15:10:入間誠時:「鷲尾くんは行かなくて良いのか?」
15:11:士騎朝輝:「あぁ、そうだ。行きずりの人間のお節介は旅の醍醐味だぜ。つまらないと思ったら終わった後で捨てろ」最後に言って歩き去った。
15:12:鷲尾瞳:「はい。藤原支部長と士騎朝騎は二人きりに成りたがっていると思います」
15:13:入間誠時:「そうか……」そうか?と思っているが深くは追求しない。
15:13:鷲尾瞳:「それに、まだやらなければならないことが残っていますから。」
15:13:鷲尾瞳:「入間さん。すこし屈んでもらってもいいですか?」
15:13:入間誠時:「?」
15:14:入間誠時:訝しげにしながらも言われるままに屈む。
15:14:鷲尾瞳:「……」真面目な表情のまま、君の目の前まで近づく。「暫くそのままで、お願いします」
15:15:入間誠時:「お、おう……」じっとする。
15:15:鷲尾瞳:少し大きめに息を吸って、吐いて。手を伸ばしかけ、一度逡巡してから。
15:16:鷲尾瞳:入間くんの頭を恐る恐る撫ではじめます。始めは髪を梳かすように。
15:16:鷲尾瞳:それから、首の後ろ側を優しく労るように。
15:17:鷲尾瞳:「……あの。私は、苦しい時、辛い時、傷ついている時。その……これをされて、とても安心した……ので……」
15:17:入間誠時:「……?!??!?」硬直。
15:17:鷲尾瞳:「申し訳有りません。チルドレンとして、こういった訓練は、受けていなくて。私がしてもらった方法しか知らなくて、あの」
15:18:鷲尾瞳:「……嫌、ですか?」
15:18:入間誠時:「あ、う、あ」想定外の事態に動揺している。
15:18:入間誠時:「あ、そ、そんなことは、ない、が」
15:18:鷲尾瞳:手を止めて尋ねる。身長差でわずかに見上げるような姿勢で。
15:19:鷲尾瞳:「……そうですか。もしも、泣きたくなったら」
15:19:鷲尾瞳:「遠慮しないでください。今は私しか、見ていません」
15:19:入間誠時:少しどころではなく恥ずかしい。大の大人がこんな小さい少女に撫でられているのだ。
15:19:鷲尾瞳:「私は、UGNチルドレンですから。秘密は必ず守ります」
15:20:入間誠時:「………」
15:21:入間誠時:「ありがとな………」
15:21:入間誠時:かつて。
15:21:入間誠時:自分をこのように撫でていたひとの。
15:22:入間誠時:首の後ろ。
15:22:入間誠時:……それが空になるのを見たことがある。
15:22:入間誠時:その時から、ずっと感じている、空白。
15:23:入間誠時:それが今は少しだけ、和らいだ……
15:23:入間誠時:……そんな気が、した。
15:23:鷲尾瞳:「構いません。UGNチルドレンとして、必要な事をしただけです。……ただ、入間さんも。このことは秘密にしておいて頂けると」
15:24:鷲尾瞳:「一応、異性同士ですから。誰かに仲を勘違いされることが、無いとも限りません」と士騎くんが去ったほうを少し気にして。
15:25:入間誠時:「ああ。俺も、秘密にしておきたいな、これは」
15:25:入間誠時:「鷲尾くんも勘違いされたら、困るだろ」
15:26:鷲尾瞳:「はい。UGNチルドレンに、色恋にかまけている暇はありませんから」
15:26:入間誠時:ノーヴェの話をした時、K市支部に行きたがっていたことを思い出す。
15:26:入間誠時:少し、笑って
15:26:鷲尾瞳:「……」最後にもう一度頭の後ろを優しく撫でてから、距離を取る
15:26:入間誠時:「鷲尾くんぐらい優秀なら、平気だと思うけどな」
15:27:入間誠時:体を起こす。
15:27:鷲尾瞳:「優秀だからこそ、です」
15:27:鷲尾瞳:「いつか、いつか貴方が。貴方の涙を拭ってくれる人と出会えるよう。私は祈っています」
15:29:入間誠時:「………」本当は。隣にいる人間を作りたくはない。けれど。
15:29:入間誠時:「……ありがとな。……きっと、そのうち」
15:30:入間誠時:「そんな日も……来るかもな」
15:31:入間誠時:そう言って笑った。
15:32:鷲尾瞳:それを見てこちらも、誇らしげに笑います。
15:34:GM:----
15:42:鷲尾瞳:入間誠時:「………結木なつきは伊崎のすべてを壊したんだ」
士騎朝輝:「それは違うぜ」
鷲尾瞳:「それは……」言葉を探すような間「……はい。私も、士騎朝騎と同じ意見だと思います。きっと」
20:32:どどんとふ:「鷲尾瞳」がログインしました。
20:53:どどんとふ:「GM」がログインしました。
20:54:どどんとふ:「十字ヶ丘龍之介」がログインしました。
21:00:GM:----
21:00:GM:■ED03 『東雲』
21:01:GM:——大N市第三支部、支部長室。
21:02:GM:高校の制服に身を包んだ少女が、スマートフォンを置いて一息つく。
21:02:藤原奈央:「ふう……」
21:03:藤原奈央:「足取りは掴めずか。……そうよね。文字通り命をかけて、最後の執念で逃したんだもの」
21:03:藤原奈央:「よっぽどの幸運……悪運かな。がない限りは、ダメだ」
21:04:藤原奈央:「はーっ」 机に突っ伏す。
21:04:GM:というところで、士騎くんも入ってきて構いません。ノックをしてもいいし、無言で入ってきてもいい。
21:04:士騎朝輝:「そこまで、わかってるならな。いい加減、休めよなぁ」
21:05:士騎朝輝:ノックせずに入ってきて、労う様に、少し呆れたように言う。
21:05:藤原奈央:「ノックくらいしなさいよ」 強く咎めはしない。支部長として一応示しをつけただけだ。
21:05:藤原奈央:「入間と鷲尾は? まだ外?」
21:06:士騎朝輝:「なにか、しらないが、追い出されたんだよなぁ」
21:07:藤原奈央:「追い出されたあ?」
21:07:藤原奈央:「士騎、あんた、また変なこと言ったんじゃないでしょうけ」
21:07:藤原奈央:「士騎、あんた、また変なこと言ったんじゃないでしょうね」
21:08:士騎朝輝:「どれだけ、信用がないんだ、俺は。普通にしてただけだぜ」
21:08:士騎朝輝:「………俺の普通に問題があるとか、言わないよなぁ。言うなよ!」
21:09:士騎朝輝:「まぁ、だが、鷲尾が言うには、俺が藤原を待たせてるから、早く行ってやれ。って事だったからなぁ」
21:09:藤原奈央:「あはは……うそうそ。そりゃ確かに、住所不定で、所属不明で、戦闘時は暴走してるけれど」
21:10:藤原奈央:「気遣いはできる男だもんね」
21:10:藤原奈央:「って、はあ!?」
21:10:藤原奈央:「鷲尾、まだなんか勘違いしてるの!?」
21:10:藤原奈央:「い、いい!? あたしとあんたは別にまだそんなんじゃないからね! ただの! ビジネスパートナー!」
21:10:士騎朝輝:「いや、だって、お前ね。自分の言った台詞、覚えてるか?」
21:11:藤原奈央:「え? なにが?」
21:11:士騎朝輝:「確か…士騎が本気であたしの事が好きなら、そのときはまあ……検討してあげなくも? ないけど?」
21:11:士騎朝輝:「だろ、そして、俺が、直後に」
21:12:士騎朝輝:「藤原の事は好きだぜ」
21:12:士騎朝輝:「って言ってしまったからなぁ。絶対に誤解してるなぁ、あれ」
21:12:藤原奈央:「こっ、こ……言葉の綾よ、あれは!」
21:13:藤原奈央:「まったくもう……! あとで呼び出して説教しなきゃ……!」
21:13:藤原奈央:顔を真赤にして顔をそむけ、窓の外を観る。
21:13:藤原奈央:「士騎。あんたさ」
21:14:藤原奈央:「なんて言ってたっけ。あんたの許せないもの」
21:15:士騎朝輝:「何個かあるけどなぁ。世界を破壊する者、人の自由を踏みにじるもの、何も関係ない奴を自分の都合だけで巻きこむやつ」
21:16:士騎朝輝:「どれだよ?我ながら心当たりが多すぎる」苦笑をする。望む答えを見つけるのが地味に困難だ。「一言で言えばジャームではあるが」
21:18:藤原奈央:「そうよね。ジャームが好きなやつなんて、この世にはそうそういないわ。UGN側なら特に」
21:18:士騎朝輝:同じように窓の外を見る。同じ風景を目に焼き付けておきたかった。
21:18:藤原奈央:「あたしもあんたと同じ。人の自由や尊厳を踏みにじったり、自分の都合だけで他人を巻き込むやつは許せない」
21:18:藤原奈央:「けど」
21:19:藤原奈央:「今回、もういっこ許せないものがあるってわかったわ」
21:19:士騎朝輝:「それは?」
21:19:藤原奈央:「生きて帰る気なしで、戦場に赴こうとする奴よ」
21:20:藤原奈央:くるりと豪華な椅子を回して、士騎くんに向き直る。
21:21:士騎朝輝:「……それは、UGNの奴じゃなくても?」
21:21:藤原奈央:首肯する。 「だめ。ジャームとオーヴァードの違いは、帰ってこれたかどうかだもの」
21:22:藤原奈央:「"帰ってこれなくてもいい"というのは、"ジャームになって世界を破壊してもいい"と同じくらい、無責任なことだわ」
21:22:藤原奈央:だからこそ、あの場で全員が悔しさを噛み殺し、冷静に撤退したことを内心では喜んでいる。
21:22:士騎朝輝:眩しそうに奈央ちゃんを見て目を細める。
21:22:藤原奈央:口には出さない。命を捨てて戦うべきだったかもしれないと、今でも迷っているからだ。
21:23:藤原奈央:「……どう? あんたは、どう思う……?」
21:23:士騎朝輝:「俺、お前のそう言うところ好きだぜ、本気で。検討して欲しいくらいに」
21:23:藤原奈央:「ま、間違ってるかな……支部長として」
21:23:藤原奈央:「そっ! そーいうのはいいから!」
21:24:士騎朝輝:「お前以上に正しい奴がいるかよ!胸張れよ、意地と同じくらい張っても許されるぜ」
21:24:藤原奈央:「ほ……ほんと? ほんとのほんとにそう思う?」
21:24:藤原奈央:「支部長のくせに甘っちょろいとか、こんなやつにはもう頼まれても協力したくないぜとか、思わない?」
21:24:士騎朝輝:「自信なさ気に言う言葉じゃないんだよなぁ。いつも通り、天才で、有能で、美少女な自分モードでいいんだよ」
21:25:藤原奈央:「ううう、うっさいわね! 天才でスレンダー美少女で有能支部長なあたしだって、たまには自分の正しさについて疑いを持つこともあるのよ!」
21:26:藤原奈央:「た、たまに。……たまにね!」
21:26:士騎朝輝:「頼まれなくても、協力してやるよ。俺なら。世界中の誰もがお前の敵でも、お前が同じ言葉を言うのなら、俺はな力を貸すさ」
21:26:士騎朝輝:「………なぁ?だからか?」
21:27:士騎朝輝:「俺にだけ、ちゃんと、帰ってこい。って言っただろ…周りに比べて、あれは俺に何か、危なっかしいとこがあったか?」
21:28:藤原奈央:「うっ」 口ごもる。
21:28:藤原奈央:「あ、あれは……いや別に……危なっかしいとかそういうのじゃなくて……」
21:29:士騎朝輝:「じゃなくて?」ずいと一歩詰め寄る。
21:30:藤原奈央:「そっ、その、なんていうか」 ずりずりと椅子のキャスターを使って後ろにさがる。
21:30:藤原奈央:「あ、あの中だと、あんたとの付き合いが一番長いし……」
21:30:藤原奈央:「死なれると寂しいなあみたいな……か、帰ってきてくれないと、張り合いがないなあって言いますか……」
21:31:藤原奈央:「それだけよ!!」
21:31:藤原奈央:「それだけだったら!」
21:31:士騎朝輝:「そっか。そうかぁ」にやにやと笑う。
21:32:士騎朝輝:「嬉しかったぜ。俺はさぁ、ああいう言葉 借金があるから、って前置き無しに言われたの 初めてだった」
21:32:士騎朝輝:「誰かに、そう望まれるのは嬉しいよな」
21:33:藤原奈央:「……結木はどうだったのかしらね」
21:34:藤原奈央:「あいつの主観は謎だわ。感情を読んだり、推測していいような存在じゃない」
21:34:藤原奈央:「それでもあいつは、K市のみんなに帰ってきてほしいと、心から思ってたのかな」
21:35:士騎朝輝:「どうだったんだろうな。思ってるかもしれない」
21:35:士騎朝輝:「だが、あいつの言うK市は俺達帰ってきたやつが見ているK市じゃない」
21:36:士騎朝輝:「自分の都合の良い世界、異星だろうな」
21:37:士騎朝輝:「……で、どうするんだよ?そいつのリベンジさ」
21:37:藤原奈央:「あー。異星か」 思わずぷっとふきだす。 「そうね。違いないわ」
21:38:藤原奈央:「どうするですって?」 椅子から立ち上がり、びしりと士騎に人差し指をつきつける。「決まってんじゃない!」
21:40:藤原奈央:「ファフ……こないだ観たアニ……SF作品でやってたわ。恐怖の異星人の襲来で、地球人類が滅亡寸前に追い込まれるの」
21:40:藤原奈央:「悪意ある異星人に対して人類が取るべきリアクションは、いつだって一つよ」
21:40:藤原奈央:「ぶちのめす!」
21:40:士騎朝輝:パチパチパチと拍手。
21:40:士騎朝輝:「勇ましいよなぁ。大変だなぁ、UGN」
21:41:藤原奈央:「なんなのよその雑な拍手はーっ!」
21:41:藤原奈央:「そう、大変なのよ。生きて帰れる望みがないかもしれない戦いだわ」
21:42:藤原奈央:「住所不定の旅人は、厄介事になる前に逃げても全然構わないんだけど?」
21:42:藤原奈央:「いえむしろ逃げるべきだわ。ただちに。即座に。ダッシュで」
21:43:士騎朝輝:「そうだなぁ、そろそろ湯ノ浦にでも行くのも悪くないしなぁ」
21:43:藤原奈央:「……あっそ。そーでしょーねー」 むすっと口を尖らせてそっぽを向く。
21:43:士騎朝輝:「まぁ、でも、偶然、住所不定の旅人が、目的地に行く途中で、UGNの前を通りすがるかもしれないしなぁ」
21:44:藤原奈央:「む」
21:44:士騎朝輝:「たまたま、その時、知り合いがいて、困ってたら、力を貸すかもしれないよなぁ」
21:45:士騎朝輝:「ほら、オーヴァードは助け合いだしな」
21:45:藤原奈央:「正気?」
21:45:藤原奈央:「それがたまたま、恐怖の極悪非道外道異星人との戦いでも?」
21:46:士騎朝輝:「それが、さっき、言われてしまってなぁ」
21:46:藤原奈央:「?」
21:46:士騎朝輝:「……信じてるわよ……!信じてるからね!」
21:46:藤原奈央:「なっ……!」
21:47:士騎朝輝:「まだ、そうなら、やるしかないよなぁ」
21:47:士騎朝輝:「どうなんだよ?」
21:48:藤原奈央:「~~~っ」 真っ赤になって口元をもごもごさせる。
21:49:藤原奈央:「……おーけー。あたし、約束の撤回は許さないからね。男子が女子とかわした約束は特に」
21:49:藤原奈央:「約束よ士騎朝輝。つぎ偶然通りがかった時は、今回みたいに」
21:49:藤原奈央:「あたしに力を貸しなさい。必ずね!」
21:50:藤原奈央:にゅっと右手の小指をつきだす。
21:50:士騎朝輝:「古風な女だよなぁ、藤原は」
21:50:士騎朝輝:小指を絡める。
21:51:藤原奈央:「ゆびきりげんまん、……嘘ついたら向こう100年タダ働きの上、死後は"嘘つきの軽口住所不定男"として第三支部の正面に剥製としてかざる」
21:51:藤原奈央:「ゆーびきった」
21:51:藤原奈央:「約束だかんね」 にっと笑う。
21:52:士騎朝輝:「それは、いいけどな!お前さ」くくっと笑う
21:52:士騎朝輝:ププっと必死で笑いを堪える。
21:52:藤原奈央:「は? 何よ」
21:52:士騎朝輝:「100年ずっと、お前の傍にいるって事だよなぁ、それ」
21:52:藤原奈央:「!!!」
21:53:藤原奈央:「……言葉の! 綾よ!!」
21:53:藤原奈央:「さっさと出てけ!!」
21:54:士騎朝輝:「あぁ、はいはい、そろそろ行くよ。その前に言うことあった。捨て台詞だ」
21:54:士騎朝輝:「お前さぁ」
21:55:士騎朝輝:「わざとらしいくらいいつも通りでムカツクって言ってたけど」少しだけ不機嫌そうに、少しだけ拗ねた様に視線を逸らす「マイペースな士騎も好きよ。って言ってたのはお前だろ?だからそういう方向で頑張ったんだけどなぁ」そんな軽口を言って出て行った。
21:58:藤原奈央:「なっ、な、な……!」 椅子に座りかけていたが、がたりと音を立てて立ち上がる。
21:58:藤原奈央:もちろんその時にはもう士騎はいない。
21:59:藤原奈央:「バカ! バカ士騎!」
21:59:藤原奈央:「バーカ!!」
21:59:GM:----
22:00:士騎朝輝:歩く。夜明け前の空の下を歩き続けながら思い返す。
22:00:士騎朝輝:実はあの時、速やかに伊崎の首を刎ね、足は追おうとしていたのだ。
22:00:士騎朝輝:追えばマスターアビスの存在を氷葬していた確信がある。その為に旅の果ての終着を受け入れればだが。
22:00:士騎朝輝:アレを凍らせ斬った結果、自分がジャームになっても、あそこ迄の特異性を得ることはなく、アレを世に放ち続けるよりはマシだとすら感じていた。
22:00:士騎朝輝:白状すれば、衝動の波に晒されながら村雨丸を振るい続けるのは楽しかった。何処までも何時までも続きがしたかった。
22:01:士騎朝輝:冬と刃を喜悦と共に撒き散らす羅刹。それが結局は本当の自分ではないかと思えた。
22:01:士騎朝輝:本当の自分を見つけ、旅は終わり、UGNは少しばかりの被害で士騎朝輝だった残骸を始末する。おぞましい悲劇は広がることなく、これで目出度し、目出度し。
22:01:士騎朝輝:悪くはない結末のハズだ。
22:01:士騎朝輝:だが、心に刻まれた声があった。淵より来るものより暖かく強烈な光が、冷たいだけの氷のような思考を消し飛ばした。
22:01:士騎朝輝:『……ちゃんと』
22:02:士騎朝輝:『帰ってくんのよ、士騎!』
22:02:士騎朝輝:逝けば、二度と逢えなくなる。声を交わすことも出来なくなる。
22:02:士騎朝輝:そして、藤原奈央は、堕ちた士騎を切り捨てたふりをして、誰も見ていないところで、散々、怒って泣いて悲しんで、その傷を閉まったまま強くあろうと立ち上がってしまう。
22:02:士騎朝輝:あぁ、それは絶対に嫌だ。
22:02:士騎朝輝:そんな事は我慢できない。
22:03:士騎朝輝:士騎朝輝はあの少女の顔を曇らせたくはなく、心に疵を残したくなく、何よりも、自分の帰りを願ってくれる少女の笑顔を、何時かまた見たいと心の底から望んだのだ。
22:03:士騎朝輝:だから、足を止めて、振り返って…
22:03:士騎朝輝:なんて……思い出すだけで気恥しい。氷をも溶かす理不尽な精神の熱量、時間差で襲い掛かってくる羞恥に思わず頭を抱える。
22:03:士騎朝輝:「まったく、自分の心だけは案外自由にならないらしいよなぁ」
22:03:士騎朝輝:「大体、あいつ、支えてくれるヤツが山ほどいるだろうになぁ」
22:03:士騎朝輝:自分に呆れる。そこまで青臭く、単純な人間だと思っていなかったのだが。
22:04:士騎朝輝:「いや、これこそが本当の意味で自分の心の自由に従って選択した事か。案外、安い男だよなぁ、俺も」
22:04:士騎朝輝:気の抜けた溜息をつき皮肉気に自嘲する。
22:04:士騎朝輝:「………だがまぁ」
22:04:士騎朝輝:今なら分かる。あの羅刹たらんとした氷の感情は衝動に酔っていただけ、ただ暴走していただけだと、そこには結局、本当の自分自身などなかったと。
22:04:士騎朝輝:帰ってきたからこそ分かるのだ。
22:04:士騎朝輝:「旅の縁に助けられた。だって?あぁ、その通りだよ、村雨丸」
22:04:士騎朝輝:「そうだな、これだから、やめられないよなぁ」
22:05:士騎朝輝:言いながら、眩しそうに空を仰ぎ、歩き続ける。
22:05:士騎朝輝:悲劇があった。救われない恋(あい)の前に敗北もした。だが、世界は依然として続き、この道(いま)の先には、新しい出会いと、懐かしい再会があるだろう。
22:05:士騎朝輝:「未知(あした)はきっと楽しくて、振り返る日々(きのう)は輝かしい」
22:05:士騎朝輝:「さぁ、行こう。通りすがろう。新しい世界が俺達を待っている」
22:06:GM:----
22:07:藤原奈央:ラスト! 御厨くんのED。
22:10:どどんとふ:「GM」がログインしました。
22:12:GM:数日後。N市第三地区、町外れ。
22:13:GM:花見山霊園。山に囲まれ、四季の花が美しい公園墓地。
22:14:GM:石造りの緩やかな坂を登る、少年と大人の影がある。
22:16:本宮正尚:「こちらです。"スカボロー・フェア"」
22:17:GM:本宮正尚。コードネームは"ナモロド"。表向きはこの墓地を管理する寺の住職であり、
22:17:GM:R事案によって命を落とした人や、ジャーム化したものの死体を埋葬・管理するUGNの特殊エージェントでもある。
22:17:GM:御厨の提言もあり、K市メンバーは全員がここに埋葬されています。
22:18:御厨 柴門:「ありがとう、"ナモロド"」
22:18:御厨 柴門:案内されるままに住職の後をついていく。
22:18:本宮正尚:「いえ。仕事ですので」
22:19:本宮正尚:「気を悪くされたら謝るのですが、珍しい事ですよ」
22:19:本宮正尚:「エージェント……チルドレンでしたか。が、こうして墓参りに来るというのは」
22:19:本宮正尚:「お知り合いでしたか? どなたかが」
22:20:GM:立ち並ぶ墓石の中を先導する。Cエリアに入り、小階段を登り、11列目を曲がる。
22:20:GM:真新しい墓石が10個並んでます。
22:20:GM:9個!
22:21:御厨 柴門:「殆どは知らない。相手からしてみれば」
22:21:御厨 柴門:「僕の事なんか解らないかもしれないくらい」
22:21:御厨 柴門:「でも、言わないといけない事があってさ」
22:22:御厨 柴門:手持ちのビニール袋には缶入りの酒やソフトドリンクなどが入っている。
22:22:御厨 柴門:「本当は、花とか供えると良いのかもしれないんだけど」
22:22:本宮正尚:「……」 黙って話を聞いている。ここを訪れたエージェントのメンタル・ケアも、"ナモロド"の仕事だ。
22:23:御厨 柴門:「詳しくなくて」
22:23:本宮正尚:一人にしてくれと言われれば去り、そうでない場合は吐露される心中をただ聞いて受け止める。
22:23:御厨 柴門:成年のエージェントの墓には酒を、チルドレンの墓にはソフトドリンクを置いていく
22:23:本宮正尚:「花ですか」
22:25:本宮正尚:「前向きに別れを受け止めるのであれば、そのあたりに咲く彼岸花などよいかもしれませんね」
22:25:GM:Cエリアは山のすそだ。すぐそばの山肌に、赤い花が生えている。
22:25:本宮正尚:「花言葉は"転生"。あるいは、"また会う日を楽しみに"」
22:26:本宮正尚:「世間では不吉と言われることもございますが。良い花ですよ」
22:26:御厨 柴門:その言葉を噛みしめる様に頷く。
22:26:御厨 柴門:「次に来るときはそうします」
22:26:GM:カラスが鳴く。日没も近い。
22:27:御厨 柴門:「ここは、春は桜が綺麗ですよね」
22:27:御厨 柴門:「春先に近くを走っていると良く見えます」
22:27:御厨 柴門:「だから、ここが良いかなと思ったんです」
22:27:本宮正尚:「ええ。墓石の掃除は大変ですがね」
22:28:本宮正尚:「桜がお好みで? それとも、花自体が?」
22:28:御厨 柴門:「いえ、ここで眠る人が多分。好きだったと思うので」
22:29:御厨 柴門:「少し、一人にしてもらっても良いですか?」
22:30:御厨 柴門:「表の門とか、閉めておくので。先に帰って頂いても大丈夫です」
22:30:本宮正尚:「承知しました。なに、時間はお気になさらず」
22:31:御厨 柴門:「ありがとう」
22:31:本宮正尚:「積もる話もございましょう。……帰り道は暗いので、それだけお気をつけを」
22:31:御厨 柴門:軽く礼をする。
22:31:GM:御厨に礼を尽くすよう、深々と礼をして去っていく。
22:32:GM:ゴーン。ゴーン。夕闇にまぎれ、遠くからかすかに別の寺の鐘が聞こえる。
22:32:御厨 柴門:"ナモロド"を見送ったあと伊崎君の墓の前に立つ。
22:33:御厨 柴門:「なあ、君は」
22:33:御厨 柴門:「最後まで、彼女の事は解ってたんだよな」
22:34:御厨 柴門:しゃがみこんで墓石と目線を合わせる。
22:34:御厨 柴門:「他の何も解らなくなっても、それだけは解ってたんだよな」
22:34:御厨 柴門:「それが”好き”って事なのか?」
22:36:御厨 柴門:「最後に残った絆があったんなら、君をジャームと呼ぶべきじゃないんだろうけど」
22:36:御厨 柴門:「格好良かったよ、君は」
22:37:御厨 柴門:一呼吸置く。
22:37:御厨 柴門:「好きって事は強いな」
22:38:御厨 柴門:「君は他の全てを捨てても彼女を守ったし」
22:38:御厨 柴門:「以前闘ったヤツは、他の何を置いても好きな人を手に入れようとしてたよ」
22:39:御厨 柴門:「でも、君は死んで。僕は彼女を殺さないといけない」
22:39:御厨 柴門:「放っておくと、君はまた立ち上がってきそうだ。彼女の為に何度でも」
22:40:御厨 柴門:「前に会ったヤツが言ってた、まあ次に会う時はそいつは敵なんだろうけど」
22:41:御厨 柴門:「終わってしまった者がまだ動いているのは、見ていられないってさ。その点は僕も同じだ
22:42:御厨 柴門:「だから、君に約束をしよう」
22:42:御厨 柴門:「彼女は必ず僕がここに連れてくる。一緒に眠れれば安心だろう?」
22:43:御厨 柴門:「僕には君の”好き”は解らないけれど。それが何より大事なら」
22:43:御厨 柴門:「ここで一緒にいれば安らかに眠れると信じたいんだ」
22:45:御厨 柴門:「僕は一度始めた仕事は終わらせないと気が済まないから、その辺は信じて待ってて欲しい」
22:45:御厨 柴門:「頼もしい仲間もいるからさ」
22:45:御厨 柴門:立ち上がる。
22:45:御厨 柴門:「君達にもそういう仲間が居たように」
22:46:御厨 柴門:振り向いて歩き出す。
22:46:御厨 柴門:「次は何か花を持ってくるよ」
22:47:GM:----
22:48:御厨 柴門:墓参りを終え、僕は石段を降り車に乗る。
22:49:御厨 柴門:夕日が地平に沈み始め夕闇が迫る中、僕は車を走らせた。
22:49:御厨 柴門:花見山霊園の駐車場から国道へと繋がる曲がりくねった道の途中で。
22:50:御厨 柴門:…。
22:50:御厨 柴門:僕は一人の少女とすれ違った。
22:50:御厨 柴門:花束を抱えふらりと頼りなげに歩く姿。
22:50:御厨 柴門:余りにも普通の笑顔。
22:51:御厨 柴門:思わず車を止めて声を掛けたくなる様な誘惑に耐えて僕はそのまま車を走らせる。
22:52:御厨 柴門:今、一人きりで彼女に相対する事はできない。
22:52:御厨 柴門:バックミラー越しに彼女を見ようとしたが、既に人影は写っていない。
22:53:御厨 柴門:陽が落ちた山道は暗い闇に閉ざされようとしていた。
22:53:御厨 柴門:僕は思う。
22:54:御厨 柴門:ああ、少女の背後には余りにも深い虚ろが口を広げている。
22:54:御厨 柴門:ある人は恐怖によって。
22:54:御厨 柴門:ある人は憎悪によって。
22:54:御厨 柴門:ある人は怒りによって。
22:54:御厨 柴門:ある人は優しさによって。
22:54:御厨 柴門:そして、ある人は愛によって。
22:55:御厨 柴門:あの深く暗い淵に飲まれてしまうのだろう。
22:55:御厨 柴門:”マスターアビス”結木なつき。
22:56:御厨 柴門:彼女は『淵より来るもの』なのだ。
22:56:GM:----
22:56:GM:
22:56:GM:それは闇の底からやってきた。
22:57:GM:それは闇であり、深淵そのものであった。
22:57:GM:
22:57:GM:問うてはならない。
22:57:GM:見てはいけない。
22:57:GM:考えてはいけない。
22:57:GM:
22:57:GM:深淵を覗く時、深淵もまたあなたを覗いているのだから。
22:57:GM:
22:57:GM:ダブルクロス The 3rd Edition 『淵より来るもの』
22:57:GM:ダブルクロス――それは裏切りを意味する言葉。
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22:57:GM:
22:57:GM:ということで、第三支部セッションはこれにて全行程完了です。
22:57:GM:お疲れ様でした!
22:58:御厨 柴門:お疲れさまでしたー
22:58:入間誠時:おつかれさまでした!
22:58:士騎朝輝:お疲れさまでした!!
22:58:御厨 柴門:いやー もちろん滅茶苦茶楽しいのもあるんですけれど この敵、このホラー感が参加してて最高でした
22:59:御厨 柴門:ありがとうございます
23:00:鷲尾瞳:めちゃめちゃ良かった……
23:31:どどんとふ:「入間誠時」がログアウトしました。