谷原里香:「だから私……ゼッタイに……悪口とか言わないから」皆のように、とは言わない。
神津島ナギサ:「……」 実際、こんな性格だ。あたしは周囲の人間からは距離を置かれている。
神津島ナギサ:あるいはあの“後見人”のせいもあるのかもしれないが、そこのところは良く分からない。
神津島ナギサ:分かっているのは谷原だけがこうして接してくれるという事だけだ。
神津島ナギサ:「うん。ありがとう、谷原」
神津島ナギサ:「……帰ろっか?一緒に」
谷原里香:固く目を閉じる。少し涙が滲んでいる。
谷原里香:「別の班だから。さよなら」
谷原里香:走り去っていってしまう。
神津島ナギサ:「あ——」
神津島ナギサ:「……はぁ」
神津島ナギサ:(島の外っていうのも……毎日ものすごく楽しいってわけじゃねえんだな) 帰り支度をする。
GM:島のように、過剰な畏れや崇拝の意識が向けられることはなくなった。
GM:だが、だからといってそれらが心地良い感情に代わったわけでもなかった。
GM:『ごく普通』の敵意や悪意。そして無関心が。それは神津島ナギサの14年間の中で、初めての環境だった。
GM:ただ、普通の嫌われ者であるという苦痛。
GM:……そして。
GM:-----
GM:折木本家
GM:----
GM:折木本家は、集団下校のルートからも大きく外れている。
GM:この土地の人間は——特に大人は、折木家を恐れているのだとわかっていた。かつて神津島ナギサがそうだったように。
GM:駐車場やビルのところどころに、『折木』の名が刻まれていた。大戦直後からの大地主、折木家。
神津島ナギサ:(なんだかな。結局、どこに行ってもこういう存在はあるもんなのか)
GM:——そして神津島ナギサが拾われたUGN支部の有力出資者でもあった。
GM:彼女の身元引受人は彼らしかいない。神津島ナギサの潜る門は、体躯に不釣り合いなほど巨大だ。
神津島ナギサ:(怖がられて、対等な奴はいなくて、腫れ者扱い。まいったぜ) 門をゆっくりとくぐる。
神津島ナギサ:折木の人間はどいつもこいつも“島”のやつと同じ匂いがして、好きではない。
神津島ナギサ:しかし、そのなかでも一番苦手なのは——
折木真夜子:「——ナギサ」折木家の庭。夏の常緑樹の根本に、姿勢よく立っている。
神津島ナギサ:——こいつだ。
折木真夜子:「帰りが遅かったわね」微笑む。
神津島ナギサ:「ごきげんよう、お嬢様」
神津島ナギサ:「集団下校ってやつでね。無駄に回り道させられるから、あたしも困ってる」
神津島ナギサ:肩をすくめる。
折木真夜子:「……」微笑んだまま、沈黙で返す。
折木真夜子:『お嬢様』ではなく『真夜子さん』と呼ぶまで、答えないつもりだ。
神津島ナギサ:「…………」 片方の眉をひそめる。
神津島ナギサ:「ごきげんよう。“真夜子さん”」
折木真夜子:「それは、大変だったわね」頭を撫でる。
折木真夜子:「今度から下校ルートは変えてもらいましょうね」
神津島ナギサ:「ん……」 頭を撫でられるのはいつもの事だ。
神津島ナギサ:ペット扱いなのか。それとも何らかの思惑があるのか。今のあたしには良く分からない。
神津島ナギサ:「うん。そうしてくれると助かる」
折木真夜子:「……あんな事件が起こっているのだから、あなたが遅くなっては駄目よ」
GM:ナギサだけを贔屓するルートに変える。それは冗談なのかもしれないが、
GM:その気になればそうもできるのだろう。
神津島ナギサ:「——早贄事件。ね。」
神津島ナギサ:あ、真夜子さんはUGNの事を知っていますか?
GM:当然知っています。
神津島ナギサ:「大丈夫だよ。あたしはオーヴァードなんだから」
折木真夜子:「……くすっ」
神津島ナギサ:「刃物を持ったサイコ野郎とか……まあ、どうとでもなるし。むしろ真夜子さんが心配なくらいでさ」
折木真夜子:「なら、ねえ」
神津島ナギサ:「……?」
折木真夜子:「私がやってみても大丈夫ね?」ナギサの喉を撫でる。
神津島ナギサ:「え?」
折木真夜子:「私に嘘はつかないわよね。ナギサ」耳元で囁く。
折木真夜子:「あなたは、私の、大事な友達だから。そうでしょう」
神津島ナギサ:「……あたしは真夜子さんの友達になりたいと思ってるけど」
神津島ナギサ:「やってみる……?」
神津島ナギサ:「やってみても、って何する気なのさ。危ない事はやめなよ」
折木真夜子:「ナギサを、早贄にしてみるの。ふふ」冗談かどうかを判別できない。
折木真夜子:「オーヴァードならそういう遊びもできるわよね」
神津島ナギサ:「……!」
神津島ナギサ:温かい吐息を耳に感じ、思わず飛びのく。
神津島ナギサ:「趣味が悪いぜ、お嬢様」 ひきつった笑み。
折木真夜子:「……」
神津島ナギサ:「友達に対する、冗談にしちゃあさ……」
折木真夜子:姿勢良く立ち姿に戻って、ナギサの次の言葉を待っている。
神津島ナギサ:「……真夜子さん」
折木真夜子:「よくできたわね」少し首を傾げる。
折木真夜子:「でも、冗談を言ったのはナギサの方よね?」
神津島ナギサ:「え」
折木真夜子:「……早贄事件みたいなことがあっても、大丈夫だって言ったのよ?」
神津島ナギサ:「ば……バッカ野郎!そりゃ、もし襲われたら犯人をボーボー燃やして解決してやるよって事だ!」 思わず大声をあげる。
折木真夜子:「ふ、ふふ」
折木真夜子:「ふふふふふふふふふふふ。ふふふふふ」
神津島ナギサ:「……っ……」
折木真夜子:「……偉いわ。ナギサは、火の神様だものね?」また頭を撫でる。
折木真夜子:「そして、今は——」
折木真夜子:「私のお友達」
神津島ナギサ:「……(友達に)」
神津島ナギサ:(なりたいんだけどな、本当……)
神津島ナギサ:「……ああ」
折木真夜子:「そうよね。他のお友達なんかよりも、ずっと私が好きでしょう……」
折木真夜子:「——昨日の晩、谷原さんのお宅にも、ようく言っておいてあげたから」
折木真夜子:「きっと、分かってもらえたと思うわ」
神津島ナギサ:「——!」
折木真夜子:ゆっくりと優雅に、家へと踵を返す。
神津島ナギサ:「言っておいたって、ちょっ、」
神津島ナギサ:その背中に手を伸ばすが、続く言葉が見つからない。
GM:谷原里香が謝ろうとしていたのは、このことだった。
GM:きっと明日からナギサに話しかけることはないだろう。
GM:それが折木家の力だった。
神津島ナギサ:「……」 指先に小さな蒼火球を生み出し、消す。
神津島ナギサ:生み出しては、消す。不安になった時のクセ。
神津島ナギサ:……折木の人間は。どいつもこいつも“島”のやつと同じ匂いがして、好きではない。
神津島ナギサ:そのなかでも——
神津島ナギサ:——折木真夜子は何を考えているかさっぱりわからない。
神津島ナギサ:一番、苦手だ。
GM:----
GM:シーンを終了します。ロイスのみ取得可能。
神津島ナギサ:お嬢……真夜子さんにロイスをとります。
GM:(にっこり)
神津島ナギサ:後見人/折木真夜子/好奇心/○屈辱/ロイス
神津島ナギサ:これで!
GM:----
GM:では、次は弓近さんのオープニングに入りましょう。
弓近いおり:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 3[3]+32 → 35
弓近いおり:順調だ・・・・
GM:----
GM:弓近庵
GM:----
GM:事務所の改装はほぼ終わった頃だった。
GM:かつてあったヴィンテージ趣味の——ジ・エレイソンの——骨董品も、残すか片付けるかを決めたところだろう。
GM:後は看板を掲げ、マスターの手配が済めば、情報屋として開業していける。
GM:それがどれほど困難な道かはまだ分からない頃だった。
弓近いおり:「ううん。我ながら、良い出来ですね~」 《情報屋 弓近庵》 と書かれた額縁を、事務所の上に掛ける。
GM:無理矢理に作った口調も板についてきた。
GM:“ジ・エレイソン”のように。困難の前でこそ飄々と。
弓近いおり:「これならすぐにでも大繁盛間違いなし! です!」
GM:そこで電話が鳴る。“ジ・エレイソン”は今時の飛ばし携帯ではなく、依頼用の専用固定回線を好んだ。
GM:だが、かつての番号に掛かって来ているということは、これは……
弓近いおり:「……おや?」
弓近いおり:鳴る電話。ある種、神聖なものとして、部屋の片側に残してまとめた、エレイソンの遺品の机。
弓近いおり:慎重にそれに近づき……ガチャ、と取る。
GM:月末にもこの回線は止まるところだった。ギリギリのタイミングで入った電話。
???:「殺し屋……殺し屋……」
???:荒い息が聞こえる。
弓近いおり:「……はい! 元殺し屋、現情報屋、弓近いおりです!」
???:「……!殺し屋!……さん、ですか?」
弓近いおり:「うーんと……ちょっと前までは、そうでした!」
???:「だから来なかったのか……です、か」
弓近いおり:「どちらさまでしょう? ジ・エレイソンへの依頼ですか?」
???:「ふざけ……くそ、お前のせいで……!」
???:「受付か何かですか」
???:「殺し屋を出してください」
弓近いおり:「——ジ・エレイソンは亡くなりました」一瞬だけ声が平坦になる「今は私が後継です!」
???:「死んだ、だって……」
???:「殺し屋のくせに……ああ!」何かを叩く音が聞こえる。
???:「か、代わりに……アフターサポートって、できないんですか。それ」
弓近いおり:「殺し屋だって死にます。お気持ちは分かりますが、冷静に」
???:「エレイソンだかなんだか、知らないですけど。僕は……いや、僕じゃない、けど……」
???:「依頼してたんです。そいつに」
弓近いおり:「依頼? ——彼に?」
???:「はい。……でも、来なかったんでしょう!」
???:「死んだから!」
弓近いおり:「行ってないのなら……きっとそうですね」
弓近いおり:「じゃあ彼は、受けた依頼を達成しないままに死んだの?」
???:「そうですよ。無責任だ。どうして……」
???:「……っ、じゃあ誰も殺し屋はやってくれないんですね」
弓近いおり:「……いえ」
弓近いおり:「ふふ。少し、詳しいお話を聞かせて下さいますか?」
???:「話すわけないじゃないですか。代わりがいるのか……いるんですか」
???:「そうじゃなきゃ、素性なんて言えない。お金だってないし」
弓近いおり:「そこで、私がいるのです。ジ・エレイソンの唯一の弟子」
弓近いおり:「私は《ポップレクイエム》。師ら依頼をし損ねたのが本当なら、私が処理するのが筋ではないですかね?」
???:「……本当ですか」
???:「騙してないですね?大人なら、責任を持ちますよね」
弓近いおり:「ええ、もちろんです」
弓近いおり:「正規の手続きを踏む限り、依頼人の殺意だけは裏切らない」
弓近いおり:「ジ・エレイソンに依頼したのなら……その言葉もまだ、有効となります」
???:「僕は……折木秋果という」
折木秋果:「秋の果実、でシュウカ」
弓近いおり:「木を折る秋の果実、ね」
弓近いおり:「ジ・エレイソンが、まず最初に聞くことは決まっていました」
弓近いおり:「あなたは、誰を殺すことを求めますか?」
折木秋果:「住所は湯津町8の6の2。その辺で折木本家、って聞けば分かる」
折木秋果:「……ターゲットは、それだ……です」
弓近いおり:「折木本家・・・」
折木秋果:「僕の『家』を——」
折木秋果:「——家に取り憑いている、怪物を」
折木秋果:「あなたにブッ殺してほしい」
弓近いおり:「怪物」 まあ
弓近いおり:まあ、と言いそうなった口を手で押さえる。
弓近いおり:「怪物……それは一体、どういったものですか?」
弓近いおり:「いえ……そうですね」
折木秋果:「……僕にだって、よくわからない。そもそも……」
折木秋果:「……」そこから先は口をつぐむ。
弓近いおり:「前に依頼した時も、電話? それとも、直に事務所に来たのかしら?」
折木秋果:「……!それは」
折木秋果:「で、電話……?……」やや曖昧な答えだ。
弓近いおり:「ふぅん……」
弓近いおり:「お金の用意は出来ているかしら」
折木秋果:「払っ……」
折木秋果:「……た、はず。確認……できてないですか」
折木秋果:歯切れが悪い。
弓近いおり:「…………」
弓近いおり:ジ・エレイソンが・・・・依頼人に無意味に本名を名乗らせたり、電話だけで依頼に応じたり、仕事を終える前に全額を貰ったりしていただろうか。
GM:そんなことはなかったでしょう。
GM:連絡先を教えるとしても、最初に直接会って依頼を受けてからであったはず。
弓近いおり:かといって、依頼の記録自体を探すのも難しい。殺し屋がそんなものを残すとは思えないし、残しているとしても、自分が一朝一夕で見つけられるものではないだろう。
弓近いおり:「…………なら」
弓近いおり:「一度会いましょう、折木さん」
折木秋果:「……当、然」
折木秋果:「その覚悟はあります。来ていただけるんですね?」
折木秋果:「——“仕事”の現場に」
弓近いおり:「現場に行かない殺し屋は二流」
弓近いおり:「現場にノコノコ出向く殺し屋は三流」
弓近いおり:「真の殺し屋は、現場は自ら創るもの」
折木秋果:「フ。さ、すが」声色からも、相手が極度に緊張していることはわかる。
折木秋果:「……会いましょう。本家の前だと絶対まずい」
折木秋果:「すぐ手前の大通りに消防署があります。明日5時、来られますか」
弓近いおり:「では、そのお時間に。——目印を決めて下さいますか?」
弓近いおり:「こちらは……そうですね。首元に赤いスカーフを」
折木秋果:「灰色の帽子を」
折木秋果:「呼びかける時は『秋果さんですね』と……それ以外では話しかけないでください」
折木秋果:「待ち伏せがいると判断したら動かないでください。5時30分になったら僕は去ります」
弓近いおり:「待ち伏せなんて。始まる前から物騒な話」
折木秋果:「……早贄事件を知ってますか?」
弓近いおり:「ええ、もちろん。最初に手をつけようと思っていた案件です」
折木秋果:「“ポップ・レクイエム”。……僕は。僕は、知ってる」苦しそうだ。
折木秋果:「あれは猟奇殺人事件なんかじゃない」
折木秋果:「……ッ」
弓近いおり:「?」
折木秋果:「——連続猟奇殺人事件だ」
折木秋果:「本当は……」
折木秋果:「……人が来ました。また」
弓近いおり:「もしもあなたが現場から離れざるをえなかったら」
弓近いおり:「”血痕”を残しておいてくれると、とても助かります」
弓近いおり:「では。明日五時。”憐憫を引き継ぐ鎮魂”が、そちらに向かいます」
GM:皮肉にも、弓近いおりの最初の事件は、情報屋としての仕事ではなかった。
GM:だがそれは、“ジ・エレイソン”の最後の事件でもあった。
GM:彼を継ぐのならば、そうする義務があった。
GM:現場は、某区湯津町。
GM:何かが起こりつつあるのだろう。“ジ・エレイソン”はそういう依頼を好んだ。
GM:----
GM:ロイス取得が可能です。
弓近いおり:依頼人/折木秋果/誠意/疑念:○/ロイス
弓近いおり:あと、ちょっとだけモノローグしていいですか
GM:もちろん結構デース!
弓近いおり:電話が切れた後に、受話器をじっと見つめる。ツー、ツーと規則的に鳴る音。
弓近いおり:「ジ・エレイソン」
弓近いおり:「あなたは最後に、何を殺そうとしていたの?」
弓近いおり:手元では、指先から流れた赤い血が奇怪な動きで閃き、待ち合わせ時間のメモを描いた。
弓近いおり:以上で。
GM:では本日は以上。次回は火曜21:30からになります。
GM:GMが間に合えばね!
GM:お疲れ様でした。
神津島ナギサ:了解デース!また火曜日に!
弓近いおり:お疲れさまでした~!
遠藤篤美:おつかれさまです!
御剣凌駕:お疲れ様でした!
どどんとふ:「御剣凌駕」がログアウトしました。
どどんとふ:「GM」がログアウトしました。
どどんとふ:「GM」がログインしました。
どどんとふ:「神津島ナギサ」がログインしました。
どどんとふ:「遠藤篤美」がログインしました。
どどんとふ:「弓近いおり」がログインしました。
どどんとふ:「御剣凌駕」がログインしました。
GM:次は御剣さんの登場シーン。オープニングから5年経過します。
GM:登場侵蝕率をどうぞ。
御剣凌駕:41+1d10
DoubleCross : (41+1D10) → 41+6[6] → 47
GM:----
GM:長い、終わりの見えない旅路だった。
-:「……旅?その年でかよ」
-:「このたびは残念でした。次の募集は結果まで6日待ちとなりますが……」
-:「ミツルギ!すげえ滝だと思わないかい!アタシらなんてちっぽけだ!」
-:「うわっ、動きやがった!死体じゃねえ!」
-:「一名確保。連行中です。ええ。不法滞在者ですね」
-:「アノ……リョガ、アリ、ガト」
-:「感染だ!ハハハ!そいつが呪いのウィルスだ!」「あと二週間の命だぞ、お前!」
-:「たった一人で来て、この私をどうにかできるって?」
-:「帰る家はなかったの?……私は、そうなれないの?」
-:「旅ってのは最悪だよな。兄弟」「けれど素晴らしい」
GM:安らぎと引き換えに、ただ、糧とした。
GM:それでも、その『音』が道を見出す事は……
GM:----
-:「ひでぇ音だ」
-:「ああ!そりゃただの公害だね!」
-:「あっはっはっは!ミュージシャンの他に、道はいくらでもあるさ!」
-:「最悪だ!最悪だ!最悪だ!」
-:「はい。苦情が、それはもう……」
-:「モウ……ソレ、聞キタクナイ……」
-:「アアアアアア!?てめぇその音を、畜生!!」
-:「……まるで動物の悲鳴だ」
-:「才能なんてないのよ」
-:「ここでお別れだ。……アンタの演奏に付き合いたくないんでね」
GM:----
GM:----
-:「見えるだろう。レペは……『丘』だ」
-:「レペ・ツィエ・ケルム。土地の古い言葉で、白い大神の丘という」
御剣凌駕:「白い大神……?大層な名だ」
-:「かつての神だ。エドワード・コープの発掘隊も、彼らの全ては暴けなかった」
御剣凌駕:「その先に何がある?」
-:「何も」
-:「彼らは死んでいるのだからね」
御剣凌駕:「何も?では、なぜ」
御剣凌駕:「なぜあの丘の話をオレに?」
GM:広大な丘。白く乾燥した、死の大地が広がっている。
GM:その下に眠る者に、生きて出会うことはないだろう。
GM:この世に生きる生命なら、誰も。
-:「それは鎮魂の曲なのだろう」
-:「——彼らに捧げるといい」
GM:----
GM:現在 御剣家
御剣凌駕:「……泣いている。彼らは、悲しんでいる」
御剣凌駕:雨の降りしきる乾いた大地で座り込む。
御剣凌駕:傍らに置かれたフルートが地響きで揺れる。
御剣凌駕:少年の目の前で、巨大な竜が眠りから覚めたように雄叫びをあげる。
御剣凌駕:「あっはっはっはっはっはっは!そうか!そういうことか!」
御剣凌駕:愉快そうに笑いながら涙を流している。
御剣凌駕:「お前たちがオレの友か!オレの音楽の理解者!道理で!」
御剣凌駕:「道理で、世界中どこに行ったって誰にもオレの音楽は通じないはずだ」
御剣凌駕:「何年もかかって、世界を巡って、その結果がこれか!笑えるな!」
御剣凌駕:「だったら……」
御剣凌駕:「だったら、オレの進むべき道は決まったな」
御剣凌駕:笑い止む。
御剣凌駕:「さて、帰るか」
御剣凌駕:「ニッポンに」
GM:----
GM:現在 御剣家
GM:----
GM:街並みは記憶のそれとは遠く変わっていたが、御剣家の邸宅は、5年前の姿のままで残っていた。
御剣凌駕:「……驚くくらいに変わっていないな」
御剣なつめ:「凌ちゃん」
御剣なつめ:祖母の声が、庭の方から聞こえた。
御剣なつめ:「……凌ちゃん!帰ってきたの」
御剣凌駕:「祖母上。ただ今帰りました」
御剣なつめ:「おお、良かった……良かった。よく、無事だったねえ」
御剣凌駕:「心配を、おかけしました」
御剣なつめ:「凌ちゃん。こんなに大きくなって。たくましくなって」凌駕を抱きしめ、短い腕で背中を叩く。
御剣凌駕:「祖母上は……随分小さくなられた」
御剣なつめ:「本当に良かった。元気でやってたの?色んなお国を回っていたって聞いて……」
御剣なつめ:「心配で心配で、ふう、おばあちゃん、気がちっちゃいもんだから」弱々しく笑う。
御剣凌駕:「ああ、大丈夫です。行きはちと苦労しましたが、帰りは彼らが守ってくれましたので」
御剣凌駕:「なあ、お前たち?」後ろを振り向くが、当然そこには誰も居ない。
御剣なつめ:「はぁ」
御剣凌駕:「本当に、ご心配をおかけしました。これからはずっと傍におります」
御剣なつめ:丸い目をパチパチと瞬かせる。
御剣なつめ:「……ええ、ええ。ありがとね。無事でありがとう」
御剣なつめ:「おじいちゃんも、きっと喜ぶから。……さ、入って。ゆっくりしてね」
御剣なつめ:「凌ちゃんのおうちなんだから。ねぇ」
御剣凌駕:「ええ。祖父上にも、ご挨拶を」
GM:祖母はニコニコと先に立って、邸宅の中へと入っていく。
GM:そして仏壇の前へ。
御剣凌駕:「……祖父上」手に持った荷物を取り落とす。
御剣なつめ:「……ほら。おじいちゃん。凌ちゃんが帰りましたよ」
御剣なつめ:鈴(りん)を鳴らし、手を合わせる。
御剣凌駕:「……」黙って仏壇の前に行こう。
御剣なつめ:「凌ちゃんは……おじいちゃんみたいに、強い目の子になりました」
御剣なつめ:マッチを擦り、線香に火をつける。
御剣凌駕:座りこんで、手を合わせる。
御剣凌駕:「祖父上、凌駕です。今、帰りました」
御剣凌駕:「世界中回って、やっとオレの進むべき道が見つかりました。オレは祖父上とも父上とも違う道を行きます」
御剣凌駕:「それを道と言っていいのかはわかりませんが……」
御剣凌駕:「道と呼ぶのならば、竜の道。今はそれをただ真っ直ぐに進みます」
御剣凌駕:「ですので……祖父上も安心してください」
御剣凌駕:顔を手で覆う。
御剣凌駕:「ばあちゃん……しばらく一人にしてもらっていいかな」
御剣なつめ:「……ごめんなさいね」
御剣なつめ:「おじいちゃん、最後まで……」
御剣なつめ:「こんな程度のことで、凌ちゃんを呼び戻すことないって。絶対、絶対に強く頑張ってるからって」
御剣凌駕:「……祖父上らしい」
御剣なつめ:「……」
御剣なつめ:無言で、もう一度正面から抱きしめ、背中を撫でる。
御剣なつめ:「お茶を入れてきましょうね、凌ちゃん。……おじいちゃんの分も」
御剣凌駕:「頼みます。オレも、喉が渇いた」薄く笑う。
GM:祖母はその場を離れる。
GM:広い家だ。父も祖父もいない。今は祖母一人だけなのだろう。
御剣凌駕:足を崩し、あぐらをかく。
御剣凌駕:「……祖父上!アンタが死んじゃダメだろう!」
GM:----
GM:板張りの部屋は長く使っていないということで、今は一時的に、かつての幻耶の部屋が与えられている。
GM:彼もそのほうが喜ぶだろう、と祖母は言っていた。
GM:飾り気のない質素な部屋。あるものといえば、手付かずの書斎机くらいのものだ。
御剣凌駕:「……祖父上の部屋に入るのも何年ぶりか」
御剣凌駕:「祖父上の荷物は置き放しか。……手を触れるのは少し気が引けるが、滞在するのならずっとこのままというわけにもいくまいな」
御剣凌駕:カバンを置いて少し休んでから、書斎机に触れる。
GM:カタッ
GM:年月に劣化していたのだろうか。
GM:二番目の引き出しの鏡板が落ちた。
GM:恐らく鍵がかかっていたのだろうが、遅かれ早かれこうなる状態だったのだろう。
御剣凌駕:「おっと、しまった。遺品を壊すわけにはいかんな」
御剣凌駕:直そうと引き出しに手を触れる。
GM:何かが折れたわけではない。はめ込めば直る程度のものだろう。だが……
GM:数通の封筒が落ちた。祖父の筆跡だ。
御剣凌駕:「祖父上の書簡か」
GM:『麗しきジユリエツトへ』
御剣凌駕:拾い上げてちらりと見る。
御剣凌駕:「……ジュリエット?」
GM:そう古い年月の手紙ではない。せいぜい二年ほど前の日付だった。
御剣凌駕:「いい年をした祖父上に想い人が?まさかな」
GM:宛先は某区湯津町。そこに知り合いを持っていることすら、今初めて知ったことだろう。
GM:また、見慣れない筆跡の封筒はさらに多い。
御剣凌駕:「ふむ。祖父上はそのジュリエット嬢とやらに随分と熱を上げていたようだ」
GM:『幻耶様ゑ』『御剣幻耶様』『素敵な幻耶様ゑ』
GM:……これも同一の筆跡だ。
御剣凌駕:「祖母上はこのことを……知るまいな。祖父上は話すような御仁ではない」
御剣凌駕:好奇心のままに、手紙を見ていこう。
“麗しきジュリエット”:『拝啓 幻耶様
“麗しきジュリエット”:銀杏の木々が色づいて、秋が風に薫る季節になりました。
“麗しきジュリエット”:この時節になると、いつかの素敵な冒険の日が、瞼の内に今もはっきりと蘇つてきます。
“麗しきジュリエット”:御孫さまのこと、きっとご心配でしょう。けれどもしかすると、あの日の幻耶様のようなご活躍をされているかもしれませんよ。
“麗しきジュリエット”:近頃は料理などをまた初めてみようと思い、久に調理場に立ってみました。
“麗しきジュリエット”:月曜には鯖のお味噌煮と、ほうれんそうのおひたしを。それから火曜には……』
GM:後は、他愛もない日常の暮らしの報告が続いている。
御剣凌駕:「ジュリエット嬢とやら、祖父上と親密な仲だったようだ」
御剣なつめ:「凌ちゃあん」台所の方から、祖母の声が聞こえる。
御剣凌駕:「どうしました、祖母上」叫び返す。
御剣なつめ:「あまり、お片づけに根を詰めないでね。おばあちゃんが放っときぱはしだったのも良くなかったからねえ」
御剣凌駕:「お気になさらず。案外、いい気分転換になります」
御剣なつめ:「久しぶりの故郷なんだから。ゆっくり町を見て回っても大丈夫だからね」
御剣凌駕:「……若い頃の祖父上か。湯津町といえばここからでもそう遠くはないな。行ってみるか」書簡を見ながら呟く。
御剣凌駕:立ち上がると、学生服の腰に刀じみてフルートを差す。
GM:都心近くなので、交通の便も良いはず。電車を使えば、十分日帰りできる距離でしょう。
御剣凌駕:「それもそうですね。では、失敬して少し街を散策してくることにしましょう」
御剣凌駕:「夕餉までには帰ります」
御剣なつめ:「ええ、ええ。行ってらっしゃいね、凌ちゃん」
御剣凌駕:「若き祖父上を知る想い人、麗しのジュリエット嬢、か。日本に戻ってきて早々、なかなかのエボリューションじゃないか」
御剣凌駕:そう言って家を出て、書簡の宛先にあった湯津町へと向かいましょう。
GM:----
GM:それではシーン終了!ロイスのみ可能です!
御剣凌駕:“麗しきジュリエット”にポジティブが好奇心、ネガティブが不安で取りましょう。
御剣凌駕:以上なのです。
GM:それでは、弓近さんと神津島さんの合流シーンとなります。
GM:お2人の侵蝕率をどうぞ。
神津島ナギサ:神津島ナギサの侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:47->52)
神津島ナギサ:良い出目。
弓近いおり:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 10[10]+35 → 45
弓近いおり:oh……
神津島ナギサ:はわわわ
GM:----
GM:湯津町東消防署
GM:----
GM:大通りに面した建物の前に、一人の少年が所在なさげに立っている様子が見える。
GM:灰色の帽子。符丁通りに、折木秋果が来た。
GM:不審な点も多い依頼人である。遠目で確認したものの、まだ依頼を受けずに帰る選択肢はある。
弓近いおり:嘘をつく依頼人に応えるほど、殺し屋稼業は暢気な商売ではない。
弓近いおり:ただし、正体を隠す分には、それはあちらの自由だ。……エレイソンはそういうスタンスだった。
弓近いおり:彼が『嘘』をつく依頼人かどうか。それを見極める必要がある。
折木秋果:腕時計を見ている。時刻は17時6分。
弓近いおり:不安げに周りを見渡す少年に、通行人にまぎれてこっそりと近づく。
弓近いおり:「秋果さんですね?」
弓近いおり:上はチェックのベストにシャツ。下はショートパンツにタイツ。ボーイッシュな軽装。首元に赤いスカーフ。
折木秋果:「……!!」
折木秋果:「はい……秋の果実で、シュウカです」余計なことを言わないよう神経を削っていることがわかる。
折木秋果:「……移動を」
GM:先に立って、商店街の方へと入っていく。
弓近いおり:「はいはい。どうぞよろしくお願いしますね」
GM:例えば姉弟や、デート中のカップルが紛れてもおかしくない人通りだ。
折木秋果:「……あなた。あなたが」斜め後方を歩く弓近を、横目で見る。
折木秋果:「本当なのか。年だってそんなに違わないぞ……」
弓近いおり:「歳の差なんて、些細な問題だと思いますけど?」
弓近いおり:「あなただって、殺し屋に依頼する年齢になんて見えないですしね」
折木秋果:「大きな問題だよ……僕と同じ年齢だったら、どんなに長くても16年しかキャリアが積めないじゃないか」
折木秋果:「幼いってことは、プロじゃないってことだよ」
弓近いおり:「16年あれば、どんな些細な競技だってプロになれるじゃないですか」
弓近いおり:「フィギュアスケート。知ってます? 私は好きですよ。プレイヤーの全盛期があまりに若くて」
折木秋果:「チッ……なんなんだよ、僕に理屈なんて……」不愉快そうにする。
折木秋果:「別に……別に、疑ってるわけ、じゃないけど」
折木秋果:「でも、先代の……死んだ人の代わりになる仕事って、できるの」
弓近いおり:「もちろんですよ。でなきゃ名乗りません」
折木秋果:「でも……」何かを言いたそうだが、
弓近いおり:「どこかに入りましょうか。カラオケか、喫茶店か、ネットカフェさんか。どれが良いですか?」
折木秋果:「…………」すぐに黙りこむ。対人の距離に慣れていないだろうことが分かる。
折木秋果:「歩きながらがいいよ。尾行とか、分かるでしょ」
折木秋果:「一箇所に止まると、近くの席で聞かれる。店員が聞くかも」
弓近いおり:「そういう……」そういう危険が無い場所を、ここに来るまでにいくつか見繕ってはいるのだが。
弓近いおり:如何せん初仕事だ。依頼人を優先しよう「では、このままで」
弓近いおり:「尾行される心当たりなんて、あるんですか?」
弓近いおり:こころなし並ぶ距離を近づける。
折木秋果:「う」
折木秋果:「……お、折木家を狙うんだから、それくらい当然の警戒じゃないか」
折木秋果:「……じゃないですか」
弓近いおり:——折木家。近辺を支配する大地主。近隣のUGNとの繋がりアリ。
GM:もちろん、事前調査でそこまでわかっていてよいでしょう。
GM:特にUGNとの繋がりは重大な懸念事項です。「オーヴァードである」というアドバンテージが通用しない可能性がある。
弓近いおり:「ふむ。そうですね」
弓近いおり:「——ということは。怪物、と言いましたけど」
弓近いおり:「それは比喩ですか?」
折木秋果:「……わからない」
折木秋果:「わからないから、その……怪物」
折木秋果:「でも、おかしくなってきてるんだ。僕の家が少しずつ」
弓近いおり:「おかしな雰囲気を殺すなんてことは、殺し屋の仕事じゃありません」
弓近いおり:「カウンセラーを紹介してほしいわけじゃないんでしょう」
折木秋果:「確かに……それはそうだけど。くそ、僕に理屈を……」頭をガシガシと掻く。
折木秋果:「…………『早贄事件』の犯人が、僕の家のすぐ近くにいるかもしれない」
弓近いおり:「少し分かりやすくなりました」
折木秋果:「調査とかって、僕がやるほうがいいん……いいんですよね」
折木秋果:「殺し屋に頼む以前にそうするつもりだったかもしれないけど」
折木秋果:「そうなると、僕が殺されるかもしれなくて……でも!なんとかしたくて!」
弓近いおり:「とんでもない!」
弓近いおり:「依頼人に必要なのは、依頼することです」
折木秋果:「でも、疑ってるんじゃないんですか……ポップ・レクイエムさん」
折木秋果:「僕が本物の依頼人じゃないって」
弓近いおり:「調査も侵入も殺害も、まとめて行う総合業者。それが殺し屋です」
弓近いおり:「そうですね」あっけらかんと「あなたが、ジ・エレイソンに依頼したのか」
弓近いおり:「いつ、誰を、どのように。その点を確定しないと、殺し屋としての仕事は出来ません」
折木秋果:片手で制する。
折木秋果:「そろそろ、はっきりさせましょう」
折木秋果:「敬語がいいですか。依頼人なら、もっと偉そうな方がいいですか」
折木秋果:「折木家で育ったから、全然分からないんですよ。普通、どうやって接するのか」
弓近いおり:「……?」
弓近いおり:「人との接し方なんて、思う通りにするのが一番に決まってるじゃない」
折木秋果:「ポップ・レクイエムさんはどっちがいいんですか」
弓近いおり:「何が良いかなんて他人に確認するくらいなら」
弓近いおり:「最初から好きにすればいいのに……うーん、そうですね。依頼ですからね。もっと断定口調で話してほしいです」
折木秋果:「……そうするよ。でも、悪いけど僕は依頼人じゃなくて」
折木秋果:「“ジ・エレイソン”に頼んだのは……父様なんだ。本当なら」
弓近いおり:「……?」
弓近いおり:「どういうことです?」
折木秋果:「だから、先代の……“ジ・エレイソン”とやりとりしたのも、金を払ったのも父様なんだ」
折木秋果:「でも殺し屋は来なかった」
折木秋果:「……」
弓近いおり:「そのお父様は?」
折木秋果:「……一ヶ月前から、父様は家に帰ってない。失踪してる」
弓近いおり:「失踪……」
折木秋果:「家を探ろうとしたからだ。殺そうとしたから」
弓近いおり:「もしかして、何かと依頼の詳細が曖昧なのは」
折木秋果:「だから……もし、父様も、今の状況をおかしいと思っていて」
弓近いおり:「そのお父様が、どのような依頼をしたか。誰を殺そうとしたか」
弓近いおり:「秋果さんも知らないからですか?
折木秋果:「それで、解決しようと思っていたなら」僅かに手を握る。
折木秋果:「僕が続きをやらなきゃいけないんだ」
折木秋果:「何をするのか分からなくても、そうするしかない、じゃないか……」
弓近いおり:「…………」しばし考え込む。「…………」もう少し考え込み、
弓近いおり:秋果さんの正面に周り、手を取る。
折木秋果:「うわっ、何!?あえっ」
折木秋果:「何、こいつ!」
弓近いおり:「素晴らしい志です! ならば、ご安心を!」
折木秋果:ドキドキしている。
弓近いおり:「ふふ! 恥ずかしがらなくても結構——あなたの依頼、こう承りました」
弓近いおり:「お父様の失踪の真相、および、それに絡んだ、折木家の現状の把握!」
折木秋果:無言で頷く。
弓近いおり:「それが判明した後、ジ・エレイソンの依頼を継続するか否かは、あなたが決めればいい」
弓近いおり:「ならば《ジ・エレイソン》への依頼ではなく、私への依頼ですね」
折木秋果:「嬉しそうですね……殺し屋ってみんなこうなんですか」
弓近いおり:「さあ? だって私、殺し屋が本業じゃないですし」ぴ、とその手に名刺を握らせる。
弓近いおり:《殺し屋》に二重線が引かれ、その右側に《情報屋:弓近庵》と書かれている。
弓近いおり:ポップ体だ。
折木秋果:「バ」
折木秋果:「バッカみたい……」
折木秋果:「……ふざけてるんですか?」真顔だ。
弓近いおり:「ふざけているかどうかは、仕事を終えてから決めてもらいましょう」
折木秋果:「こんな名刺、仕事来るわけないじゃないですか」
弓近いおり:「フフフ、重要なのは内実ですよ」
折木秋果:「見た目でアウトなら、内実なんてわかるわけない。……それに」目を細めて、向こうの路地を見る。
折木秋果:「尾行……来てるんじゃないです……や、来てるんじゃないか」
弓近いおり:「?」
GM:折木秋果の視線の先では、幼い少女が奥から路地に現れたところだ。
GM:通常警戒する必要もない容姿だが、彼の注目がそちらに向いていることを弓近は経験でわかる。
折木秋果:「神津島ナギサ」
GM:まだ距離は遠い。通りを挟んでいる。
弓近いおり:「お知り合いで?」
折木秋果:「姉様のペットだ。命令されて見張りにきたのかな。会話は聞こえてないはずだ……」
弓近いおり:「それはなんとも、刺激的な響きですね」
折木秋果:「何が?」
GM:……だが、様子がおかしい。
GM:神津島ナギサという少女は、ただ路地の向こうから走ってきたわけではない。
GM:鋭い破壊音のようなものが響いてくる。そして、それに遅れて——
GM:弓近と秋果がワーディングの展開半径に入る。
弓近いおり:「!」
弓近いおり:ぴん、と耳を立てる。秋果さんは倒れますか?
GM:----
GM:湯津町 路地裏
GM:----
GM:ガガン!
GM:ガン! ギン!ギン!バギン!ギン!!
GM:槍めいた鋭いスパイクが、逃げるナギサを追って無数に路上へと突き立つ。
神津島ナギサ:「おいおい、おい……!」
GM:突然の襲撃だった。敵の顔も分からない。
神津島ナギサ:サラマンダー能力で運動能力をフルにブーストして走る。
GM:スパイクを使って頭上のビルに張り付き、跳び、撃ち下ろしてくる。
神津島ナギサ:得体のしれない怪物と戦うのはこれが初めてじゃない。
神津島ナギサ:そういうのは、あの“島”の恒例行事だった。だからこそ自分のような化け物が畏れ崇められてきたのだ。巫女として。
神津島ナギサ:「でもこれは……これ、違うだろ」
神津島ナギサ:「相手は人間じゃねえのか、これは。クソッ!」
???:「ハァーッ……」掠れた声が、頭上から響く。
???:「折木家のヤツだな。オマエ」
神津島ナギサ:走るのは止めない。あのスパイクで足でもやられたら厄介だ。走りながら答える。
???:バギ ガン!!
神津島ナギサ:「神津島ナギサ。無関係だよ」
???:再び跳んだ。予測の付かない場所に移動したはずだ。
???:「そういう問題じゃねェー」
???:「あの家に寄生して、オーヴァードで、オマエ」
神津島ナギサ:「折木に恨みがあるとかそういうのなら、残念だな。あたしを殺してもあいつらの腹はぜんぜん痛まねえ……」
???:「無関係ですってかァー?アァ?どういう命乞いだ?」
神津島ナギサ:「……チッ」 話の通じる相手ではなさそうだ。
神津島ナギサ:よしんば話が通じたとしても、事実だ。説明を聞くとは思えないし、説明して納得してくれるとも思えない!
GM:ガン! ガン!
GM:退路を断つようにスパイクが撃ち込まれる!……そして!
神津島ナギサ:「よく調べてるよな……探偵か何かかよ、オマエ!」
GM:その様子は、通りを挟んだ弓近にも見えている。先ほどのワーディングで折木秋果が倒れた。
神津島ナギサ:側転を打ちながらそれを横目で確認する。
神津島ナギサ:(……秋果お坊ちゃんか。隣の奴は知らない)
神津島ナギサ:(いや、待て)
弓近いおり:「おっと」と、秋果さんを支える。
神津島ナギサ:(隣の奴――倒れないのか。この中で)
折木秋果:「……」力なく膝をついて、動かない。
折木秋果:意識がないわけではないだろうが、記憶に残ることもないだろう。それがワーディングだ。
神津島ナギサ:(……オーヴァードか。あいつも) 考えを打ち切って回避行動に戻る。
???:「オマエを殺すつもりはない」
???:「捕える」
GM:さらにスパイクが降る!声が聞こえたのとは別方向からだ!
神津島ナギサ:「捕えて?籠の鳥にでもするって?」 両手を広げる。十指すべてに蒼い火が灯る。
神津島ナギサ:「お断りだッ!」
神津島ナギサ:両手を広げ、舞う。炎がスパイクをはじき飛ばし、周囲を焼き払う!
弓近いおり:「(あら。オーヴァードですか)」
神津島ナギサ:(めんどくせえ。この……うざってえ槍ごと燃やしてやる!)
???:「シャアーッ……!!」ダ ダダダダン!!
???:跳躍音だけがビルを駆け上っていく。熱気の範囲から逃れたのだ!
弓近いおり:「(白昼堂々、元気だわ。戦っているのは何かしら。折木家はUGNの関係者……)」
神津島ナギサ:「ちょこまか動きやがって!」
弓近いおり:袖から、小さな投擲用ナイフを取り出す。見るからに護身用と言った様子の、頼りない小刀だ。
GM:ダンッ! ……ダン!
GM:ガン! ガン!
GM:ワーディングの作用で静寂化した町に、反響音が響く。左。前方。右後方。
GM: ガンッ
GM:僅かな着地音。後方。
GM:——弓近いおりの!
???:音もなくスパイクが降る。標的は折木秋果だ!
神津島ナギサ:「――あぶない!避けろ!」
弓近いおり:では、スパイクの落下地点に回り込む。
弓近いおり:赤色の電荷を残し、既に正面から、スパイクを捉える立ち位置に要る。
弓近いおり:「荒事は、あまり向いてないって」ナイフを構える。ぎゅるん、と掌から血が渦巻き、長大な
弓近いおり:「彼からは、言われてるんですけど」
弓近いおり:全身をらせん状に捻り、投擲! 下から迸った電光が、スパイクを正面から貫く。
GM:——バ チ ン!!
???:「……」ダン!
???:「やる」姿を見せぬまま、声だけが降る。
???:「シューッ……俺は“バーデンバーデン”」
???:「どこのエージェントだ?オマエ……そいつに雇われたか?」
神津島ナギサ:弓近達の近くに駆けより、警戒しながらその声を聞く。
弓近いおり:「そう、たった今、正式に雇われたところです」
折木秋果:倒れているのは折木秋果だ。話したことはあまりないが、知っている顔だ。
弓近いおり:両手を下に。袖からざらざらざらと、血の線で繋がれたナイフがぶら下がる。
弓近いおり:「姿を見せない人に褒められても、あんまり嬉しくありませんねー」
“バーデンバーデン”:「ギルドか、野良の素人野郎か……」ガン!
GM:ダダダダダダダダダン!!!
神津島ナギサ:「……」 意識は“バーデンバーデン”に。視線は時折弓近と秋果に。
GM:さらに一度の跳躍音の直後、これまでとは比較にならない量のスパイクの雨が降る!
弓近いおり:「こんにちわ~」ナギサに手を振るう。
神津島ナギサ:「え?……ぁ、こ、こんに」
神津島ナギサ:「……ちげえ!上!」
神津島ナギサ:上を見る。降り注ぐスパイク全てを焼きつくす為に力を溜める。
弓近いおり:「あ、これはちょっときついかもしれません」
弓近いおり:無数のスパイクを上に。余裕ある笑みを見せる。最低限、秋果さんは身を呈して助けるつもりだ。
遠藤篤美:登場したいと思います
GM:どうぞ!侵蝕率を上げてください。
遠藤篤美:44+1d10
DoubleCross : (44+1D10) → 44+8[8] → 52
弓近いおり:「ただ、バーデン×2さん。素人とは言いますけど、あなたも相当なものじゃないですかね」
弓近いおり:「オーヴァードが、わざわざワーディングを張るなんて。彼なら即座に、アマチュアと断じるところですよ」
遠藤篤美:ではそこに、ふらりとセーラー服姿の少女が姿を現します。
GM:ガギャガガガガガガガガガガガガン!!
遠藤篤美:「……うるさいよ。往来で何やってるんだい」
GM:そこらを盲滅法に破壊しながら、スパイクの雨が今まさに降り注いでいる。
GM:まるで針の林だ。
神津島ナギサ:「――!?」
神津島ナギサ:「おい、来るな!あっち行け!」
神津島ナギサ:「死ぬぞ!」
GM:バヂッ!
GM:ナギサの脛も、スパイクの余波に縫い付けられる!
遠藤篤美:「……ふん」倒れている秋果を見て瞬時に判断。影を伸ばし、スパイクに攻撃を与える!
神津島ナギサ:「ッぐ……」
弓近いおり:投げナイフで撃ち落としながら、スパイクがあちこちに刺さっている。
遠藤篤美:少女の姿をした影が、踊るような仕草でスパイクを爪で引っ掻く。
GM:3人のオーヴァードのレネゲイド出力で、致命傷になる攻撃を全て叩き落とした。
遠藤篤美:「最近、音楽は好きになったけど、騒音は嫌いなんだ」
GM:突如現れた三つ編みの少女のインタラプトがなければ、紙一重のところでやられていたかもしれない。
遠藤篤美:「僕の通り道の他所でやってね」
弓近いおり:「ほら、コホッ。……迂闊なワーディングは、こうして」「——オーヴァードの第三者を、呼び寄せてしまう」
“バーデンバーデン”:「……新手か……」
“バーデンバーデン”:「オマエらの側についたのは、運が良かっただけだ」
“バーデンバーデン”:「……」ガン!
GM:また一度反響音が響き、消える。
弓近いおり:スパイクを抜く。赤い電光と共にそれを血液で覆い、構築しなおす。秋果を護る籠に。
神津島ナギサ:「……」 しばらく警戒態勢を解かない。両手に青白い炎を生み出したまま身構える。
GM:先ほどのスパイクの嵐を目眩ましに、そもそも撤退する心づもりだったのだろう。
神津島ナギサ:「……行ったか。はぁ」
弓近いおり:「はあ。……怖かったですね。ぷんぷん」
遠藤篤美:「大丈夫かい。ついお邪魔しちゃったけど。何せあんまりうるさいものでね」二人に声をかけます。
弓近いおり:「いえいえ、とんでもありません。助かりました~」
神津島ナギサ:「あー……そう。うん。助かった」
弓近いおり:「腕っ節には自信が無いもので。まったく幸運でした」
神津島ナギサ:「自信のないって?あたしからすると、とてもそうは見えなかったけどな」
神津島ナギサ:倒れたままの秋果に目をやる。
遠藤篤美:「ただでさえ物騒なとこ、変な奴がいたもんだ。……君たちを狙ってたみたいだけど」ナギサと秋果を交互に見ます。
弓近いおり:よいしょと秋果さんを背負う。「いやいや。いっつも大道芸レベルだと言われてました」
遠藤篤美:「おや」ナギサを見て。
遠藤篤美:「君、確かイリーガルの人、だよね? なんだ、やっぱりこっちに味方して良かったんだ」
神津島ナギサ:「……なんだ、そっちも覚えてたのか」 こちらも一度UGNの仕事で顔を合わせて覚えている。
神津島ナギサ:仕事はそこまで頻繁に受けているわけではない。自ずと顔見知りの能力者は限られる……
神津島ナギサ:「狙われてたのはあたしだった。最初はね」
遠藤篤美:「最初は、か」するすると伸ばしていた影を足元に引き戻します。
GM:“バーデンバーデン”は、全くタイムラグなく、秋果をターゲットに切り替えました。
神津島ナギサ:「そう、最初は」
弓近いおり:「ナギサさんでしたね。折木家の……居候の」
弓近いおり:ちょっとp……って言い掛けた。
弓近いおり:「あのスパイクさんは、折木家の方を狙っていたようでした」
神津島ナギサ:幸い、その飛びだしかけた破裂音に気付く事はない。
神津島ナギサ:「そういうあんたは?その……坊ちゃんと一緒だったみたいだけど」
神津島ナギサ:「お友達って感じじゃ、ないよね」
弓近いおり:「いやはや、びっくりしました。助力するか自衛に徹するか迷っていましたら、いきなりこちらに矛先が向くものですから」
弓近いおり:「私ですか? 私はですね……」
弓近いおり:「あなた方と、似たような感じです。UGNに親身にさせて頂いている、フリーのオーヴァードです」
神津島ナギサ:「ふうん」 弓近を見る。
弓近いおり:「この近辺でしばらく活動するので、折木家の方とお近づきになろうとしたのですけど」
弓近いおり:ぺろ、と舌を出す。「折木家の皆さんがオーヴァードというわけではないのでした」
弓近いおり:「いやはや、うっかりです」
弓近いおり:「ですが結果的に、無辜の市民を守れたのですから、よしとしましょう」
遠藤篤美:「折木家か……そういえば、真夜子さんとちょっと喋ったっけ」
神津島ナギサ:考えてみると、この言葉が本当かどうか確かめる術などあたしにはない。
神津島ナギサ:あの狭い島から出てそこまで日が経っているわけじゃないのだ。しぶしぶ頷く。
神津島ナギサ:「お嬢さんと?」
神津島ナギサ:「なんだ。そうなると……大なり小なり、折木家の関係者だらけってことだな」
遠藤篤美:「うん、ほんのちょっとね。変わった人だね、あれは」興味を示していた早贄事件のことなど考えながら。
神津島ナギサ:「大いにね」 先程、自分がモルモットにされかけた事を思い出す。
弓近いおり:「とりあえず、場所を移しませんか? またさっきのスパイクさんが、戻ってこないとも限りません」
神津島ナギサ:「賛成。起きねーしな、秋果坊ちゃん」
遠藤篤美:「そうだね、往来で立ち話もなんだ」
神津島ナギサ:「こういう時はUGNに連絡しろって言われてるけど……もう。どうしたもんかなあ」
神津島ナギサ:この街のUGNに連絡すればじき真夜子お嬢様の耳にも情報が届く。
神津島ナギサ:“あたしは大丈夫、誰かが襲ってきたらボーボー燃やしてやる”と言った手前、ちょっと連絡しづらい。
弓近いおり:「秋果さんが起きるまで、どこかで休憩しましょうか」
遠藤篤美:「事情ありって感じだね。僕はどちらでも構わないよ。どっちみち、そう真面目なイリーガルでもないんだ」
GM:実際、ナギサも遠藤も
GM:事件のたびに任務をあてがわれるような、多忙なイリーガルではありません。
GM:逆に言えば任務をこなした数は少ない。イリーガルが駆り出されるような大規模事件が起こってこなかったということでもあります。
神津島ナギサ:「うん。場所は任せるよ。あたし、喫茶店くらいしか思い浮かばないし」
神津島ナギサ:弓近の方を見て、「……えーと」
神津島ナギサ:「名前」
弓近いおり:「ああ。弓近です。弓近いおり。こう見えても、情報屋とかやっちゃってます」
神津島ナギサ:「ふうん、情報屋。外にはそんな仕事もあるのか」
神津島ナギサ:「やっぱり情報を売るの?」
弓近いおり:「調べますし、売りますし、買いますし、ころ……コホン」
弓近いおり:「総合窓口というわけです」
神津島ナギサ:「ころ……?」 分かったような分からないような顔でふんふん頷く。
遠藤篤美:ナギサさんのその様子を見てくすっと笑います。
遠藤篤美:「僕も自己紹介しておこうか。遠藤篤美。清く正しい高校生だよ。一応ね」
神津島ナギサ:「な、なんだよ!何かおかしいのか」
弓近いおり:「よろしくおねがいしますね。篤美さん、ナギサさん」
遠藤篤美:「いやいや、なんていうか……かわいらしいなって」
神津島ナギサ:「……むう」 頬を赤くしてそっぽを向く。
神津島ナギサ:「よろしく」
遠藤篤美:「よろしく。皆さん」
GM:----
GM:シーン終了。ロイス取得と購入判定が可能になります。
神津島ナギサ:-ご近所さん/遠藤篤美/○好奇心/不安/ロイス
神津島ナギサ:いおりちゃんとはもうちょっと話してから取りたいな。なのでボディアーマー!
神津島ナギサ:2dx=>12
DoubleCross : (2R10[10]>=12) → 10[5,10]+7[7] → 17 → 成功
神津島ナギサ:アルティメイド服いけたんじゃ・・・
弓近いおり:折木家居候/神津島ナギサ/有為:○/ペット?/ロイス
神津島ナギサ:とにかく買えてしまいました。装備します。
遠藤篤美:ロイスはまだ保留、アルティメイド服を《無形の影》使用して購入判定します。
遠藤篤美:6dx+1=>20
DoubleCross : (6R10+1[10]>=20) → 10[1,1,1,7,9,10]+8[8]+1 → 19 → 失敗
神津島ナギサ:惜しい!
遠藤篤美:あああ財産点ない
遠藤篤美:残念。侵蝕率だけ3上昇します。
GM:では本日はここまで!
GM:お疲れ様でした。
神津島ナギサ:へい!おつかれさまでしたー!
弓近いおり:アクティベートを使って、グレネードランチャー買います。
弓近いおり:1dx+12>13
DoubleCross : (1R10+12[10]>13) → 4[4]+12 → 16 → 成功
弓近いおり:HP9消費。侵蝕4上昇。
どどんとふ:「GM」がログアウトしました。
どどんとふ:「遠藤篤美」がログアウトしました。
どどんとふ:「御剣凌駕」がログアウトしました。