■ハンドアウト ■PC1:名塚佑(PL:珪素) ・シナリオロイス:春月瑠璃(はるつき・るり) 推奨感情:P信頼/N不信感  君はQ町に住む女子高生で、魔術師の端くれだ。 数年前、君は名塚の家で毎年行われる『星唄(ほしうた)の儀』で不思議な声を聞き、 その身に"起源"の欠片――起源の三、"声"の力を宿した。 そして今、君の身の回りで不可思議な事件が多く起きている。 UGNの増援として派遣されてきた春月によると、 "声"を強奪するべく"結社"の魔術師が君の命を狙っているらしい。 幸い、君には頼れる仲間がいる。彼らと協力し、"結社"の魔術師を迎え撃つべきだろう。 ■PC2:水波賢哉(PL:白金) ・シナリオロイス:"歪みの手"ナザ・シルベストリ(推奨感情:P連帯感/N隔意)  今回のミッションは、君の友人である名塚佑を守る事である。 "結社"。君の所属するUGNとは異なるアプローチで、世界の神秘を隠匿する者たち。 その"結社"の魔術師が、名塚佑に宿る"起源"と呼ばれる力を奪う為、Q町に迫っているらしい。 UGNからは三人の増援が派遣された。君のもとにやってきたナザもそのうちの一人だ。 やることはシンプル。魔術師を倒し、友人を守る。それだけだ。 君は動き出す。藍坂紗良から投げられた『忘れてる事、ない?』という問いを引きずりながら。 ■PC3:朝比奈望(PL:中村) ・シナリオロイス:綾瀬春菜(推奨感情:P友情/N不安)  月代コヨミが姿を消した。それも、ひどく唐突にだ。 コヨミを探している最中、君は綾瀬春奈から奇妙な問いを投げかけられた。 『私たち、なにか忘れてないかな』『Q町って、前からこんな町だったっけ?』 ――何かがひっかかる。 思い出せるような、そうでないような。 携帯電話への着信が、君を非日常へと呼び戻した。 名塚佑の命を狙う"結社"の魔術師がQ町に侵入したらしい。日常を守るため、戦わなくては。 ■PC4:谷神錬磨(PL:ロケット商会) ・シナリオロイス:名塚清三(推奨感情:P信頼/N不信感)  最近天音の様子がおかしい。何か、重大な秘密を君に伝えるべきかソワソワしているようだ。 妹から事情を聞こうとする君だったが、折り悪く客人が現れる。 掴みどころのない白髪の青年だった。名を『名塚清三』……と名乗った。 はじめて聞く名前だが、ひどく馴染む。まるで何度も会っているかのように。 清三は、ひ孫の佑が"結社"から命を狙われている事を知り、UGNイリーガルの増援としてこの町へやってきたらしい。 桜生、水波からも似たような連絡が入っている。まずは清三を信用してもいいだろう。 --------------------------- ■OP01 これは数年前。まだ名塚佑が中学二年生だった頃の話だ。 つまり、まだ名塚佑がオーヴァードではなかった頃の話だ。 この頃の彼女は、祖父に教えてもらった『おまじない』の心得が多少あるだけの、平凡な女の子だった。 ――この日までは。 ---- 正月。某市にある名塚の本家。里帰りしたキミの前には、多くの親戚たちが集まってます。 「……お館様。佑が参りました」 「当主様。佑が参りました」 「――佑」 「一年ぶりだねえ、いやあ別嬪さんになって! 歳は幾つになったかな?」 「うーん、私はどうも警戒されているな。明星よりフレンドリーなのに」 「……当主様は苦手か? 佑」 「さて、佑。毎年恒例だから分かっているとは思うが――」 名塚の新年会では、"魔術"の心得のある者だけが毎年行っている、ちょっとした儀式がある。 "星唄の儀"。 庭の片隅にある蔵にたった一人で篭り、数分間静かに精神集中するおかしな儀式。 寒いし、薄暗いし、カビ臭い。なによりおかしいのは、これまでに"声"を聞いた者は一人もいないという点だ――君も含めて。 「"星唄の儀"。今年の一番手はお前だ。手水で手と口を清めたら、蔵へ行きたまえ」 「佑」 「声を聞き――"歌"をその身に宿した者こそが、名塚の次期当主となる」 「……お前には魔術の才があると、おじいちゃんは信じている。期待しているよ」 《見えざる道》。何の前触れもなく入ってくる。 「佑」 「……何があった」 「……素晴らしい」 「素晴らしい! やはり私の目に狂いはなかった」 「佑! おまえこそ名塚の正当なる後継者。"起源"の力を使いこなし、名塚の家を未来永劫の繁栄へと導く、真なる魔術師だ!」 「そうだよ佑。お前は今、本当の魔術師になったんだ」 「私や、お祖父ちゃんと同じようにね」 「次期当主は選定された。今年で星唄の儀も終了だ」 「そしてもっと良いニュースだが……お前が次期当主だ」 「しばらくQ町には帰れない。明日から此処に住み、魔術の修行をしなさい」 手筈は整えておく」 「ははははは……ほら言っただろう明星。佑はこういう子だと」 「雪彦。人を育てるのはお前の方が向いている――佑の修行についてはお前に一任するよ」 「名塚の魔術師、その極意、その秘奥。あまさず伝授しろ」 「はい」 「……佑。お前が宿したのは巨大な力だ」 「使いみちを間違え、もし力が暴走してしまったら。町ひとつを……ときには国すら消しされるだ 「なら、《力》を操れるようになれ。その力を支配するのだ」ろう」 「Q町に帰りたいなら、一日でもはやく《力》を支配しろ。そのための全てを伝授する」 「力を支配する。それが、力を得たものの責務と知れ」 そして現代。Q町、名塚佑の自室。 "また"だ。 ある時はリビング。あるときは枕元……知らないうちに手紙が置かれている。今週に入って、もう三度目。 とある一点を除いて、内容は毎回違う。読んでもいいし読まなくてもいいでしょう。 ---- 君は戻ってきたのだ。荒れ狂う《力》を制御し、祖父の許しを得て、このQ町へ。 『お前は東京へ行っていない』 最初は、なにかの暗号のような奇妙な文字の羅列だった。 今は違う。ハッキリと読める、普通の文章になっている。 まるでラジオの周波数が合うように。あるいは、遠くにいた人が少しずつ近寄ってきて、声が鮮明になっていくように。 『"声"を制御する術を身につけるため、本家で魔術の修行を積んでいただけだ』 『すべてが無意味だった』『お前にその力は制御できなかった。災いをもたらすだけの力だ』 『――お前は死ななければならない。Q町が滅びる前に、お前を殺す』 『私はその為にやってきた』 --------------------------- ■OP02(水波) Q町、水波賢哉のアパート。 普段は君と愛犬のサファイヤしかいない静かな空間だが、今はちょっと違う。 「というわけでー」 「"結社"の大まかな説明はそんなところです。われわれUGNとは成り立ちから何まで異なる能力者集団――それが"結社"」 「そこのオーヴァード。彼らの呼び名で言うところの"魔術師"さんが、名塚佑さんに宿った"起源"を殺してでも奪おうとしている……という、」 「バリバリにオカルトな話なんですけど。どうです? 状況、つたわりました? "デュエルカウント"さん」 「"ナザ"でいいですよー。このコードネーム、テキトーにつけてしまったからあまり好きではないんですよね」 「もっとカッコイイのにすればよかったかなぁ。"デュエルカウント"とか」 「フツーのオーヴァードが火力発電なら、"起源"を宿した者は核融合炉搭載……そんな感じだと、わたしは上司から聞いてるんですけど。ほんとですかねー?」 「私の能力、左手を使うんですよね。だから」 「うーん、詳しくはこれから調査することになると思いますけど」 「フツーのオーヴァードが火力発電なら、"起源"を宿した者は核融合炉搭載。みたいな感じ……らしいですよ?」 「はい、そうですね」 「どんな思惑があろうと、"起源"を奪われるのはなんとしても阻止しなければなりません」 「あ、今回から三丁目の公民館を貸し切って拠点にするそうです」 「私は一足先にそちらへ向かってますんでー!」 『やっほー。もしもーし』 『こちら藍坂です。賢哉隊員応答せよ。感度は良好ですかー?』 『いいなあ。私の携帯が悪いのかな……こっちはやたらと電波が悪いのよ』 『賢哉も私と同じタイミングで機種変してなかったっけ? そっちはバッテリーとか大丈夫?』 『あー、わかるー。 『朝は充電100%だったのに、お昼に見たら40%くらいだったりしない?』 『あっ、いけないんだー。せっかくの学校生活なんだから、友達とラインくらいしなさいよー』 集合は一時間後。少なくとも、君が恋人と話す時間は十分あるでしょう。 他愛のない雑談に花を咲かせるのも、遠距離恋愛特有の心地よい沈黙に身を任せるのも、君の自由だ。 『ふう』 『最近、そっちはどう? 何か変わった事とかあった?』 『賢哉さ』 『別に、怒ってるとかそういうわけじゃないんだけどさ』 『――――忘れてる事、ない?』 『そうだなぁ。んー』 「――――――――――――――たとえば」 不意に声が近くなる。 電話特有のくぐもった声ではない。まるで、藍坂紗良がすぐ側に居るような近さ。 「たとえば――」 「賢哉はお父さんの後任としてQ市の支部長をやっていて、私はその補佐役をやっている事とか」 「同じ職場で同じ苗字が二人いるとややこしいから、お父さんは母方の苗字を名乗っている事とか」 「Q市中央のセントラルタワー。表向きは市の施設をうたっているそこが、実はまるまるUGN支部だって事とか」 「……ツキガミ事件は既に終了している。そして、賢哉たち四人は"ツクヨミ"の最終起動実験に参加して、」 「ツキガミ様。月代コヨミの暴走に巻き込まれ、現在意識不明になっている――――と、か」 『聞こえた?』 電話越しに声がする。 『あー、ごめん! やっぱ電波悪いみたい!』 『っていうかやばっ。もうこんな時間じゃん……! バイトの支度しなきゃ!』 『賢哉。いまは離れ離れだけど、また賢哉と会える日を待ってるからね』 『本気で。私、やるって決めた事はやる女だから』 --------------------------- ■OP03(朝比奈) 「うーん、やっぱり居ないね」 「学校にもいないし、神社にもいない……どこ行ったのかな」 「それとも、残り二体のツキガミ……"青"だか"白"だかのせいなのかな……」 「望くん、他に思い当たるところある?」 「のどかでいいところだよね! Q町って」 「Q町って、ずっとこのままなのかな。それとも、いずれ再開発されたりするのかな?」 「ね、望くん。もしQ町が再開発されるなら、どんな町がいいと思う?」 のどかな町  「あははは。それじゃあ今とあんまり変わらないよ」 ハイテクな町  「……そうだね」  「多分、そうなるんだろうね。隣の、P市の高速道路。あれがQ町まで延長されるって話もあるし」 「……ねえ望くん」 「望くんが戦う時に使ってる弓、あるでしょ。あれ、どこで手に入れたの?」 「名前とかあるのかな」 「あり得るのかな」 「あ、ごめんね。別に望くんが嘘つきだーって言いたいわけじゃないんだけど!」 「だってそれ、死にそうになった時に見た幻覚とか、夢みたいなものでしょ?」「夢の中で掴んだものが現実に現れる。あり得るのかな」 「ねえ、望くん」 「覚えてるかな」 「――そうだね。"合ってる"」 不意に風が止む。 世界が息を呑んだかのように、すべての音が消え――無音の世界の中で、綾瀬春菜の口だけが動く。 「"合ってる"。"蒼雁"で合ってるよ」 『――――Q町は』 『"Q町"は昔の名前。再開発が終わった今の名前は、"Q市"』 『ツキガミ事件を解決したあと、Q市UGN支部は予定通り、R災害予測システム"ツクヨミ"にツキガミ様――コヨミちゃんを組み込んだ』 『……でも、それが間違いだった』 『ツキガミ様が暴走したせいで、望くん達はツクヨミ内に囚われ、意識不明状態になってる』 『暴走状態のツキガミ様を完全に殺せるのは、望くんが持っている神殺しの遺産。"蒼雁"だけ』 『――――何もできないわけがない。ツキガミ様を楽にしてあげられるのは、望くんだけなんだよ』 音が戻る。 「――聞こえた?」 「あ」 「私にも来たよ! 名塚さんが……」 「ゾウさん公園の横の公民館だって。行こう!」 --------------------------- もっと自分の描いてるモノに夢中になって、自分よりうまい人がいるとかそういうの気にならない感じで打ち込みたい ■OP04(練磨) 君はいま自宅にいる。学校から帰宅したばかりだ。 "赤"を倒してからしばらくは、新たな鬼が現れる様子もない。 すべてがいつも通りだ。 「……」 ――たびたび、物陰から君の様子を伺ってはピャッと逃げ出すのを繰り返す、谷神天音を除いては。 「えーと、えーと……」 「えっとね……これは、たとえ話。たとえ話なんですけど!」 「言わなきゃわからないことってあるでしょ? 冷蔵庫の、上から三段目に置いてあるプリンはあたしのだから食べないでね、とか」 「あ、でも、いいのかな……」 「とにかく! プリンには、ちゃんと張り紙とかすればいいんだけど!」 「張り紙もできないし、自分からも言えない。でも、あに様には気づいてほしい……そういうセンサイな問題なの!」 「そういう時ってどうしたらいいのかなって」 「あに様なら、どうしますか?」 「やあこんにちは」 「"はじめまして"。UGNの方から来た、名塚清三と言う者だ……谷神練磨くんはご在宅かな?」 「ああ、君が! これはまた、お会いできて光栄だ!」 「改めて自己紹介しよう。名塚清三……名塚佑の曽祖父の、名塚清三だ。よろしく!」 「改めて自己紹介しよう。名塚清三……名塚佑の曽祖父の、名塚清三だ。よろしく!」 「いや。出会って早々、奇妙な質問をするのを許してほしいのだけどね」 「君と私は、今日この瞬間が"はじめまして"で良かったかな?」 「うん。多分いまごろ、君の方にメールなりなんなりが入っていると思うんだが」 「佑が命を狙われている。"結社"の魔術師にだ……"結社"について、錬蔵から話は聞いているかな?」 「おっといけない」 「そう。私と錬蔵は古い友人だ。出会ったのは戦後間もない頃で……ま、この話は今度でいいだろう」 「いま重要なのは、佑についてだ」 「命を狙われている」 「ざっくり言えば、佑は"起源"と呼ばれる魔力炉を宿していてね。佑を殺して"起源"を強奪しようと目論む愚か者がいるのさ」 「可愛いひ孫の危機に黙ってはいられなくてね。助っ人――UGNイリーガルとして登録してもらい、この地へやってきたというわけだ」 「愚かすぎる。佑以外に御せるわけもないのに」 「詳しい話は道々話そう。朝比奈望や水波賢哉も一緒のほうがいいだろう」 「ああそうだ。最後にもう一つだけ聞いておきたいんだが」 「君は覚えているかな?」 不意に風が止む。 世界が息を呑んだかのように、すべての音が消え――無音の世界の中で、清三の口だけが動く。 『――自分が、Q"市"最強戦力のひとり――レベル5オーヴァードであること』 『ツキガミ事件は、君たちの手によってとっくに解決したこと』 『Q市UGN支部は予定通り、R災害予測システム"ツクヨミ"にツキガミ様――月代コヨミを組み込んだわけだが』 『ツキガミは再び暴走した。君らの精神だけが"ツクヨミ"内部に囚われ、現実世界では意識不明状態に陥っている――』 『"鬼"は月代コヨミだ。あれを倒さなければ、現実世界へは帰還できない』 藍坂紗良 「――ということを、覚えているかな?」 「そうかそうか。いやすまないね、変な事を聞いてしまった」 「まずは集合地点へ向かうとしよう。三丁目の公民館だそうだ!」 「なにぶん土地勘がないものでね。すまないが練磨君、道案内を頼むよ」 --------------------------- ■OP05(名塚II) 「――状況はそんな感じ。当面の敵は、あなたの命を狙う"結社"の魔術師ね」 「急にこんな事言われても、なかなか信じられないかしら」 「そ」「だいたい分かってはいたけど……けっこう強かなのね、あなた」 「……。今からするのは」 「今回のミッションとは全く関係のない……つまりわたしの興味本位から出た質問だから、答えなくてもいいのだけど」 「"起源"の力。この町に伝わる"ツキガミ"すら凌駕するかもしれない、禁断の果実……そんなものを突然宿してしまって、命を狙われている」 「不安だとか、恐ろしいだとか、捨てられるなら力なんて捨ててしまいたいだとか……」 「そういう気持ちは、あるのかしら」 力を支配するのは、力を得た者の義務。君の師、明星はそう言った。 だが、そもそもこんな力を得なければ、普通に暮らせたはずだ。君は。 「そう」 「うん。それを聞いて、ちょっと安心したわ」 「正直言って、私は戦闘向きの能力ではないのだけど。あなた達のサポートはできると思う」 「いっしょに頑張りましょう」 「あ、そうだ」 立ち止まる。 「ごめんなさい。大事な事を聞くの、忘れていたわ」 不意に風が止む。 世界が息を呑んだかのように、すべての音が消える。 無音の世界の中で、瑠璃の口だけが動く。 「あなたは覚えてる?」 (秘話で) 『Q"市"のこと』 『本来の事件のこと』 『現実世界でのツキガミ事件は、既にあなた達が解決したということ』 『事件終結後――R災害予測システム"ツクヨミ"の生体CPUになった、ツキガミ様。月代コヨミ』 『彼女が再暴走したせいで、あなた達四人の精神が"ツクヨミ"内に囚われている事――』 「覚えている?」 「うん。では行きましょう」 ---- Q町第二公民館。 普段は子供たちの遊び場、あるいは地域の社交場として賑わっている施設だが、今日はひどく静かだ。 それもそうだろう。今この場は、対"結社"の最前線基地となっているのだから。 君たちはそんな公民館の一角、大きな和室に集まっている。 「だいたいの状況はいま説明した通り。名塚さん……苗字が同じだと混乱しますね」 「佑さんを、"結社"の魔術師が狙っている。それを撃退するのが今回の仕事です」 最低限の説明。 君たちの前にはいくつかの紙資料。なんとなく、どどんとふの共有メモにも同じものがある気がする。 そういうことで、君たちは『結社・魔術師』について、ある程度事前知識があるものとして振る舞って良いでしょう。 「実際、"結社"の事はよくわかっていませんからね。手札は多い方がいい」 手元の資料をあおる。 「実際、"結社"の事はよくわかっていませんからね。手札は多い方がいい」 手元の資料をあおる。 「……しかし、実際"結社"の事はよくわかっていませんからね。手札は多い方がいいんですよ」 手元の資料を指差す。 -------------------------------------------- ■資料A:"結社"について UGNとは異なるアプローチで世界の神秘を保護・隠匿する魔術師集団。 例えば、(所持すると一般人でもエフェクトが使えるような)EXレネゲイドが宿った本を 『魔導書《グリモア》』と呼び、それを回収・研究する――など。 歴史は古い。少なくとも第二次大戦時には世界各地に拠点を持っており、 旧日本軍のレ号計画――レネゲイドを用いた兵力増強計画にも関わっている。 ただし、文化は極めて閉鎖的な上、独自的。 ひとことで言ってしまえば、目的の為なら手段を選ばないろくでなしが多い。 ■資料B:魔術師について 魔法を回すもの。魔術を編むもの。 "結社"の主な構成員であり、求道者であり、戦闘員。それが魔術師である。  彼らの言うところの『魔術』が一般的な『エフェクト』の別呼称に過ぎないのか、 それとも古のソロモン王のように本当の『魔術』を使っているのかは不明。 ただ、"結社"を抜けた魔術師がUGNエージェントと共闘してジャームを倒したという事例がある。 これを考えると、魔術師の能力はおおむねオーヴァードに準ずるものと考えて良いだろう。 資料Aの通り、"結社"は独自の文化を持っているため、魔術師の価値観も通常の人間とはやや異なる。 ひとことで言ってしまえば、ろくでなしが多い。 なお、UGNにUGNイリーガルが居るように "結社"に属さない、あるいは"結社"を脱退したフリーランスの魔術師も多少存在する。 -------------------------------------------- ■UGNから派遣された増援について <情報:UGN><情報:噂話>難易度11 ◎名塚佑が宿す"起源"について <情報:噂話><知識:レネゲイド>難易度6 ■春月瑠璃について <情報:UGN><情報:噂話>難易度6 ◎名塚清三について <情報:裏社会><情報:UGN>難易度7  ◎名塚清三が進めている怪しげな儀式について <情報:UGN><情報:噂話>難易度14 ■UGNから派遣された増援について <情報:UGN><情報:噂話>難易度11 ■"歪みの手"ナザ・シルベストリについて <情報:UGN><情報:噂話>難易度8 次のシーンです。清三が進めている怪しげな儀式について調査しにいくやつ。 これは……どうしようかな。 担当さんに八つ裂きにされてしまうので、僕は小説作業に戻ります! 「――君の力は強い。破壊力や殺傷力なら、谷神錬磨や谷神天音をすら凌ぐと思う」 「……怒ってるわけじゃない。ただ、その甘さは命取りになるかもしれない」 「何を救い、何を殺すのか」 「今日の平和を明日へと繋ぎたいなら……平和な日常を守りたいなら」 「殺すべき相手は殺したまえ」 ふいに距離が離れる。 《惑いの庭》を解除。 いつの間にか、飛び退いた距離通り、数メートル離れたところに清三が立っている。ゆっくりと笑う。 「おじいちゃんからの忠告だよ」 にっこりと笑う。 「さっき佑さん、真っ先に"水波くんついてきて"って言ってましたよね?」 「寂しい、ねー。佑さん、真っ先に"水波くんついてきて"って言ってましたから」 「てっきりコイビト同士とかそういうのなのかな?と思ってました」 意志で難易度9。 失敗すると侵食率が1d5上昇します。 『―――。――――、――――――』 『――ル、サー・レム、ネフ。万象の檻、縛鎖の光、この地へ宿れ』『囲え、夢幻の茨』『封ぜよ。異界への道を』  <情報:噂話><知識:レネゲイド>難易度6 -------------------------------------------- ■名塚佑が宿す"起源"について 高圧縮レネゲイド物質。大小様々なものが世界中に散らばっており、間接/直接接触した者を《起源種》へ変える。 "結社"はそのうちいくつかの『オリジナル』とも呼ぶべきものを保護、隔離している。 適合者に強力な空間操作の力を与える、起源の十一、"右手"。 あらゆる過去を視る力を与える、起源の七、"目"。これは1944年に旧日本軍の実験で使用し、適合者と同化済み。 実体を持たない不可視の存在、起源の三、"声"。1970年頃に突如消失。 これら『オリジナル』は、適合者に《起源種》としての特性を付与するほか 制御次第で町一つを軽く消しされるほどの驚異的な力を秘めているとされる。  <情報:UGN><情報:噂話>難易度7 ■UGNから派遣された増援について "起源の力"の危険性は、UGN上層部も認識している。 "起源"の争奪戦により、万が一にも力の暴走があってはならない。 今回、名塚佑が狙われている事を重く見たUGN上層部は、Q町へ増援を派遣した。 今回、Q町へ派遣されたのは二名。 ナザ・シルベストリと春月瑠璃である。 ■"歪みの手"ナザ・シルベストリについて <情報:UGN><情報:噂話>難易度6 イギリス生まれのUGNチルドレン。15歳。 ピュアバロールの空間使いで、右手で空間をひっかくようにする事で空間の裂け目を自在に生み出し、防御や攻撃を行う。 魔術に関する造詣が深く、今回の事件の増援にはうってつけと判断されてQ町へ派遣された。  <情報:UGN><情報:噂話>難易度6 ■春月瑠璃について Q町生まれのUGNイリーガル。外見年齢は17歳前後。 町外で暮らしていたところで今回の事件があり、UGNから依頼を受けてQ町に戻ってきた形となる。君たちと出会うのも今回が初。 能力はサポート特化。 双方向テレパシーと若干の未来視能力があり、これによって攻防両面を効果的にサポート可能。 魔術や"結社"に関する知識は皆無だが、Q町の土地勘がある事もあって今回の事件の増援として参加した。  <情報:裏社会><情報:UGN>難易度7 ■名塚清三について 1924年生まれのオーヴァード。外見年齢は19歳前後、シンドロームは不明。 第二次大戦末期、日本陸軍が"結社"の支援を受けて進めていた『超兵計画』の実験体に志願。起源の七、"目"を宿す魔術師となった。 終戦後はしばらく"結社"に身を置き、上級幹部とも言える罷免達人《アデプタス・イグセンプタス》の位階を授かったが 1970年ごろ、家族との時間を大切にするために脱退。以後は名誉構成員に。 現在は名塚の家で後継者の育成に心血を注いでいる。 戦争で両親や兄妹を失ったため家族を想う気持ちは強いが、魔術師らしく一般倫理がやや欠けている。 少なくとも、現在Q町にいるメンバーの中では一番"結社"に近い、疑わしい人物である。 ■調査報告:名塚清三が進めている怪しげな儀式について 谷神邸付近にある山で怪しげな儀式を行っていた事が、佑・水波・ナザによって確認された。 儀式の詳細は不明。だがあからさまに魔術的な儀式であり、結界のようなものを作り上げているらしい。 事実、結界の近くでは三名のレネゲイドが不必要に励起された上、 ナザのエフェクト発動が不安定になっていたという報告がある。 最悪の場合、Q町全体がこの結界に覆われる事も考慮すべきだろう。 【説明か。説明したいのは山々なんだが、人の目があるところだと――】【あれ?】 【お前の為を思ってだよ! もう!】 【うん。じゃあ簡潔に説明するとしよう】 【ナザは裏切り者だ】 【"結社"の大達人《アデプタス・メイジャー》。じきにお前を殺しにかかるから、気をつけなさい】 【あと、月代コヨミも危険だ。じきに殺さないといけない】 【彼女の前では無害を装いたまえ】 ---------------------------------------- ・UGNから派遣されるのはナザと春月、この二人の予定だったらしい(情報1) ・名塚清三は魔術師。それも元は"結社"の被免達人――つまり上級幹部のようなもの(情報2)。  第二次大戦中に"起源"を身に宿し"結社"に入ったが、現在は籍を置いているのみで殆ど結社とは関わっていない。  弟子を取るわけでもなく、もっぱら後継者育成に心血を注いでいるようだ。 ・しかも名塚清三、Q町の数ヶ所(谷神君の家、UGN訓練場、神社)で怪しげな魔術儀式をやっているらしい(情報3) 君たちは再度、拠点の公民館に集まっている。和室に全員が集まって早々、ナザが声をあげた。 「――清三さんの町外追放を提案します!」 「なんと。愚かすぎる」 「佑。なんとか言ってやりなさい」 「そうそう、私は……なんだって?」「それはあんまりじゃないかね?」 「どこに送り込んだのかしら?」 「アヨーディヤーです」「あ、インドですね!」 「……んもー」「この指輪、対・名塚佑の切り札だったのになあ」 「まっ、いいか。佑さんも他の人達も、見たところ大した敵じゃなさそうだし」 「狩ろうっと」 MF01 : 合流シーン。公民館に集合。 MF02 : 情報収集。清三怪しくない? MF03 : 情報収集。清三怪しいだろ…… MF04 : 情報収集。清三、追い出される。 MF05 : ミドル戦闘。邪魔者がいなくなったので無敵だ死ね MF06 : マスターシーン。ナザ、死亡。 MF07 : 情報収集。ナザ死亡、毒蜘蛛情報(30)。RHO公開。 MF08 : RHOシーン。 MF09 : 毒蜘蛛情報開示。 CF : クライマックス戦闘。 ■討伐派 「ツキガミについて? ウーン」「滅ぼしちゃっていいんじゃない?」 「いやあ。だって、私の可愛いひ孫があと一歩で殺されるところだったんだよ?」 「あやうく名塚一族の未来が潰えるところだった。私はあまり感情を表に出さないタイプだが、絶対に許せないと思っているよ」 「そもそも、もう神とかそういう時代じゃないだろう。メルヘンやファンタジーじゃないんだから」 「倒すしかない――と思っているわ」 「彼女は本物の神様なんだと思う。Q町を、Q市を見守ってきて、人々の営みを愛している」 「でも今は違う」「強大な力を抑えられなくなった神様は、いわゆる"鬼"とか"悪魔"って呼ばれる存在だわ」 「彼女の願いがQ町の人々を守る事なら、それこそ彼女の意思を尊重して、彼女を倒さなければ……と思う」 ■保護派 --------------------------- マイナーで《ダークマター》。ダイスを増加。(+6) 13dx7+5 《コンセントレイト:バロール》《黒星の門》《黒の鉄槌》《アンプリフィケイション》《インビジブルハンド》。 狙いは、そうだなー。誰にしようかなあ。 朝比奈くんを狙います。 「とりあえずアタッカーを狙う……のは、基本ですよねー」 4d10+48 nd10+25+20+3 「あ、無駄ですよー」 "悪意の伝染"。シーンを封鎖。 シーン終了まで、あらゆるPC/NPCの登場を封印します。増援は来ない。 「空間魔術! ことそちらの分野において、私を上回る魔術師はあんまりいませんから!」 「オバカな人たちですね〜! もー!」 「奇遇ですね〜。私も、この仕事が失敗したらお師様に怒られちゃうんですよ」 「……ふん」 友達、という言葉に眉をひそめる。 「じゃ、改めてご挨拶を」 「私はナザ。"結社"グリデイン派の第四位、大達人《アデプタス・メイジャー》。起源の十一、"右手"を宿すもの――"大虚歪腕"ナザ・シルベストリ」 「我が主、グリデイン・R・メイヤーの命により、名塚佑の"起源"を回収しに参りました」 「――――死んでいただきますねー。ふふ!」 --------------------------- 戦闘を開始します。ナザとの距離は10m。 ---- ナザ 10m 名塚 水波 朝比奈 谷神 ---- なお、ナザは最初の一撃+シーン封鎖でメジャーアクションを消費してるものとします。 セットアップから参りましょう。セットアップ。 《爆裂重力》《赤方偏移世界》《空間圧縮》。攻撃力と行動値を増加させつつ、戦闘移動。 38m戦闘移動します。君たちの背後10m。 「彼の言葉はまったく信じられない。空術を阻害する結界を張られる前に、ケリをつけないと……ね」 ---- 名塚 水波 朝比奈 10m ナザ 谷神 ---- 「ふーん。じゃ、いっか」 「うーん、あんまり殺したくはないんですけど。まあ、仕事ですし」 夕食のメニューを選ぶくらいの気軽さで言う。 じゃあ、イニシアチブですね。行動値順に、 《時間凍結》。HP20を消費して行動。 まずマイナーで《盾なる力場》。盾を生成して装備します。 「ふふ」「言いませんでしたっけ私。言いましたよね?」 「"アタッカーがいないといざという時に危険だから、私も行きます"」 「"こう見えても火力はあるんです"――って」 メジャーで《黒星粉砕》。対象はPC全員。判定なしの必中です。 リアクションは不能ですが、オートアクションは可能。何かありますか? ――本来、空間に隙間は存在しない。そこに無理やりクラックを作りだすのが、空間使い。 世界の復元力で、クラックは即座に修復される――が。 「運悪く挟まれちゃった人は、どうなるんでしょうね?」 軽く、右手で空を掴むような動作をする。それだけで、 9d10+100 《爆裂重力》が乗ってます。装甲無視のHPダメージ。 ――断層! 黒い稲妻のような"断層"が一瞬だけ走り、君たち全員を飲み込み――閉じる! 「うーん、やりますね! 並の使い手なら今の一撃でケリがついてるのに」 「ま、"声"の適合者とそれを守護するメンバーですからね。これくらいやってくれなきゃあ!」 見た目からは分からないが、衝撃を『他の空間』へ逃している。 80%  「え、ええー……こんなものなんですか?」  「こんなのに倒されるなんて、"ツキガミ"さんも大したものじゃないのかなあ」 50%  「ふふーん、いいですねその顔。ナザちゃんもちょっと本気を出したくなってきました」  「でも……まだまだ。全然、ラクショーですよ!」 20%  「……なるほど」  「勝てないわけじゃない……勝てないわけじゃないけど、認めてあげます。まあまあ強いです、あなた達」  「舐めプはしない方がいいみたいですね。万全の体勢で挑むとしましょう」 「負けない……そうですかあ? じゃ、 「今夜0時に裏山のUGN演習場まで来てください。来なかった場合、Q町全体にさっきのクラックを開きます。無差別に」 「え、やらないです。痛いのイヤだし……」 《ディメンジョンゲート》。 "破壊神顕現"。Q町全体を覆う結界を作り出す。 「 「儀式をしてたのは清三さんだけじゃないんですよねー。私も、あらかじめ細工をしておきました」 「もし0時に 『……しかし、分からないですねー』 『本来』 『増援としてQ町に来るのは、境……境ナントカ太郎って人ひとりのはずでした』 『だから色々と手をつくして、私が増援でーすって事にしたわけなんですけど』 『びっくりしますよね。元被免達人の名塚清三はいるし、春月とかいうお姉さんも湧いて出るし』 「――――"どこから来たんです"? あの二人」 魔術師は、ろくでなしが多い。そして――常識や倫理観といったものを切り離して行動できる。 「ま、いいか。両方インドに放り捨ててきましたし」 ここで、ゲーム的なアナウンスを一つ行います。 このナザ・シルベストリ、現時点で戦うにはちょっと強めな感じでデータを盛っ……盛って……盛っており 削りきった残HPに応じてボーナス経験点を配布する予定でした。 ■ナザ・シルベストリ HP120、装甲8 1ラウンドが経過するか残HP50で撤退 いまのうちに、ゲーム的なアナウンスを一つ行います。 残りHPが……『80%以下:経験点0』『50%以下:経験点1』『20%以下:経験点2』『討伐成功:経験点3』 「――!」 《ショックアブソーブ》。HPダメージを25軽減。 《リミテッドイモータル》《ダークマター》。HPを10回復し、ダイスを増加。 93-25-8-15=45 45ダメージ、62ダメージ、18 107ダメージ 「そーですねー。まあ」 右手でさっと軌道をなぞるようにする。 「距離とか、無意味なんですけどっ!」 107-45=62 62-54=8 《灰色の庭》。**の行動値を-9。 マイナーで《盾なる力場》。盾を生成して装備。 (ガード値15) 「あははは! そっちですか。それはご安心を!」 「持ちます」「魔術師っていうのは、そういうものですから」 「"擬似ソロモンの指輪"使いとか……まあ、どうでもいいか」 --------------------------- 山の一角。かつて"赤"に操られた天音と戦った地、UGN演習場。 だだっぴろい広場の片隅――切り株に少女が腰掛けている。 「さすがに油断しちゃったかなあ。かるーく捻ってやれると思ってたんだけど、舐めプが過ぎたよね」 「魔術師が自分の領域外でソロ戦闘する……とか。ガンダルフじゃないんだから」 右手を一振りすると、広場をドーム状の結界が覆う。 入るのは容易いが、出るのは難しい――そんな空間操作を、数百メートル規模で軽々と行っている。 「ふんふーん♪ よし、お出迎えの準備は完了っと!」 「全員で来るか、佑さん一人で来るか……どっちにしてもやることは同じ」 「殺して奪う。それだけ、っと」 「……」 ナザが空を仰ぐ。月光に透かすように右手をかざす。 「握手、かあ」 「最後にフツーに握手したの、いつでしたっけ」 「"結社"に入ったのが三歳の頃で……あれ? もしかして、あれが初握手なのかな?」 「うぇへへへへ」 右手を夕日にかざしてニヤニヤする。 「……誘ったら」 「誘ったら来てくれないですかね。水波さん。私といっしょに」 「来てくれたら佑さんは見逃してあげますよー、とかそういう条件で……いや、コレはだめだなぁ。お師様に怒られちゃう」 「はぁ〜〜〜〜〜〜あ」 「……"起源"なんて要らない」「魔術師になんて、なりたくなかったなぁ」 ザク、ザク。 足音が近づいてくる。やがて、ナザの前に人影が現れた。 「お」 「いいですねえ、忠告通り一人で来ましたか! 言うことを聞いてくれる人はナザちゃん大好きです!」 「えーと、とりあえず隣町までゲートで移動しますねー」 「そこからは、」 『私だ』 「はい?」 『殺すのは、私だ』 ザク、ザク、ザク。 人影が増える。二、三、四人。 「……ナザちゃんがっかりです」 「力の差はさっきの戦闘で思い知ったはずなのに。 おバカさんですね〜」 「でも忠告はしましたからね! 私は悪くないですよ!」 「残念ですけどここで全員――――」 ナザの言葉が止まる。 真正面を見据えていたナザの視線が、ゆっくりと"上"へと移動していく。 「……」「なんだそれ」 『殺すのは私だ』 『邪魔をするなら、お前から』 『死ね』 「――――ぎッ」 「――――ゃあああァああアアアああああああッ!」 --------------------------- もともとは人体のパーツだったと"思われる"、何かがところどころに散乱している。 それだけだ。『殺意』という表現が生易しく感じられるほど、完膚なきまでに――原型を留めぬレベルで――破壊されている。 パーツの一部、長い金髪。それだけがナザ・シルベストリの名残といえるだろう。 「ふう。ただいま」 「ナザ君はどうなった? やはり襲いかかってきただろう?」「倒したかね?」 「待った待った待った」 「説明はする、するよ! ナザ・シルベストリ……彼女だけがど〜〜〜しても邪魔だったんだ」 「彼女は襲ってきて、我々は襲ってこない。我々は味方だ」 「谷神くん水波くん朝比奈くん! 君もこの小動物系ひ孫を落ち着かせてくれ!」 「フーッ、ありがとう! それでだ」 「話すことが多すぎて、何から説明しようか迷っている。そもそも佑?」 「――ナザ殺しの犯人については、お前から明かした方がいいんじゃないかね?」 「こうなる事は、最初から全部知っていたのだから。お前は」 「……佑さん。話したくないなら、私からするけど」 ということで、次のシーンはRHO専用シーン。佑ちゃんの回想シーンとなります。 「どこで誰が聞いているか分かったものではないのでね。ここまでは最低限のやり取りしかできなかった」 「しかしナザが殺され……彼女を殺した"毒蜘蛛"は、おそらく、力を蓄える為に巣へ戻っている」  「あと、偽装シェルも無事にロードされた。これで月代コヨミの目も欺ける」 「これでようやく、落ち着いて話ができるというわけさ」 「そういう事だね。"毒蜘蛛"……この呼び方は嫌いだな」 「"向こうの佑"は、強い罪悪感と責任感にとらわれている」「自分がQ町を滅ぼしてしまったという罪悪感と、元凶を殺さねばという責任感だ」 「罪滅ぼしのつもりなんだろうね。彼女はあらゆる時空を渡り歩き、あらゆる時空の"名塚佑"を抹殺するつもりだ」 「全部殺せば"声"は暴走しない。Q町も滅びない……そんなところかな」 「だから、最初に言ったわよね。私は」 「"彼女はもう、殺して救うしかない"――ヒトに戻る術はないの」 「水波くんもUGNなら分かっているでしょう。ジャームは殺すしかないという事を」 「まだ彼は記憶が不完全らしい」 「不完全ということは、月代コヨミの支配下にあるということだ。そこから情報が漏れるとマズい」 「非常に残念だが、彼抜きで話を進めよう」 「さて。じゃあ、改めて説明しよう。本来君たちが所属しているのは、Q"市"UGN支部だ」 「あっダメだこれ! シーッ! シーッ!」 「やっぱダメだ……まだ偽装が完璧ではない。迂闊に喋ると"ツキガミ様"にバレる……」 「……多少は話せる。ひとりひとつ。ひとりひとつにしよう」 「一人一つの質疑応答タイムを設ける。なんでも質問してくれたまえ」 「生きてるよ。そもそも仮想空間において"生きている"という表現が正しければね」 「この空間――10年前のQ市を再現した《Q町ステージ》は、VR・災害予想システム"ツクヨミ"が作り出したものだ」 「管理者のツキガミ様――月代コヨミの目は、偽装シェルを走らせて誤魔化している。いま彼女は、架空の君たちと共に事件を解決しているはずだ」 「ああ、最後にひとつ」 「……この事件は本物だ」 「ツクヨミは、あらゆる事象、あらゆる可能性を詠み、VR空間上に再現する」 「一歩間違えれば、現実世界でもこれと同じことが起こるということだ」 「"結社"の悪意も。"毒蜘蛛"の殺意も。すべてが本物」 「"全部ニセモノだからいいや"なんてゲーム脳にならず、殺意を受け止めてくれたまえ」 --------------------------- ------------- QP04 現実世界へ帰還。 ------------- QP05 回想。過去に何があったかを思い出す。 ------------- QP06  抹消派:清三、紗良  穏健派:天音、春菜   中立:桜生 「いま、UGN内部では意見が二つに割れています。ひとつは"ツキガミをただちに抹消するべきだ"という意見」 「"ツクヨミ"のデータを完全初期化ーーそれにともない、メインコアと同化している"ツキガミ様"、月代コヨミを完全に消去します」 「主な提唱者は紗良や清三さんですね」 「もう一つは、ツキガミ様を尊重しようという意見です」 「"ツクヨミ"と同化する前のコヨミちゃんは、このような蛮勇に至るような性格には見えませんでした。理性的で、常にQ市の事を考えていた」 「今回の暴走には何か理由があるのではないか。そこを解き明かすまで、処分は一時保留すべきだという考えです。提唱者は天音ちゃんや綾瀬さん」 「やはり地元民ですからね。ドライに神様を切り捨てる気にはならないようです」 「私? 私ですか。ははは」 「私はほら、支部長の座を水波くんに譲った身ですからね。中立ですよ、中立!」 「あと、私が加わるとどちらかにパワーバランスが偏ってしまいますからね」 「最後の決定権は貴方達にある。少なくとも私はそう考えています」 ということで、皆さんは選択する事ができます。 街の平和を守るため、ツキガミを殺すか。 リスクを背負ってでも、月代コヨミの真意を探るか。 そうですねえ。GMとしては全員一致でどっちかのルートを選んでくれるとラクなんですが、 まあ、そうもいかないでしょうw PC的にもPL的にも考えがあるでしょうし。 で、ゲーム的にぶっちゃけると、ルートは三つ用意してあります。 (A) ツキガミ抹殺ルート (B) ツキガミ保護ルート (C) 何人かがA、残りがBのルート Cルートは少しの間パーティが分裂します。が、本セッションのクライマックスまでには合流します。 なので、ツキガミを殺すか。コヨミを守るか。各々が好きなルートを選ぶと良いでしょう。見学室で相談とかもしてください。 相談している間、GMは現時点で得ている情報をもう一度整理することにします。 ■事件の発端は半年前 君達は5話でやった通りの流れでツキガミの欠片を倒していった。 ■何故この事件が起きたのか 5話でコヨミが話した通り、ツキガミの侵攻が弱まり、コヨミが力を押さえきれなくなった為。 ■四つの力を回収したあと、コヨミは…… これ以上迷惑はかけられない。"ツクヨミ"に入り 秘密をさらっと話す 「我々が憎いかね?」 「言ったはずだ。俺は……"理由のない悪意"だと」 「十年。たった十年で……なんでそんな大切な事を隠すんだ!?」 「報せた結果引き起こされるパニックが想像できんのか! 人々は自分の身を守る為だけに暴徒と化す。ヘルヘイムに侵略されるまでもなく文明は崩壊する」 「たとえ破滅の危機にひんしても互いに憎み合い争う事をやめられない、それが人間だ!  戦争、宗教、民族の違い。抱えている問題をすべて棚上げにしてヘルヘイムの脅威に立ち向かうなど――不可能な話だと思わないか?」 「だからユグドラシルがすべてを担う。世界を救う責任を何よりも公平に果たせるのは我々だけだ」 「こんな時だからこそ……みんなが一つになって立ち向かわなきゃいけないんじゃないのか……!?」 「俺は何も納得していない! そもそも、なんでこの世界を守る必要がある」戦うことを忘れた者に生きる資格などない」 「なるほど! お前はそういう奴か!」 「ようやく分かったわ。プロフェッサーがあなたを生み出した理由が」 「君ならそう答えると思っていたよ。期待通りだ、駆紋戒斗くん」 「改めて歓迎しよう。我らが同志よ――これからは我々と共に野望の道を歩もうじゃないか」 「目的が正しくたって! やり方を間違えたら意味がない!」 「やっとわかった。ヘルヘイムの秘密も、世界のピンチも! ユグドラシルには任せておけない!」 「じゃあお前は――俺達の敵って事でいいなァ?」 「なんだよそれ……! 何も知らない60億を、あんた達は見殺しに……!」 「見殺し? そんな甘い事はしない。だって先行きインベスになるってわかりきってる連中だよ?  放っておいたら生き残った人類の脅威になるじゃないか」 「……まさかお前ら……」 「そう。10年間のうちに人類の総人口を1/7にまで削減する」 ------------- 『逃げられると思っているのか』 「 「……言葉は無意味だ。話したところで理解など得られまい」 「望」「練磨」「佑」「賢哉」 「我は――――」 ------------------------------ "ツキガミ"月代コヨミ 10m 朝比奈 谷神 名塚 水波 ------------------------------ 「我はッ! Q町を守るために、お前たちを殺す!」 「ここから逃げるというなら、もはや手段を選んでなどいられぬ……! ここで骸を晒せッ!」 「理由? そんなもの、"黒"や"赤"と同じよ」 「ツキガミ信仰は衰え、我の力もなくなりつつある。我はいずれ全ての力を失い、消滅するだろう」 「長きに渡りQ町の守り神だった我が消える。死ぬのだ。 恐ろしい――――そして、許せぬ」 「神を敬う事を忘れた人間どもが許せぬ!」 「だが! 信仰なくとも力を得る手はある。強力なオーヴァードを取り込めば良い」 「貴様ら四人! Q町を守る最上級戦力、レベルV! これ以上ふさわしい生贄はあるまいよ!」 「そして我は君臨する。Q町を支配する神として、これからも永遠に!」 「……」 「ならばそう思っているのがよかろう」 「そう思いながら――」「死ぬがいい!」 「……あ」 「やっと来た! 遅いよもー……!」 「のぞみー! "蒼雁"の性能調整パッチのこと、覚えてるよね!」 「あれがようやく全完了した。今の"蒼雁"は現実世界のものと全く同じ――神すら燃やし尽くせる弓だ!」 「今のキミならコヨミを殺しきれる。少なくとも、確実に行動不能にできる!」 「現実世界に帰還するチャンスは今しかないわ。ここで捕まればそれで終わり……それはキミだってわかってるでしょ?」 「――撃ちなさい朝比奈くん! 未来は、自分自身の手で掴み取るしかないの!」 『朝比奈望くん?」「分かっているだろうが、あれはただの、"イカれたジャーム"だ。カミサマなんかじゃない』 『人里に降りてきた熊やイノシシと同じさ。駆除していいやつなんだよ――わかるね?』 『殺りたまえ。速やかに』 (望くん) (どちらを選ぶにしても――――後悔のないようにね) 「迷うなー! やれぇー!」 11/10(金)と11/11(土)については11/8(水)夜のセッション終了時に改めて相談しましょう。よろしくお願いします。 @rocket_shoukai @nakamuraou @siro513 @keiso_silicon14 クオンペーン! 3話の日程ですが、日程表を見ると11/14(火)、11/15(水)が空いてるように見えるので、初回はそこの21時〜を想定してます。 @rocket_shoukai @nakamuraou @siro513 @keiso_silicon14 あと、直前なのでおそらく難しいと思いますが、どうも明日 11/12(日) が全員OKなようです。もしいけるなら明日開始でもいい気がしますが、明日は皆さんどうでしょうか? 昼開始なら13時、夜開始なら21時開始を想定してます。 @rocket_shoukai @nakamuraou @siro513 @keiso_silicon14 もし明日やる場合、昼開始なら13時。夜開始なら21時開始がいいのかなーと想定してます。明日のご予定を教えていただきたい! 「ああ、同感だ」 「……私も怖い。孫が、"起源"を宿すとはな……」 名塚(かわいい方)→水波→朝比奈→谷神→名塚 かな。 決勝戦で戦った人がどっちもプロ作家になってるダンゲロスSSC1もよろしくね! 「んん? 情報操作の手順を間違えたのかな……?」 「ああそうだとも。UGNイリーガルの登録をして、UGNから派遣され……された、という設定のはずだったんだけどなあ」 「はっはっは、そうかそうか! 可愛いやつだなあ」 「ま、いいさ。 「怪しまれてるみたいだから私はここで大人しくしているとして。あの儀式について、やっぱり少しだけ話しておこう」 「あの儀式はね。端的に言うと、《空間の圧を強める》ものなんだ。空間使いって居るだろ?」 「空間を歪めて攻撃するのを阻止する。空間を通って逃げるのを阻止する。そういう結界を張ったんだ」 「そーですねー」 「……はあ」 自嘲気味にため息をつく。 「じゃあ一つ! あなたの為に忠告をしてあげます」 「いーんです望さん。絶対的な真実があります」 「……お礼に、ひとつだけ」 「あなたや、あなたの大事な存在を傷つけようとする者は、間違いなく敵です」 「迷ったら……そういう"間違いなく敵"って奴を殺すんですよー」「じゃないと、あなたが死にますからね!」