13:50:GM:【エンディング2】
13:50:GM:皆の喧騒から、少し離れて。
13:51:GM:白根あかりは海岸線を行く。
13:52:白根あかり:さくりさくりと。久しぶりに戦闘に使った杖を突きながら。
13:53:白根あかり:事件の終わりの後の、血が巡る高揚感をゆっくりと夏の期待のそれへと変わるのを感じている。
13:53:白根あかり:「…どこにいるかなあ。結局、昨日は連絡もとれなかったし…」
13:54:白根あかり:大丈夫だとは、信じていたいけれど。それが裏切られるのも、いつものことだったから。
13:56:八伏正輝:その期待通りに。あるいは、懸念を裏切るように。
13:56:八伏正輝:「……む」
13:56:白根あかり:「あ」
13:56:八伏正輝:聞きなれた重苦しい声と、足音が、すぐ近くにある。
13:56:白根あかり:「…………こんにちは、でいいのかな」苦笑。ここまで来て気付かないなんて。
13:56:白根あかり:わたしも。やっぱり、浮かれてるのかもしれない。
13:57:八伏正輝:「すまん。もう少し早く声をかけようとは思っていたんだが。何か考えていた様子だったのと……」
13:57:八伏正輝:「これの言い訳をどうしたものか、とな」
13:57:白根あかり:「……言ったでしょ」
13:58:八伏正輝:機械に置換された右腕を掲げる。それは、何かに強く殴打されたかのように、あちこちが凹んでいる。
13:58:白根あかり:「理由とか大仰なものなんて要らなくて。ただ、無事な姿を見せてあげるだけでいいんだ、ってさ」
13:58:白根あかり:「また無茶したんだな」くすくす笑っている。
13:59:白根あかり:「どんなことが有ったのか、聞いた方がいい?」
13:59:八伏正輝:「こればかりは。……いやまさか、関口先生に呼び出された先で、ああなるとは」
13:59:白根あかり:「ふふ、師匠なんだっけ」
14:00:八伏正輝:「ああ。いい人なんだが、あの人も夏で浮かれているのか今回は少しばかり……
14:01:八伏正輝:「……いや、それよりも。歩きながらでいい、少しいいか、白根」
14:01:白根あかり:静かな笑みを浮かべて、キミの話を聞いている。
14:01:白根あかり:「?どうしたの?」
14:02:白根あかり:やっぱり。こうしているだけで、とっても楽しいな、って。そう思いながら。
14:02:八伏正輝:アカデミアモンハナシャコとの死闘について語り出しかけたところで、言葉を切り、君の目をじっ…と見る。
14:02:八伏正輝:「話したいことがある。……きっと、今でないと話せないことだと、俺は思う」
14:02:白根あかり:きょとんとしながら、幼いようにさえ見える瞳で合わせる。
14:02:白根あかり:「……大事なことかな?わたしでよければ、聞かせて」
14:03:八伏正輝:「ああ」
14:03:八伏正輝:ゆっくりと。不安定な砂浜で、杖で体を支えながら歩く君と同じペースで、歩みながら。
14:04:白根あかり:杖を砂浜に刺しながら、歩く。これでも、学園紛争時よりはだいぶよくはなった。
14:04:八伏正輝:「……普通に楽しもう。そう思って、俺達はここに来た」
14:05:八伏正輝:「結果は……まあ、あれだ。いつも通りになってしまった、と言うべきか」
14:05:白根あかり:「そうだね。そしたらこうなっちゃうんだから、もう本当」苦笑している。
14:05:白根あかり:「お互い、本当そう言う体質なのかって思っちゃうくらいだよ」
14:06:八伏正輝:「それについては……すまん。全部が全部そうでないにしろ、俺がいたせいで、というのはあるだろう」
14:06:八伏正輝:特異点。いるだけで、騒動を─ともすれば、命の危機を呼び寄せるような、そんな自分だが。
14:06:白根あかり:「………あのねえ」その体質は。ちょっと悪いとは思ったが、調べて知っている。
14:07:白根あかり:「気にしないで。そんなこと気にしてなんていたら、UGNなんて勤まらなかったんだからね」
14:08:白根あかり:「逆にわたしなんて、引込んでられたのに事件に首突っ込んだし…」
14:09:八伏正輝:「そう言ってもらえるのは、嬉しい。……正直、そんな風に俺をカテゴライズした人に思うものもある、が」
14:09:八伏正輝:「白根、俺はな。あの地下監獄を皮切りに、こうして君を巻き込んでいることを、申し訳なく思っている」
14:09:八伏正輝:だが、と。一度言葉を切って。
14:10:白根あかり:反論しそうになって、続く言葉があると。そう気づいて待つ。
14:10:八伏正輝:「君が首を突っ込んできてくれることを、とても嬉しく思う」
14:10:白根あかり:「……迷惑かもしれないなあって思ってたよ、わたし」
14:11:白根あかり:「うん。でも、ちょっとでもきみの荷物を軽く出来るなら、よかった」笑みが自然と浮かんできた。
14:12:八伏正輝:「これまで、こうして口にする機会がなかったからな。……口にしようとしなかった、が正しいのかもしれないが」
14:12:八伏正輝:つられて、厳つい顔に笑みが浮かぶ。
14:12:白根あかり:「そっか」
14:13:白根あかり:「…ちょっと、なんとなくでも分かるからって。変に怖がってたのかな」苦笑して。自分たちどちらのこともそう評する。
14:15:八伏正輝:「そうかもしれない。……俺も、白根に甘えていたような部分も、きっとあった」
14:15:八伏正輝:ゆっくりと、何かを思い出すように頷く。
14:15:白根あかり:「おあいこだ。わたしも、きみに甘えてたね」
14:16:八伏正輝:「だが、思っていることは、言葉にしなければいけない。伝わっていたとしても、きちんと伝えることが大切なのだ、と」
14:16:八伏正輝:「……とある女生徒に教わってな。君も知っているだろうか。一年の……」
14:16:白根あかり:「………そうだねえ」自分を舞台から降ろすなと。楽に逃げるなと、そう言われたことを思い出す。
14:17:白根あかり:「えーっと…同学年だよね…?ああ」
14:17:白根あかり:「此花さん、だったっけ。ちょっとしかいなくても、噂聴こえてくるよ」
14:18:八伏正輝:「ああ。少し前に、ちょっとした縁があってな。ゆっくり話す機会があった」
14:19:八伏正輝:「俺とは……俺達とは、真逆の位置にいるような人だったが」
14:19:白根あかり:「…………」どうしてその子のことが話題に出てくるのか、と思って。その続く言葉に、苦笑い。
14:19:白根あかり:「そうだね…どうも、言葉を使ったり、気持ちを考えるのは苦手だ」
14:21:八伏正輝:「俺達はそれでもいい、それがいい、と。ずっと思っていたんだが……」
14:21:白根あかり:「…いい子だねえ。ほんと、一杯きみは助けたり助けられたりしてるんだな」ちょっと力の抜けた笑み。
14:22:八伏正輝:「……そのいい子に、怒られてしまってな。ある意味、それも助けられたことになるんだろう」
14:23:白根あかり:「ん、よかったじゃないか。わたしは応援するぞ」すこし、胸にずきりとしたものがあるけれど。
14:23:白根あかり:うん。大丈夫だ。
14:23:八伏正輝:「……そうか」
14:24:八伏正輝:その、君の言葉を聞いて。砂浜の途中で、足を止める。
14:24:白根あかり:「そうだよ」…笑みは、普段通りに浮かべられているはずだ。その訓練はきちんとしてきた。
14:24:白根あかり:こちらも、従うように足を止めて。
14:25:八伏正輝:「白根あかり」
14:25:八伏正輝:真正面から相対するように、その名を呼ぶ。
14:25:白根あかり:「………どうしたの、急に改まって」
14:26:白根あかり:目を白黒させながら、きみに向き合う。
14:26:八伏正輝:「君に、言わなければならないことがある」
14:26:白根あかり:「……………」一度、その言葉に目を閉じて。「……うん。分かった、聞くよ」
14:27:八伏正輝:「……ありがとう」
14:27:八伏正輝:安堵したように、ほう、と息を吐いてから。
14:28:白根あかり:動悸は、いつもより激しいように思う。でも、大丈夫だ。いつだって--痛みにも、期待と希望がかなわないことだって、耐えられる。
14:28:八伏正輝:「……俺達は、”普通”であることを目指した。夢見た。”普通”というのは…きっと、幸福なことなのだろう、と思って」
14:28:白根あかり:「…そうだね。護ってきて…それが、綺麗なものだったって。そう思ってるから」
14:29:八伏正輝:「俺は、君が”普通”を手に入れることを。君は、俺が”普通”に戻ることを。それぞれ、願った」
14:29:八伏正輝:「つまり、互いに相手が、幸福であることを望んだ…のだと、思う」
14:30:白根あかり:「………そうだねえ。どうにも、自分には手に入らない気がして。きみに手に入れてもらえれば…って。そう思ったよ」
14:31:白根あかり:逃げだとしても--最初に、そう思ったことは。本当のこと。
14:31:八伏正輝:「俺もな。君ならいつか手が届くだろうと、その助けになれれば、と」
14:31:八伏正輝:「そう、思っていた」
14:31:八伏正輝:いる、ではなく、いた、と。過去形であることを、断定するような声色で。
14:31:白根あかり:「…………過去形なんだ」困ったように笑う。
14:32:白根あかり:相似形を描く過去。似たような価値観。そこから、分かったように思えたことが。
14:32:白根あかり:今、すこし。届かないことが哀しくも嬉しい。
14:33:八伏正輝:「……白根。君は、あれだな」
14:33:白根あかり:「……あれ、急にわたしの話」
14:33:八伏正輝:「思い込みが激しい、と言われたことはないか」
14:33:白根あかり:「…………………」
14:33:白根あかり:「…………ちょ、ちょっと待って。いやなんでそうなるの」
14:34:八伏正輝:「話の途中で、そんな顔をされれば、言いたくもなる。……いいか、白根」
14:34:白根あかり:「…ええ…?あれ、そう言う話の流れだったっけ…!いやでもそんなに言われ、た、こと、は……」
14:34:八伏正輝:「俺は、君に幸福になってほしい。そう思っていることに、今も変わりはない」
14:34:白根あかり:幾つか思い当たるところに行きついて声が途切れる。
14:34:八伏正輝:「変わったとすれば」
14:35:白根あかり:「………うん」
14:35:八伏正輝:砂浜に片膝をついて、少し、君の顔を見上げるような姿勢で。
14:35:白根あかり:見上げる姿勢から、きみを戸惑いながら見下ろすように。
14:36:八伏正輝:「君を幸福にするのは、俺でありたい」
14:36:八伏正輝:「そう思うようになった」
14:36:白根あかり:「え」
14:36:白根あかり:頭が真っ白。
14:37:白根あかり:色々と。言いたいことや言うべきことを準備していたのに、それらすべてが吹っ飛んだ。
14:37:白根あかり:「え、ぇ、ま、まって」「えっとつまり、その、なんというか」顔に血が上ってくる。
14:37:八伏正輝:「もちろん、これは俺の想いだ。君がどう思っているかを一切考えない、自分勝手な想いだ」
14:38:八伏正輝:「だが、これは君に伝えたい。伝えなければいけない」
14:39:白根あかり:心臓の鼓動が、酷く大きく聞こえる。
14:39:八伏正輝:「……恥ずかしい話だが。君がああして、仲間と一緒に楽しく過ごしているのを目にして」
14:40:八伏正輝:「今日、これを伝えなければ、きっと俺は後悔する。……そう、思ってしまった」
14:41:白根あかり:「ぅ、ううう…ま、待って!ちょっと、その少し、だけでいいから」…息を吸って。吐く。落ち着けるための動作。
14:41:八伏正輝:ああ、と。それこそ、日が暮れても、朝が来ても、ずっと待つと言わんばかりに頷く。
14:42:白根あかり:これで、いつだって冷静に押さえつけてこられたのに。息が喉を通るたびに、その熱でもっと茹るようで。
14:42:白根あかり:「……………わたしね」
14:43:白根あかり:「そんなに、いい子じゃあないよ。そりゃあ、キミの前だといい顔しないとって、色々頑張ってるけど」
14:43:白根あかり:「服飾みたいなお洒落だとか、気の利いたことが言えるとか。そんなこともない」
14:44:白根あかり:「今、最初に会ったときより体も治ってきたけど。もう、これ以上はよくなる見通しもない」
14:45:白根あかり:「なんとか防衛能力くらいは戻したけど、それだって。ちどりさんとかの足元にも及んでないし」
14:46:白根あかり:「……きみにだったら、こうしたものがあるひとだってきっと選べるってそう思う」
14:47:白根あかり:「…………わたしは、よくいるような。そんな中のひとりにだって及んでない」
14:47:八伏正輝:「ああ、知っている」
14:48:白根あかり:「……知ってるんなら」そう続けようとして。
14:48:八伏正輝:「君が努力していることも。君が周りと自分を比べて気にしていることも」
14:48:八伏正輝:「君が、その身体と一生付き合っていかなければならないことも。俺は、知っている」
14:48:白根あかり:「………」
14:49:八伏正輝:「知った上で。知らないことも沢山あるのを分かった上で。俺は」
14:49:八伏正輝:「俺は、君がいい。君と一緒に、幸福になりたい」
14:50:白根あかり:「……………ばか」ぐす、と。泣きそうな声で。
14:50:白根あかり:「……後悔しても、知らないよ」
14:51:白根あかり:「--じゃあ、わたしも応えなきゃね」ちどりせんぱい。ミナさん。
14:51:白根あかり:本当に、わたしなんかに教えてくれてありがとう。
14:51:白根あかり:「わたしも。わたし、白根あかりも」涙を浮かべて、顔は真っ赤で。
14:52:白根あかり:それでも、大きく咲く花のように。
14:52:白根あかり:「八伏正輝くん。あなたのことを、好いています」
14:53:白根あかり:「わたしでよければ、貴方と歩ませて頂けますか?」
14:53:白根あかり:手を、きみに伸ばす。
14:55:八伏正輝:「白根あかり。……俺達は、決して明るくない道を歩んできて。これから先も、平坦な一生である保証なんてどこにもないが」
14:55:白根あかり:--昔は、もっと早くて。遠くまで届いて。それでも、零して零して、何も守れず傷付いた手。
14:55:八伏正輝:その手を、冷たく─しかし、たしかな熱を奥底に秘める、鋼の手で取って。
14:56:八伏正輝:「約束する。俺は、この手を離すことは。君を手放すことは、絶対にしない」
14:56:白根あかり:目を細める。その鋼のように強靱で、その奥の熱を感じる。
14:56:八伏正輝:「─だから」
14:57:八伏正輝:「俺と、一緒に生きてほしい。いつか、この学園を出て、外に戻った後も」
14:57:八伏正輝:「どうか、末永く、ずっと」
14:57:白根あかり:「はい、喜んで」涙の粒を零しながら、微笑みかける。
14:58:白根あかり:しゅるりと、伸ばした血の糸。その赤色で、きみとわたしの手を結ぶ。
14:58:白根あかり:「もう、頼まれたって。わたしだって、離してなんてあげないからね」
14:59:白根あかり:「きみのことは、わたしが幸せにしてあげる。--他の誰にだって、もう」
14:59:白根あかり:「渡したりなんて、しないんだから」
15:01:八伏正輝:赤い糸で結ばれたのとは、違う方の手で。いつかと同じように、君の頬を伝う涙をぬぐう。
15:01:八伏正輝:「……ああ」
15:01:八伏正輝:そして、心の底から、安心できる場所に辿り着いたような声で小さく応じて。
15:02:八伏正輝:正面から抱き合うように。片腕で、君を抱き寄せて。
15:02:八伏正輝:「よろしく、頼む」
15:02:白根あかり:こちらも、その腕に従うように身を寄せて、抱き締め返す。
15:03:白根あかり:「--はい。よろしくお願い、」背を伸ばし。
15:03:白根あかり:「するね?」唇を、一瞬だけ。触れ合わせた。
15:04:GM:----
15:12:GM:【エンディング4:平賀迅】