぶった後、最初にやったことだ。
21:13:夏川ミナ:ゾディアックウェポンはUGNの象徴。仮面の怪人が使っていい武器ではない。
21:13:夏川ミナ:コン、コン。 「どなたですか」
21:13:夏川ミナ:カーテンを開けずに問いかける。
21:14:平賀迅:「……」 少し躊躇するような間、そして咳払い
21:15:GM:デュランダル寮の下層階はUGN関連の複合施設だ。11Fより上が寮で、ここは19F。そうそう入ってこれる場所ではない。
21:14:平賀迅:「……通りすがりのクレープ屋だ」
21:15:平賀迅:「クレープを食べたいという気持ちを察知し……やってきた」
21:15:平賀迅:「いや、クレープ屋というより、『クレープ一緒に食べ屋』とでも言うべきか……」
21:15:夏川ミナ:「…………」 カーテンをしめたままのガラスに両手をつき、うなだれる。
21:16:夏川ミナ:「迅……」
21:16:夏川ミナ:「クレープは、食べたいです。あなたとも、いっぱい話したいです」
21:16:夏川ミナ:「でも、今の私は……どんな顔をして、あなたに会えばいいか……」
21:17:夏川ミナ:「かえってください。きっと今の私には、あなたと話す資格がありません」
21:17:平賀迅:「君がそう思うなら、顔を合わせなくても良い。ひとまず窓を開けて、こいつだけでも受け取ってくれ」
21:18:夏川ミナ:「……」 カーテンの隙間に手をのばし、そろそろと窓をあける。
21:18:平賀迅:「バナナチョコレートとストロベリーだ。気分な方を渡そう」
21:19:夏川ミナ:「…………なつかしい」
21:19:夏川ミナ:「以前、いつだったか。あれはたしか、ドゥームズデイの時でしたね」
21:19:夏川ミナ:「あなたといっしょに食べたのを覚えています」
21:19:平賀迅:「……そうだな」
21:20:夏川ミナ:「せっかくクレープ屋さんが持ってきてくれたのです。食べなければ、クレープにも失礼ですね」
21:20:夏川ミナ:「バナナ……」「いえ、ストロベリー……」
21:21:平賀迅:「……」 少し待ち
21:21:平賀迅:「……今日の私はどちらかと言うとストロベリーの気分だな」
21:21:夏川ミナ:「めずらしい。いつも脇目も振らずバナナを頼むのに」
21:21:夏川ミナ:「でしたら、私がバナナをいただきます」
21:22:夏川ミナ:そう言って、窓の外に手を伸ばす。
21:22:平賀迅:「そういう日もある」 バナナチョコレートのクレープを差し出す
21:23:夏川ミナ:「はい。人間には気分というものが存在しますから」
21:23:夏川ミナ:差し出されたバナナチョコレートを受け取る。
21:24:平賀迅:ミナの手がクレープを受け取ったらば、そのままその手首を掴む
21:24:夏川ミナ:「迅」
21:24:夏川ミナ:「ご…………うわっ」
21:24:平賀迅:部屋の外、室外機に座っていた平賀が、器用にその場で立ち上がる 「良いことを教えてやろう。ミナ。確かに私はあの日、クレープを食べたかったが」
21:25:平賀迅:「正確を期すなら、君と食べたかったのだし、君かクレープか、どちらが主目的だったかと言えば、まあ君だ」
21:25:夏川ミナ:「…………」「…………?」
21:25:平賀迅:「今日も変わらん」
21:25:夏川ミナ:「そうだったのですか?」
21:25:夏川ミナ:「"どうしてもクレープが食べたいが、男子一人だと人目が気になるから付き合ってくれ"とラインを送られた気がするのですが……」
21:26:夏川ミナ:「そうだったのですか。……前回も、今回も?」
21:26:平賀迅:「そうだったかもしれないな。だがそれもただの口実だ」
21:26:平賀迅:手首を掴んでいた手で窓枠を掴み、そのまま身体を持ち上げ、開かれた隙間に足を、身体をねじ込み
21:27:平賀迅:「……今日も同じだ」 窓へ強引に膝立ちするような恰好で、ミナを見る
21:27:夏川ミナ:「あ、おわ」
21:27:夏川ミナ:右腕は掴まれ、左手にはクレープ。止めることもできずにそれを見る。
21:28:夏川ミナ:そして、クレープを持った左腕で顔を隠します。「だ、だめです」
21:28:夏川ミナ:「合わせる顔が……あなたになんと謝れば……」
21:29:平賀迅:構わずその場で靴を脱ぎ、靴だけを窓枠に置いて、そのまま室内へ
21:30:平賀迅:「ミナ」 顔を隠す左腕をそっと撫でる
21:30:夏川ミナ:「……うう」 俯いて顔を隠そうとする。はじめて、他人との会話が恐ろしいと思っている。
21:31:平賀迅:「……それだとクレープも食べられん。どうしても私に顔を見せてくないと強情を張るなら……まあ何だ」
21:31:平賀迅:そのまま頭を撫で 「私は部屋の角の方を向いていよう、それなら良いか?」
21:31:平賀迅:「主目的は君に会うことだが、クレープも食べたい」
21:31:夏川ミナ:学園抗争のあとのあの会話と同じだ。キラキラとした学園島で、これ以上失望の言葉を投げかけられたら……
21:32:夏川ミナ:「わ、かり、ました」
21:32:夏川ミナ:「背中合わせに座りましょう。それなら声も届きますし、クレープも食べられます」
21:33:夏川ミナ:震える手でクレープを確保しながら、ぎくしゃくと体育座りする。
21:33:平賀迅:「良かった。それで」 ミナの背に背を合わせ、あぐらをかく
21:33:平賀迅:そしてそのまま、ストロベリーのクレープを口に 「……ふむ。酸味はあるが、思ったよりも甘いな」
21:34:夏川ミナ:何を話しても不正解な気がして、黙々とバナナチョコクレープをかじる。
21:34:夏川ミナ:「ストロベリーですから」
21:35:夏川ミナ:「ストロベリーの酸味と調和するように、他よりもちょっと甘くされているそうです」
21:35:夏川ミナ:「……バナナは逆に、酸味が足りなくて物足りないですね」
21:36:平賀迅:「フフ、そうか? バナナの濃厚な甘みに、チョコレートの苦味ある甘みはが合わさって、なかなか濃厚だろう」
21:36:平賀迅:「砕いたナッツの食感も良い。厚みと変化のある甘さを楽しむフレーバーだ」
21:36:平賀迅:「……交換するか?」
21:37:夏川ミナ:「はい。塩キャラメルと同じ理屈で、苦味と甘みという相反する要素が……」
21:37:夏川ミナ:「し、ます」 つっかえつつ即答する。
21:37:平賀迅:半分ほど食べられたクレープをミナの方へ
21:37:夏川ミナ:震える手を伸ばし、食べかけのバナナチョコクレープを差し出す。まだたいして減っていない。
21:38:平賀迅:受け取り、食べる 「……うむ。やはりこちらが普段の味だ。ストロベリーも美味いが……」
21:39:夏川ミナ:「はい。やはり、心の赴くままに好きなものを食べるのが一番だと感じます」
21:39:夏川ミナ:「だいぶ量が減っていることだけが不満といえば不満ですが……」 ちまちまとストロベリークレープをかじる。
21:39:平賀迅:「うん。とはいえ、たまに気紛れを起こして別の味を食べれば、発見もあるというもの」
21:40:夏川ミナ:「そう、でしょうか」
21:40:夏川ミナ:「悪い思い出になったりしませんか」
21:40:平賀迅:「君と一緒なら、それはそれで味わいある思い出だ」
21:41:平賀迅:「……普段と違う味はどうだった?」
21:41:夏川ミナ:「ふ」「複雑……でした……」
21:42:夏川ミナ:「これまで我慢していた欲求をぶちまける快感。風紀やUGNという縛りから解き放たれた開放感」
21:42:夏川ミナ:「仮面の力で他人を蹂躙する心地よさ。学園に混乱を招くことの楽しさ
21:42:夏川ミナ:「……それと」
21:42:平賀迅:「ああ」
21:42:夏川ミナ:「……わ、私を信じて、仲良くしてくれた人を……裏切ったことへの、後悔と……自己嫌悪……」
21:43:夏川ミナ:「嫌われるかもしれないという恐怖、が……今は、いっぱいで……」
21:43:夏川ミナ:「うっ、うう……」
21:44:夏川ミナ:もうクレープには手をつけていない。必死に目元を拭い、顔を上に向け、涙を抑える。
21:44:平賀迅:「……ミナ」
21:45:夏川ミナ:「ううう……!」
21:45:平賀迅:「君の犯した過ちは大きなものだろう。その罪は消えない。きっと君の後悔も消えない。後悔のために後悔を重ねた君は、それを抱えて生きていく必要がある」
21:46:平賀迅:「……私にそれを代わってやることはできない。今君が感じている苦しみは、君がいつまでも相対しなければいけないことだ」
21:46:夏川ミナ:無言で頷く。それはきっと、これまで戦ってきた仮面の生徒全員が背負っている事だ。
21:47:平賀迅:「……もし時間を巻き戻して、やり直せるとしたら」
21:47:平賀迅:「やり直したいか? 今回のことを、初めから、なかったことにするために」
21:48:夏川ミナ:「!」
21:49:夏川ミナ:しばし考えてから口を開く。「わかり、ません」
21:49:夏川ミナ:「やり直したい気持ちもあります。同じことをするのは、今回事件を止めてくれた皆さんへの裏切りになるのではという気持ちもあります」
21:50:夏川ミナ:「な、なによりも」
21:50:夏川ミナ:「気づいたんです。やり直したとして、100%同じ未来がやってくるわけではない」
21:50:平賀迅:「……ああ。そうだな」
21:51:夏川ミナ:「やり直して、より最悪な結末になったら……こうして、あなたとクレープを食べる未来は、手に入らないかもしれない……」
21:51:夏川ミナ:「やり直し、ません。きっと」
21:52:平賀迅:「……フ……」 笑うような、ため息を吐いたような音を唇から漏らす。クレープを傍らのサイドボードに置く
21:53:平賀迅:「私は、やり直しても良いと思うがね」
21:53:夏川ミナ:「え」
21:53:夏川ミナ:思わず背後を向く。
21:53:夏川ミナ:「な」
21:53:夏川ミナ:「え……?」
21:53:平賀迅:「リターンの裏にリスクがあるのは当然のこと。『より悪くなる』ことを恐れて『より良くする』ことを恐れては、我々の誰も前には進めまい」
21:54:平賀迅:「未来の可能性を知識として知っている自分であれば、そうでない自分に比べて、上手くやれるのは当然のことじゃないか」
21:55:夏川ミナ:「あらゆる知識を継承した、あなたらしい意見ですね」
21:55:平賀迅:「有り得る、不確定な『最悪の結末』を恐れて、より望ましい未来を得る可能性をまとめて放棄してしまうのは、惜しいことだ」
21:56:平賀迅:「……なあ、だがな、ミナ」 少しだけ振り向く。その目は険しい
21:56:平賀迅:「一つだけ許せないことがある」
21:56:夏川ミナ:「は、い」
21:56:夏川ミナ:「……たぶん今、同じことを考えています」
21:56:平賀迅:「『ゲートを"最初に通った人間"は、理論上三割の確率で死亡する』」
21:57:夏川ミナ:「私が一番後悔しているのも、それです」 目を伏せたいのを堪えて視線を受け止める。
21:57:平賀迅:「……ふざけるなよ?」
21:57:夏川ミナ:「……」
21:58:平賀迅:手を伸ばす。ミナの肩を掴み、床に押し倒す。真正面から彼女の目を睨む
21:58:平賀迅:泣きそうな眼で
21:58:平賀迅:「ふざけるなよ、ミナ」
21:58:夏川ミナ:「っ……」
21:58:平賀迅:「どうして」
21:58:平賀迅:「どうしてそんなことを思った。それが仮面の後押しだったとしても」
21:59:平賀迅:「30%の可能性を引いた時に、私はどうなると思っていた」
21:59:平賀迅:「……どうして……ッ、く……」 涙が落ちそうになるのを、片手で拭う
22:01:夏川ミナ:「迅……」
22:01:平賀迅:「……分かっている。八つ当たりだ。こんなのは」
22:02:平賀迅:「平時の君ならそんな選択は当然取らない。自らの命を、あんな信憑性の低いコーナーにベットするような真似を」
22:03:夏川ミナ:「……ずっとずっと、エリス・トリオンと滝さんの言葉が気になっていました」
22:03:平賀迅:「……聞いてくれるか。これは今まで君にも話したことのないはずだが」
22:03:夏川ミナ:「"あんな奴をなぜ許した"」
22:04:夏川ミナ:「ずっと、選択を間違えたと思っていました。自分は学園島に要らない人間になってしまったのでは、という気持ちがありました」
22:04:夏川ミナ:「私を必要としてくれる友達は、いっぱいいたのに……」
22:05:平賀迅:「……それがそんなにも、君に根深く張っている後悔だと気付けなかったのも私だ」
22:06:平賀迅:「君は、うん……失敗して、失望されることに慣れていなかったんだろう。だからこその、それだ」
22:07:平賀迅:「もういい。……多分ミナ、君も分かってくれただろ。そのことは。……いいんだ」
22:07:平賀迅:ミナの肩を押さえつけていた手の力を緩める。身体を起こし、気まずそうに視線を逸らす
22:08:夏川ミナ:こちらはまだ起き上がらず、床に倒れたままだ。涙でにじむ目で天井を眺めている。
22:08:平賀迅:「……聞いてくれるか。これは今まで君にも話したことのないはずだが」
22:09:夏川ミナ:「……はい」
22:10:平賀迅:「私は一つ、覚悟していることがある」
22:10:平賀迅:「君との別れだ」
22:11:夏川ミナ:「……」 起き上がる。「別、れ」
22:11:平賀迅:「君も知っての通りだ。私たちはこのオーヴァードアカデミアに生涯居続ける訳にはいかない」
22:12:夏川ミナ:「そう、ですね。三年生になればプロムがあり、卒業があります」
22:12:夏川ミナ:「約束された終わりがあるからこそ、学園島の生活は輝いている」
22:12:平賀迅:「"ジェミニ-5th"。UGNに12本を収蔵するのみの秘具。その1つを託されし、5番目の子。UGNチルドレン。それが君だ」
22:13:平賀迅:「生まれながらのエース。世界を変える最前線に立つことを、遺伝子から宿命付けられた」
22:14:平賀迅:「……フ。風紀なぞに入って、UGNのことを学び、君との格差……実力などではない。その存在の格の差は、むしろ埋められ難いものと実感させられたよ」
22:15:夏川ミナ:「意外です。いつも自信満々のあなたが、そんな事を考えていたなんて」
22:16:平賀迅:「言ったろう。今まで話したことのないことだと。……この島を出た先で、私と君がどうなるか。そこには必ずUGNというものの意志が介在することになるだろう」
22:17:平賀迅:「あと二年。たった二年。それだけで、果たしてどれだけその意志に食い込めるほどの力を私が手に入れられるか。……フフ。考えるだに無謀なことだ」
22:17:夏川ミナ:「あなたは、そういうところがありますね」
22:17:夏川ミナ:「お情けで立場を得るなんてことを望まない。自分の力で居場所を勝ち取ろうとする」
22:18:平賀迅:「ああ。そうでなければ君と並び立てない。並び立てなければ意味がない」
22:19:平賀迅:「だから覚悟している。君との関係の終わりが、いつか来ることを。……これでもな」
22:19:夏川ミナ:「…………」
22:19:夏川ミナ:「………………」
22:20:夏川ミナ:すっくと立ち上がる。
22:20:平賀迅:「だが……ミナ?」 見上げる
22:20:夏川ミナ:平賀くんの横につかつか歩いていって、座り、両手でほっぺたをぺちぺちと叩きます。
22:21:夏川ミナ:「やはり」
22:21:平賀迅:「う、た、つっ、何だ何だ」
22:21:夏川ミナ:「口に出さないと、気持ちは伝わりませんね。あなたはさっき、私の後悔に気づけなかったと言いましたが」
22:21:夏川ミナ:「私も、あなたがそんな」「そんな」
22:21:夏川ミナ:すーっと息を吸い込む。
22:22:夏川ミナ:「そんなばかげた覚悟をしているとは、思っていませんでした!」 べちべちと頬を叩く。
22:22:平賀迅:「な、ばっ、おいこら、何、何だ!」
22:22:平賀迅:「ばかげたとは!」
22:22:夏川ミナ:「ばかです!バカ!」
22:22:夏川ミナ:「私は絶対に、何があっても、一生あなたと一緒にいるつもりです! UGNなんていざとなったらやめてやります!」
22:23:夏川ミナ:「私が今回一番後悔しているのは、あなたに相談しなかったこと。あなたを共犯者として選ばなかったことだけ!」
22:23:夏川ミナ:「わ、別れなんて……覚悟すること自体が、バカです!バカ!」
22:24:平賀迅:「…………」 頬を叩かれるまま、声を上げるまま、彼女の言葉を聞いて
22:24:平賀迅:「……ああ、ああ。そうか、全く」 腕を伸ばし、無理にでも眼前の少女を抱き寄せる
22:25:夏川ミナ:「バカ平賀迅。バカッコマン。気取りクレープ屋」 平賀くんの胸に顔をうずめ、握った拳でどすどすと胸を叩く。
22:26:平賀迅:叩かれるのは甘んじて受け入れる、胸の中のミナの頭を、愛しく撫でる
22:26:夏川ミナ:「ううううう~!」
22:26:夏川ミナ:「ご」
22:26:夏川ミナ:「ごめんなさい……!」
22:26:夏川ミナ:「相談しなくて……ごめんなさい……」
22:27:夏川ミナ:「ひとりで、勝手に……!」
22:27:夏川ミナ:「ごめんなさい…………!」
22:27:平賀迅:「……君がそれを一番の後悔としてくれているなら、私としてはもう何でも良い」 小さな頭を抱いて
22:27:夏川ミナ:それだけなんとか言って、大声で泣く。
22:27:平賀迅:「そうだとも、ミナ。私は君の味方だ。私は君のために在る」
22:28:平賀迅:「君が悪なる手段で世界に何某かを問おうというのなら。……私はそれだって助けるとも」
22:29:平賀迅:「私を、平賀迅を、君のために在らせてくれ。……それが私の望みだ」 慰めるように頭を撫でながら、耳元で静かに囁く
22:30:夏川ミナ:「迅」 涙でぼろぼろになりながら、顔をあげる。「私も、望みを言います」
22:30:平賀迅:「何かな」
22:31:夏川ミナ:「こんな私ですけど……これからも、一緒に歩んでください。私の味方でいてください」
22:31:夏川ミナ:「私の隣に、いてください」
22:33:平賀迅:「そうするとも」 答え、その願いを口にした唇に唇を重ねる
22:33:平賀迅:「……絶対にそうする。絶対に。私は、平賀迅は必ずや、君の隣にいよう」
22:37:平賀迅:「……だから君も、私の隣にいてくれ。私に何でも問うてくれ。願ってくれ」
22:37:平賀迅:「君が姿を消して、最初の何日かーー」 ひときわ強く抱きしめる 「……本当に、本当に恐ろしかったんだ。だから頼む。きっと」
22:40:夏川ミナ:「……はい。もう我慢しません。溜め込みません」
22:41:夏川ミナ:「あとで、かわりのクレープを買いにいきましょう。交際してることも、風紀のみんなにバラしてしまいましょう」
22:41:夏川ミナ:「こうして、いっぱい抱きしめてもらいます。たくさん撫でてもらいます」
22:41:夏川ミナ:「これからも……」
22:41:夏川ミナ:「夏川ミナを、よろしくお願いします」
22:42:平賀迅:「……そうだな。それももう良い。見せつけてやろう。何も我慢するものか」
22:42:平賀迅:「だから……ああ。こちらこそ、よろしく。今後とも、ずっとな」
22:43:夏川ミナ:---------------------
22:43:夏川ミナ:ダブルクロスThe 3rd Edition『消えぬ後悔、復讐のクロノス』
22:43:夏川ミナ:——END